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2010年12月18日 (土)

満足と物足りなさとの「達陀」

1214日 十二月大歌舞伎昼の部(日生劇場)
この日の座席はグランドサークル(GC)席。一度、ここで見たかったのだ。花道がよく見えるようにと上手を取ったのだが、実際に劇場に入ってみると下手でも花道は見えたかも、少しでも花道に近い下手にすればよかったかな、と思ったけれど、上手でバッチリ満足。
まず、とにかく舞台が近いことにビックリする。1階席でいうと7列目くらいなのだけど、1階で見るよりずっと見やすかったのではないだろうか。

「達陀」はGC席のメリットが最大限に得られたと思う。舞台中央に区切られた礼堂は口が狭いため右側は見えなかったが、それでも舞台に近いことで迫力が、上から見ることで群舞の魅力がたっぷり味わえた。
松緑さんは花道を歩く姿がもう清々しい。亀寿さんは凛々しい。
青衣の女人との場面は初日ウトウトしてしまったが、今回はちゃんと見た。時様は指がとても綺麗だった。なんて言うんだろう、5本の指の長さのバランスがきれいな気がしたのだ。そのきれいなバランスの指が滑らかに動くから全体に綺麗なのだ。明らかに集慶とはかつて男女の仲だったという空気が漂っているのに、時様の色気は妖艶というよりは清潔で、幻想的である。悲しげに姿を消す青衣の女人はちょっとかわいそうだった。
群舞では右近クンの踊りが私には快く、ほとんどず~っと目が離せなかった。上から見る利点はそれでも他の人も目に入るということで、右近クンの隣にいた巳之助クンの踊りもすごく魅力的だった。
右近クンは動きが凛々しくきびきびして、一つ一つの動きがしゅっと空気を切る音がしそうなほど。同じ女方役者である梅枝クンはこれに対し動きがとてもやわらかい。そういえば、この2人が立役をやると、右近クンは鎧に身を包むような役でも合うけれど、梅枝クンはどちらかというと先月の梅若とか俊徳とか系かなと思う。それは踊りにも現れているような気がした。
松緑さんは初日はみんなと一緒にやっている感じだったのが今ではすっかりリーダーである。そして初日は揃わないところのあった群舞もぴったり揃っていて、ああもっともっと長く踊っていてほしい。満足とそんな物足りなさがせめぎ合うのでした。

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