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2010年12月29日 (水)

エトワールはやっぱりスター:ドガ展①

1227日 ドガ展(横浜美術館)
10122901yokohamamuseum
だいぶ前に招待券をいただいてあったのに、閉幕まであと
5日という時になってやっと重い腰を上げた。
みなとみらいまでは時間はかかるものの乗り換え1回、それも同じホームなので楽なはずだったが、行きは都営三田線の車両故障によるダイヤの乱れが南北線にも影響し、30分も余分に電車に乗る羽目になり座り疲れてしまった(立っている人はもっと大変だったと思うから贅沢ではあるんだけど)。
しかし、その疲れもみなとみらい駅の外に出たら一度に吹っ飛んでしまった。高い建物に囲まれながらも青い空のもと、広々とした開放感の中に横浜美術館はあった。建物内に入ると、高い吹き抜けからは自然光が注ぎ、左右対称に広がる階段、そこに置かれた彫刻など、そこはオルセー美術館を意識したような作りであった。
ドガといえば踊り子、というイメージがあるし、今回の展覧会の目玉が「エトワール」であることは間違いないのだが、ドガにもさまざまな顔があることを今回認識した。
1章「古典主義からの出発」
1855
1872年、この時代の絵画は印象派として知られるドガとは全然違う。展示作品は肖像画が多く、さらにそのための習作がずらっと並ぶ。知らないでいたらドガの作品とは思えないものばかり。自画像(「画家の肖像」)、「トキと若い女」、競馬をテーマにした絵画が印象的であった。
「マネとマネ夫人像」は右側が削られてキャンバスが貼られている不思議な絵である。これは、マネ夫人の顔の描き方をマネが気に入らず怒ってそこを切り取ったということだそうだ。ドガの肖像画はどれも表情にその人の感情が表れているように見えた。
2章「実験と革新の時代」
1873
1885年の作品。73年の「綿花取引所の人々」はニューオリンズに旅行した際に描かれた一種の集団肖像画である。手前のオジサンの表情がとてもリアルで、それだけで止まっている絵ではなく動いている絵のように見える。
「ダンス教師ジュール・ペロー」はいかにもな感じのおじさんで、「バレエの授業」にも登場している。

「エトワール」は思いのほか小さな作品で驚いたが(目の前にした「モナリザ」がとても小さな作品だったときの驚きに似ている)、エトワールはやっぱりエトワール(スター)である。見え隠れしているパトロンという厳しい現実があるにせよ、エトワールは実に繊細なライン、色使いで、躍動感に溢れ、そこだけ光り輝いているような気がした。音楽と動きを強く感じる作品であった。
このセクションは踊り子たちを描いた作品が多い。そして私の心を捉えたのは、「14歳の小さな踊り子」というブロンズの彫刻である。この作品はドガが生前に発表した唯一の彫刻だそうだ。木綿のスカート、サテンのリボンをつけており、ブロンズでスカートを表現したものにはない軽やかさが感じられる。いたいけさを残しながら踊り子としての誇りがみられ、とても魅力的である。続く。

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