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2010年12月27日 (月)

懐かしくあたたかい「我が心の歌舞伎座展」

1225日 「我が心の歌舞伎座展」(高島屋)
10122501hanamiti やっと最終日に見ることができました!! 
会場に入ると懐かしい大間の赤絨毯が。それだけでもう、開場前扉の前に集まった大勢の人々の姿、扉が開くと同時にぞろぞろと大間に吸い込まれていく観客たち、あの光景が思い出され、赤絨毯を踏みしめればそこここに歌舞伎座の職員さんたちが迎えてくれていそうで、温かいものが胸に広がる。
鳳凰の屋根瓦、鬼瓦、破風の錺――時々見上げた瓦たちが目の前にある。
柱時計、白井松次郎・大谷竹次郎の胸像、13階の客席表、通用口の大提灯、絵看板をはじめ、様々な看板、3階に飾られていた過去の名優たちの写真――まだ1年も経っていないのにどれも懐かしく、それぞれの物が11つ甦ると同時に、歌舞伎座が全体として目の前に現れてくる。
10122702hanamiti_2 嬉しいのは何と言っても所作台の置かれた花道。ここだけは写真を撮っていいとのこと。靴を脱いであがってみる。トンと音を出してみようと足で踏んでみたがけっこう強く踏まないと音は出ない。小気味のよい音を出すにも技術がいるのだとよくわかった。揚幕のチャリーンの音は他人様がやっているのを聞いただけで自分は体験しなかった。やってみればよかったな。
花道の脇には座席が8席。17列と18列の3134番であった。
珍しいのは天皇陛下が座られる椅子。背もたれも高く、肘掛がついている(新しい歌舞伎座の座席は背もたれを少し高くしてほしいなあと思っている)。
小物類の展示も非常に興味深かった。
昭和63年の歌舞伎座100年記念煙草。毎年正月、年始回り用に歌舞伎座が作っていたという手拭。古い筋書き。中でも昭和39108日~1016日に行われたナイトカブキの筋書きは貴重だ。東京オリンピックで来日した外国人を対象にした歌舞伎だそうで第1部が2140開演、第2部が2340開演というのには驚いた。表紙はたしか助六だったと思うが、普通の筋書きより横に大判。
着到板はさよなら公演最後の4月のもの。演目順に出演者の名前が書かれ、2つ以上に出る役者さんは最初の演目だけに名前がある(当たり前か)。

義太夫の見台は近くで見ると房が立派。足の間に鳳凰が描かれていた。
楽器は波カゴ、風車、雷車、櫓の音、鈴(れい)、能管、オルゴール、当鉦(あたりかね)、シュモク、双盤、銅鑼、ゴンバイ、太鼓・鼓類。
衣裳では読売新聞の「読者が選ぶ好きな歌舞伎20選」からの展示。1位「勧進帳」は義経、弁慶、富樫の衣裳、2位「狐忠信」の狐の衣裳は細い糸が無数に取り付けられて作製の手間を思いやった。3位「京鹿子娘道成寺」、4位「仮名手本忠臣蔵」は討入時の大星の衣裳、5位「白浪五人男」は名乗りの弁天の衣裳。
最後は「我が心の歌舞伎座」のプロモーションビデオ(?)。この部屋には藤十郎、吉右衛門、幸四郎、芝翫、勘三郎、玉三郎、梅玉、菊五郎、仁左衛門、團十郎、富十郎の素顔の写真と扮装の写真が飾られていたが、扮装のほうはビデオを見る人たちの陰になってほとんど見えなかった。慣れない靴で歩くのがちょっと不自由だったため、移動に思いのほか時間がかかってしまい(この後日生に行ったから)、駆け足で見ることになり、このビデオも見られなかったのが残念。歌舞伎座の売店再現もあり、買わないまでもあの空気に浸りたかったが、ささっと通り抜けるだけ。あと30分余裕がほしかった。

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コメント

Swinging Fujisanさま

こんばんは。さすがにFujisanさまですね~!短い滞在時間でこれだけのレポ、うなりました!花道脇の席番まで記録されていたとは!!他にも数々の貴重なご記録!ありがとうございます。
ナイトカブキ、私も注目しました。こんな公演があったのですね。「揚幕のチャリーン♪」私はやってみました、えへへ。でも、幕が重くて、「チャ、チャリ..」って音になってしまいました(笑)

25(夜)26(昼)は南座に参り、豪華絢爛、贅沢この上ない観劇納めとなりました。あねごさまのところでもコメントさせていただきましたが、いずれの回も、お客様の温かい拍手でいっぱいの舞台でした。東京に戻って数日たつのに、いまだに夢を見ているような感じが残っていますlovely

そうそう「寺子屋」では、私の近くに座っていた若い大向こうさんが、ボロボロ泣いていて、松王丸の「笑いましたか」のあたりでは、嗚咽に近い泣き方をされていました。大向こうさんがこんなに泣いているの初めてみました。その芝居への入れ込みかたに、私ももらい泣きしそうになりましたweep

すばらしい芝居をみると、何というか「ああ、なんと有難い時間だろう」と、そこにいられるそのことだけでも心から感謝したい気持ちになります。そんな気持ちが何度も起きる南座の観劇納めでした。Fujisanさまも、来年は是非、お運びくださいませshine

Fujisanさまにとって、来年がすてきな出会いにあふれた年になりますように!どうぞよいお年をおむかえください。


投稿: よこ奴 | 2010年12月30日 (木) 22時40分

よこ奴様
おはようございます。おかえりなさいませ。コメントありがとうございます。お褒めに与り恐縮でございます。お返事が遅くなり、ごめんなさい。

南座で素晴らしい観劇納めをされたとのこと、同じ歌舞伎ファンとして、またついに南座に行かれなかったけれど行かれた皆様を応援していた者として、大変嬉しく存じます。
大向こうさんの号泣、いいお話ですね。何十回もご覧になっていらっしゃるでしょうに私までうるうるしてしまいます。本当に歌舞伎がお好きなんですね。

チャリンは皆さんいい音が出なかったようで、普段なんとも思わずに聞いている音にもプロの技術があるんだなあと感心しました。
ナイトカブキのことは全然知らなかったので、大変珍しく目が引きつけられました。お芝居、ちょっと見てみたかったですね。

1年間、勝手に飛ばしているブログをお読みくださって、また温かいコメントをお寄せくださって、ありがとうございました。お顔は存じ上げなくても、こうして親しくお喋りさせていただけるのは大変嬉しく存じます。
よこ奴様もよいお年をお迎えくださいませ。そしてお互い、来年もまた良いお芝居を見る幸せな時間がたくさんできますように。

投稿: SwingingFujisan | 2010年12月31日 (金) 11時29分

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