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2011年1月14日 (金)

浅草歌舞伎第二部②:地味な「壺坂」、華やかなパロディ版助六

111日 浅草歌舞伎第2部(浅草公会堂)
11011501tomijuro_2 私の席のあたりはオバチャンが多くて、芝居の間も色々なお喋りやがさがさポリ袋をいじる音が聞こえてくる。しかし歌舞伎座や演舞場でそういう音に神経が障るほど気にはならない。これも浅草という風土のせいだろうか。富十郎さんへの哀惜の念もまた浅草の地であらたになる。
第二部はきわめて宗教的かつ地味な「壺坂霊験記」と、華やかな「助六」パロディ版という対照的な演目の組み合わせである。
「壺坂霊験記」
ものすご~く詰まらないというわけではないのだけど、正直、前回三津五郎さんで見たときもイマイチだったしあまり関心のない演目だし、実際途中かなり寝てしまった。でも、最後はやっぱりちょっとうるうるきた。観音様は三津五郎さんの時と違って1回しか登場しなかった。2度目の登場があってもよかったのではないかしら。千穐楽は頑張ってちゃんと見なくては。
ところで終わりのほうだったか、黒御簾の中でクシャミが聞こえた。あまり舞台に影響のないときだったから、必死でガマンしていたのかもしれないな。今年は花粉の飛び方が激しいそうだから、シーズンには演奏家も役者も予防策が大変だろうな。私も今から戦々恐々としている。
「黒手組曲輪達引」
ずっと前に菊五郎さんがやったのを見てとても面白かった記憶がある(平成185月でした。菊五郎さんが序幕、川に落とされ水鳥の着ぐるみで上がって来たのを鮮明に覚えている)。あの時は菊五郎さんは番頭権九郎と助六の2役だったけれど、今回の亀治郎さんは猿之助型でそれに牛若伝次の1役が加わり、3役務める。
序幕のチャリ場はセリフに出演者の名前を組み込んだり、「身ぐるみなくし、こんなことならハードディスクに録りためたNHK大河でも見ていればよかった。大河といえば龍馬伝。龍馬の福山雅治は今ツアーで全国をまわっている。龍馬を殺したこの俺が、同じ顔の従兄弟に頼んで福山のコンサートのバックコーラスに」とか言ってエアギター、口パクによるコンサートもどきなんかもあり、亀ちゃん大サービス。亀ちゃんが大好きな福山雅治だから亀ちゃんもここはノッてたように見えた。
春猿さんの白玉がとてもとてもきれい。だけど、もうちょっとしたたかさがあってもいいかな。
二幕目では、股くぐりが笑わせる。朝顔仙平以下の武士たちが流行りのギャグをやりながら情けない顔でくぐる。ねづっちの謎掛けが出てくるのは当然として、楽しんごの「ドドスコ~ラブ注入」がもう取り入れられていた。私はあんまり好きじゃないけど、着ボイスでもかなりの人気だっていうから。ま、しかし客が大笑いするようなネタでも亀ちゃんは全然どうってことないんだろうな、少しは笑えば愛敬もあるのに、平然とくぐらせていた。

寿猿さんの白酒売りがリアルにかわいそうで、なぶるのもいい加減にして、と心の中で祈ってしまった。本家の「助六」では田舎侍をバカにして股くぐりをさせるので大いに同情するところなのだが、こちらではちっとも気の毒にならない。
亀ちゃんの助六は才気走るといった感じで、粋ではあるし巧いのだけれど、私には愛敬とか色気があまり感じられなかったのがちょっと物足りない。それに、やっぱり小柄なのがどうしても気になってしまう。小柄というのは身長だけではなくてあまりにスリムすぎるのだ。たまたま春猿さんも七之助さんも背が高いため、よけいそれが目につく。この芝居が小柄な市川小團次のために書かれたものであることも、助六のパロディであることも重々承知の上で、やっぱり亀治郎は女方だよなあ、女方なら大きさも愛敬も色気も出るのに、と思ってしまうのは私の偏見なのだろう。でも亀ちゃんは自分のやりたいことしかやらないんだから、私はこれから女方でない亀治郎の良さを少しずつ見つけていくようにしなくちゃ。
最後の水入りにはやんやの大喝采。猿之助さんによれば、水入りは夏にやっても当たり前で、冬にやるからこその意味があるのだそうだ。去年の国立の菊ちゃんも厳冬に本水で奮闘していたのを思い出す。千穐楽まで風邪ひかないで頑張ってね。
亀鶴さんも鳥居新左衛門にはちょっと小柄な気がしたけれど、敵役らしく素敵だった。敵役がよければこそ助六のカッコよさが引き立つと思うので、この亀鶴さんの鳥居は嬉しい。
愛之助さんの紀文が堂々と大きく、舞台を締めた。笑三郎さんの三浦屋女房も情とか大きさが感じられた。七之助さんの揚巻はまあ普通かな。最後の助六をかばって救おうとする気持ちは強く、啖呵はカッコよかった。
<上演時間>お年玉5分(11001105)、「壺坂霊験記」74分(15061620)、幕間25分、「黒手組序幕」25分(16451710)、幕間5分、「黒手組二幕、大詰」88分(17151843

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コメント

SwingingFujisan様
 おはようございます。毎日寒いですね。
 昨日は、浅草、通しで見てきました。観劇前のおまいりもかね楽しい一日でした。「黒手組助六」が役者もそろい秀逸な出来栄えだったと思います。女形の少ない今、春猿、笑三郎の存在は貴重です。亀鶴、愛之助、七之助も役柄にあいよかったと思います。そして主役の亀治郎が力一杯の熱演で、パロディー版助六、正月気分満載でした。亀治郎の「独楽」も楽しめました。実に達者な踊りで、感心しました。家内の指先のしなやかな美しさを誉めていました。猿之助の指先はもっとごつかったそうです。但し、猿之助はもっと回転を多くしていたように思いますが、やや記憶が曖昧です。
 一年ぶりに浅草に行くと、ちょっとしたお菓子を買いこんでしまいますね。そして、初めてスカイツリーをまじかに見ました。

投稿: レオン・パパ | 2011年1月16日 (日) 09時56分

レオン・パパ様
こんにちは。コメントありがとうございます。
浅草の通し、そしてお参り、スカイツリーと1日楽しまれたようで、春猿さんのご挨拶にあったとおり浅草は町全体がアミューズメントパーク、というのをまさに体感なさいましたね(^^)
春猿、笑三郎さんは急遽こちらへ回ったので出番も少ないのですが、存在感の大きさはさすがですね。
「黒手組」は、今年の浅草の中では一番の出来、面白さだと思いました。猿之助歌舞伎を継承する役者さんがいるのは猿之助をほとんど見たことのない私にとっても嬉しいことです。
奥様ご指摘のとおり、亀ちゃんは実に指先がきれいですね。それも注意してそうなっているのではなく、自然なしなやかさで。

浅草で売っているお菓子はお値段も比較的安いので、私もついつい買ってしまいます (^-^; 庶民の楽しみのひとつです。

ほんと、寒い日が続きますが、今日はまた特別寒いですね。お風邪など召されませぬよう。

投稿: SwingingFujisan | 2011年1月16日 (日) 16時58分

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