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2011年2月 2日 (水)

やっぱり亀治郎は女方:お染の七役

21日 二月花形歌舞伎第一部初日
先月に引き続いてホワイエには華やかに繭玉が飾られ、劇場内では二階ボックス席の足元(?)は赤い布で覆われ、その下には提灯が掛けられている(提灯も先月あったんだっけ? ボケな私wobbly)。あれ、今月は定式幕じゃないの?と訝っていたら開演5分前には緞帳があがり定式幕が見えてきていよいよ歌舞伎ムードいっぱい。そして芝居が始まれば、そこは芝居小屋に早替り。だけど主役の2人が若い現代っ子だからモダンな雰囲気もあり、ルテアトル銀座って意外と歌舞伎向きかも、なんて思ったのだった。
「於染久松色読販」
初見だからと楽しみにしていたら、見ているうちにどんどん既視感が大きくなってきた。途中そっと筋書きをめくってみると、そうか、2年前(平成21年)の5月に福助さんの七役で見ていたのだったと思い出した。でも、猿之助版としてはまったくの初見。
最初の5分くらいでお染→久松→お光→竹川→小糸→貞昌→土手のお六と亀ちゃんは全部の役で登場する。これが猿之助型の特徴の一つなんだと知ったのは後のこと。
お染が現れた途端、私の心はheart04でいっぱい。亀ちゃんはこれまで聞いたことがないような(bleah)高い声を出して、おっとりしたお嬢様ぶりが愛らしい。高い声はちょっと苦しそうに感じないでもなかったけれど、わりと地声が混じるいつもの女方とは変えているのが7役を演じ分けることの難しさを語っているようであった。
私の一番のお気に入りは土手のお六。底辺で生きる女のしたたかさと伝法さの中にも可愛さが垣間見えるし、恩義ある竹川のために一肌脱ごうという苦心する姿も悪くなく、亀ちゃんが一番生き生きして見えた。
唯一の立役は久松で、私は亀ちゃんの立役にどちらかといえば否定的ではあるが、これは無理が感じられずよかった。
染五郎さんの悪役・喜兵衛は福助さんの時もそうだったが、意外と線の細さがなくて合っている。軽く楽しんでやっているような感じがした。
そのほか、宗之助さんのつっころばしがなかなか面白く、友右衛門さんの清兵衛に存在感があった。
今月も、油屋のお灸の場で「ドドスコ、ラブheart01注入」が出てきたのには驚いた。やっぱり相当人気あるのかなあ(私自身はあんまり…なんで)。
お六と喜兵衛が駕籠をかついでスゴスゴと帰る場面では染ちゃんが「亀治郎は漢字に強い歌舞伎役者」と持ち上げれば亀ちゃんが「あんなテレビばっかり出ている役者はだいっきらい」。すると染ちゃんも「オレもよく出たもんだ」とか返すから、思わずニンマリ(ほんっと、よく出ていたよねえ、1smile)。仮設の花道が狭くて(先月より少し狭くした?)、大詰で駕籠かきの手に持つ息杖が壁にぶつかっていたのはちょっと気の毒だった。
初日とあって、そんなふうなことやちょっともたついた部分も見えはしたが、亀ちゃんの久々の女方(私の中では「やっぱり亀治郎は女方」なのだ、未だに)と早替りをたっぷり楽しんだ。私のまわりでも、「ほら、今替わった」「ここではもう替わってるよ」「これが本当の亀治郎」とか聞こえてくる。うるさい半分、ほほえましい半分(そう言い合いたくなる気持ち、わかるもの)。亀ちゃん、舞台の裏では走り回って着替えまくって、浅草千穐楽でボヤいていたみたいに「重労働」だなあと心配しつつ、早替りの見事さとそれ以上に瞬時に役を演じ分けることの精神的タフさに感心した。
千穐楽にも見るんだけど、その前にもう1回見たくなってきちゃった。
ところで…

今日の席は花道を引っ込む役者さんが正面に見える席(だから、必死で体調回復に努めたわけ)。その列の一番奥に小さい子供がお母さんと座っていて、へえと思っていたら、なんとその子が二幕目油屋で丁稚になっているではないのhappy02 いつ席からいなくなったのか、全然気づかなかった。一生懸命に働く姿がリアルに当時の幼い丁稚に見えて、いじらしくて可愛くて。番頭の頭にお灸をのせるイタズラにはつい拍手してしまう。廣田伊功磨クンheart04
さて、大詰になると、なんとその後ろの席に秋山悠介クンがheart04
2人は丁稚のダブルキャストで、秋山クンは見学に来たのかな。
思わぬお土産がついた感じsmile

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コメント

SwingingFujisan様
 2月のFujisanさんのブログのイラストはギザギザハートが一杯ですね。
 雪の降る今日、第1部、観てきました。「お染の七役」のみというのは、疲れませんが、普通の松竹の興行に比べ、やや物足りません。
 亀治郎の七役、女形の玉三郎、福助が演じる場合よりも、立役が演じる加役風の味わいがあったと思えるのは、猿之助の指導によるものなのでしょう。猿之助のは一度見ていますが、悪婆(「お六」)に似合うようにダイエットしたとの触れ込みで、結構、突っ込み、芝居っけたっぷりの演じ方でした。それに比べると、亀治郎、ややあっさり風味でした。染五郎の芸風との相乗効果なのせいなのでしょうか。むしろ、所作事の「お光」が気合十分の出来栄えだと思いました。
 所作事といえば、亀鶴の船頭が、弾むような間合いのいい秀逸な踊り振りでした。なにせ、富十郎の甥なのだからと、自分一人で納得しました。
 ところで、今月、私の一番の期待は、「焼肉ドラゴン」です。めったにテレビの中継見ないのに、初演のNHKの放送をみて、韓国人の俳優の心を揺さぶる演技に大変感動しました。来週、観る予定ですが、Fujisanさんは観劇予定されているのですか。

投稿: レオン・パパ | 2011年2月11日 (金) 18時26分

レオン・パパ様
こんばんは。雪の中のご観劇、大変でしたね(私は「ペテン・ザ・ペテン」をパスしてしまいました)。
猿之助さんを実際にご覧になっていらっしゃるのは何とも羨ましいですねえ。亀治郎さんは猿之助さんとは少しタイプが違うように思いますので、まったく同じようにはならないでしょうが、猿之助の芸を伝えるという意味では大いに期待しています。
亀治郎さんのお光に一昨年の「お夏狂乱」を思い出してしまいました。
亀鶴さんの踊りはいいですよねえ。富十郎さんにはもっと亀鶴さんに色々教えていただきたかったと思いますが…。千穐楽に又見るのが楽しみです。

「焼肉ドラゴン」は好評のようですが、私は見る予定はありません。歌舞伎にもミーハーなんですが、一般演劇にはもっとミーハーなんですよ、私coldsweats01

今月のこのブログのテンプレートはバレンタインにしてみたのですが、どうしてギザギザハートなんでしょうねthink

投稿: SwingingFujisan | 2011年2月11日 (金) 19時01分

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