« 又も不手際で完敗の三谷公演 | トップページ | 美術の4月④:光と陰のレンブラントから対決の岡本太郎へ 2 »

2011年4月18日 (月)

美術の4月④:光と陰のレンブラントから対決の岡本太郎へ 1

11041801taro 414日 生誕100 岡本太郎展(東京近代国立美術館)
上野でレンブラント展を見てから竹橋の岡本太郎展へ。闇を描いて光を表すレンブラントに対してはっきりした色と形でぐいぐい押してくる岡本太郎順番的にもいいハシゴであった。
プロローグ:ノン! 
岡本太郎はイージーな流れ、惰性、時代に「ノン」と言い続けた。自分が突き進む先を阻むものに対して「ノン」と立ち向かった。この展覧会は太郎が立ち向かった相手を7章に分けて対決を見せている。その導入部としての「プロローグ:ノン!」。この部屋への入口がすでに強烈に見る者の心を捉える。すなわち入口は太郎の顔になっていて、それが真ん中で真っ二つに分かれており、私たちは太郎の脳の中に入っていく気分になるのである。
真っ赤な壁面は太郎の脳壁であろうか。その中で原始的なエネルギーを放つ彫刻たちが展示され、照明が赤い壁に作る影が静かなエネルギーを感じさせる。
太郎の墓標ともなった「午後の日」は、頬杖をついた子供の顔のようにも見えるが、ちょっと不気味な感じもする。
1章 ピカソとの対決--パリ時代
1929
年、渡欧した太郎は1940年までパリに滞在する。1932年、ピカソの「水差しと果物鉢」に感動したが、だからこそピカソと対決して乗り越えようとする。「空間」「コントルポアン」は抽象画ではあるのだろうが、説明されればなるほどと頷ける比較的わかりやすい作品だと思った。

ここで強く印象に残ったのは「傷ましき腕」。純粋抽象と訣別して現実との対決に踏み込んだ転換点の作品だそうである。顔や目は大きな赤いリボンの下に隠されて見えない。強く握り締めた拳、2本の紐をぐるぐる巻きつけた腕は何かに耐えているようで、タイトル通り傷ましさを感じる。
2章 「きれい」な芸術との対決対極主義
戦火のパリを離れ1940年に帰国した太郎は兵役につき、抑留も経験した後1946年末から活動を再開し、旧態依然とした日本美術界を否定する。この時期に提唱したのが「対極主義」である、そうだ。対極主義とは、思い切り簡単に言ってしまえば、合理主義精神から生まれた抽象画と非合理を追求するシュルレアリスムの相対する表現を画面の中でぶつけ合うといったことらしい。ここに展示されている作品はどれも面白い。父・岡本一平をモデルにしたらしい「作家」には心が和んだし、「森の掟」はなんだかよくわからないけれど惹かれるものがある(なんだかわからない太郎の狙い通りらしい。太郎は前年に描いた「重工業」が世に安易に理解されてしまったことからわかられない「森の掟」を描いたのだそうだ)。少女が後ろ手に短刀をもって妖気漂う森の中に立つ「夜」は好きな作品だ。

3章 「わび・さび」との対決--日本再発見
パリから帰国した太郎は縄文土器の美しさに感動する。「いわゆる日本的と考えられている弥生式以来の農耕文化の伝統、近世からの『ワビ、サビ、シブミ』の平板で陰湿なパターンに対して、太々と明朗で強烈な、根源的感動をぶつける」。私は「わび、さび、しぶみ」が平板で陰湿かどうかはわからないが、縄文土器に関する記述はわかるような気がする。
ここでは日本各地で出土した縄文土器を太郎自身が撮影した写真が展示される。また、秋田のなまはげ、岩手の鹿踊り、沖縄のイザイホーをやはり太郎が撮影した映像が流れている。迫力のある映像で、太郎自身がその世界に入っている感じがした。
草月流の勅使河原蒼風に勧められて制作しながら花器でも彫刻でもないと太郎が言う「顔」は力強く、大らかな太古を思わせた。
4章 「人類の進歩と調和」との対決大阪万博
1970
年の大阪万博。あまりにも有名な太陽の塔。ここではその太陽の塔の50分の1の縮小版が展示されている。構想スケッチも数点あり、なんだか子供の絵みたいだけれど、実体としての太陽の塔を見ているせいか(大阪万博には行っていないし、実物は見ていない)、そのスケッチにも感心するのであった。
まだまだ続きます。

|
|

« 又も不手際で完敗の三谷公演 | トップページ | 美術の4月④:光と陰のレンブラントから対決の岡本太郎へ 2 »

ミュージアム」カテゴリの記事

展覧会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/39654619

この記事へのトラックバック一覧です: 美術の4月④:光と陰のレンブラントから対決の岡本太郎へ 1:

« 又も不手際で完敗の三谷公演 | トップページ | 美術の4月④:光と陰のレンブラントから対決の岡本太郎へ 2 »