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2011年4月14日 (木)

美術の4月②:地理学者をはじめとするオランダ絵画を静かに鑑賞する

412日 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展(Bunkamura ザ・ミュージアム)
「トップ・ガールズ」を見た後に寄るつもりでいたら、地震後閉館時間が5時と早まっていることに気づき、急遽先に観覧。そこでの疲労も「トップ・ガールズ」爆睡に影響したかも。
さて、私にとってフェルメール12作目となる「地理学者」はもちろん最大の目玉であり、展示作品の中では群を抜いて光っていたが、オランダ絵画の数々は静かで穏やかな落ち着きを館内にもたらしている。お昼過ぎという時間もあったのか、人の入り具合も、展示点数も程よく、11枚をゆっくり鑑賞することができた。
展示は「歴史画と寓意画」「肖像画」「風俗画と室内画」「静物画」「地誌と風景画」の5ブロックに分かれている。
「肖像画」の中でバーレント・ファブリティウスの「自画像」はマイケル・ジャクソンにそっくりということで有名らしい。私自身はマイケルに似ていることに気づかなかったけれど(気づかなかったのは私だけらしい。いわれてみれば確かに似ている)、かなり強烈な印象を受けたのは間違いない。
オランダの室内画といえば、2008年暮れにルーヴルDNPで見たファン・ホーホストラーテンの「部屋履き」が記憶に新しい。専門的なことはわからないが、今回の室内画を見て「部屋履き」をすぐに思い出したから、やはり17世紀オランダ絵画として共通するものがあるのだろう。
「地理学者」は絵の隣に地球儀、地図、コンパスと定規、上着、デルフト焼きタイルとゴブラン織りの説明が施されており、鑑賞の役に立つ。フェルメールによって描かれた地理学者は理知的で、その表情からふっと何かを意識の中に捉えた瞬間が切り取られているように見える。フェルメールの絵がこんなにも魅力的なのは、光の扱い方が格別だからなのであろうか。
宗教的な寓意画・歴史画はあまり面白くないが室内画・風俗画は当時のオランダの生活が見てとれて興味深い。室内の暗さ、家事、居酒屋――それぞれの場での人々の様子が生き生きと伝わってくる。

静物画ではピーテル・ド・リングの「果物やベルクマイヤー・グラスのある生物」のさくらんぼの枝が本物を貼り付けたようで目を引かれた。画面右端にそっと置かれた金の指輪は画家のサインでもあるとのこと、興味深い。
風景画は全体にやはり暗く、青空はほとんどみられない。青空があったとしてもくっきりした色ではない。それがオランダの空なんだろうか。ヨープ・ベルクハイドの「アムステルダムの取引所」は、取引所というタイトルからドガの「綿花取引所」を思い出したが、捉え方は全然違うのが面白かった。
見たい見たいと思っても渋谷へはなかなか足が向かないのだが、芝居とセットで行くことができたのはよかった。本当はたばこと塩の博物館でやっている「役者に首ったけ」を「日本人のへそ」とセットで見るつもりでいたのだけど、こちらは17日で終わってしまうし、むずかしい。
追記:音声ガイドは佐々木蔵之介ちゃん。借りたかったけれど、ガイドを使うと時間の配分がマイペースでいかないのでやめにした。

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