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2011年4月28日 (木)

美術の4月⑤:最後は明治の雰囲気で18世紀女性画家たちを

420日 ヴィジェ・ルブラン展(三菱一号館美術館)
11042801mitsubishi_2 18世紀のセーヴル磁器で始まった美術の4月は、17世紀オランダ絵画から20世紀日本の岡本太郎へ、そして多分ラストになるであろう「ヴィジェ・ルブラン展」は18世紀フランス女性画家の作品(肖像画が大半で静物画が何点か――当時、絵画の地位としては歴史画がトップであり、肖像画は低かった。男性社会の美術界で女性たちが歴史画を勉強することはほとんどできなかったそうだ)を中心に集めた珍しい展覧会。激動のフランス革命前後に活躍した女性画家たちの生涯も紹介され(何しろ、知らない名前ばっかりだから)、なかなか興味深いものがあった。
展示は、
Ⅰ プロローグ
Ⅱ 貴婦人のたしなみ
Ⅲ フランス王妃マリ・レクジンスカの「中国風居室」
Ⅳ「女性の世紀」とその再評価
Ⅴ フランスにおける外国人、外国におけるフランス人
Ⅵ 王立絵画彫刻アカデミーの女性画家たち
Ⅶ ラビーユ=ギアールとヴィジェ・ルブラン
Ⅷ フランス革命とヴィジェ・ルブランの亡命
Ⅸ 新しい世代
9章に分かれている。これを見てもわかるとおり、タイトルのヴィジェ・ルブランが登場するのはⅦ章になってから、それも後半である。しかし全然名前を知らない女性たちの絵はどれも才能豊かで見事である。そして女性と知って見るせいなのか、とても優しい。タッチもやさしく、表情も穏やかである。
王妃マリ・レクジンスカの画才にも驚いた。
長くなるのでヴィジェ・ルブランに絞って述べると、まず彼女はとても美人である。美しくあたたかく可愛らしい。
1791年に描かれた自画像は当時36歳であったというのにまるで少女のようなあどけない愛らしさである。この自画像だけでヴィジェ・ルブランという女性に強く惹かれる。
彼女はマリー・アントワネットお気に入りの画家となる。アントワネットはヴィジェ・ルブランが描いた肖像画を「本当の自分を描いてくれた初めての画家だ」と評したそうだが、アントワネットという人物像がまさにそこにいるような衝撃を覚えた。アントワネットだけでなく彼女の描く肖像には親しみが漂う。ふと話しかけたくなるような感じなのだ。
ヴィジェ・ルブランはアントワネットのお気に入りであったから、革命が起きれば当然その身は危うくなる。そこでイタリアやロシアなどに亡命する。亡命先では歓迎されたようで、各地で絵を描いている。また再びパリに戻ってからも人気は衰えなかったようだ。「ミゼノ岬のコリンヌに扮したスタール夫人、ジェルメーヌ・ネッケル」は歴史画風に描いた作品でそれまでのものとは一味も二味も違っていて、これまた非常に魅力的である(作品は→ココで)。
ちなみに、彼女の夫ジャン=バチスト・ピエール・ルブランは有能な画商であったそうだ。
女性の入会が大変困難だった王立美術アカデミー会員になったアンヌ・ヴァレイユ=コステル、マダム・ヴィクトワール、そしてヴィジェ・ルブラン、そのライバルであるラビーユ=ギアール。彫刻家マリー=アンヌ・コロー(作品の表情から、彼女がモデルに対してもつ感情が見てとれるのが面白い)、異国からフランスにやってきた女性画家たち。
これだけの絵が集められた美術展はそうそうあるまい。大変貴重な展覧会であり、また三菱一号館という建築物の持つ雰囲気も素晴らしい。ただ、章ごとの展示の仕方が非常にわかりにくかったのが残念。
なお、音声ガイドは大地真央さん。今月見た音声ガイド付きの4つの展覧会は佐々木蔵之介、辰巳琢郎、常盤貴子、そして大地真央と魅力的なメンバーだったけれど、結局1回も借りなかったわgawk

11042802mitsubishi 中庭が素敵。カフェでのランチも楽しい。しかし三菱一号館のcafe1894はいつ行っても行列で入れない。
そういう時は隣のカリフォルニアイタリアンA16でdelicious

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