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2011年4月10日 (日)

四月歌舞伎夜の部②

47日 四月大歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
夜の部で一番楽しみにしていたのはこれ。
「権三と助十」
権三・菊五郎、助十・三津五郎、おかん・時蔵で見たのがもう5年も前か。今回は三津五郎さんが権三にまわり、助十は松緑さん、時さまは再びおかん。でもやっぱり菊五郎さんとの夫婦役のほうがしっくりくるなあ。三津五郎さんとは新鮮な感じもするけれど、まだ底に通い合うものが感じられない。
派手な夫婦喧嘩をして、権三に突き飛ばされたおかんが家から転がり落ちる場面はあぶなっとハラハラしながらも可笑しくて。年がら年中夫婦喧嘩をしながらもダンナへの愛情が溢れていて芸として品のある時さまの長屋のおかみさん、私は大好き(常盤御前も好きなんだけどね)。
若い松緑さんと三津五郎さんのコンビはなかなか悪くはない。でもやっぱり三津五郎さんは菊五郎さんとのコンビのほうがよかったような気もする。だからといって松緑さんが悪いんじゃない。私は江戸っ子役の松緑さんが大好きだし、ケンカっ早いいかにも江戸っ子な助十はこれから松緑さんの持ち役になるかもしれないな、と思う。
三津五郎さんはつくづく達者ではあるけれど、同じ江戸っ子でも「らくだ」の半次のほうが合うような気がした。とこう書いてくると、なんだかそれじゃあ三津五郎さんがよくなかったみたいだけれど、そうじゃなくて、何となくそれぞれのコンビネーションがちょっとだけ私の思うところと違うかなというだけのこと。
助十の弟・助八は亀三郎さん。亀三郎さんって意外とふっくらとした柔らかさがあるんだな、と役はケンカっ早いガチな江戸っ子なのにそう感じる。松緑さんとの兄弟役は若さいっぱい勢い良くて楽しい。
秀調さんの猿回しも地味ながら江戸の風情を醸し出す。猿が殺されてしまい、かわいそうだった。
梅枝クンは上方の匂いはしないかもしれないけれど、父の無実を晴らしたい一途さ、必死な面持ちがいい。
唯一の悪役・市蔵さんはふてぶてしく、イヤミで凶暴さを随所に見せるのがうまい。
彦三郎の梅枝、勘太郎の市蔵とややこしいねえ(彦三郎って言われれば坂東彦三郎さんの顔がつい浮かんじゃうし、勘太郎って言われれば中村勘太郎って頭の中で結びつけちゃうし)。
左團次さんの家主に味がある。大家さんを中心に行われる井戸替えは見せ場のひとつで圧倒され、江戸の長屋生活にタイムスリップする。
またこの芝居で印象的なのはウチワの使い方。蚊を追ったり、床のほこりを払ったり、その時々のウチワ使いがいかにも江戸の庶民らしくて、こういうところに私はキュンときてしまう。それから、おかんが家にあがるときに足の裏をちょいちょいっと手ではたくのにもキュンとくる。
<上演時間>「絵本太功記」72分(16301742)、幕間30分、「男女道成寺」50分(18121902)、幕間20分、「権三と助十」80分(19222042
終わりが早いのはありがたいが、夕食の時間が早すぎる。今回は鯛焼きを夕飯がわりにした。

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コメント

SwingingFujisan様
 こんにちは。昨日、夜の部みてきました。
 結構、客が入っていて安心しました。「男女道成寺」華やかで、昨今の日常を忘れさせ、ほっとします。菊之助、松緑の踊り比べ、楽しい限りです。Fujisanさんおっしゃるとおり、立ち回りとのからみ等、いつも見るふりとは違うようです。松緑、舞踊の技量は上がってきていますが、この世代の特性なのか、早間のふりの時に機械体操めく時があるのは、ご愛嬌です。
 「権三と助十」何度か見ていますが、古いテレビ時代劇みたいで、いつ見ても面白く笑ってしまいます。今回も菊五郎劇団のアンサンブルがよく楽しめました。井戸替えの大勢の長屋の連中が出たり入ったりするのを、みるだけでも、おかしいのは何故ですかね。私は松緑のいきの良さが好ましかったです。あと亀三郎、珍しくセリフの多い役で、がんばって演じていたと思います。それから、猿回し(秀調 好演!)のお猿さんが殺されてしまうのは、戦前の演劇作品だからでしょうか。最近の作品なら、動物愛護の観点からは、別の筋立てになっていたような気がします。
 

投稿: レオン・パパ | 2011年4月10日 (日) 13時37分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
私が見た日は、1階席センターの通路から上手寄りの前のほうはかなり大きくあいていましたし、花外や3階上手もあまり人がいなくて、ちょっとがっかりしてしまいましたが、さすがに土曜日は入りがいいのですね。よかったよかった。
華やかな踊りは見ていて楽しいですね。しばし現実を忘れることができました。
「権三と助十」は江戸の市井の様子がいきいきと表されていて、ケンカばかりしながらも根はやさしくて気がいい長屋の人たちが微笑ましく感じられます。私は江戸っ子というと松緑さんがぴったりだと思っているので、こういう役はどんどんやってもらいらいものです。
お猿さん、かわいそうでしたね。あの時はちょっとイヤな気持ちがしました。でも、あそこに勘太郎の凶暴性が集約されているようで、ああいう筋立ても仕方ないのかなと思いました(まさか、あの場で人を殺すわけにいかず、人に近い猿を殺すという凶暴さ)。秀調さんも穏やかで人の良いああいう役がよく合いますね。
亀三郎さんの活躍、嬉しかったです。役の割り振りは難しいでしょうが、いい役者さんにいい役をやらせてあげたいですね。

投稿: SwingingFujisan | 2011年4月10日 (日) 21時44分

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