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2011年4月11日 (月)

美術の4月①:インタラクティブアートでセーヴル磁器を楽しむ

410日 外交とセーヴル磁器展(ルーヴルDNP

過去6回の展覧会すべてを見ているが、7回目の本展覧会は作品の見事さに加え、DNPの技術の素晴らしさに感嘆した。
まず音声ガイドが進化した。11人が持つ形式でやや面倒であったこれまでとは違い、展示パネルの前に設えられた足形の上に立つと指向性スピーカーから説明が聞こえてくる。
11041101assiette_3 展示室では実際の展示品(セーヴル磁器)のキャプションが台座の前面に浮き上がり、それがどの部分の説明かを示すためにその部分にスポットライトが当てられるので非常にわかりやすい。また別の台ではそれぞれの作品のパンフレットを載せると詳しい情報が文字で映し出され、次をめくるよう指示が出たりもする。
フランス式の食卓儀礼というパネルでは王家の豪華な食卓が各コースごとに現れて、その配置や何をのせるための食器かなどの解説が音声と画面でわかるようになっている。また軟質磁器の製作技術を素材から色付け仕上げに至るまで工程ごとに見ることができる。
体験型展示では、画面にタッチして映し出された作品を拡大したり回転させて詳細に眺める。そして最後には画面上で地色、中心に置く模様、周囲を飾る模様、金地の入れ方などいくつかのパターンから自分で選んで最後にイニシャルを入れて自分の皿を作ることができる(写真が私の作品。皿の下の黒いモヤモヤは消したイニシャルcoldsweats01)。
作品をじっくり全方向から眺め、インタラクティブに鑑賞できるこの展覧会は実に楽しい。
さて、今回の作品は18世紀フランス王家からオーストリア、デンマーク、スウェーデンなどの国に贈られたセーヴル磁器9点とマリー・アントワネットの胸像である。それまで外交上の贈り物としては金銀細工やタピスリーなどが選ばれていたが、1785年以降ルイ15世はセーヴルの磁器を贈るようになり、16世もそれを踏襲したようである。展示品紹介の中に誰から誰へ贈られたのかが明記されていて、興味深い。
豪華な食器セットの一部である皿の装飾は繊細で美しく、もったいなくて使えないなんて貧乏庶民は思うのだが、これだけきれいに残っているということはやはりあまり使われていなかったみたいである。というのも、1枚だけ、実際に使われていたので模様が少し薄くなっているというのがあったから。
1773
年にルイ15世からナポリ王妃マリア=カロリーナに贈られたハーフボトル・クーラーがシンプルな美しさで私は気に入った。一方でルイ16世からプロイセン公ハインリヒへ贈られた金色の装飾が豪華な「イルカの庭」の壺もまた素敵である。

磁器には軟質と硬質とがあって、軟質では装飾が少し浮き上がって見えるのだそうだ。カオリンを主体とした素地を用いていた中国や日本の磁器はヨーロッパでは硬質磁器と呼ばれており、その白さや透明感を模倣するためにセーヴルでは軟質磁器を独自に開発したのだが、その後カオリンの鉱脈がリモージュ付近で発見されセーヴルでも硬質磁器が作られるようになったのだそうだ。そういえば、10年も前のことだったろうか、仕事でセーヴル磁器のことを少し学び、そんなこんなも調べたのにほとんど忘れている私。作品を見たり解説を読んだりしているうちに懐かしくあの頃が思い出されてきたのは私にとって今回の展覧会の副産物だわ。
ところで、ふと、あの地震で磁器の作品たちがよく無事だったなと思って見ると、それぞれの作品は台座にしっかり固定されていた。最初からそうされていたのか、あるいは地震以後より堅固に固定されるようになったのかわからないが、ビル自体も免震か耐震構造になっていて揺れはかなり吸収されていたようである。
ルーヴルDNPにはぜひ一度足を運んでいただきたいものである。
詳しくはルーヴルDNPHPで→ココ

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