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2011年5月28日 (土)

当代時蔵当たり役になってほしい「女暫」と若く美しい苅藻:團菊祭昼の部①

526日 團菊祭大歌舞伎千穐楽昼の部(松竹座)
正直言って昼の部は夜の部に比べて演目としての魅力が薄い。「女暫」が朝イチでなかったら、前日もう少し早く大阪入りして幕見で見たかったけれど。
「女暫」
時さま初役とは思わなかった。なぜだか一度見たことのあるような気がしていた。萬次郎、福助、玉三郎に続く4人目の巴御前だが、この4人の中では一番しっくりきた。一番古風な風情があるからなのかしら。まあ、こういう演目は主役の個性で楽しめばいいのだろう、と私は時さまの古風さ、大らかさ、迫力、気合、上品なコミカルさをにこにこしながら見ていた。
「しば~ら~く」の声の後、萬屋の定紋・桐蝶の染め抜かれた大素襖姿(心棒の長さに改めてビックリ)が凛々しく、頭の力髪もよくお似合いで見惚れてしまう。女鯰・菊ちゃんこと「音羽屋のお菊さん」と「萬屋のねえさん」は美の競演だわねえhappy01なんて思ったりもして。でも「萬屋のねえさん」はなぜか、どうもピンとこない。「大和屋のねえさん」は全然違和感ないのにね。「成駒屋のねえさん」「橘屋のねえさん」の時はどう思ったのだったかしら。
菊ちゃんというと女鯰のイメージがあるが、いずれは「しば~ら~く」と声をかけるほうになるんだろうな。

見どころの一つでもある仕丁の首を一気に打ち落とすところはちょっとスムーズさに欠けた(ような気がした)せいか、あまりウケなかった。
竹三郎さんが若々しく艶やか。
團蔵さん(蒲冠者範頼)は意外にやさしい顔に見えたが、セリフを言うと不気味で大きさが感じられた。
梅枝クンの清水冠者義高に風格が漂う。萬太郎クンは声がいい。やっぱり童顔だけど手塚太郎は幼い子供だそうなのでぴったりかも。声も高くそれを意識しているのだろう。
腹出しの亀兄弟の声にはいつもながら聞き惚れる。市蔵さんのキメは腰が低くきれい。定式幕が引かれるときの男女蔵さんのキメは体がぶるぶる揺れるほど力が入っていた。

幕外、大役を終えた後、途端に大刀が重くて持ち上げられなくなる普通の女に戻るのがここからの見どころ。セリフは早口で世話っぽい物言いに変わり、時さまに玉三郎さんの色が濃くなる。舞台番の左團次さん登場。高島屋の浴衣が粋である。ここでも「ねえさん」と言われ、う~んthinkと私。
六方の引っ込みなんてできないわ~と尻込みする時さまに、地震や原発のことがあってもこれだけのお客さんがいらっしゃるのはねえさんの六方を見たいからだと左團次さんが諭すと「いやいやいや」と顔の前で手を振る時さまが可愛い。じゃあやってみるけど、市川なんだから六方できるでしょう、教えて頂戴とせがまれた左團次さん、「市川姓を名乗っていても六方はしたことがない。しかし見よう見まねで」とやって見せる。そばで一生懸命まねして手足を動かす時さま。今度は1人で気合を入れて教わったとおりに六方を踏み(なかなかカッコいい)、途中はっと女に戻って「おお恥ずかしい」とそそくさと引っ込む。幕外の引っ込みはいつも楽しい。
巴は三代目の当たり役だったそうだから、当代も是非そうなってほしいもの。
「汐汲」
松風ものは何回か見ているし、「汐汲」も見たことがあるかと思っていたが、上演記録を見ると初見だとわかった。苅藻(みるめ)の藤十郎さんが若く美しい(って、いつも同じことを書いているような気がするけど、いつもホントにそう思うんだもの)。少し眠くなってきたところへ翫雀さんの此兵衛が現れて、眠りから引き戻された。此兵衛との踊りはわりと好き。


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