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2011年5月27日 (金)

チーム蘭平に感謝と感動:團菊祭@松竹座①

525日 團菊祭五月大歌舞伎夜の部(松竹座)
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26日 團菊祭五月大歌舞伎千穐楽夜の部(松竹座)
11052701sensyuraku_2 昼夜どちらからレポする? やっぱりコーフン覚めやらぬ夜からにしましょうか(ちなみに25日は3階、26日は1階で)。
「蘭平物狂」
三津五郎さんで2回、松緑さんで2回目。上演記録を見ると、平成に入ってからこの2人以外で蘭平をやっているのは右近ちゃんだけなんだ(昭和でも、この芝居を人気狂言にした二代目松緑、初代辰之助、先代三津五郎のほかは白鸚だけ)。蘭平は前半の踊りで魅せ、後半の立ち回りで魅せる。蘭平のむずかしさはそこにあるのだろう。どちらかだけではダメで両方できなくてはいけない、しかも体力を要する。松緑さんが筋書き(あ、番付ね)で「そろそろ次の世代に渡すことも踏まえながら芝居をつくっていきたい」と言っているから、早くも松緑以降の蘭平役者はいるだろうかと考えるeye…。
さて蘭平を見る側としてはついつい後半の大立ち回りに重点がいきがちなんだけど、今までのことを思い出すと、繁蔵役の子役が非常に重要なカギを握っていると思う。子役がうまくないとこのお芝居はそれこそ立回りだけの芝居になってしまうのではないだろうか。子供でも行平に見込まれて曲者を首を取るという武士の心構えと力強さ・大きさのようなものが必要であり、かつ父親・蘭平の前では子供であるところも見えなくてはならない(本当の繁蔵は何歳なんだろう)。
今回の上村吉太朗クン、登場しただけで魅力を感じた。芝居がしっかりしている。形がとてもきれいだ。動きもびしっとしていて大きく、見得なんかここまできれいに決められる子役はそうそういないのではないかと思う。セリフもいい。そして可愛らしい。客席からも盛んに温かい笑い(この笑いはね、笑うべきところでないとしても、あんまり可愛いから思わず笑いっていうか微笑が浮かぶっていうことで理解できるのよ)と拍手が起こる。3月の鶴千代君を見た私の目は節穴だったのか、吉太朗クンがぐんと成長したのか(大変に上手な子役で我當さんの部屋子になったというのだから、私の目に問題があったのだろう)。
梅枝クンの水無瀬御前にはちょっとびっくりした。あの若さで行平夫人としての落ち着きと貫禄、おぬしやるな、という感じsmile それにしても、こういう役をやると三代目にお顔がそっくり。
しかし「蘭平物狂」という物語そのものは、トリックの連続でいつも結局なんだかよくわからん話だなあと思う。蘭平が連れて来たおりくは行平を慰めるための松風のニセ者だし、刀を見ると蘭平が狂うのも装っているだけだし、与茂作が蘭平の弟だというのもウソだし(團蔵さんのほうがお兄さんに見えたcoldsweats01)、要するにすべては行平が仕組んだトリックだったということ…。
ま、なんとなく釈然としないけれど、立ち回りでスカっとするからいいかsmile(松風という名前を聞いて、今頃になって昼の部の「汐汲」との関連を思った私はニブいwobbly

立ち回りにはチームワークが大切。松緑さんも捕手に負けず劣らず激しい立ち回りをする(これが結束を固くするんだろうなあ、と思う)。花道の大梯子にも駆け上るし、梯子に腰掛けた(?)まま1回転するし(ここ、「おお~っ」と客席どよめく)、屋根からジャンプした狭い灯篭の上での動きも激しいし。そしてスピンの早いこと早いこと早いことtyphoon とくに後半は前半の倍くらいスピードが増すのだが(そう見える)、千穐楽は前日よりさらに高速になっていたようだった。何十回転したんだろう。30回? もっと? 軸はぶれないし、あんなに回転したのに全然フラつかない。ともかく立ち回り全体のキレとスピードが素晴らしい。激しい立ち回りで大きく肩で息をしているにもかかわらず、セリフにまったく乱れがない。歌舞伎役者はみんなそうなんだけれど、でもあれほど激しい立ち回りはそうそうないから。
その激しく見事な立ち回りはチーム蘭平の捕手11人がきちんと美しく動くことによって実現される。あれだけの人数が梯子などを持ってトンボを切ったりするのだから、一つ間違えば収拾がつかなくなる。整然としすぎていてもつまらない。蘭平を追って囲んで攻めるその加減が見事!! それに応じてひとつひとつの立ち回りに客席が大きく反応し、どよめきと歓声が上がり拍手が湧くのが嬉しい。主役だけでなく捕手の演技に大きな拍手が寄せられるのに感動する。江戸の歌舞伎がこれだけ上方の人々を魅了したと思うと誇らしい。
音一郎さんから辰巳さんへの刀の遠投、前日はうまくいったが、楽はすこ~しズレたか辰巳さんがジャンピグキャッチ。1カ月公演の間にはコントロールが狂うこともあるだろう。そこは2人のコンビネーションと身体能力が物を言う。そういうところに感動する。
何度見ても見事な花道大梯子の天辺はやゑ亮クン。まだ高校生なんですってね。危険を顧みず、大胆かつ慎重に天辺を務める姿にまた感動。返り越しは千穐楽は8人(前日は6人? なんかコーフンして忘れちゃった)!! やや舞台から遠いため、どなただかわからなかった。大和さんがケガをされたそう…2度目なのでとても心配
とにかく激しく美しい立ち回りの連続で、ひとつひとつについては詳述しないけれど(はなみずき様が素晴らしいレポをなさっています。詳しいことは、はなみずき様に丸投げでcoldsweats01ココ)、チーム蘭平(ツケも演奏も含めて)の見事なチームワークに大感動、ありがとうsign03

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コメント

リンク、ありがとうございます!

『蘭平』、色んな意味で凄いお芝居ですよね。蘭平役者はもちろん、子役さんから脇を固める立役さん、女方さん、そして立廻りを勤める名題下さんが揃わないと出来ないですよね。ほんと、見るたびに熱くなり、涙してしまいます。やっぱり、役者さんの気迫や思いがビンビン伝わってくるんですよね。

私も、吉太朗丈の繁蔵は、気持ちが入っていてとても素晴らしいと思いました。「言われたとおり」でなく、ご自分の意思でもって、お芝居をされているな、ということが伝わってきましたよね。

SwingingFujisan様のレポを拝読して、ご一緒に熱い思いでカンゲキしている気分が味わえました! ありがとうございました♪

投稿: はなみずき | 2011年5月28日 (土) 21時16分

はなみずき様
おはようございます。コメントありがとうございます。お返しが遅くなってしまってごめんなさい。

手に汗握る立ち回りの連続、面白いけれど危険がいっぱいのこのお芝居をみんなで見事に作り上げていこうという心意気が「蘭平」にはひしひしと感じられますよね。だいたい2年から2年半くらいの間隔で上演されているようですが、早くも又見たくなってきてしまいました。今度は東京で…。
これだけの大役を見事にこなした吉太朗クン、今後の活躍が楽しみですね。

はなみずき様のレポに私も心躍り、熱い感動が溢れる思いでした。こちらこそありがとうございました。

投稿: SwingingFujisan | 2011年5月29日 (日) 11時28分

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