« 皆既月食はGoogleで | トップページ | 新しい歌舞伎座ができたら »

2011年6月17日 (金)

6月演舞場昼の部再見①:「連獅子」--見事な役者魂の千之助

616日 六月大歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
演目順は最後だけれど、感動さめやらぬ「連獅子」から。
「連獅子」
復習というか予習というか、15日のNHK「いっと6けん」で仁左様と千ちゃんを見て、もう涙涙。仁左様の千ちゃんにかける思い、千ちゃんの仁左様への憧れ、それをちょっと羨ましそうに見守る孝太郎さん。
2
人の稽古を見つめるのはラブリン。仁三郎さんが千ちゃんの世話をする。
「ボクが一番求めているのはお客さんが興奮して見られること。その目的を達成しながら11日頑張っていきたい」
これ、仁左様の言葉ではない、ふっくらと優しいお顔立ちをした千之助クンの言葉なのだ。11歳にしてなんと立派な役者魂か。もうスターだ!!
千ちゃんが舞台に現れると「千之助」の掛け声。観客である私は実際の舞台を見て興奮どころか感動して感動して涙が止まらない。きりっとした動き、きっちり決める美しさ。側転もきれい。獅子姿で一度登場して後ろ向きに花道を引っ込む姿も凛々しい。この場面は千ちゃんに限らずいつも長い毛先によく足を取られないものだと感心するのだが、千ちゃんは両足の中に毛先を挟みこむようにしていた。千之助クンの踊りを見ていると、先の言葉が口先だけのものでないことがよくわかる。そこに感動が生まれるのだろう。
初日は千ちゃんへの心配りで緊張がみられた仁左様も今は安心して千ちゃんとの踊りを楽しんでいるよう。仁左様はこの演目のために狂言師右近の衣裳を新調したが色が気に入らない。最後まで迷った末、初日は古い衣裳を選んだ。ということを「いっと6けん」で知った。今日の衣裳も古いほうだったみたいだ。素人にはよくわからないちょっとした色の違いなんだろうが、この先再演があるかどうかわからない千ちゃんとの「連獅子」に懸ける仁左様の意気込みが感じられる。
仔獅子を足で蹴る場面(きっぱりしてカッコいい。一見冷たいようで親心を感じる)、谷に落ちた仔獅子を心配して上から覗きこむ場面、ここに役者仁左衛門の芝居のうまさが現れる(そう、ここは「芝居」になっているのだ)。毛振りの回数は初日より増えていたかも。でも回数なんてどうでもいいのだ。67歳にしてこれだけ瑞々しい親獅子を見せてもらえただけで幸せ。
錦之助さんと愛之助さんの宗論も楽しく、2人の芝居のうまさ、踊りのうまさ、明るさ、そして華がスーパースターの去った舞台を盛り上げる。
傳次郎、傳左衛門兄弟の鳴り物はやっぱり迫力がある。石橋モノにはこの2人は欠かせないと思う。
あ~、演舞場に幕見がないことが残念で仕方ない。
残念といえば、7月松竹座「江戸唄情節」の舞台稽古、見られないcrying こんなチャンスめったにないのに、翌日海老蔵の初日を取った私にはこのスケジュールは無理だわweep
「江戸唄情節公開稽古」:7月1日12時~(所要時間3時間以上)。松竹座2階、3階席のみ。チケットは本日発売でしたね。
 

|

« 皆既月食はGoogleで | トップページ | 新しい歌舞伎座ができたら »

公演情報」カテゴリの記事

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。

まぁ、なんと同じ日に感激(観劇)でした!
昼の部はとにかく花道を全部見たい、ということで初めて2等A席をとりました。舞台もそこそこ近くて、全体を見渡せて、そして花道は揚幕までぜ~んぶ見える!正解でした♪

踊りのことは私にはわかりませんが、綺麗ですっきりとして気持ちよく見ることができました。途中のお芝居も、間狂言もきっちりと楽しませていただきました。

傳左衛門さん、なんだか頭に白いものが増えたような。。。。そうそう先日のチャリティの折、仁左様ったら傳左衛門さん(ノーギャラで出演してくださってるのに)のこと「上と下は男前なのに」なんておっしゃったのですよ。

松竹座のチャリティはもう完売ですね、のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2011年6月17日 (金) 11時22分

からつぎ様
からつぎ様も昨日いらしていたのですか!!
色々な席を経験してみると、それぞれの長所・短所がわかりますね。からつぎ様が2等A席にいらしたということは、私のことも目に入ったかも…という席に私おりましたcoldsweats01 千ちゃんに出を促す「はいっ」という鳥屋内の声も聞こえましたし(雑音もけっこう耳に入りましたが)、役者さんが花道を通るたびにどきどきしました。

仁左様ったら傳左衛門さんにそんなことをおっしゃったのですかsmile きっと心を許していらっしゃるのでしょうね。私は傳左衛門さん襲名の年に歌舞伎を見始めたので、最初からとても印象的でしたし、3兄弟の中では一番親しみを込めて拝見・拝聴しています。
傳次郎さんがブログで千ちゃんのこととても褒めていらっしゃいます!!

明日は清水戦ですね。とにかく勝てない現状、何とか打開してほしいです。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月17日 (金) 16時45分

SwingingFujisan様
 今晩は。演舞場 昼の部2回目結構早めにいかれたんですね。私はまだです。またコメントさせてください。
 ところで、今週、コクーン歌舞伎、行ってきました。三人の主役はそれぞれ健闘していたと思います。特に菊之助の小万、切ってはめたような適役、玉三郎の同役に比べても全く遜色のない出来栄えでした。
 ただ、小万の殺し場の演出がなんとも残虐性の強い演出で、とてもなじめませんでした。(嬰児殺しの部分もさることながら、その前の刀でいたぶる部分はサディスティックそのものでした。)この演出家は昨年の佐倉宗吾郎でも、残虐性の強い演出で辟易した思い出があります。概ね好評の新聞批評では、その部分について全く触れていないことから、単なる私の偏見なのでしょうか。楽日にご覧になるFujisanさんのご感想を是非、伺いたいと期待しております。(私は、新作歌舞伎。新演出には寛大だと思っていますが、今回の殺しの演出はだめでした。その他の場の演出は結構納得して見てはいたのですが・・・。)今回は辛口の感想で恐縮です。

投稿: レオン・パパ | 2011年6月17日 (金) 19時53分

レオン・パパ様
今晩は。
そういえば、今月は夜の部1回目も昼の部2回目も早めに取ったのでしたわ。早く行ったせいで、「連獅子」はもう一度見たくて仕方ありません。何度も言うようですが、幕見があればなあ…。

コクーンの殺しは残虐でしたか。実際に見てどう自分が反応するのかはまだわかりませんが、リアルに残虐なのはやはりイヤですね。残虐だとしてもそこに美しさがある(つまりそれは様式的、ということにも通じる)のが歌舞伎の魅力ですなのですから。そうでなければけっこう残虐ものの多い歌舞伎なんて好きになれません。
いずれにしても菊之助さんの小万--私の中では小万=時蔵なのでそれを打ち破るかもしれない存在--は楽しみです。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月17日 (金) 22時31分

SwingingFujisan様
 今晩は。毎日雨が降ったりやんだりのうっとおしい日が続きますね。今日は、演舞場 昼の部行ってきました。「石切梶原」「連獅子」とてもいいです。吉右衛門の梶原、何回かみていますが本当に安心して見ていられます。こういうのを見ると、今の吉右衛門の時代物をみられる喜びを切に感じます。若い人にどんどん見てほしいと思います。将来、吉右衛門の時代狂言をみたことが絶対に自慢できることになるはずです。周りの配役はそろってはいたのですが、段四郎の大庭にべりべりした感覚がなく、どことなく元気がないのがきになりました。
 「連獅子」、まさしく一期一会の体験ですね。今の中村屋が先代と本興行で初めて出したのはもっと年齢がいっていた(10代半ばすぎ)と思いますので、千之助の快挙でしょう。しかし、よく踊っていましたね。腰の座りのよさにびっくりしました。その腰の安定もあり、毛ぶりの形も実にきれいでした。Fujisanさんも書いておられるように、花道の後ろ向きの引っ込みは、首を振って毛先を脇にして引っ込むのではなく、難しいほうの、足にはさんで引っ込むやり方でしたね。実を言うと、仁左衛門の踊りはポイントのみ見て、殆ど千之助ばかりみていました。仁左衛門は若く見えるから親と子にしか見えませんでした。ところで、今の中村屋もきっと今回の連獅子を観劇して、自分も爺孫の連獅子をやりたいと思うのではないでしょうか。先代の中村屋が今の勘太郎と踊りたがっていたのですから。
 

投稿: レオン・パパ | 2011年6月18日 (土) 19時12分

本日カンゲキしてまいりました。
とても11才とは思えない力強い仔獅子に驚きました!踊りもしっかりしていたし、やはりDNAはスゴいものですね。千之助ちゃんが言っていたというそのセリフも正に納得というか、将来が楽しみでしょうがないですlovely
仁左様も毎日嬉しくてしょうがないでしょうねnotes
私が知らないだけなのかもしれないのですが、今まで見た連獅子とは踊り等かなり違うなと思いました。千之助ちゃんの年齢に合わせて変えたりしたのですかね?

投稿: 林檎 | 2011年6月18日 (土) 19時30分

私も私も!! 本日、昼の部を見てきました。
一時「石切梶原かぁ」みたいに思ってた頃もあったんですが、今回久しぶりに見て、こんなに面白かったっけ、なーんて。私も少しはわかるようになったのかしらんbleah いやほんと、吉右衛門にはほれぼれしました。
「連獅子」はもう期待を遥かに超えてました。あきらめずに今日見て、よかったです。千之助の初舞台を見たのは、ほんの少し前の気がしてるのに、あんなに立派になって(ジジババ仲間の気分)。

コクーン歌舞伎についても、ここにコメントさせてください。確かに残虐性というか嗜虐的な部分というかは、こう皮膚感覚にぞわぞわっと来るものはありましたねぇ。でも私の場合は、それが尾を引くということはなくて・・・。むしろその後の演出に戸惑って、リセットされたのかもしれませんが。
ともあれ、お楽しみにねup あれ?1回しかご覧にならないんでしたっけ(爆)。

投稿: きびだんご | 2011年6月18日 (土) 21時28分

レオン・パパ様
おはようございます。昨夜コメントのお返しができなくてごめんなさい。
吉右衛門さんの時代物は私もとても好きです。堂々と大きく明るく、知恵者らしさも見せ、頼もしい梶原でした。段四郎さんの大庭からは強烈な印象を受けなかった…ということは、たしかに元気がなかったのかも。
「連獅子」、私も今回は千之助クンにばかり目がいってしまいました。それほど心を惹き付けられるものが千ちゃんにはありました。仁左様も瑞々しく、56歳の年齢差なんて全然感じませんでしたねえ。

おっしゃるとおり、勘三郎さんには絶対刺激になったと思います。3代で3人連獅子あるいは七之助さんも入って4人連獅子なんてやったりして(^^) それとも孫は格別だといいますから爺孫の2人だけでやりたいと思うかしら。いずれにしても、そんな日がくるのが楽しみです。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月19日 (日) 10時06分

林檎様
おはようございます。コメントのお返しが遅くなってごめんなさい。
千之助クンはもう既に役者魂とスター性をもっていますね。「お客を興奮させたい」というその心を忘れずに伸びていってほしいと願います。ほんと、将来が楽しみ。
仁左様、「息子とも楽しみだったが、一緒に踊った時は21歳になっていてきびしい目も必要だった。孫となると嬉しさが80パーセント。うまく踊ってくれるに越したことはないが、まずは25日間元気に勤めてほしい」と言っていました。孫と一緒に踊れる喜びがこの言葉に溢れていますよね。
連獅子は踊り手によっていつも印象が違うので、踊りそのものが違うかどうかにまでは思いが至りませんでしたが、変えている可能性はあるかもしれませんね。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月19日 (日) 10時22分

きびだんご様
おはようございます。コメントの公開とお返しが遅くなってごめんなさい。
そうそう、「石切梶原」に関するお気持ち、私も同感です。吉右衛門さんもよかったし、歌六・芝雀親子に漂う情感もよかったですね。お義母さまにもよい報告がおできになりますね。

千ちゃんの初舞台、本当についこの間のような気がしますねえ(にこにこして愛之助さんとからんでいた姿が今でも目に浮かびます)。「荒川の佐吉」の卯之吉でも泣きましたが、連獅子でも泣かされましたわ。

コクーンは珍しく千穐楽の1回だけなんですよcoldsweats02 問題の場面をはじめとして、どんな印象を受けるのか楽しみにしています。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月19日 (日) 10時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/40430356

この記事へのトラックバック一覧です: 6月演舞場昼の部再見①:「連獅子」--見事な役者魂の千之助:

« 皆既月食はGoogleで | トップページ | 新しい歌舞伎座ができたら »