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2011年6月 9日 (木)

義経にじ~ん、「河連法眼館」:歌舞伎鑑賞教室

6月8日 歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜~河連法眼館」(国立劇場大劇場)
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カ月ぶりの半蔵門駅で、国立への階段はどっちだったっけなんて一瞬まごついてしまった。
「歌舞伎のみかた」
緞帳が上がり定式幕が見えてくると、場内に「きゃあ」という黄色い声が起こる。若い!!
さてその定式幕が開くと、舞台中央の桜の木に美しいお姫様がつながれている。隼人・静だ(って、これはすぐにわかったのよね)。そこへ軍兵がやってきて静を連れて行こうとする。「待て~」の声。花道から荒事の忠信がのっしのっしとやってくる。場内どよめく。
忠信が軍兵を蹴散らし無事静を助け出すと幕。忠信、誰?とわからなかったら、なんと巳之助クンだったのね。声がちょっと惜しい。でも意外と線の細さは感じなかったし勇ましくて立ち回りもきれい。
と、いきなり始まった「鳥居前」にみんな興味津々惹きつけられていたようだったが、暗くなると早速あっちでもこっちでもお喋り。そこへ、「歌舞伎の世界へご案内します」という声がどこからかミステリアス(?)に流れ、案内人・壱太郎クンが登場。
まずは花道の解説から。揚幕のチャリンを聞かせたあと、「では、実際に見ていただきましょう」。再びチャリンの音で揚幕が開いた様子。すると場内大ウケ。3階にいる私に何の笑いかがわかったのは少し経ってから。なんと、男女の高校生2人が花道を静々と(?)歩いてきたのだ。「歌舞伎のみかた」で高校生の代表を舞台に上げるのは普通のことだが、花道から登場させたのは初めてではないだろうか。これはちょっと羨ましい経験だぞ(この高校生のうちの男子がなかなかのキャラで面白かった)。
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人が舞台に達すると義太夫の解説(黒御簾は2人に中を覗かせてささっと流しただけ)。ここも面白いやりとりがあったけど長くなるから省略。義太夫演奏が終わり、義太夫さんと三味線さんのお名前が紹介されると、客席から拍手プラス「ひゅ~ひゅ~」の声。若い!!
それから巳之助・忠信をお手本に見得のお稽古。2人とも客席の笑いを受けながら腰を落とし、腕を広げ、首をぐいっとまわす(この首が難しいのよね)。3人の見得が決まったところで忠信は花道を引っ込んで行った。巳之助クンにとってこの役どころ(忠信も、歌舞伎のみかたも)は勉強になったんじゃないかな。
さて忠信の次には隼人・静が再登場。今度は女方の姿を作る練習だ。高校生男子はアメフトをやってるとかでガタイがよく高校生には見えないほどだから、膝を曲げ、肩甲骨を寄せ、なで肩に落とし、腕を前で合わせる女方はかなりウケた。
そういえば、巳之助クン21歳との紹介に場内が大きくどよめいたっけ。そして隼人クン17歳には舞台の男子「同い年だ」って。言われてみて改めてそうなんだ、と何となく感心する。みんな若い!! 壱太郎クンの20歳に意外にも驚きの声が上がらなかったのは、壱太郎クンが扮装せずに素で出てきていたせいだろう。
高校生2人の感想は、女子「歌舞伎というと遠いように思っていたが、短時間ながら伝統の重みに触れることができてよかった」。男子「歌舞伎っていうと海老蔵さんとか…」で笑いを取った後、「普段できないことを経験できた」と普通の感想でシメ。
最後に壱太郎クンが今日の「河連法眼館」に至る義経千本桜の粗筋をイラストを使って簡単に解説。荒法師のイラストがすっごくかわいくて、フィギュアがあったら買いたいほど。
若い高校生にはほぼ同世代の壱太郎クンの話は親しみやすかっただろう。アドリブもなかなか上手で楽しかった(「先輩ROCK YOU」でもっとたくさん喋ればいいのに)。

20分の休憩で、壱太郎クンが静の役になるって、すごいと思った。
「河連法眼館」

法眼(家橘)は花道からの出。飛鳥(竹三郎)の自害の件もあり、やっぱりここから始まったほうがよい。
ちょっと調子が狂っちゃったのは、拍手のしどころがなかったこと。幕開きと最後はもちろん拍手があったのだけど、途中途中で1人だけ手を叩きかけては客席のどこからも拍手が起こらず結局叩けなくなってしまった。役者さんもやりづらかったかもなあ。
そんな中で、私が一番感動したのは亀鶴さんの義経である。今義経が置かれた状況の悲しさが漂う。狐の話を聞いて奥から再び姿を現し「不憫な彼の心じゃなあ」と言ったセリフにじ~んときた。その後も狐の思いと我が心が重なるという義経のセリフに涙が滲む。これまで狐に泣くことはあっても義経に泣くことはなかったのに。
壱太郎クンは昨年あたりは元気がよすぎて動きがぴょんぴょんしたようなところもあったけれど、今は若さの中にもしっとりと落ち着いた動きになっている。そしてとにかくきれいで可愛い。
翫雀さんは本物の忠信が勇猛かつやわらかみがあってよい。ただ、もう1人の忠信が静と一緒に到着したという申し次の侍の言葉を聞いて「やあ、我が名を騙る胡乱者」と言うセリフの出が一瞬早すぎるような気がした。狐のほうはまだいっぱいいっぱいという感じかしら。動きもあまり軽やかというわけにいかないし、狐言葉も声がところどころ濁ってしまうのが残念だった。でも狐の気持ちは入っていると思うのでもう少し日が経てばきっとよくなるだろう。鼓をもらってからの喜びの場面はちょっとだけ。すぐに荒法師が現れた。立ち回りは舞踊の要素が入るからかきれいだった。狐の初登場で、「出があるよっ」に騙されて花道を振り向いた子がたくさんいたのは「してやったり」か。
この芝居、腰元に玉之助、守若、京妙、京紫(ほかに玉朗、竹朗、三久太郎)と豪華。それに申し次の侍の1人が三津之助さん(私のところからはお顔がわからなかった)と、脇がしっかり固められている。
亀鶴さん狙いと、狐の進化を見たいからもう1回行きたいけれど、日程ムリかなあ。
<上演時間>「歌舞伎のみかた」35分(14301505)、幕間20分、「河連法眼館」75分(15251640

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コメント

こんばんは。

先週、そして昨日17日の「社会人のための…」に行ってきました。

うち一回は近々渡米する友人夫婦を誘って見にいったのですが
静姿の壱太郎くんを見たご主人(アメリカの方です)が
たいそう壱太郎くんを気に入られたようで、チョーカワイイと大絶賛でした!
壱太郎くん好きな私としては大変うれしかったです^^

亀鶴さん、本当にいい義経でしたね。
ああいう、陰があるというか、そういった役をしている亀鶴さんを見ていると
あぁ、この人やっぱりうまいなぁ…と初心者ながらしみじみ感じました。

狐忠信の出では、一階の大人のみなさんも揚幕のほうに注目していましたよ!
チャリン♪の音で一斉に振り返っている姿は、上から見ていてなんだかほほえましかったです。

来月は予定が詰まっているため一度しか行けませんが、松緑さんの知盛ははもちろん、坂東亀兄弟の鎌倉武士も見逃せないですね。
去年の九月南座上演時、坂東兄弟の鎌倉武士は本当に素敵だったので今から楽しみです!

投稿: あねご | 2011年6月18日 (土) 21時44分

あねご様
おはようございます。コメントの公開とお返事が遅くなってごめんなさい。
2回ご覧になったのですね。私ももう1回見たいのですが、もういっぱいいっぱいでムリそうweep
壱太郎クンは成長しましたね。動きがとてもなめらかになったし、情感の表現にも感動させられるものがありました。アメリカ人の方が喜んでくださったのも、あねご様がそれで嬉しく思われたのも、歌舞伎ファンとしてすご~く嬉しいです!!
亀鶴さんの義経、今は本公演では難しいかもしれませんが、将来歌舞伎座で見られたらなあ、と思います。大きなお役をもっともっと見たいです。

狐の出は、私も最初の観劇時にはだまされました。だますほうも、あれだけ皆が振り向いてくれると「してやったり」で盛り上がるでしょうね。私などもうすっかり慣れてしまった今では「次回はだまされないぞ」という楽しみがなくなっちゃったのがちょっと残念でもあります。

松緑さんの知盛、二代目の当たり役ですから期待しています。坂東兄弟、楽しみにしています。このお2人にもももっともっと活躍の場が与えられることを願っています。

投稿: SwingingFujisan | 2011年6月19日 (日) 11時22分

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