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2011年7月 1日 (金)

庭園美術館で鑑賞する森と芸術

625日 森と芸術展(庭園美術館)
11070101teien 「五百羅漢」の後、こちらをハシゴ。これも73日までなので、とにかく行かれる日にと(会期中のもっと早くに行くべきである、美術展は、と再び反省)。庭園美術館を初めて訪れた時はその建物に感動したものだが、今回はそういう感動は覚えなかった。五百羅漢でかなりエネルギーを使ったせいもあるのだろうか。しかし自然教育園(現在、自然教育園前では街路樹の植え替えをやっていて、歩道を歩く限り風情なし)と隣り合う庭園美術館での「森と芸術」展はまさに見事なコンセプトでありまする。
200点の出品作品、疲れていた私はそのうちの何点かを見逃したようだ。もう一度見に行きたいが、もう時間もないし…。何しろ展示数が多いのでざっとここに記録しておく。
1章 「楽園としての森」
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年ごろの作者不詳「エヴァの創造」から20世紀の素朴画家の作品までが展示されている。素朴画家というのは知らなかった。要するに、職業画家でなくて素人画家のことだそうだ。アンドレ・ボーシャンが代表格だそうで、アンリ・ルソーを思わせるボーシャンの「楽園」は自分の体が小さくなってその中に迷い込んだような気がする。ゴーギャンの「かぐわしき大地」は縞の女性をエヴァに見立てている。キリスト教徒でない私にとって楽園とはどこだろう。
2章 「神話と伝説の森」
古代、森は信仰の場所、聖なる場所であった。ケルト人の森、シェイクスピアの森。森にはニンフがいる。ファンタン=ラトゥールの「2人のオンディーヌ」は幻想的で、遥か昔に見た「オンディーヌ」(加賀まりこ、北大路欣也)を思い出させる。ギュスターヴ・ドレがダンテ「神曲・地獄篇」をもとに描いた3点は人間に対して木の大きさを感じる。
3章 「風景画のなかの森」
アンリ・ルソー、ゴーギャン、コローなど、お馴染みの画家の風景画としての森が登場する。中に1860年代に撮影されたフォンテーヌブローの写真2点が入っているが、まさにバルビゾン派の絵画そのものといった感じで、バルビゾン派と写真技術の繋がりを実感する。
4章 「アール・ヌーヴォーと象徴の森」
アール・ヌーヴォーといえばエミール・ガレ。植物の描かれたそのガラス器が何点も展示されている。「風景文ランプ」が素敵。ガレえは「花文棚」という家具もみられる。天然木も装飾された森の生物たち。素朴なようで華やかなようで、不思議な味わいがあった。
ポール・セリュジエ「ブルターニュのアンヌ女公への礼賛」は象徴の絵画であろうか。アンヌ女公は両親の死により11歳でブルターニュの女公の地位についてから苦労してブルターニュを守った人物で、今でもブルトン人の誇りだそうである。穏やかなアンヌ女公、メルヘンチックなタッチ、ここでの森は、アンヌとアンヌに若木の鉢を捧げる兵士たちの後ろに散らされた葉が森を象徴する。心が癒される1枚である。

5章 「庭園と『聖なる森』」

ここでは写真家川田喜久治によるイタリアはボマルツォにある怪物公園Parco dei Mostriを撮影したモノクロ連作に圧倒される。怪異な巨石の石彫群はグロッタ(イタリアの人工洞窟。かなり興味がある)にちょっと共通する関心を呼び起こす。この怪物公園にはぜひ行ってみたい、とそそられた。
6章 「メルヘンと絵本の森」
5章の怪異で聖なる森からがらっと変わって文字通りメルヘンの世界。でも絵本の挿絵とかって、けっこう怖いものがあるのよねえ。大好きな「雪の女王」の挿絵があったのが嬉しい!!
燭台のロウソクに火を灯すと回り出すというクリスマスピラミッドが面白い。もちろん、展示では火がついていないのだが、回してみたい。
7章 「シュルレアリスムの森」
マックス・エルンストの博物誌は、木目や葉脈などに紙をのせて上からこすって制作されたのだそう。昔、子供のころ、同じようなことをやったっけ。そういう懐かしい味わいがある。
マグリットの「宴」、「常套句」、「再開」が印象的だった。
8章 「日本の森」
岡本太郎は縄文土器、羽黒山の参道、沖縄の大御嶽、ノロの写真と絵画「森の家族」。岡本太郎展で見た「森の掟」、「夜」も太郎の森だねえ。
男鹿和雄「もののけ姫」の背景画はす~っと涼しくなる感じ。

これだけの点数だし、ハシゴでなく単独で来ればよかった。疲れたので庭園鑑賞もせずに帰らなくてはならなかったもの。

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