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2011年8月16日 (火)

第17回稚魚の会・歌舞伎会合同公演A班

816日 稚魚の会・歌舞伎会合同公演千穐楽A班(国立劇場小劇場)
11081601tigyo まずは超ミーハー的ご報告。国立劇場の敷地内に入ると、蝶之介さんが。蝶之介さんはその後も何回かお見受けしましたわ。入口の受付(外)には梅之さんと喜昇さんが座っていらした。中へ入ると隆松さんが「挑む」のチラシを配っていらした(未だに予定立たず、見るとしても当日券になりそう)。そのそばに新十郎さんの端正な姿が(昨日は後見での手際よい活躍、とっても素敵でした)。それから芝雀さんが奥様といらっしゃいました。2度目の30分の休憩時間に外へ出たら、勘十郎さんが!! 「趣向の華、大変楽しく拝見しました。来年も楽しみにしております」と、思い切って声をかけてしまった。去年も「趣向の華」直後に演舞場でお見かけして声をかけたいと思いながら勇気が出なかったので、今年は意を決して感謝の気持ちを伝えられてよかった。
 
昨日、書くのを忘れたけれど、昨日は松江さんもいらしていたのだったわ。
 
「寿曽我対面」
 
シングルキャストの升六さん、障子の奥から響く声に貫録があって、「ああ祐経だわ~」と胸がときめく。障子が上げられる。私の目はまず化粧坂の少将にいく。だって、京由クンなんだもの。本当に美形。
 
升六さんと同じくシングルキャストの信蝶さん(梶原景時)、老け役はむずかしいと思うが、ゆったりと落ち着いたセリフで年齢を感じさせる工夫と努力が伝わってきた。市伍さん(近江小藤太)もすっかり板について、私の目にもなじんでいる。八幡三郎の吉二郎さんは、昨日の大蔵卿のお顔がついつい重なってしまう。
 
五郎の茂之助さんは大きな体で思いっきり元気がよく、稚気たっぷり。むきみの隈をとったお顔は幸四郎さんにちょっと似ている。動きは海老蔵+團蔵のミックス型? 親の敵に対する敵意がはっきり表れていてとてもよかった。十郎の京純さんは、祐経に対する思いとはやる弟を諌めつつ弟を守ろうとする兄の心が感じられた。
舞鶴の伊助さんには、あの場を取り仕切る(?)自然な大きさがみられた。

 
「一條大蔵譚」
 
猿琉さんの吉岡鬼次郎を楽しみにしていた(昨日は鬼王新左衛門で鬼つながり、そして源氏の重宝・友切丸とも猿琉さんが一番つながっている)。昨日の吉六さんもとてもよかったが、猿琉さんも感情豊かな鬼次郎を見せてくれた。立ち回りの形がすごくきれい。
 
八剣勘解由は新次さん(こちらもシングルキャスト)。どことなくユーモラスで憎めない悪役であっただけに、大蔵卿に首を刎ねられたら気の毒になってしまった。この首を大蔵卿が屏風の陰から出すタイミングは昨日のB班はずいぶん時間がかかっていたが、今日のA班は逆にかなり早かった。その中間くらいがちょうどいいかなと思うけれど、これは確か巡業での菊五郎さんもあっという間に出してきたから、そんなものなのかな。
 
笑野さんの常盤御前には静かな悲しみが感じられた。常盤御前は演じる女方さんによって、非常に感情表現が豊かな場合とそれほど感情を表に出さない場合があるが、私の好みは感情を出すほう。でも笑野さんの常盤はきれいで、ちゃんと気持ちが伝わってきた。
 
東志二郎さんははじめ大蔵卿というには童顔すぎる気がしたが、声がしっかりしていて大蔵卿の大きさのようなものが感じられた。松也クンのところの徳松さんが勘解由の妻役で舞台を締めていたのがうれしい。

「戻駕色相肩」
B
班は浪花の次郎作と吾妻の与四郎が花道から登場したが、A班は浅葱幕が振り落された舞台に最初から駕籠が置かれ、2人はすでに一休みに入っている。後見と出演俳優がA班とB班で入れ替わっているのが面白い。互いに自分の役で後見をするからよくわかっていていいと思う。A班は次郎作が新十郎(後見・國矢)、与四郎が升一(後見・左字郎)、かむろは京由(後見・竹蝶)の3人。
 
昨日の左字郎さんの与四郎には柔らかいつやっぽさがあったが、升一さんは体も大きくきりっと男らしくさわやか。江戸っ子の粋のようなものがあった。新十郎さんはきれいなお顔を悪役風にするのはもったいないと思ったが、線が太くなかなかよかった。何より2人のユーモラスで楽しい芝居心により、この演目を十分楽しむことができた。升一さんは丹前をたとう紙から取り出すときに紐がなかなか解けず、「からまっちまった。取れやしねええ」とアドリブを言いながら慌てず騒がず無事に紐をほどいたのがとっても素敵だった。
 
京由クンは敢えて子供らしさを強調することはしなかったが、あの美形だし、実に可愛らしかった。昨日の竹蝶さんもそうだったが、膝を相当折り曲げて立つのはこちらが心配になるほど大変そう。膝を曲げていても動きが伴えばそうでもなさそうなんだけど、ただその場に立つのは難しいのだろうな。何しろ、曲げ方がハンパじゃないから。

今年の合同公演はAB班各1回しか見られなかったけれど、趣の異なる3つの演目で楽しかった。

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コメント

「シングルキャスト」という言葉、流行ってますのね(笑)。面白い~。

新次さん(…って、まだ時々、現・新蔵さんと間違えそうになる…!)、お師匠さまゆずりのおおらかな、愛嬌のある役作りで、好感がもてましたよね~。「かわいそう」になっちゃうお気持ち、分かるような気がしました。立廻りでもご活躍される新次さんですから、今回のお役はきっとお勉強になったでしょうね~。

升一丈のアドリブ、聞いてみたかったです(笑)!

例年より1週間ほど早い公演でしたでしょうか。いつも、稚魚の会が夏の終わり、という気分でいたので、今年はなんだか夏のリズムが微妙にずれております(苦笑)。

投稿: はなみずき | 2011年8月17日 (水) 19時47分

はなみずき様
コメントありがとうございます。
「シングルキャスト」は私の中で流行っているだけですよ(多分)smile イヤホンで聞いて、なんだかハマってしまいました。

新次というお名前は現・新蔵さんから受け継いだのですね。新次さんも先輩のように存在感のある役者さんになられることでしょうね。

升一さんはプログラムなどで拝見する写真のお顔だととてもまじめそうな感じなので、ちょっとビックリしました。こういうアドリブってステキです!!

そうそう、合同公演はいつも20日過ぎでしたね。私も毎年、夏の歌舞伎鑑賞の締めくくりのように思っていました。今年はまだ8月も半分残っていますものね。確かに微妙に変な感じがしますcoldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2011年8月17日 (水) 23時08分

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