« 記者会見に涙 | トップページ | 初対面と再会もしくは日焼け止めとボディローション »

2011年9月28日 (水)

見事に見応えあった「車引」:九月演舞場夜の部再見

925日 秀山祭九月大歌舞伎千穐楽夜の部(新橋演舞場)
結局、昼の部の再見はできなかった。舞台写真入り筋書きを買ったら、「孤城」も口上も芝翫さんが写っていたので、初日に撮った写真なのかぁと思った。「孤城」は福助さんの淀君もあった。通常、舞台写真って初日に撮るのかしら? 時々カメラマンがいるなと思うこともあるのだけど、それが何日目なのか全然意識していなかった。初日に撮っても、舞台写真入りの筋書きって20日にならないと売り出さないのかしらねえ。
ところで、梅之さんの舞台写真をいただきました。手古舞の写真で、私、自分で舞台写真を眺めていても気が付かなかったかもしれない。とっても嬉しい。ありがとうございます。
「沓手鳥孤城落月」
この物語自体をそんなに面白いと思わないのでねえ。二の丸乱戦の場はリアルで、当時の大坂城の混乱ぶりが想像できる。錦之助さんが口上に出るとはいえ、大住与左衛門だけとはねえ。
福助さんの淀君が関心の的だったが、予想したよりずっとよかった。ほとんど品が落ちることなく、狂気をうまく演じきったと思う。
児太郎クンは初日はずいぶん細っこいと思ったが、今日は案外しっかりした体をしているように感じた。私の中で児太郎クンは重の井の三吉で止まっていたから…
又五郎さん、少し痩せたように見えた。
「車引」
はじめ、怪我をしたのはどちらの足かわからなくなったほどギブスが小さくなっているように見えた。本来荒事として気合を入れて立っているところは、黒衣さんが後ろから合引きをさりげなく用意して、又五郎さんはそれに座って上半身で演技していたのだが、キレと力があって素晴らしく(セリフも!!)、座っていることなど全然気にならなかった。というより、梅王って最初からこうだったのではないかと思わず錯覚するほど、その姿は梅王そのものであった。足を使うのは必要最小限にしており、右足をぐっと踏み出したり、踏み込んだりするところは「ドン」といかれないながら、上半身がしっかりしているからそれも気にならない。
ただ、吉田神社の外から一度下手へ引っこむ時にちょっと足を引きずっているように見えて心配になった。その意識が私にあったせいか、その後、両手を首のあたりで交差させて構えている間、肩で息をしていたし歯を食いしばって痛みに耐えているように見えて仕方なかった(ガンバレガンバレと私も心の中で歯を食いしばって応援する)。また時平を襲おうとして妖力にたじたじとなるあたりは足の動きが細かいからつらかったかもしれない。
しかし、松王との対峙や最後の構えはしっかりと力強くかつ美しい形を作っていて感動した。
吉右衛門さんの松王も松王そのものなら、藤十郎さんの桜丸も桜丸そのもの。
梅王・松王・桜丸の3人、それに杉王、時平がみんなそのままあの時代から抜け出してきたようで、又五郎さんのケガという状況でありながら今までで一番見応えのある「車引」だった。又五郎さんが回復されたら再演していただいて存分に暴れていただきたいもの。
「石川五右衛門」
少しくたびれてところどころsleepy…。
南禅寺山門の染五郎さんが初日には線が細いのを無理して太くしているような気がしたのだが、千穐楽には無理なく大きく見えた。この日の席は初日よりだいぶ下手側だったので、宙乗りの染五郎さんがだいぶよく見えた。
松緑さんの久吉がよかった。はっと友市に気付くところや、山門での五右衛門との対峙がとくに。






「口上」
 
吉右衛門さんが6回目となる秀山祭が初日から千穐楽までかくも賑々しくお運びいただき~とまず挨拶。私のような者が諸先輩をさしおいて(なんか別の表現だったと思う)第一声をあげるのは僭越ですが、先ほどもアナウンスがあったように芝翫の兄さんが休演なので~。真ん中でこういうのは初めてで、あがっていて何を言うかわからない(と、ここで女性の声で何か励ましの言葉がかかり、「ありがとうございます」と吉右衛門さん)。そう笑わせておいて、いよいよ襲名披露。先代は播磨屋の師匠番みたいな方。その名前が途切れずに受け継がれるのは嬉しい。歌昇の名も引き継がれてこれも嬉しい。
 
一通り披露が終わると吉右衛門さん、「無事に喋りました」と再び客席を笑わせる。
 
以下、初日と重なる部分もあるが、一言ずつご紹介。
 
魁春:又五郎さんは家族みたいなもの。
 
福助:まずは芝翫さん休演のお詫び。又五郎さんは同世代、歌昇クンは平成生まれの急先鋒。かわいいかわいいター坊。今回は種之助クンの名前を間違えることはなかった。
 
松緑:又五郎さんには子供のときサーカスに連れて行ってもらった。歌昇さんは兄弟のいない自分にとって弟みたい。
 
芝雀:又五郎さんとは親しくしているから襲名は嬉しい(魁春・福助さんが地声だったのに対し、芝雀さんは女形の声でなんとなく色っぽかった)。
 
東蔵:先代には色々役を教わった。新又五郎さんも後輩の面倒見がいい。
 
藤十郎:又五郎さんのお父様とは竹馬の友。上方へ来るとよく一緒に遊んだ。自分も2回襲名したが、「これから後が大変」
 
梅玉:みっちゃんと呼んで親しくしている。歌昇さんはこのところ進境著しい。
 
段四郎:おめでとうございます。列座させていただいてありがたい。
 
染五郎:又五郎さんは色々教えてもらったり力を貸してもらう心強い先輩。歌昇さんは同志。
 
種之助:父と兄の襲名口上に列座させていただいて御礼申し上げます。

錦之助:一族の1人として嬉しい。
 
歌六:先代は大恩人。弟がその名を相続させていただき、また立派な口上をしていただいてありがたい。
 
歌昇:襲名はこの上ない喜び。これからも精進いたします。

又五郎:皆様のご健勝をお喜び申し上げます。歌昇、種之助ともども精進する所存でございます。
吉右衛門:来月は御園座で襲名興行をいたします。名古屋においでの節はどうぞ御園座へ。

口上を聞いていると、11人の挨拶は短いし、特別なことを言っているわけでもないのに、又五郎さん・歌昇クンの人柄が自然と伝わるようなあたたかい気持ち感じられて、ほのぼのした。

|

« 記者会見に涙 | トップページ | 初対面と再会もしくは日焼け止めとボディローション »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

こんにちはー。
筋書きには芝翫さんの写真がありましたか。ブロマイドはなかったですね。筋書き用の写真は初日で、ブロマイドはその後、よく撮れたのを選ぶんでしょうか。
梅之さんの写真、欲しかったけどほかので枚数が増えすぎたので手がでませんでした。またの機会がありそうな気もして。
車引
>両手を首のあたりで交差させて構えている間、肩で息をしていた
私初日見たんですが、ここ、その時も肩で息をしていたので、衣装がきついのかしらとかいろいろ思っていました。怒りをこらえてる演技にしては自然な(?)感じがして。
なんにせよ、完治した又五郎さんを見るのを楽しみにしています。

ところで、亀治郎の会って今年が最後になっちゃいましたかね?行けてよかったです。(なんて、老後に亀治郎にもどって10回目をやったりして。)

投稿: urasimaru | 2011年9月28日 (水) 14時06分

urasimaruさま
こんばんは。
そうなんですよ、筋書きに芝翫さんの写真があったのでびっくりしました。ブロマイドはそういえばなかったような…。写真、もうちょっと安いとたくさん買えるのですがcoldsweats02 梅之さんたちの写真も出たというのが嬉しいですね(アンケートで希望が多かったのかな、なんて思いました)。

又五郎さん、初日もそうでしたか。気がつきませんでした。千穐楽には、痛みをこらえているのかしらと懸念しつつも、いや梅王としての演技なのかもしれないとも考えました。きっと後者だったんでしょうね。
今月が終わってもすぐに御園座が始まり、又五郎さん、なかなか治療に専念できないでしょうが、早く完治されることを祈っています。

亀治郎の会はどうなるんでしょうね。公演会員向けのサイトでも「内緒です」って。亀ちゃんのことだから、urasimaru様のおっしゃるように、第10回は老後かも(私はきっともう生きていないcoldsweats02)。いずれにしても、来年は亀ちゃんの歌舞伎がたくさん見られるようなので楽しみです。

投稿: SwingingFujisan | 2011年9月28日 (水) 20時50分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/42078256

この記事へのトラックバック一覧です: 見事に見応えあった「車引」:九月演舞場夜の部再見:

« 記者会見に涙 | トップページ | 初対面と再会もしくは日焼け止めとボディローション »