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2011年10月16日 (日)

3度目の開幕驚奇

1015日 開幕驚奇復讐譚(国立劇場大劇場)
3
回目の観劇。今回は2階上手より。菊五郎さんの宙乗り狙いです。
なんだか、全体に拍手が少なく、とくに前半は菊五郎・菊之助以外の役者さんが登場しても引っこんでもほとんど拍手がなかった。全部に拍手するのもどうかと思うけれど、せめて最初の幕が開いたとき、あるいは義満の一団がセリ上がってきたときくらいは拍手があってもよかったんじゃないかな。私は手を叩く寸前までいって、まわりの様子を見て止めてしまった(そういうヤツなんよ、私は)。
九六媛が姑摩姫に空中飛行の術を授ける際、大口真神の問いに姑摩姫が答える場面が迫力があって好きだ。この大口真神の言葉は、竹本の口を借りて発せられるのだが、はじめは九六媛のセリフを竹本が言っているのだと思った。そうではなくて、大口真神すなわち九六媛を乗せた白狼の言葉だったのね。恐ろしいほどの迫力で問いかけてくる大口真神に対し姑真姫が答えるたびに、姫の体が一段高く浮く。言葉を発する白狼の目は赤く光り、すると客席が沸く。九六媛は空中を飛ぶ姑摩姫を満足そうに眺めながら悠然と空を去る。見事な場面だと思う。
菊ちゃんのもう1役、忠実で気のいい正直な人柄の若者――長総に引っ張られて逃避行につきあい、荷二郎にだまされてついには命を落とす小夜二郎が何とも哀れである(姑摩姫と小夜二郎は双子であるというから、そのうちの1人が若くして命を落とすのは当時の双子に対する認識のあらわれだろうか)。その哀れさは観劇の回を重ねるごとに深まってくる。長総のワルぶりは荷二郎のセリフどおり「その悪性は性分」に違いない。戻りの荷二郎に対し、ワルいほうへ行ったまま死んだ長総の対照が面白い。
梅枝クンの復市を――その動きに合わせて後ろに結んだ髪が若々しく美しく揺れる。計算された動きなのだろうか。自然な動きならそういうものが身についているわけだし、計算だとしたらそれはそれでまたスゴいなと感心した。

ところで、観劇後帰路を急いでいたら、永田町駅のエスカレーターで梅枝クンらしき青年を見かけた。互いに反対方向のエスカレーターだったことで一瞬のことでもあり、確信はもてないが、あの顔は絶対梅枝クンだわ。1435に三幕目が終わり、私が見かけたのが1615頃かなあ。化粧を落し衣裳を着替えてどこかへ出かけて再び国立へ戻る(かどうか知らないけど、半蔵門線のホームへ降りて行ったから)って、できないことはない?

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コメント

SwingingFujisan様
 こちらにも、コメントします。今週、国立劇場行ってきました。菊五郎劇団恒例の復活・新作物ですが、いつも通り楽しみました。ただ、やはり正月での上演の方が相応しかったですね。
 術譲りの場はシンプルな舞台装置、現代的な音楽で、猿之助のスーパー歌舞伎を連想したりしました。ダブル宙乗りは結構興奮しました。特に、菊之助の鉄棒の回転のようなワイアーアクションにはびっくり。他の人の宙乗りでこのようなアクションありましたか?
 芝居の方は菊五郎劇団のアンサンブルの良さがやはり光っていました。時蔵の長総、品よくまとめていましたが、不思議なキャラクターの役がらですね。あと、梅枝の若衆役が実にしっくりはまって秀逸です。私自身は、このような柔らかい役といえども、なるべく立役をやってほしくはなく、女形に専念してほしいのですが・・。
 そうそう、田之助、役違いとは思いますが、元気そうで何よりです。
 
 

投稿: レオン・パパ | 2011年10月22日 (土) 18時46分

レオン・パパ様
こちらにもありがとうございます。
お芝居の練れる後半にいらっしゃるとのことでしたが、今週いらしたのですね。
おっしゃるように、菊五郎劇団のアンサンブルによってよくまとまっていたお芝居だと思いました。
菊之助さんはおしとやかに見えて、鯱の時は本水での立ち回りで見事な体と身体能力を見せてくれましたし、今回はあの素晴らしい宙乗り。それも軽々とやってみせて、ステキでした(前に、だれかやったことがあるような気がしますが、滝沢演舞城のタッキーだったかもしれません)。
長総は、あのまま奥方でいたらあの悪性は隠されたままだったのでしょうかねえ。面白い人物ですね。
梅枝クンは女形専門でいきたい、と以前に言っていたと思いますが、今回は女形として合う役がなかったのかもしれませんね。私もどちらかというと女形のほうが好きです。
田之助さん、私は意外に合っているなと思ったのですが…。

投稿: SwingingFujisan | 2011年10月22日 (土) 22時30分

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