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2011年10月 1日 (土)

634M先:メイキング・オブ・東京スカイツリー展

930日 「メイキング・オブ・東京スカイツリー」(日本科学未来館)
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またまた滑り込みで見学に(会期は明日まで)。平日昼前を狙って行ったせいか、すいていた。
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月にNHKでやっていたメーキング番組を例のごとく録画しっぱなしだったのだが、予習していけばよかったとも、なんの予備知識もなく見てよかったとも思う。帰宅してから早速録画を見て復習。感動が倍増した。

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展示はまず江戸から東京へ。床に映し出されたスカイツリー建設現場を中心とした空撮図が江戸の地図(写真2)→1936年→47年→56年→71年→75年→84年→92年→2001年と移り変わる。36年から47年の町の変貌が大きいと思った。
 
途中の展示は飛ばして一気に先へ進みます。
 
そこは工事現場の雰囲気を体感できる場であった。

 
ナックルウォール
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科学コミュニケーターの人に地盤を聞いたら、地下
35mまでは泥なんですと。では地盤改良をしたのかというと、そうではなくてその下の硬い地盤に杭を打ち込んだのだそうだ。地下50mまで掘ったのがこのハイドロフレーズカッター(写真3)。杭には突起(ナックル)がついていて、上へ引き抜こうとしても下へ押し込もうとしてもナックルの力で杭が抜けたり沈んだりしない。スカイツリーの基礎は三角形。3本の脚には各40個、計120個のナックルがあってタワーを支えている。この方法によって、土を掘る量も壁の厚みも軽減され、工期短縮にもつながる。写真4はタワーの足元の一番太い鉄骨「C1バシラ」の模型。直径2.3m、厚さ10㎝。

 
リフトアップ工法
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科学コミュニケーターのミニトークショーでこの工法の解説を聞いた。まず、工事の基本は「安全・品質・効率」である。このコンセプトがリフトアップ工法に象徴されているのだと思った。

 
ゲイン塔(アンテナ部分)を上空で組み立てるのはリスクが大きい。上空の強風で溶接の精度・強度が落ちるし、物が落下する危険もある。下から積み上げれば荷揚げにも時間がかかる。そこで、地上で組み立てて引き上げる工法が取られた。逆だるま落しである(一番上の部分から各段を作っては引き上げる)。ゲイン塔の直径は6m(写真5)、高さは約240m。これを29本のワイヤの束12個、全部で348本(写真6)で、狭い塔の中心部を600mも引き上げるのである。安全性、品質、効率すべてクリアした方法ではあるが、あとで録画を見たら、引き上げ最中にゲイン塔が回転したりして原因究明・解決に1カ月ほどかかったことを知った。

 
スリップフォーム工法
 
ゲイン塔が一定の高さに達した時から、心柱(しんばしら)の工事が同時並行して始まった。心柱とは、ゲイン塔が通ったあとの空間に入れる高さ375mのコンクリート建造物で、地震の揺れと逆に揺れて震動を軽減するのだそうだ。引き上げられるゲイン塔を追いかける形で心柱が伸びていく。これも型枠を少しずつ滑り上げながらコンクリートを連続して流し込めるため、半年という短期間で完成したのだそうだ。

 
タワークレーン
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これは操縦者の視野を体感できる。コックピットの本物(写真
7)が展示されていて乗ることができるのである。3Dメガネをかければ、目の前に上空、眼下の光景、引き上げられた材料などが迫ってくる。こんな高所から繊細な操作をするなんて!!  操縦者の技術に感銘を受ける。
クレーンの作業を安定させるのがスカイジャスター(写真8)。強風の中で目標点に荷をおろすのは至難の業だと思うが、スカイジャスターのジャイロ効果おかげで風が吹いても荷が回転することなく作業ができるのだそうだ。これはリモコンで操作する。

かい摘んでのレポになったけれど、この後空中回廊気分が味わえるコーナーでは3つのビューポイントが楽しめる。1はツリーを横から眺める。1秒で1周する時計光も再現されている。2は第1展望台(地上375m)からの眺め。高所恐怖症の私は実際にツリーの展望台に上がったら足がすくみそう。3は様々な高さから下を見た眺め。ほとんど真下を見るのでやっぱり怖い。

工事には鳶工、測量工、溶接工、建設会社が関わっている。鉄骨を積む鳶工はサッカーで言えばDF(トークのおにいさんがサッカー大好きなんですって)、ズレや曲りを検査する測量工はMF、溶接工はFW.では建設会社は? 監督にあたるそうです。
 
ダイナミックかつ繊細な工事。あんな大きな建造物でも下のほうのわずか1㎜のズレが上空では取り返しのつかないズレになる。様々なリスクを乗り越えて(311日にはすでに心柱が入っていたと思う。入っていなかったらどうなっていたんだろう)634mを達成したが、安全管理はこれで終わったわけではない。それぞれの担当者の技術、努力はこれからも100年を想定した安全管理に注がれていくことだろう。
 
それにしても、手作業の東京タワーには未だに敬意を覚えずにはいられない。
 
写真1は会場入り口に展示された大型クレーン解体用の一番小さいクレーン。最小といってもデカいsign03

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