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2011年10月

2011年10月31日 (月)

「果断」も見たかった「隠蔽捜査」

1030日 「隠蔽捜査」(シアター1010
 
娘を誘ったら「上川隆也?う~ん」という感じではあったが、「舞台の上川隆也はほんっとにステキなんだから」とプッシュして、2人で見に行った。娘は小説のほうのファンだとかで、どういう舞台になるんだろうという興味はあったみたい。私には上川隆也+最近ちょっとハマっている背広の扇雀というのが眼目。
 
娘に言わせると、それぞれの役者さんは小説から受けた人物のイメージとは異なるそうだが、舞台の上川さんは私が言うとおりステキだったし、芝居もそれなりに面白かったようだ。
 
この芝居は、「隠蔽捜査」と「果断・隠蔽捜査2」の2部仕立てになっていて、「隠蔽捜査」はどちらかというと心理劇に近いという印象を受けた。前半はやや眠気がさすところもあったが、そこを乗り越えたら、ぐんぐん面白くなってきた。私たちは「隠蔽捜査」のほうしか見なかったのだけど、「果断」(小説)では実際に事件が起きて様々な動きがあるようで、それがどんなふうに舞台化されたのか、ちょっと見てみたかった。 
 
上川さん演じる竜崎伸也は正義感を貫く警察官僚で、融通が利かぬところがあるけれども、けっして押しつけがましさはなく(その正義感を他人にも押し付けるのではなく、自分で貫くだけだからだと思う)、はじめは何となく受け入れにくい感じもあるのだけど、だんだん彼の正論に惹かれ、と同時に竜崎という人間の魅力も見えてきた(ネタバレするといけないから、ここまでにしておきます)。
 
扇雀さんの伊丹俊太郎は警視庁刑事部長という立場だが、なんとなく8月歌舞伎の「東雲烏恋真似琴」の関口多膳を思い出してしまった。どこか重なる部分があったのかもしれない。ここでの扇雀さんは狂言回し的な役目も負っていて、声のよさとか感情の込め方の加減が(感情を込めないでいるようでいて、感情が感じられる)好もしかった。
上川さんとはキャラメルで一緒だった近江谷太朗さんはキャラメルでは2人で大いに笑わせてくれたが、ここではそういう要素はあまりなく、それでいてどこかほっとするようなものを感じさせた。
 
仕事一筋の神崎の家庭もなかなか興味深かった。妻・冴子(斉藤レイ)が、この妻あってこその神崎という存在感を示していた。娘(西田奈津美)も息子(岸田タツヤ)も今どきの若者らしさと神崎への反発と敬愛という面を見せて好演。実は、この息子が神崎を警察官僚から退かせる原因を作るのであるが、そういう若者の軽はずみな行動が嫌味なく理解できた。
 
「果断」はどんなふうに舞台化されているのかという興味のほかに、「隠蔽捜査」の続編としてもやっぱり見たかったなと思う。
 
<上演時間>第一幕60分(13001400)、休憩15分、第二幕75分(14151530

追記①:30日が東京公演の千穐楽だったって知らなかったcoldsweats02 
追記②:中田ヒデから扇雀さんに花が贈られていてビックリ!! しかもヒデは29日に観劇に来たらしい(くそ~っ、1日違いだったぜbearing
追記③:小林十市さんは、フテた警官役でちょびっとだけしか出なかったんだけど、「果断」では重要な役どころらしい。

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2011年10月30日 (日)

入り待ちシステム

今朝見た夢。
演舞場に少し早めに着いたら、いつの間にかそこは学校みたいな造りになっていて、奥のほうの体育館に通じる廊下に私はぼんやり立っていた。そこへ通りかかったのが菊五郎さん。ただビックリして茫然としていると、廊下に沿って大勢の人垣ができていて、その間を今度は左團次さんが拍手を受けながら通った。
どうやら、システムとして入り待ちってものがあるみたいだった。というより、スタジオパークみたいな感じかな。
10月の歌舞伎が終わったばかりなのに、もう11月演舞場の夢を見たのでした。でも残念ながら、目の前を通った役者さんで覚えているのは菊五郎さんと左團次さんだけ。もっと何人も通ったはずなんだけど。

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2011年10月29日 (土)

大事の前のナビスコカップ

1029日 ナビスコカップ決勝 vs 鹿島アントラーズ(@国立競技場、1310キックオフ、46,599人)01で敗戦
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暑いくらいの素晴らしい秋空のもと(右頬がじりじり灼かれ、シミが心配gawk)、久し振りに赤いユニフォームを着て、久々のレッズ応援へdash
堀孝史監督に代わって幸先よく、先日のマリノス戦は勝利したから今回もリーグ戦重視とはいえ、かなりの期待をもって出かけた(ペトロピッチ前監督のままだったら、行く気がしなかったと思う)。
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しかし、試合は点差以上の内容の悪さ。セカンドボールは拾えない。パスは通らない。攻め手がない。前半の終わりのほうなんて眠くなってしまったわcoldsweats02

梅ちゃん、シュート3本ははずしたな(背中の21番が泣いてるぜ:本当は7番だけど、私の背中はまだ21番のままcoldsweats01)。
直輝が後半5分、イエロー2枚で退場になった(ピッチを出るとき、チームメートに向かって手を合わせていたのが印象的だった)後はさらに散漫な内容で、よくぞ105分間点を取られなかったと思う(もっとも相手も後半35分で1人退場になったけど)。でもさ、次のリーグ戦のことを考えると延長は痛かったのよね。それに延長になったなら勝ちたかったわ。
とにかく点が取れない。前半なんて原口の存在感まったくなし。あれ、先発メンバーにいたんだっけと途中で探したほど。さすがにそれでは終わらず、後半いいところを見せてくれたけど、本当に1点が取れない。しまいには本来DFの水輝をFWに上げて、坪井を守りに起用したほど。どうしてナビスコで快調だったデスポトピッチを入れなかったんだろう。
そういう疑問は残るし、敗戦はしたけれど、気分の悪さがほとんどないのはどうしてだろう。レッズに対する思い入れが薄れたのか、あるいはリーグ戦のほうが大事だと思っているからだろうか。
次の観戦は最終戦になる予定。
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2011年10月28日 (金)

菊五郎さんのお茶目で終わった国立千穐楽

1027日 「開幕驚奇復讐譚」千穐楽(国立劇場大劇場)
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回目の観劇は千穐楽。席は七三あたりの花道際。
 
回を重ねれば重ねるほど、長総という女性が面白くてだんだん好きになってきた。生きていくためには男に縋らなくちゃならないんだけど、そのうちその男を超えてしまう。荷二郎(菊五郎)を超えるのに成功したら次の餌食は再び若い野狐銀次(亀三郎)だったりしたかしら。時様が品を落さず伝法な悪婆を演じているのもとても好き。
 
でも、小夜二郎が旅の途中「宿々であなたさまと夫婦のように申されますのが誠に心苦しうござりまする」と言ったとき、その後長総が小夜二郎に迫ったとき、客席から笑いが起こって、まあその笑いもわからなくはないな、なんて思ったりして。
 
菊ちゃんは、姑摩姫よりも小夜二郎のほうがずっと若々しくてきれいだった。藤白安同(権十郎)一行の紅葉狩りで花道に初登場したとき、あまりのきれいさにドキドキしてしまった。まだ過酷な運命を知らぬ明るさ、純粋に主君の妻をかばう忠義の気持ち、花のような若者だと思った。
 
菊ちゃんの回転宙乗り、固定されているのは左右の腰のところだけ、それもあまり大きくない金具なのに、前転だけでなく後転までしてしまうんだからすごいっ。白狼との問答に正解するたび上昇していく姑摩姫を下から見上げるのもまたオツな気分だった。
 
復市(梅枝)が荷二郎を討つ場面が一番ドラマチックで、梅枝クンのうまさが光った。荷二郎の最期には勘平が重なる。
 
さて一気に大詰へ。義満が死ぬ場面もなんだか、必ず笑いが起こるのよね。それと、斬られた姑摩姫が九六媛の仙薬で一気に回復する場面も。こういう笑いには舞台と客席の近さを感じる。
 
ラスト、姑摩姫と小六に、「天機を漏らさず、来る時節をお待ち遊ばしませ」と進言する斯波義将(菊五郎)。この言葉を聞いて姑摩姫は思い当たることがあり、義将に「九六媛さまか」と尋ねる。その瞬間、菊五郎さんが頭に手をちょんとのせ「バレた?」
 
この菊五郎さんのお茶目に客席は大爆笑。その笑いの中、舞台の足利義持(時蔵)、姑摩姫、小六(松緑)はすました顔をして芝居を続けていたけれど、本当は今にも吹き出しそう、って感じだった。
 
こうして、国立の千穐楽は楽しい笑いのうちに終わったのでした。来月は来月でまた楽しみなんだけど、10月は演舞場も国立も本当に楽しくて、終わっちゃったのが寂しい。

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2011年10月27日 (木)

大感動、大満足の「小栗判官」千穐楽

1026日 十月花形歌舞伎夜の部千穐楽(新橋演舞場)

泣いて笑って大感動・小感動、十分満足な舞台だったのに、カーテンコールのおまけまでついて、本当に楽しく幸せな夜でした。
「當世流小栗判官」
前回見たとき以上に緊張感が増し、役者さんの演技もさらにヒートアップし、非常に密度の濃い舞台になっていた。

横山大膳親子の悪巧みの真相に気づき、大膳の兄であり照手姫の父親である横山郡司(寿猿)の遺骸を抱き、「お殿さま、さぞご無念でござりましたでしょう」と泣き、遺骸を揺さぶりながら「おとのさま~」「おとのさま~」と嘆き悲しむ竹三郎さん(藤浪)に、こちらも思い切り感情移入して泣きそうになった。
段四郎さん休演の代役として横山大膳を演じた右近さんは、味わいという点では少し物足りない感じがしたが、大きさも憎々しい悪さもあったと思う。
おとなしくなった鬼鹿毛に乗って悠然と立ち去る小栗判官に対し、横山側は幕が閉まるまで、悔しがってワナワナと体を震わせていたのが印象的だった。
お楽しみ、浪七詮議の場は、爆笑爆笑、もうほんと~に可笑しくて可笑しくて、私も笑い転げた。以下、爆笑シーンを再現(順番は前後しているかも。あんまり可笑しくてなんだかわからなくなっちゃった)。
偽代官役の橋蔵(獅童)が胴八(右近)に教わったとおり「者どもそれ~」と言うと、「これは」と答えるはずの浪七(亀治郎)が考え事をしていて何も言わない。そこで橋蔵は何とか答えさせようと、亀ちゃんに向かって色々仕掛ける。亀ちゃんったら、思わず顔をそむけて笑いをこらえる。こんなことが2回ほどあって、こっちの笑いも倍加する。
役立たずの橋蔵に見切りをつけた胴八が「浪七、返事はどうじゃあ~」と橋蔵にかわって詮議を始めると、獅童さんが扇子で煽って客に拍手を要求。客席は大笑いしながら拍手拍手。
橋蔵は役に立たないし、胴八と四郎蔵(猿弥)の「トン」も打ち合わせどおりいかなくて、猿芝居が全部ぶっこわれると、橋蔵「四郎蔵、もういっぺん立たしてんかぁ」と猿弥さんの助けを借りて立ち上がると、黒御簾から太鼓が「どんどん」。獅童さん、驚いたように黒御簾へ近寄り中を覗き込み「黒御簾までバカにして」。そのあと花道へ出ようとしたところへもう一度太鼓が鳴る、つかつかと黒御簾の前へ進んだ獅童さん「もうぉっ。誰? 出てらっしゃい」。で、もう客席の笑いは止まらない(黒御簾は千穐楽バージョンかな)。
気を取り直した獅童さん、「このままじゃ役が悪すぎる」と例のアレに入ろうとすると、客席から「そんなことないよっ」「がんばれ~」の声がかかる。ハプニングに獅童さんは一息ついて、「さっきまでね、あっちの後ろのほうに(と、上手側を指す)僕の母親がいたんだけどね、いなくなっちゃった。こういうの嫌いみたい」と再び客席が笑いに包まれたところで、例のあれ、<ほそまっちょ>が始まる。場内ノリノリの手拍子で獅童さんを盛り立てる。<ほそまっちょ>が終わると、再び客席から色々な声が獅童さんにかかり、獅童さんもよく聞き取れなかったようだけど、「もう一度やって」の声には応えず、ほそまっちょは1回だけ(それでよかったと思う)。
そして右近さんのほうを見て、「あの人、ああ見えて本当はいい人なのよ。僕が小学生のとき、ディズニーランドに連れて行ってくれたの」。突然振られた右近さん、「あの頃はかわいかったな~」と胴八笑いで応える。
さて、こんなふうに花道で獅童さんが奮闘している間、舞台の右近さんと猿弥さんは元の姿勢を崩して(右近さんは本来なら肘枕で横になっているのを浪七の家の縁に腰かけていた。猿弥さんは元の姿勢はどうだったか忘れちゃったけど、立って眺めていた)花道を見ている。ふと獅童さん、「あの人たち休んでる」。慌てて右近さんは肘枕の姿勢に戻る。
大爆笑、大拍手の中、獅童さんが花道を引っこむと、右近さん「あいつ、1カ月よくやったよなあ」。
獅童さんに完全にもっていかれた笑いだけど、照手姫(笑也)の「あれえ」もかなり笑える。胴八につかまりそうになって「あれえ」と叫ぶ姫に、大声を出すと殺すぞと脅す胴八。姫は途端に小声で「あれえ」「あれえ」。

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2011年10月26日 (水)

菊十郎さん、おめでとうございます

今年の文化庁長官表彰を、歌舞伎界から尾上菊十郎さん、衣裳の小堺徹一さん、大道具の芝田繁さん、かつらの日比谷昌洪さんが受けることになった。この表彰は文化活動に優れた成果を示し、文化の振興に貢献した個人・団体の功績を讃えるものだそうである。
菊十郎さんは登場するだけで私を江戸の町へ連れて行ってくれる大好きな役者さんの1人で、その地道な演技・活動が認められたのは菊十郎ファンとしても歌舞伎ファンとしても嬉しい。おめでとうございます。
ところで文化庁長官といえば、先日の内覧会で学芸員さんの説明を熱心に聞きながら名宝を見て回っていたあの方ね、と続けてその名に接したことがなんだか不思議(でもそういうことって、意外とよくあるものじゃない?)。

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2011年10月25日 (火)

「800年ぶりの再会」に感動:「法然と親鸞 ゆかりの名宝展」

1024日 「法然と親鸞 ゆかりの名宝展」(国立博物館平成館)
11102501honenshinran
今日のオープン前日、ツテがあって内覧会に行ってきた。内覧会そのものは2回目だけど、こんな大規模な展覧会のは初めて。気持ちおめかしして行ったら、そんな必要は全然なかった(^-^;
 
まずは、階段下のエントランスで開会式。主催者たちの挨拶が続き、少々足が疲れたが(真ん中より後ろに陣取った私のところからは主催者も来賓も全然顔が見えず、余計疲れた)、法然も親鸞もあまりよく知らない(知っているのは歎異抄の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」くらい)私にはなかなか興味深いお話であった。
 
今年は法然没後800年、親鸞没後750年で、この展覧会はそれを記念したものだが、法然と親鸞の展覧会が同時に1つのところで行われるのは初めてのことだそうだ。親鸞は法然の弟子になったものの、2人がともに過ごしたのはたったの6年間、120775歳の法然は土佐、35歳の親鸞は越後への流罪となり、その後2人はこの展覧会まで再会することはなかったのである。親鸞は法然より40歳年下だから、入滅した年齢は法然80歳に対し、親鸞は90歳ということになる。当時としては2人とも超長生きだと驚いた。
 展覧会は4章に分かれている。
 
1章  人と思想
 
法然上人坐像(奈良・當麻寺所蔵の彫像)は、自分で勝手に抱いていた法然のイメージと全然違って、ふっくらと柔和なお顔である。一方の親鸞聖人坐像(三重・専修寺所蔵の彫像)は目がつりあがり鼻の下が長く、口をちょっとすぼめて、大変失礼ながらどこかその辺のおじさんみたいに親しみやすいお顔だが、それでいて尊さを感じさせる。
ところで、法然は上人、親鸞は聖人、どういう違いがあるのかよくわからない。
「源空(法然)・証空書状」(京都・清涼寺)のうち源空書状は、なんとあの熊谷直実の質問に答えた法然自筆の書である。素直な心情が感じられる文字であると思った。吉右衛門さんの花道の引っ込みが頭に浮かんだ。
親鸞自筆の書の数々からは親鸞の信仰心や勉学熱心が伝わり、感動した。
 蓮如の筆になる「歎異抄」に、「おお、これが!!」とちょっと感激。
2章  伝記絵にみる生涯
「法然上人行状絵図」や「親鸞聖人絵伝」など、2人の生涯が色鮮やかに描かれていて、圧巻である。鎌倉時代に描かれたのにこんなにもきれいな状態で保存されていることに驚いた。所蔵している各お寺がこれらの絵図をどれほど大事に扱ってきたかがわかる。しかし俗な私には、当時の人々の服装とか、僧兵の存在とか、そういう俗なことが興味深かった。
3-1 法然をめぐる人々
「阿弥陀如来立像」(所蔵寺の記載がなく、浄土宗としか書かれていないので、浄土宗としてもっているのだろうか?)が素晴らしい。作者は不詳のようだが、弟子の源智が発願し、法然の一周忌供養法会に間に合うように121212月に完成したものだそうだ。時々、動けなくなるほど感銘を受ける仏像があるが、この「阿弥陀如来像」も素晴らしくよくてぐぐっと私の心を鷲摑み。感動の像であった。
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15日からは熊谷直実自筆の書状が公開されるそうである。

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2011年10月24日 (月)

三段階起床法

朝のよわ~い私。いつも携帯のアラームを15分おきに3回かけて起きるようにしているのだけど、2度寝、3度寝のこの15分があっという間。
「今、鳴ったばっかりじゃ~んgawk
でも間違いなくあれから15分経っているbearing
外出とか何かしなくてはならないことがある日は3回目には何とか布団から出るようにしているが、そうでない日は、再びアラームをかけ直し、結局5回目で起きるなんてしょっちゅう。最初のアラームから1時間も経っている、ってことはこの1時間は無駄な1時間で、はじめから起きられる時刻に合わせておけばいいのよね。それができないのが問題なのだcatface
今朝は4回目で起きましたcoldsweats01

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2011年10月23日 (日)

獅子虎無念

今日は「獅子虎傳阿吽堂」の一般発売日。
やっぱり秒殺でしたわdown だいたい一般販売はほとんど立見席? その立見すらあっという間shock
当日は、シアターコクーン→クリエとのはしごになるから、ムリするなってことかしら。でもくやじ~bearing
染五郎人気、恐るべしcoldsweats02

ところで昨日、雨が降ってほしくなかったのは、↓
11102301narita

半年ぶりに娘が一時帰国。自宅最寄駅から車に乗り移るのに大きなスーツケースを持って雨の中はつらいなと思ったわけ。幸い、雨はあがっていて、助かりました。

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2011年10月22日 (土)

来年浅草に吼える

ちょっと目を離していたら、来年の浅草歌舞伎の演目が決まりましたねえ!!
もう、すっかりコーフンしちゃってupwardrightupwardright
出演者も亀ちゃん、ラブリンのほかに、亀鶴さん、男女蔵さんが決まりました。
1人で「うぉぉぉ~」と吼えていますsmile

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今日は玉さまの番組が

BSフジ、18時から18時55分
「その時、私は」という番組に玉さまがご登場。
コナンくんと重なるけれど、ここは玉さま優先で録画予約をしましたsmile

一昨日飲みすぎたのか、あるいは風邪気味なのか(たぶんその両方)、昨日から頭重(頭にcloudがかかってる感じ。Fujisanだからこんな天気の日はしょうがないのかcoldsweats02)と喉の軽い痛みが取れず、胃も気持ち悪くって(その割には食べるけれどcoldsweats01)、でもなかなか休めなくて、今ちょっとつらい状態にある…sad

雨、イヤだなあ、今日は。その理由はまた後ほど。

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2011年10月21日 (金)

花形歌舞伎再見②:「一心太助」の可笑しさ

1020日 芸術祭十月花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
 
「一心太助」
 
初回観劇時に、獅童さんだけちょっと歌舞伎風味がないように感じられたのだが、今回はその不満がかなり解消された。とにかく太助がカッコいい。そして可笑しい。
 
以下、可笑しさの羅列。
 
天秤棒をよったよった担いだりする家光の魚屋修業が可笑しくてたまらない。「又さん、文さん、いっしょに来~い」。
 
一方の家光にばけた太助は襟のびらびら立った衣裳を着せられ「このびらびら何?」。すると彦三が「エリマキトカゲじゃ」。これには客席爆笑だったが、獅童さんは返す言葉もなく猿弥さんを見つめるばかり。そこで猿弥さん再び「エリマキトカゲじゃよ」。それでも獅童さんは無言。すると猿弥さん、ジレて「何か言え」。最後までアドリブがでなかった獅童さんが可笑しかった。
 
御台所の甘い呼びかけ(思わずにやにやしてしまう可笑しさ)に慌てふためき、偽家光にセリフをつける彦三とセリフをつけられる太助の呼吸の可笑しいこと可笑しいこと。
 
それから、本物の家光を太助だと思いこんで肩をぽんぽん叩き化け方のうまさを褒めた彦三、後で間違いに気づいて落ち込む姿があんまり可笑しくて、私はしばらく笑いが止まらずに困ってしまったほどだった(今思い出しても笑える)。
 
魚河岸のみんなの前で、偽太助に向かって思わず「上さま」と叫んでしまった又さん(猿三郎)、慌てて手で口を押さえたそのタイミングもずっと手を口に当てている姿もメチャ可笑しい。
 
ところで、仲間を救うために彦三と駆け出す偽家光から戻った太助を小姓がじっと見送るのだが、なんだかそれも可笑しい。
 
首をちょっと前に突出し、腰をかがめ気味にして、ちょこまか動く右近さんのしょぼさが可笑しい。
 
前回は気づかなかったが、今回は場面転換のため舞台が暗くなってもセリフが続いていて、楽しかった。
 
今回は可笑しい特集になったが、獅童さんをはじめ門之助さん(柳生十兵衛)、高麗蔵さん(御台所)などなど、かっこいい人たちもたくさんで、痛快娯楽時代劇として十分楽しめた。

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花形歌舞伎再見①

1020日 芸術祭十月花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
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度見ても面白くて、3度目も、それも花道そばで…と欲張りたいところだけど、もう行かれる日もないし、がまんがまん。
「義賢最期」
今回は、この後の「実盛物語」(竹生島も含めて)とのつながりを深く感じながら見たせいか、心に残るものが前回に比べて大きかったように思う。
九郎助の背中に背中合わせに負ぶわれて刀を振り回している太郎吉が、後に実盛が討たれてやろうと約束するあの子なんだとか、義賢に源氏の白旗を託された小万が命にかえて守ったのだとか。義賢が小万に白旗を渡す場面は万感の思いが伝わり、泣けた。
末期の水の柄杓を義賢に渡し(水をあんなに求めていた義賢だもの、この場面にはいつもほっとする)、義賢の最期を見届ける小万には、笑三郎さんの好演もあってずいぶん泣かされた。
しかしこれほど壮絶で哀しい別れはあるだろうか。愛之助さんの孤軍奮闘ぶりにも感動した(義賢ってあんな長袴でよく戦えるなあ、とはナンセンスツッコミ)。進野次郎が義賢を後ろから羽交い絞め(舞台では腰に手を当てているだけ)にして階段を後ずさりして上がる場面では、薪車さんが愛之助さんの体と動きに気を配っている様子が見えたような気がした。派手な立ち回りはもちろんだが、こういうところも2人の呼吸が合わないと難しいのだろうなあと思うと、そこにも感動してしまう。
ところで、折平と小万と待宵姫の関係はどうなったの? 結局小万は折平に会えなかったの?(ここ、いつもよくわからない) 
「京人形」
前半と後半ががらっと変わる面白さ。その前半と後半もそれぞれに見どころたっぷりの面白さ。
澤瀉屋の人たちの芸というのはとても行儀がよく、それでいて巧まざるユーモアを発揮する。それがここでも生きている。
「京人形」と書かれた箱の蓋を甚五郎(右近)がはずし、人形(笑也)の姿が露わになると、そのあまりの美しさに客席から「わ~」という歓声があがった。
人形が前に出てきたのを不審に思った甚五郎が人形を抱きかかえて箱へ戻す時の笑也さんの体の動き(というか動かないというか)が本当の人形のようだった。
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人の踊り、後半の立ち回り、30分という短い時間の中でたっぷり楽しんだ。

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2011年10月20日 (木)

予備軍

今日はこれから演舞場なんだけど、駅のちょっと手前まで来たら、
「あっPASMOわすれたっshock
昨夜、バッグを変えたから(歌舞伎のチケットと筋書割引券を忘れないようにとのアタマしか働かなかった)。
たまたまかなり早めに出たのではあるものの、戻るほどの時間はないdespair
でもおかげで切符を買う時間はたっぷり。そして東銀座までの交通費を認識した。何しろオートチャージされるPASMOでは交通費の感覚が麻痺するからねcoldsweats01
まあ不便は不便だけど、そういう意味ではたまに切符を買うのもいいか。
しかし最近、携帯だのオペラグラスだの、よく忘れ物をするわ(この前は鍵落としたし)。いよいよ本格的にボケが始まったかと心配しているのだけど、と息子に言わせると、そういうふうに忘れたり落としたりしていることを自分ではっきり認識しているうちはボケていないんだって。ほんとかな。まあ、予備軍であることは間違いなさそうだな。
今度は切符をどこへしまったか忘れないようにしなくっちゃcoldsweats01
ちなみに、脳の活性化には音読がいいそうですhappy01

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2011年10月19日 (水)

段四郎さん休演

先日、urasimaru様のところ(→ココ)で段四郎さんの休演を知り、心配していました。
昨日、演舞場の公演案内を見たら、正式に休演のお知らせが出ていました。
他の情報では、疲労蓄積のため千穐楽までお休みされるとのこと。
若手の中で舞台を締め、とてもいい横山大膳だっただけに残念で仕方ありませんが、その一方で代役の右近さんが楽しみなのは、歌舞伎ファンのサガと申しましょうか、どうしようもないこと。ごめんなさい。
段四郎さんには次の舞台でご活躍していただくためにも今はゆっくり休まれて回復に努められることをお祈りします。早くよくなってくださいね!!

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2011年10月18日 (火)

梅原猛氏が語る亀治郎さん:東京新聞の記事から

毎週月曜日、東京新聞夕刊に梅原猛氏が「思うままに」というコラムを連載している。ふだんはあんまり真面目に読まないのだけど、1017日のタイトル「猿之助と亀治郎」に惹かれて一気読み(以前、いつだったかしら、猿之助さんとヤマトタケルのことを数回にわたって書かれていたことがあって、その時も夢中で読んだっけ)。
 
この記事はWebで読めないみたいなので、要約しながらちょっとご紹介(『』部分は東京新聞から引用させていただきました)。
 
昭和61年、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」初演時のこと。ある日、楽屋前の廊下でしきりに竹刀を振ってヤマトタケルの真似をしている少年がいた。亀ちゃんであった。『親思いの亀治郎は、梨園の紳士といわれる父、段四郎がいつも悪役となり、無惨にも斬り殺されるのをとても悲しく思っていた』。しかし『熊襲タケルや伊吹山の山神に扮した段四郎がすばらしいセリフを語り、みごとな悲劇的最期を遂げるのをみて、いたく嬉しかった』のだそうだ。
 
そういうことを感じていた少年時代の亀ちゃんの姿が見えるようで、ちょっと胸がアツくなった。
その段四郎さんが14日、体調不良で休演されたそうである(代役は右近さん)。その後の情報がわからないので心配しているが、亀ちゃんも表には出さないもののずいぶん心配していることであろう。1日も早い回復を心からお祈りします。

さて、
亀ちゃんはその後、梅原さんの著書に感銘を受けて、書生として梅原さんの自宅に住み込みたいと願うまで傾倒していたようだが、梅原さんは著書を読んでくれるのはありがたいが、亀治郎さんが立派な歌舞伎役者にならなければいけない人間であること、芸の道を究めてほしいことを伝えて書生の願いを断ったという。
 
その亀治郎さんが今月、「當世流小栗判官」で猿之助後継者として見事な舞台をつとめている陰にはこのような時代もあったのだなあとしみじみ思う。

また今年春、猿之助さんから香川照之一家を暮しているという手紙が梅原さんのもとに届いたそうだ。梅原さんは猿之助さんの新しい生活を祝福する返事を書き、亀治郎さんと香川さんで「ヤマトタケル」をやってほしいことを追伸として付け加えた。
 
おそらく、香川さんの歌舞伎界入りを知った人たちはみんなそう思っただろうが、香川さんがすぐに古典を演じるのは無理でも、世話物やスーパー歌舞伎ならできるのではないか。梅原さんも同様なことを書かれている。そして『猿之助と同じように、これでもかこれでもかというほどのすばらしい熱演を見せる名優』香川さんと、『立派な歌舞伎役者に成長した亀治郎とのコンビによる「ヤマトタケル」が上演されれば、どんなにかすばらしい舞台になるか。それを期待するのは私ばかりではあるまい』。
 
そうですそうです、2人の「ヤマトタケル」を私も熱望しています。梅原さんのこの文を読めば、それが見られる日もそう遠くないような気がして、来年6月がますます楽しみになってきた。

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2011年10月17日 (月)

亀ファン、愛ファン、そうでなくても必見、猿三郎さんのブログ

時々覗く猿三郎さんのブログ(→トップページはココ)、今見たら、なんと亀ちゃんとラブリンが登場していた。しかも亀ちゃんは2日連続で!! あ、吉弥さんも!!
猿三郎さんの語る亀ちゃん、ラブリン、吉弥さんのエピソードも楽しいよ~happy01
猿三郎さんのブログは演目やその日の公演などについてもいろんな表話・裏話がお人柄をしのばせる文章で紹介されていて、ますます猿三郎ファンになっちゃうのです。

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二兎を追って

今日は平成中村座12月公演のゴールド発売日。
と同時に、「獅子虎傳阿吽堂」のオンライン会員先行発売日でもある。
どうして同じ日にぶつかるのぉ~と嘆いたところで始まらない。
どっちを優先するか--中村座も狙いをはずしたくないが、獅子虎では有料会員の先行販売も秒殺だったと聞いたのでこちらを優先に、と決めた。
そして今朝10時。獅子虎のサイトで「おお、わずかながら席あるじゃん」。しめしめと席を選択したら、「ご用意できませんでした」。
あわてて戻り、次の席を指定するが、それも×。そうしている間にも次々に△マーク(残席が少しある)が×マークに変わっていき、ついには全席full
ほんと、秒殺だったよ~shock 

一方の平成中村座。夜の部は一発で取れたけれど、昼の部がちょっと。日にちを変えて検索してみたりもしたけれど、やっぱりピンポイントでその日しか行かれないので初志貫徹。そういうわけでまあ、中村座は何とか確保できました。

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2011年10月16日 (日)

3度目の開幕驚奇

1015日 開幕驚奇復讐譚(国立劇場大劇場)
3
回目の観劇。今回は2階上手より。菊五郎さんの宙乗り狙いです。
なんだか、全体に拍手が少なく、とくに前半は菊五郎・菊之助以外の役者さんが登場しても引っこんでもほとんど拍手がなかった。全部に拍手するのもどうかと思うけれど、せめて最初の幕が開いたとき、あるいは義満の一団がセリ上がってきたときくらいは拍手があってもよかったんじゃないかな。私は手を叩く寸前までいって、まわりの様子を見て止めてしまった(そういうヤツなんよ、私は)。
九六媛が姑摩姫に空中飛行の術を授ける際、大口真神の問いに姑摩姫が答える場面が迫力があって好きだ。この大口真神の言葉は、竹本の口を借りて発せられるのだが、はじめは九六媛のセリフを竹本が言っているのだと思った。そうではなくて、大口真神すなわち九六媛を乗せた白狼の言葉だったのね。恐ろしいほどの迫力で問いかけてくる大口真神に対し姑真姫が答えるたびに、姫の体が一段高く浮く。言葉を発する白狼の目は赤く光り、すると客席が沸く。九六媛は空中を飛ぶ姑摩姫を満足そうに眺めながら悠然と空を去る。見事な場面だと思う。
菊ちゃんのもう1役、忠実で気のいい正直な人柄の若者――長総に引っ張られて逃避行につきあい、荷二郎にだまされてついには命を落とす小夜二郎が何とも哀れである(姑摩姫と小夜二郎は双子であるというから、そのうちの1人が若くして命を落とすのは当時の双子に対する認識のあらわれだろうか)。その哀れさは観劇の回を重ねるごとに深まってくる。長総のワルぶりは荷二郎のセリフどおり「その悪性は性分」に違いない。戻りの荷二郎に対し、ワルいほうへ行ったまま死んだ長総の対照が面白い。
梅枝クンの復市を――その動きに合わせて後ろに結んだ髪が若々しく美しく揺れる。計算された動きなのだろうか。自然な動きならそういうものが身についているわけだし、計算だとしたらそれはそれでまたスゴいなと感心した。

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2011年10月15日 (土)

今日の出来事②:学習しない自分

国立劇場からの帰り、スーパーで買い物をした。
 
カバンを持って買い物するのはジャマなので、財布と携帯と車のキーを手に持ち、車を降りた。
 
レジで…財布と携帯はあるのに、キーがないshock
 
お金を払い、品物を詰め、自分の辿ったルートを逆行した(小さなスーパーでよかった)。駐車場まで戻ったが、落ちていない。青くなりながらサービスカウンターに尋ねると、見えたeye 私のキーがup
 
「あ、あれですあれです」
 
「よかった~happy02」とほっとすると、店員さんも一緒になって喜んでくれた。
 
今日の服装にはポケットがないので、正直はじめから危ないなとは思っていたのよね。そしたら案の定だもの。
買い物中車のカギを落としたのはもう数回経験しているのに学習しない私。

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今日の出来事①:電車の中であなたは何をする人?

読書する人? ケータイいじる人? 寝る人?
 
私はほぼ90%、寝る人です(10%は仕事だったり、数独だったり、メールだったり、読書だったり)。
 
今日も仕事をとりあえず広げたら途端にすいまクンに襲われ、爆睡(眠気を誘うには仕事が一番bleah)。
 
ふと戻った意識に飛び込んできたのは「永田町です」というアナウンスとすでに開いているドア。反射的に立ち上がりドアへダッシュdash 我ながらよくぞ目覚めた。けれど、ちょっと恥ずかしい行動でした。

電車の中で化粧をするのは女性のたしなみに欠けると問題になったりもしたが(私もそう思わないこともないが、その前に化粧テクに感心してしまう)、ひと前に寝顔をさらすこともかなりみっともないかもしれないなと最近やっと思うようになった。
日本人って、仲間うちだと恥の意識が働くけれど、そうでなければ割と平気なんだって、前に何かで読んだことがある。確かに自分にもそういうところはあるな。

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2011年10月14日 (金)

玉さまに恋しちゃいそう:坂東玉三郎特別舞踊公演

1013日 坂東玉三郎特別舞踊公演(日生劇場)
チケット発売日に予定が立てられなくて、傍観gawk

迷い続ける毎日。最近地方公演の多い玉さま、日生はチャンスだけれどもう安い席はない。1012月は出費が多いので諦めようthink

いただいたコメントに12度と背中を押され、チケットを探すeye

8,000
円の席が出た。ぽちっgood これで、中村屋兄弟の「芯」を見る線はなくなったcoldsweats02

翌日、別の日の4,000円の席が出た。もう遅いbearing
ってことで、昨日、行ってきました。
結論
①お金のことばっかり言うようだけど、ほんっと今の時期8,000円は痛いのよ。でも、公演を見終わったら、大満足happy01どころかお得感さえあった。演目の並べ方も計算されていてすご~くよかった→8,000円が痛いと言いながら、藤娘の舞台写真を2枚買ってしまった(一番人気・二番人気の2枚だったと思う。一番人気の写真ははじめ完売だったのが次の幕間には出てきて、また飛ぶように売れていた)
②玉さまのあまりの美しさに、幕間でトイレの鏡に写った自分が恥ずかしくなった。しかも、日生の後仕事に行くことになっていて重い荷物をもつため、玉さまの美意識とはおよそかけ離れたスタイルでいたし…
③玉さまの美しさは表面的な容姿だけではなく、内面から滲み出る品性とか人間性とか、そういうものに裏打ちされたものだということをあらためて認識。玉さまに恋しちゃいそう(それほど感動したのでした)。
以下、各演目についての感想を。

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2011年10月13日 (木)

フランスの漫画を見る:BDで楽しむルーヴル美術館展

106日 「BDで楽しむルーヴル美術館」展(メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス)
 
展示は108日に終了。このためだけに出かけるのは億劫だったので歌舞伎観劇とハシゴで(演舞場昼の部の帰りに鑑賞)。
 
メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスの存在はかなり前から知っていたけど、行くのは初めて。地図を印刷しておいたのに忘れ、しかもざっと場所を見ておいたのが記憶違いもいいとこで、ずいぶん迷ってしまった。なんのことはない、銀座中央通りのフェラガモから1本入ったすずらん通りにあった。
 
あまりに小さな建物にまずびっくり。そして3階の展示場へ入るとあまりに小さなスペースにこれまたびっくり。さらには展示がこれだけ?(展示は、部屋の壁に沿って5作)でまたびっくり。企画展示のほかに、常設と思われる彫刻のレプリカがいくつか置いてあった(「サモトラケのニケ」、程よい大きさで、ちょっとほしい)。部屋の真ん中には落ち着いた椅子が置いてあり、展示本は手に取って見られるようになっているから、静かに読むにはちょうどいい環境かもしれない(ちなみに、BDとはフランス語で漫画のこと)。
 
日本の漫画がフランスで高く評価されているのはよく知られていることだが、フランスでは漫画は大人の文化なのだそうだ。しかしここに展示されていたフランスの漫画本は、私にとってはちょっと…な感じ。アイディアやストーリーは見事と感心するのだが(実物の漫画本の隣に日本語の丁寧な解説があった)、絵がどうしても好きになれない。たとえば、「氷河期」という漫画は、ルーヴルという名も既に知る者のいなくなった遠い未来、氷河から偶然発見されたルーヴルで人間たちがバカげた類推をする中、真実を突き止めたのはイヌ・ブタであるという話だが、このイヌ・ブタが全然かわいくない。しかし、フランス人にとってイヌ・ブタがかわいくある必要はないようなのである。
 
「ルーヴルの空の上」という作品もフランス革命に翻弄されながらもついに理想の最高存在(ナポレオン)に行き当たるダヴィドを描いていて、ストーリーを読む限りは魅力的なのだが、絵がどうも…。
 
そういう中で「レヴォリュ美術館の地下」という作品は白黒で描かれており、映画にもなった「ペルセポリス」を思い出させるような感じで、あまり抵抗がない。
 
中には日本語に翻訳されているものもあり、そういう作品は日本語版も一緒に展示されていた。また、唯一、日本人漫画家・荒木飛呂彦の作品もあった。こちらはもともと日本語で、フランス語翻訳版が一緒に置かれていた(この作品は持っているので、真剣に見てこなかった。でも、やっぱり絵はこれが一番受け入れられる)。
 
私にはあまりピンとこなかったものの、普段目に触れることのないフランスの漫画を直接手に取ることができたのは興味深かった。
 
展示されていた作品
 
「ルーヴルの空の上」ベルナール・イスレール
 
「奇数時間に」エリック・リベルジュ
 
「氷河期」ニコラ・ド・クレシー
 
「レヴォリュ美術館の地下――ある専門家の日記より」マルク=アントワーヌ・マチュー
 
「岸辺露伴ルーヴルへ行く」荒木飛呂彦


 

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2011年10月12日 (水)

10月演舞場夜の部:當世流小栗判官③

1011日 10月花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)

「當世流小栗判官」
 
大詰の前半は、判官が万福長者の娘・お駒に見初められて祝言を挙げることになるエピソード。なぜこの話が入るのかすっかり忘れていたけど、1つにはここで照手と判官が再会し、もう1つにはお駒の怨念で判官の顔が醜くかわり足腰が立たなくなるために必要な話なのであった。
 
お駒の亀ちゃんは可憐。でも怨念は国立のときの春猿さんのほうが怖かったかな。お駒の母親・お槇の笑三郎さんがしっとりと美しく、娘よりも忠義を通す母親の気持ちが痛いようにわかる。ここでは亀ちゃんの早替りが楽しめる。
 
体が不自由になった判官を照手が車に乗せて引く場面が国立では印象に残っていたが、今回はそこは省略。笑也さんは確かに「奇跡の52歳」だ。透明感のある美しさ、姫さまの頼りなさと一途さ、人買いに売られて万福長者のところの下女・小萩になった照手は悲しい姿ながらどことなくユーモラスな雰囲気が漂う。笑也さんの明るさ、大らかさのなせる業だろう。
 
遊行上人(愛之助)と僧侶の踊りは素晴らしかった。「達陀」もそうだが、僧侶の群舞って迫力あって楽しい。もっと見ていたかった。
 
天馬の宙乗りは、今回は途中で天井(=二階席の床)に隠れ見えなくなってしまったけれど、千穐楽にたっぷり見ることができるはず。
 
ラストのドサ雪、あんまりすごかったので笑也さんが手でさっと払っていたような。数片もらって帰りたかったな。
 
最後は亀治郎(小栗判官)、照手姫(笑也)、段四郎(横山大膳)、猿弥(横山次郎)、薪車(横山三郎)、上杉安房守憲実(獅童)、横山太郎(右近)、今出川頼房(笑三郎)、近藤采女之助(春猿)と、主だった出演者が居並び、「これぎり」で幕となる。
 
獅童さんも右近さんも、格と美しさがさっきの役とは大違いで終わるから、なんかよかったな、という気分でした。
 
<上演時間>序幕42分(16301712)、幕間20分、二幕目74分(17321846)、幕間30分、大詰84分(19162040

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10月演舞場夜の部:當世流小栗判官②

1011日 10月花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)

「當世流小栗判官」
二幕目は小栗の元家臣で今は漁師となっている浪七を中心とした物語。国立では段治郎さんがスケールの大きな浪七を見せてくれたが、亀ちゃんは体が小さい分スケール感で劣るのはやむを得ないだろう。しかし演技でそれをカバーし、予想していたよりずっと役に合っていたし、春猿さんとの夫婦役も違和感なかった。
春猿さんのお藤は浪七とのささやかな幸せを、どうしようもない兄に踏みにじられ、哀れな最期を遂げる薄幸さがよく表れていた。
中盤にはこれもお楽しみの一つ、獅童さん、右近さん、猿弥さんのチャリ場が入る。何しろ舞台での顔はよく見えないんだけど、花道を引っこむ時に間近で見えた獅童さん!! 適当な白塗りのヒドい顔bearing
胴八(右近)にやられた瀬田の鰻蔵(猿三郎さん)、「胴八の野郎が毎朝飲んでるウコンの力がほしいよぉ」。
胴八と四郎蔵(猿弥)に浪七を詮議するニセ代官役が出来るかと問われた橋蔵(獅童)、「村芝居の『一心太助』で将軍様の役もやったわい」。ということでニセ代官役をつとめたからひどい白塗りになったわけ。ニセ者であることが浪七にバレて引っこむ際、「このまま花道引っこんではあまりに役が悪い。亀さんも来年襲名だし、私も負けてはおりません。やりたくないけど、やらせていただきます」で細マッチョを踊る。客席からは手拍子が。踊り終わると「微妙な拍手をありがとう」。獅童さんにはなんだったか女性からの声がかかり「こういうところで個人的に声をかけられても…」と笑っていたが、たしか「淋しいのはお前だけじゃない」でも同じことが起こったっけ。
花道七三でおどける獅童さんに右近さんも猿弥さんも笑いをこらえているように見えた。私も笑った笑った。獅童さんにはこういう役をテレずにまっすぐやれる才能があると思った。細マッチョをもっと近くで見たかったな。
浜辺の場では、胴八からもちかけられた金儲け話を漁師仲間にしている猿三郎さんが胴八にはさっきやられて遺恨があるんじゃないかと問われ、再び「いこんもうこんもあるものか。あの右近が言うことにゃ、じゃなかった、あの胴八が言うことにゃ」と、シャレる。花道では澤五郎、喜猿、猿琉の3人による(喜猿さんだけ、私の記憶が怪しい。違ったらごめん)エグザイル風アクションも。
余談だけど、「演劇界」11月号で猿琉さんと梅之さんが褒められていた。嬉しい。
チャリ場が終わると、いよいよ浪七奮闘の場となる。大きな岩と浪布は「俊寛」を思い出させ、浪七は「逆櫓」の樋口次郎兼光や「渡海屋」の銀平を思わせる。船を漕ぐ右近さんの「ヤッシッシ」も「逆櫓」の記憶につながる。
亀ちゃん、漁師との渾身の立ち回り。今回、ここの立師は猿四郎さんだそうで、船の櫂を使って「亀」の文字をつくるといった趣向も見せる。

浪七が腹から摑みだした五臓六腑を浪間へ投げると血が岩を滴る。すると沖へ漕ぎ出した船が戻ってくる。船の入りと戻りは花道そばで見るから臨場感があった。
胴八と浪七の立ち回りも見応えあった。死んだと思った胴八が何度も起き上っては向かってくる。浪七も瀕死の状態で戦っているから止めを刺せないのだ。2人の最期は、胴八は岩の向こうへ、浪七は岩の前面をずりずりと落ちる。壮絶な最期は碇知盛の最期の逆のようでもあり、義賢最期の仏倒しを思わせるようでもあり。

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10月演舞場夜の部:當世流小栗判官①

1011日 10月花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
「當世流小栗判官」
平成18年、国立劇場で大興奮した澤瀉屋一門による演目。国立では2部制にして、それぞれの部の最初に口上があるという趣向だったが、今回は一気上演、また亀治郎さんが判官とお駒の2役をやる(亀ちゃんは、ほかに浪七も)ため、2人の絡みのある宝光院門前の場、万福長者内風呂の場、奥座敷の場は国立版とはもちろん異なり、他にも三浦采女之助の役割を照手姫付きの局・藤浪に代えていた。セリフもあちこちでちょこちょこ整理され、その分上演時間も短縮されていた。
今日の席は1階最後列だったのに、なんとオペラグラスを忘れ、舞台の顔ははっきりわからず、まあもどかしいこと。
序幕「鶴岡八幡宮」は横山大膳親子の悪巧みにより、大膳の兄でもある照手姫の父・横山郡司が殺害され、照手姫もかどわかされるという場面。段四郎さんの大膳が、実際には見たことはないが歌舞伎チャンネルなどで見た昔の猿之助一座の芝居を彷彿させる。段四郎さんは病気回復後しばらくは精彩を欠いていたが、いつの頃からか存在感がぐんぐん増してきている。息子・次郎役の猿弥さんにはいつも大きさを感じるのに、その猿弥さんが小さく見えた(段四郎さんとの比較で)のは段四郎さんに国崩しの大きさがあるいっぽうで、猿弥さんが息子役に徹していたからなんだろう。白塗りの次郎に対し赤っ面の三郎は薪車さん。若さ(年齢的なものというよりは人間としての未熟さかな)が表現されていてよかった。
場面は「大膳館」へ。ここのお目当ては暴れ馬・鬼鹿毛とそれを乗りこなす小栗判官の活躍。鬼鹿毛は何度も後ろ脚立ちを見せ、館じゅうを暴れまわるが、小栗判官に手なずけられる姿は愛敬たっぷり。また、せっかくおとなしくなりかけたのに大膳家臣の1人から脚に悪さを受け驚いて再び暴れだすところなど、実にタイミングがよく馬の技術の高さに感心した。碁盤乗りも素晴らしい。背中に跨った小栗判官に促されて碁盤に足をかけようとするものの、数回ためらいを見せる様子も愛嬌あるし(あの暴れ馬が、かわいい)、狭い盤上で判官を乗せたまま見事な後ろ脚立ちをする。照手姫の笑也さんが初演時後ろ脚に入っていたそうだが、馬体と前脚の役者を合わせて約90㎏を持ち上げたそうだ(判官が乗った重さなのか、あるいは判官の体重をこれにプラスするのかはわからない)。おっとりと美しい笑也さんが、運動神経も体力も必要とする後ろ脚をやっていたと思うと、もしかしたら今入っている役者さんもいずれは照手姫になったりして…と考えるのも楽しい。
亀治郎さんの小栗判官は颯爽として適役だと思った(声がちょっとオッサンじみてるかな)。判官と、後に出てくるお駒が亀ちゃんの本役であろう。
判官が荒鹿毛と新たに名づけた元・鬼鹿毛に乗って花道を引っこむ際の先導は藤浪の竹三郎さん。悪を許さぬ心意気にきりっと気を引き締めた先導がかっこいい。

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2011年10月11日 (火)

姑摩姫宙乗りを見る:「開幕驚奇復讐譚」

10月8日 「開幕驚奇復讐譚」(国立劇場大劇場)
初日は1階センター最前列。2度目のこの日は2階下手側最前列--つまり、姑摩姫(菊ちゃん)の宙乗りを近くで見る目論見で。でも、最前列は下すぎた。5列目より上のほうがよりよく見えたかも。それでも下から見上げた初日とはちがい、菊ちゃんも赤い靴もよ~く見えた。前転後転ぐるぐるまわる菊ちゃんに目は釘づけ。
金閣寺屋根上の立ち回りも2階からだとよ~く見える。下から見たときはひどく狭いスペースで戦っているように見えたが、そうでもなかった。ただ、屋根がゆるいスロープになっているので、やっぱり危険は危険だと思う。そういう場所で、捕り手たちは梯子や棒を持って見事な立ち回りを見せてくれた。

時さまの変化がやっぱり面白い。はじめはしたい放題の夫を窘める節度をもっていたのに、盗賊の女房になるどころか、自分でも押し込みを計画するとは、ねえ。そもそもきっとそういう資質をもっていたのだ。旅籠屋「撫子」で、菊五郎さんと差しつ差されつ、一見控えめそうにしかしぐいぐい飲む様子がその伏線かもしれない。
時さまは2役めの足利義持が上品で美しい。
義持の父親である義満が姑摩姫の術で突然死ぬと、なぜか客席が笑う。初日もこの日もそうだった。
管領・斯波義将の菊五郎さんが最後に登場して舞台がしまる(こういう菊五郎さんはホント、大きい)。
2度見ても面白さが薄れない復讐譚でした。

萬次郎さんがあれだけの出演ってちょっともったいないなあ。

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2011年10月10日 (月)

芝翫さん逝去

遅く起きてテレビをつけたら、芝翫さん逝去のニュースが!!
驚いた。
9月の公演を初日だけで降板され、心配はしていたけれど、まさかお亡くなりになるとは。
今はショックと悲しみでただただご冥福をお祈りするばかりです。
合掌

時間が経つに従い、色々な思い出が甦ります。9月の初日、8月の一家の踊り…。
とくに忘れられないのは「藤娘」、「平家蟹」の玉虫、「野崎村」のお光、「寺子屋」の千代…。

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2011年10月 9日 (日)

意外な配役が面白い「一心太助」:10月演舞場昼の部②

106日 十月花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
 
「江戸ッ子繁盛記 一心太助」
 
花道から太助の獅童さんが登場、客に十月花形歌舞伎を見に来てくれてありがとうというような挨拶をする。じゃ、これから河岸へ行ってくる、というところへ恋女房のお仲(亀治郎)がやってきて、いちゃいちゃする2人。やっぱり3階じゃなくて一等席を取るべきだったか…。
 
亀ちゃんはこういう気が強くて可愛い女をやらせたら天下一品。見事なコメディエンヌ(と言わせて)である。
 
物語は、家光暗殺の動きから将軍を守ろうとする松平伊豆守(我當)・酒井忠勝(友右衛門)・大久保彦左衛門(猿弥)が家光にそっくりな一心太助を身代りに立てて城内へ送り込み、家光は太助になりすまし、悪の一味をやっつけるという、痛快娯楽時代劇。
 
なんとビックリすることに、彦左が猿弥さんなのだ。家光の時代まで「わがまま勝手」を家康から許された彦左。我當さんよりも「ご老体」の猿弥さんは、大らかで明るくて強引で、でも色々細かい気配りをする彦左その人だった。猿弥さんの芸の幅の広さ、うまさには脱帽だ。猿弥さんがいなかったら、この芝居の面白さは半減していただろう。
 
彦左のところの用人は右近さん。これまた右近さんらしからぬビックリな老け役であるが、こちらも見事。金魚のフンのように彦左にくっついてチョコチョコ動く用人らしさが剽軽で大らかで、こんな右近さんもあり!!
隻眼の柳生十兵衛が門之助さんっていうのもちょっとオドロキ。多分、ご本人も楽しんで演じているんじゃないかなと思うが、とても素敵だった。声も低く、髭などつけているから、ちょっと見には門之助さんとはわからなかった。
 
愛之助さんはここでは悪役・鳥居甲斐守。獅童さんや猿弥さんのコミカルな演技の中で悪役としての憎々しさ真面目に出すのはけっこう大変かも。この鳥居は、吉弥さんの侍女・豊乃の好意を利用しているらしく、言い寄る豊乃をあっさり冷酷に振ってしまう。
 
獅童さんは太助がさぞぴったりでよかろうと思ったが、痛快娯楽時代劇とはいえまわりが歌舞伎としてのラインを守っているのに、1人ちょっと違うような気がした。時々弾けすぎて少し品が落ちる? やや現代劇っぽい?…。
 
たとえば、太助が丹波屋の横暴に怒りをぶつけるところはちょっとドスが利き過ぎのように思えるし、家光の食事の場面はコミカル過ぎる(毒の吟味のため家光は「カスみたいなものしか食べてなくてハラペコ」――鶴千代君を思い出す――。彦左が持ってきた安心な鮨を一気に頬張った獅童家光、セリフが言えなくなって猿弥さんに「もっとゆっくり(食べて)。(セリフは)食べてからでよい」なんて言われていた。そして獅童さんが「茶をもて」――これってハプニングとアドリブなのかな。それとも台本どおりなのかな――。奥方が自ら作った料理を一口食した途端、そのあまりのまずさにむせこむ)。同じコミカルでも猿弥さんのコミカルさとは違うんだよねえ。家光がアホに見えてしまう。客席は可笑しくて大笑いなんだけどね。
 
しかしそれでもやっぱり獅童は魅力的なのである。とくに、家光が太助になった時が素敵。将軍が魚屋になりすますことによる様々なズレがひどく可笑しいし、そのミックス度がうまいと思う。姿も実にいい。ここではアホに見えない。逆の場合(太助が家光になる)はちょっとオーバーな気もしたが、それはそれでまた笑い転げさせてもらった。とくに夜、奥方がやってきたときの慌てようには大笑いした。
 
奥方の高麗蔵さんが感情がないようでいて、家光に対する愛情がにじみ出ていて、太助の窮地を救ったときには感動すらしてしまった(同じ感情がないようでも、若葉の内侍とは全然違う)。この奥方、なかなかの人物で先の料理の場面でも好もしい。夫が殺されれば自分も終わりだという打算では決してないと思う。
 
この芝居を見ていると(この芝居に限らないが)、脇の重要性がよくわかる。澤瀉屋一門をはじめとした威勢のいい魚河岸の仲間、家光を守って右往左往する臣下たち、みんな生き生きとしている。菊五郎さん、心配いりませんよ。

芝居全体としては、テンポがあまりよくないのと、セリフが入っていない役者さんがいて肝心のところで立ち往生してしまい、獅童さんが咄嗟に後をつないだりしていたなんてこともあり、完成度は高くない。でもまあ他愛なく笑って楽しめるし、こんな歌舞伎もいいかも。
 
<上演時間>「義賢最期」85分(11001225)、幕間30分、「京人形」30分(12551325)、幕間15分、「一心太助」125分(13401545

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2011年10月 8日 (土)

澤瀉屋一門の活躍が嬉しい10月演舞場昼の部①

106日 十月花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
珍しく初日を避け5日目の観劇。今月も澤瀉屋一門の活躍が見られてとても嬉しい。
「義賢最期」
この芝居は好きだし、愛之助さんでは初めて見るので楽しみだった。
さぞかし仁左様に似ているのではないかと予想したが、愛之助は愛之助であり、少なくともこの義賢を見る限り、丁寧でしっかりした愛之助の芸というものが確立されつつあるのではないかと思った。兄・義朝の髑髏を足蹴にされた時の怒りはすさまじく、こちらの胸にもその悲憤が伝わって切なかった。死に瀕しての「思い残すことはない、さりながら腹のわが子にただ一目、こればっかりが残念だわい」が泣ける。
もっと泣けたのは笑三郎さんの小万。死の前に義賢が装束を直すのを甲斐甲斐しく助け、悲しみをこらえて使命を果たそうとする。しかし義賢の様子に気づいて末期の水を与え最期をみとる。ここは一番泣けた。この小万が命をかけて源氏の白旗を守ろうとしたかと思うと胸がつまった。女武道の落ち着いてきっぱりした面と女性としてのやわらかさがうまくミックスされて、この後の小万の物語も笑三郎さんで見てみたいと思った。
春猿さんの葵御前、娘役でなくこういう奥方役はあまり見たことがないが、落ち着いた品位に情も深く感じられ、夫との別れの悲しみ、夫に思いを残して去る様は哀れであった。
獅童さんの折平(多田行綱)はカッコいいが、浄瑠璃に合わせた動きにもう少し重みがほしいような気もした。折平ってその後妻子とはどうなるのだっけ?(鮓屋の弥助はお里が身を引いたけれど…。どちらも身分の高い者勝ちなのかなあ…)
薪車さんは敵方ながら勇ましく、動きも大きい。
新悟クンの待宵姫は可憐で、恋人の折平に妻子がいることを知った時のショックがさもありなんという感じであったが、声が少し変だった(かすれているような…)。
錦吾さんの九郎助は真面目な人がちょっと剽軽な面を見せる楽しさがあった。太郎吉の大西陸クンがかわいい。
物語としては前半にちょっと長さを感じたが、様々な盛り上がりがあって面白い。立ち回りは愛之助さんの戸板倒しや仏倒し(何度見ても、よくケガをしないものだと心配かつ感心する)はもちろん、花道での返り越しなど見どころいっぱい。義賢めがけて無数の矢が飛んでくるところはけっこう危険に見えて、ハラハラしちゃった。
「京人形」
見るのは多分3回目。橋之助×扇雀、三津五郎×菊之助、そして今回の右近×笑也。
右近さんの軽妙な動きが甚五郎の飄々としたところを見せる。笑也さんの人形は美しく、動きがユーモラスで、人形、男、女の移り変わりも絶妙で楽しめた。はじめの数分間、微動だにせず、またまばたきしないのはどんなにか大変でしょう。
奥さんが夫の子供じみたお大尽ごっこにつきあう鷹揚さは同じ鷹揚さでも、役者さんによって違うのが面白い(去年の松竹座は萬次郎さん、今回は笑三郎さん。どちらも好き)。
井筒姫(春猿)、奴照平(猿弥)と澤瀉屋の4人が揃うのが嬉しい。
大工道具の立ち回りも楽しんだ。
この演目は常盤津と長唄の掛け合いで演じられるが、イヤホンガイドによれば、常盤津は叙事的で物語性あり、長唄は抒情的で物語性なし、なのだそうだ。なるほど、わかりやすい。 

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2011年10月 7日 (金)

面白かったけど今一つ昂揚感が:「アントニーとクレオパトラ」

105日 「アントニーとクレオパトラ」(さいたま芸術劇場)
定式幕の真ん中にシェイクスピアの顔が!!
柝が入って黒衣が定式幕を開けると、大きな白い彫像がたくさん。まずはその間から出演者全員が出てきてお辞儀をする(カーテンコールが最初にあるみたいな感じ)。
シェイクスピアはただでさえセリフが多くて、また精神と精神のぶつかり合いがあって役者さんは大変だが、「アントニーとクレオパトラ」はそれに加えて肉体と肉体のぶつかり合いもすごいと思った。そのぶつかり合いが最前列席(当選した)に物理的にも心理的にも直に響いてかなり疲れた。なにしろ、テレるくらいものすご~く舞台に近いのだ。せっかく血の婚礼に続いて当選した最前列だけど、この芝居はいわゆる「とちり席」のほうがよかったかも。
安蘭けいさんは、誇り高く気まぐれなエジプト女王にぴったり。時に感じる下品さ(誤解しないで。悪い意味じゃない。うまい表現がみつからなくてこの言葉を使ったの。いわゆる「品の悪さ」っていうのとは違うの)が1人の女としてのクレオパトラの心理を見せているようでとっても魅力的だった。ラスト、女王としての誇りをもって毒蛇に胸を咬ませる場面は、断頭台に立つマリー・アントワネットを思わせた(クレオパトラは敵の手に落ちるのを嫌がったのだけど)。毒蛇は私が想像していたのよりずっと大きくてびっくりした。忠実な侍女シャーミアンを咬んだ小さな毒蛇を私は想像していたのだ。
毒蛇を運んできた老人、どこかで見たことあるなあと思っていたら「血の婚礼」の高校教師・青山達三さんだった? 
吉田鋼太郎さんのアントニーからは、どんな時でもクレオパトラへの愛を忘れていないことが窺える。クレオパトラとの愛に溺れ、軍や政治を忘れる様はまったく喜劇である。
オクタヴィアス・シーザーの池内博之クンには野性味に加え帝政ローマ初代皇帝となるべき人物としての知性や現実性がみられた。また、本当は優れた武将なのに堕落していくアントニーに対する苛立ちが怒りへと成長していき、しかしその死を知った時の嘆きに、アントニーに対する敬愛が感じられた。
アントニーの忠実な家来ドミティアス・イノバーバスはとても人間くさくて共感を覚える。橋本じゅんさんのキャラも合っている。蜷川さんのシェイクスピアにもっと出てほしい。
もう1人アントニーの忠実な家来エーロスの二反田雅澄さん、こういう家来がいてアントニーは幸せだったと思えるような存在で、とても印象に残った。
忠実といえばクレオパトラの忠実な侍女2人、シャーミアン(熊谷真実)とアイラス(池谷のぶえ)も毅然としてよかったが、熊谷さんに関して言えばこういう抑えた役より弾けた役のほうが私は好き。
役者さんはみんな熱演で迫力もあったし(とくに男性の衣裳、ただでさえ暑そうなのに熱演で汗だく)、芝居もよかった。それなのにいまひとつ胸が震えるような昂揚感を覚えなかったのはなぜだろうか。
<上演時間>195分(13001435)、休憩15分、第295分(14501625

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2011年10月 6日 (木)

イメージ

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↑クレオパトラ
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↑アントニー
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↑クレオパトラの忠実な2人の侍女シャーミアンとアイラスかな
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↑オクタヴィアス・シーザー

以上、与野本町駅前のバラ園で。雨の中埼玉芸術劇場まで歩くのは億劫、とばかりマイナス心でいてはしょうがないので、バラを楽しんだ。お芝居の感想は後日。










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2011年10月 5日 (水)

歌舞伎ミーハー話:亀治郎&笑也編

①亀ちゃんのこと。
 
映画「シャッフル」の現場で、亀ちゃんはしょっぱなから完全にパジャマみたいな部屋着で現れた。初対面っぽさが全然なかったんですって。
 
台本の覚えがすごくよくて、亀ちゃんと健太クン(鎌苅健太)はとくにセリフがたいへんだったけど、健太クンが泣きながら覚えている横で亀ちゃんは鼻歌まじりにお菓子を食べながらもう覚えていた。NGも出さないし、サイボーグと戦ってるみたいだったそう。
 
以上、何かの雑誌で見た金子ノブアキクンと賀来賢人クンの対談から(美容院で見た「HANAKO」でした:追記)。
笑也さんのこと。
 
猿之助さんから幕内のシンデレラ賞が贈られたそう。1983年に猿之助さんが復活させた「當世流小栗判官」に欠かさず出演してきた功労に対して。と言っても最初から照手姫に抜擢されたわけではなく、はじめに与えられた役は暴れ馬の後ろ脚。前脚役の先輩と息を合わせふすまを跳び越えるのだがうまくいかない。ある夜、競走馬が垣根を跳び越える夢を見てイメージがつかめたのだとか。当時の映像は若い役者さんが今でも参考にするという。
 
猿之助さんをして「奇跡の52歳」と言わしめる笑也さんは、「ありがたい。健康に恵まれたのがよかった」「とにかくいい仕事をする『職人』に徹したい」と言っている。
 
以上、東京新聞103日朝刊「この人」より。
 
はじめて国立で見たこのお芝居で一番感銘を受けたのは、この暴れ馬の場面だった。あの時はどなたが入っていらしたのかしら。そして今月はどなたかしら。あの時も今月も、笑也さんたちの脚の映像で勉強されたのかしら。
夜の部はもう少し先の観劇になるのだけど、早く見た~い。

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2011年10月 4日 (火)

気分は正月:開幕驚奇復讐譚

103日 「開幕驚奇復讐譚」初日(国立劇場昼の部)
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とにかく面白かった。休憩になるたびに「面白かったねえ」という声があちこちから聞こえる。1人の私は心の中で「うんうん」。
定式幕が開くのと場内が闇に包まれるのとどちらが先だったろう。闇の中、幕を引く音だけが響く。やがて舞台上方に黄色のライトが並び、それが上へあがっていくと、下から足利義満と家臣たちがセリ上がる。黄色のライトは金閣寺を象徴していたのだろうか。義満が楠と新田の残党を根こそぎ絶やすように家臣たちに命令したところで、全員再びセリ下がる。なんと、欲深な義満は田之助さん。ピンと張ったお髭の田之助さんも珍しいが、なかなかお似合い。
場内は再び闇に包まれ、ちょっと変わった趣向で新田貞方討ち死にの場面が展開される。
初日なのでここまでにしておきましょう。あとはなるべくネタばれしない程度にポイントだけ。
★梅枝クンは今回は前髪立ちの若党役。若者らしい瑞々しさと凛々しさ、前髪立ちのやわらかさもあり、やはりうまい。
★時さまの役にはちょっと笑ってしまう。いや、敵と味方の狭間で生き抜こうとする女のしたたかさはなかなかである。時様って復活狂言ではなかなか個性の強い女性を演じるから楽しそう。久しぶりに見る菊五郎さんとのコンビはやっぱりドキドキするような色気が漂う。
★ビックリしたのが松也クン。思わず「え~!!」と叫びそうになってしまった。これからご覧になる方、お楽しみに。しかし、松也クン、脚ふと~い。脚はともかく体型的にももう女形はきついかもしれない(ごめん、でも松也クンの女形好きだから)。
★菊十郎さん、寿鴻さん、橘太郎さんたちがぱっと時代の、役の、空気を醸し出す。菊五郎さんがプログラムの中ではからずもこう語っている。「歌舞伎というのは脇役が面白くないと芝居が面白くない」「今の若い人たちの中から面白い脇役が出てくると歌舞伎自体が盛り上がる」。面白い脇役というのは、芝居の空気を的確に表現できる人だと私は思う。そうしたら、そのあとの菊五郎さんの言葉が「うまい役者になってくれよと皆に言っている」。深く強くうなずいたのでした。
★菊五郎さんのレディ・ガガ風衣裳は見ものであるが(毅然としていてお似合い。東京新聞やNHKニュースでその思いを語っていたが、それが十分伝わってきた。「忠信の衣裳」という声がどこかから聞こえてきたが…)、菊之助さんの衣裳もなかなか面白い。
★三幕目、いつものようにチャリ場にもお楽しみが。ただ、金鯱観世音やMYZ48や岡崎のネコちゃんたちのような見せ場はなく、比較的さらっと(本当はああいう場面があったらしいんだけど、時間の都合かカットされていた)。菊ちゃんがマジで可笑しそうで笑いをこらえている顔がかわいいいheart04
★両宙乗りは盛り上がる!! 白狼に跨った 菊五郎さんの悠々たる宙乗り(上手)、菊ちゃんのサーカスみたいな宙乗り(下手)、両方いっぺんに見るのは3階後方でないとむずかしいかも。欲を言えば、せっかく両花道を作ってあるのだから、宙乗りの時だけでなく、上手側の花道も使う場面があればよかったのに。→両花道は私の記憶違いでした。上手側は舞台が何列分かせり出している(花道が七三より手前で切れている)状態でした。
★金閣寺屋根上の立ち回りは足場が狭そうな感じがしたけれど、迫力たっぷり、見応えある。

★セリフにもニヤリとする箇所があって楽しい。 

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2011年10月 3日 (月)

胸キュンな香り

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いま庭じゅうにあま〜い香りが漂っています。
なんか、ちょっと切なくなるような…

昨日は、国立劇場の公開稽古も外れたしcrying演舞場の初日も入れてなかったし、家で胸キュンな香りに包まれておとなしくしておりました。たまにはこんな日もwink

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2011年10月 2日 (日)

4分の感動的映画:ルーヴルを訪れる

ユーチューブに素晴らしい映像があります。
たった4分でルーヴルとパリの空気が静かに適確に伝わってくる。ちょっと感動しちゃった--ああ、どこでもドアがほしい!! 

http://www.youtube.com/watch?v=biGCXYGNy2U

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1日楽しめる科学未来館

科学未来館では常設展もちらっと見てきた(なにしろ、携帯忘れて、早く帰らなくちゃならなかったから)。美術館・博物館ではつい企画展に目がいきがちだが、常設展が案外いいのである。
ここも地球環境、情報、技術革新、生命科学といったコーナーがあって興味深い。私はせっかくなので生命科学のところで遺伝子についてちょっと学んできた。仕事で必要なのだが、付け焼刃の断片的な知識しかなく、本やネットで調べてもなかなか頭に入ってこない(理科系のアタマ、ほとんどゼロなのよねえcoldsweats02)。しかしここでの具体的な展示はかなりわかりやすいもので、自分の知識が1歩進んだような気がした。
今度、ゆっくり船の科学館込みで見学しようと思ったら、船の科学館はこの日(9月30日)で本館展示と羊蹄丸の展示が終わったのね。博物館活動が停止したわけじゃなさそうだから次の機会があるけれど、ちょっと残念。

科学未来館→http://www.miraikan.jst.go.jp/

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2011年10月 1日 (土)

634M先:メイキング・オブ・東京スカイツリー展

930日 「メイキング・オブ・東京スカイツリー」(日本科学未来館)
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またまた滑り込みで見学に(会期は明日まで)。平日昼前を狙って行ったせいか、すいていた。
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月にNHKでやっていたメーキング番組を例のごとく録画しっぱなしだったのだが、予習していけばよかったとも、なんの予備知識もなく見てよかったとも思う。帰宅してから早速録画を見て復習。感動が倍増した。

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展示はまず江戸から東京へ。床に映し出されたスカイツリー建設現場を中心とした空撮図が江戸の地図(写真2)→1936年→47年→56年→71年→75年→84年→92年→2001年と移り変わる。36年から47年の町の変貌が大きいと思った。
 
途中の展示は飛ばして一気に先へ進みます。
 
そこは工事現場の雰囲気を体感できる場であった。

 
ナックルウォール
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科学コミュニケーターの人に地盤を聞いたら、地下
35mまでは泥なんですと。では地盤改良をしたのかというと、そうではなくてその下の硬い地盤に杭を打ち込んだのだそうだ。地下50mまで掘ったのがこのハイドロフレーズカッター(写真3)。杭には突起(ナックル)がついていて、上へ引き抜こうとしても下へ押し込もうとしてもナックルの力で杭が抜けたり沈んだりしない。スカイツリーの基礎は三角形。3本の脚には各40個、計120個のナックルがあってタワーを支えている。この方法によって、土を掘る量も壁の厚みも軽減され、工期短縮にもつながる。写真4はタワーの足元の一番太い鉄骨「C1バシラ」の模型。直径2.3m、厚さ10㎝。

 
リフトアップ工法
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科学コミュニケーターのミニトークショーでこの工法の解説を聞いた。まず、工事の基本は「安全・品質・効率」である。このコンセプトがリフトアップ工法に象徴されているのだと思った。

 
ゲイン塔(アンテナ部分)を上空で組み立てるのはリスクが大きい。上空の強風で溶接の精度・強度が落ちるし、物が落下する危険もある。下から積み上げれば荷揚げにも時間がかかる。そこで、地上で組み立てて引き上げる工法が取られた。逆だるま落しである(一番上の部分から各段を作っては引き上げる)。ゲイン塔の直径は6m(写真5)、高さは約240m。これを29本のワイヤの束12個、全部で348本(写真6)で、狭い塔の中心部を600mも引き上げるのである。安全性、品質、効率すべてクリアした方法ではあるが、あとで録画を見たら、引き上げ最中にゲイン塔が回転したりして原因究明・解決に1カ月ほどかかったことを知った。

 
スリップフォーム工法
 
ゲイン塔が一定の高さに達した時から、心柱(しんばしら)の工事が同時並行して始まった。心柱とは、ゲイン塔が通ったあとの空間に入れる高さ375mのコンクリート建造物で、地震の揺れと逆に揺れて震動を軽減するのだそうだ。引き上げられるゲイン塔を追いかける形で心柱が伸びていく。これも型枠を少しずつ滑り上げながらコンクリートを連続して流し込めるため、半年という短期間で完成したのだそうだ。

 
タワークレーン
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これは操縦者の視野を体感できる。コックピットの本物(写真
7)が展示されていて乗ることができるのである。3Dメガネをかければ、目の前に上空、眼下の光景、引き上げられた材料などが迫ってくる。こんな高所から繊細な操作をするなんて!!  操縦者の技術に感銘を受ける。
クレーンの作業を安定させるのがスカイジャスター(写真8)。強風の中で目標点に荷をおろすのは至難の業だと思うが、スカイジャスターのジャイロ効果おかげで風が吹いても荷が回転することなく作業ができるのだそうだ。これはリモコンで操作する。

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