« 千穐楽はやっぱり寂しい | トップページ | 体調不良でも絶対見てよかった!! 顔見世夜の部② »

2011年11月26日 (土)

体調不良でも絶対見てよかった!! 顔見世夜の部①

1125日 顔見世大歌舞伎千秋楽夜の部(新橋演舞場)
頭に雲がかかった状態で、体調的にはパスしたいところだったけれど、初見の日に「外郎売」も「娘道成寺」も飛ばしてしまったので(おまけに前日の昼の部もドタキャンしちゃったし)、ここは何があっても見なければ、というその気持ちだけで演舞場へ。もちろん、「見てよかった!!
「外郎売」
浅葱幕が振り落された瞬間、いかにも大時代で華やかな舞台が目の前に現れ、「あ~歌舞伎だ」となんだか感動してしまった。
全体的なスケールはこれまでの上演に比べてやや小さい感じはしたものの、三津五郎さんの工藤祐経には大きさのほかに、他の祐経にはないような色気と言ったらいいのだろうか、そういうものが匂ってくるようであった。
また若手揃いの中で大磯の虎を演じた梅枝クンになかなかの貫録があり、ますます先が楽しみになった。
松緑さんが花道から登場。裃後見が團蔵さんだったのにはビックリしたけれど、團蔵さんの師匠が二代目松緑であったことを考えればなるほど。團蔵さんが控えめにきっちり後見の仕事をしているのを見て感動した。
舞台中央に進み出た松緑さんの口上は、「追善公演に千穐楽まで賑々しくご来場くださり、ありがとうございます」「松助さんの七回忌とも重なる」「外郎売は私にとって思い出深い狂言」など、短いものではあったが、一つ一つの言葉に誠意が込められているようでとても好感がもてた。
外郎売「尾上松緑」(名前をきかれ、曽我五郎とは言えないので、咄嗟に「尾上松緑」と答える。歌舞伎らしいサービスにお客は大喜び)は、持ち前のさっぱりした気風のよさで早口言葉を聞かせる。團十郎さんとはまた違った明るい大らかさがあって楽しい。
五郎になってからの荒事は、勢いもよく稚気もあり、しかし勢いにだけは任せない形のきれいさがいいと思った。曲げた右肘の高さが印象的だった。
松也クンの十郎も美しく、和事の柔らかさが十分に出ていてよかった。口上での松助さんのことは鳥屋で聞いていたのかな。松也クンの姿を見てじ~んとなった。よい追善になったと思う。
萬次郎・権十郎兄弟の踊り→権十郎・亀三郎叔父甥の踊りと、ミーハー的な見どころにも満足。
「京鹿子娘道成寺」
匂い立つような菊之助さんの美しさ、身体能力の高さ、緩急自在なやわらかく流れるような動き、あらためて「娘道成寺」という踊りの面白さを満喫した。
道行の花子には恨みだけではない寂しさのようなものが一瞬感じられて、ハッと胸を衝かれた。三方にのせた烏帽子を花子に渡すのは田之助さんの所化さん。贅沢な瞬間である。
菊ちゃんは普通の娘らしい艶やかさと清姫の霊との行き来も見事で、それは「十二夜」の二役をちょっと思い出させるのであった。手踊り(2度目のほうが印象に残っている)、楽器(鞨鼓、鈴太鼓)使いの素晴らしさ、息を詰めて見とれた。誰しもが思うことだろうが私も玉三郎さんとの「二人道成寺」が菊ちゃんを大きく成長させたと思った。
「娘道成寺」は演奏も楽しくて、菊ちゃんの着替え待ちの間も飽きなかった。
座席が手拭撒きとは縁遠い場所だったので、ノンビリ眺めた。意外と遠投がなかったな(松也クンあたりがやるかと思ったんだけど)。
前回、演舞場の入口付近で漏れ出る音を聞いただけで舞台を想像し胸の炎がめらめらと燃えた鳴り物と演奏を今回はちゃんと席で聞くことができ、鐘の上にあがった菊ちゃんをこの目で見て、手が痛くなるくらいの拍手を送ることができて幸せでした。

|
|

« 千穐楽はやっぱり寂しい | トップページ | 体調不良でも絶対見てよかった!! 顔見世夜の部② »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/43155652

この記事へのトラックバック一覧です: 体調不良でも絶対見てよかった!! 顔見世夜の部①:

« 千穐楽はやっぱり寂しい | トップページ | 体調不良でも絶対見てよかった!! 顔見世夜の部② »