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2011年12月 3日 (土)

初南座、初顔見世:夜の部②

1130日 吉例顔見世興行初日夜の部(南座)
「喜撰」
三津五郎さんは20分で着替え。
ほろ酔い加減で花道へ出てきたときのまろやかさ、愛敬、可笑しみ。見ていて、技術的にも表現的にも相当難しいのではないかと思うこの踊りだが、三津五郎さんの軽妙な身のこなしがそういうことを感じさせない。
時さまのお梶は艶っぽさというよりは清潔な色気が漂っているように見えた。それでも口説く喜撰をあしらう様は艶やかで「ご両人!!」の声もかかる。楽しかった。
「らくだ」
江戸の話の上方版かと思っていたら、もとは上方の落語だったとは失礼しました。しかし、夜の部では一番楽しみにしていた「らくだ」、正直言って江戸版(この場合、三津五郎×勘三郎×亀蔵版のこと)のほうがずっと面白かった。
まず、出だしの熊五郎(愛之助:江戸版は手斧目の伴次っていう名前だった。こちらの熊五郎は「やたけたの熊五郎」という)のセリフが三味線に消されてよく聞こえなかった(私の耳の問題だったらごめんなさい)。それから、江戸の「らくだ」は間が面白くて最初から最後まで笑いっぱなしだったのだが、上方の「らくだ」は久六(翫雀:登場人物名前で唯一江戸版と同じなのが紙屑屋の久六)の喋りがぽんぽんテンポが早く鉄砲玉みたいで、とぼけた味が感じられず、面白さを損なったような気がする。熊五郎がらくだの家の家財道具を久六に買ってくれと頼み、久六がこのうちには○○と××と△△と…しかなくて買えたものじゃない、と断るくだりも全然面白くなかった。後に熊五郎と久六の立場が逆転する時の可笑し味のためにも、前半は久六に本性を覆うとろさのようなものがほしかった。もっともそれは好みの問題かもしれないが。ただ、これは3階にいた私の感触だが、客席の反応もらくだ(亀鶴:江戸版は馬太郎、上方版は宇之助)が動き出すまでは今一つで、笑いも少なかったように思う。
しかしひとたびらくだが動き出すと客席には笑いが渦巻く。亀鶴さんの動きがいちいち可笑しくて、とくに大家夫婦を脅かす場面は笑った。というのも、ここはらくだの動きの面白さとは別に、寿治郎・松之助の大家夫婦の大奮闘があったからだ。寿治郎・松之助の大家夫婦っていうのは、寿治郎さんが大家で松之助さんが大家の奥さん。これだけでもめちゃめちゃ可笑しいでしょう。そこへらくだを連れた熊五郎と久六がやってきて大騒ぎになるんだもの。客席の笑いもここが一番だったかも。
そういえば、江戸版にはあった熊五郎(伴次)の妹役がこちらにはなかった。
もうひとつそういえば、壱太郎クンがここでは酒屋の丁稚役。ひょろっとして、子役じゃないだけに可笑しさがあった。
ま、そういうわけでちょっと期待はずれではあったが、それでも最終的には笑いで締められたのでよかったかな。
<上演時間>「楼門五三の桐」15分(16151630)、幕間15分、「実盛物語」80分(16451805)、幕間30分、「千石屋敷」75分(18351950)、幕間20分、「喜撰」30分(20102040)、幕間15分、「らくだ」50分(20552145
初日は15分遅れで終演22時でした。
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↑これは初めて見ました。京都の顔見世なんだなあ、と華やかな気持ちになりました。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

南座のロビーの写真を見てやっぱり顔見世に行きたくなりました。12/2-12/4で行く予定でしたが、12月に「90ミニッツ」が東京で取れず、1月に梅田で観ることになった為、そうそう遠征もできず指をくわえております。仕事で関西の出張が入らないかなぁーと不埒なことを考えておりますが望み薄です・・・12/2はぼんやり会社を休み、12/3は吉祥寺で青年団の「ソウル市民」、12/4は国立小劇場で文楽「奥州安達原」を聴きに行きます。

投稿: うかれ坊主 | 2011年12月 3日 (土) 08時53分

うかれ坊主様
おはようございます。コメントありがとうございます。
南座は初めてですが、いかにも京都の12月の風物詩といった華やかさがあり、ハマりそうです。

「90ミニッツ」は、2月に東京での追加公演が決まりましたね。そんなことなら、とちょっと悔しくお思いかもしれませんが、あの時点では仕方のない選択でしたよね。私も東京公演が取れなかったら、どこか地方に行くつもりでおりました。幸いなんとか取れましたが、日程的には2月のほうがよかったのに…なんて贅沢なこと言っちゃいけませんね。

1月に梅田までいらっしゃるのでは、確かに京都遠征は厳しいものがありますね。私も顔見世にハマりそうと言いながら、旅費にチケット代と思うと毎年はムリだろうなあと思います。

お仕事をされながらいつも精力的に観劇なさるうかれ坊主様は、本当にお芝居がお好きなんだなあと感嘆しております!!

投稿: SwingingFujisan | 2011年12月 3日 (土) 11時01分

こんにちは。
こちらにもお邪魔いたしますm(_ _)m

う~ん、どちらも見られず残念でした。おしてなければ、喜撰まではいけたんですけどねぇ。まぁ次回のお楽しみにとっておきます。

さて、南座、ハマりますでしょう?私は仁左衛門丈の襲名時に行ったきりでしたが、一昨年久しぶりに見に行ってまさに「ハマって」しまい、ついに今年は2度も行くことになりました(^_^;最初は初日昼の部の途中から見て、夜を見て、泊まって、昼を見て、(あわよくば夜の部を途中まで見て)、のつもりだったのですが、一度にまとめて見てしまうのはなんだかもったいなくて(変?)、それなら初日に日帰りしちまえ!と。おさいふにはきびしくなってしまいましたが、気持ちの上では大、大、大満足です。

ロビーの竹馬、iPadの動画におさめたからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2011年12月 3日 (土) 13時00分

からつぎ様
こちらにもありがとうございます!!

はい、南座にはすっかりハマりました。行く前は初めての劇場だし、とかなり緊張していたのですが3階席でも見やすくて、雰囲気もよく、とても楽しかったです(慣れるまでは動線確保に苦労しましたがcoldsweats01)。

一度にまとめて見てしまうのがもったいない、というお気持ち、よ~くわかります。私も2度チャンスがあれば、同じようにしたかもしれません。今回は、昼の部のあと新幹線まで時間があったので、夜の部の「実盛」までもう一度見ようかどうしようか、かなり迷ったのですが、せっかく京都に来たのだからと、ちょっとだけ観光してまいりました。後日又いらっしゃれるなんて、ステキ!! 私もいろいろ反芻しているともう一度行きたくてたまらなくなってきます(ひたすら我慢)。

南座は全体に顔見世ムードでしたが、竹馬も大いにその一役を買っていましたね。京都ならではの顔見世、忘れられない経験になりました。


投稿: SwingingFujisan | 2011年12月 3日 (土) 23時12分

こんばんは。

京都からお邪魔します。「らくだ」ですが、私はとぉってもおもしろかったです!
まわりの反応もよかったので、初日より練れているのかもしれません。愛之助さん、これまで見たお役の中で一番好きかも(^◇^;) 丁稚の壱太郎くんがお酒の三升(さんじょう)にかけて『参上』でいろいろとぼけてくれましたが、初日はなかったのでしょうか。舞台の上の二人も素で笑っていました。翫雀さんは「あれじゃぁ親が苦労するなぁ」とまた笑いを誘っていました。
家主夫婦は傑作でしたね。番付にも書かれていましたが、落語も聴いてみたくなりました。

大磯の虎の舞台写真を二枚も買ってしまったからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2011年12月15日 (木) 23時00分

からつぎ様
京都からのコメント、ありがとうございます!!
あ~、私の京都は遥か昔のような気がします、まだ2週間しか経っていないのに。
「らくだ」はきっと進化したのでしょうね。せっかくの皆さんの熱演でしたので心配していましたが、客席の皆さんも楽しまれたようでよかった!! 
からつぎ様のように2度行かれればよかったのですが1度だけなんだから、初日でなくもっと後に取りたかったですわ~(クラブワールドカップがあるので取れなかったんですよcoldsweats01)。「三升」のボケはあったかなあ、忘れてしまいましたwobbly すみません。
家主夫婦は配役の妙ですね。本当に傑作でした。

南座の番付には舞台写真が入るのでしょうか。ブロマイドにしてもやはり後半に見に行かないと手に入りませんものね。来年はうまく日程が調整できるといいのですが、やっぱりクラブワールドカップがありますから…。
ちなみに、私は先日の中村座で仁左様の写真を4枚も買ってしまいましたwink

お気をつけてお帰りくださいませね。

投稿: SwingingFujisan | 2011年12月16日 (金) 00時32分

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