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2012年1月13日 (金)

こちらも感動の試演会トークショー

111日 平成中村座試演会(平成中村座)
 
トークショーの様子を少し。
 
ちょっとはメモったんだけど、昔みたいなノート力がなくなって、メモしているうちに話を聞きそびれることが多くなったのでところどころ軽くメモしただけ。というわけで、ごく一部だけ。それと、言葉は正確ではなく、だいたいこういう内容だったってことでご勘弁(当日いらした方、間違いがあったらご指摘ください)。
 
司会はフジTVの吉崎典子アナ。舞台奥の扉が開く。客席がわ~っとざわめき立つ。スカイツリーが見えるからだ。いつも桜席の私、今日は1階竹席だからと期待したのに、全く見えず。きっとセンターブロックだけしか見えなかったんだろう。ちょっとガッカリ。さて、寒気とともに、下手から勘三郎・彌十郎・橋之介・獅童・亀蔵・七之助・萬太郎・新悟・歌女之丞の9人の役者さんが登場し、まずは試演会について一言ずつ。
 
勘三郎:試演会、どうしようかという時、119(どんな20人だかわからないけそ)で「やりたくない」が多かった。でも9人やりたい人がいるんだからやろう、ただし素で、ということになった(9人の人、そしてやると決意した勘三郎さんに感謝!!)。「対面」は中村座に合う。素でやるのは通常とは違う緊張がある。胸が熱くなった。満席でありがたい。
 
橋之助:みんな、自分の役などをしながら深夜まで稽古していた。自分も負けぬようにしなくては。
 
彌十郎:素でやるのは本当にむずかしい。みんなよくやった(と言いながら、声つまらせる彌十郎さん)。彼らの先輩たちが後見などをやってくれている。そういう先輩にも目を向けてほしい。
 
獅童 10年ぶりの中村座である。10年前に試演会で四の切の忠信をやったことを思いだし、胸が熱くなった。

亀蔵:素でやるなんて、(自分には)とてもじゃない。緊張も顔に出るし、耳の赤くなったのもわかる。みんな稽古を積み重ねたからこそ立派にできた。
七之助10年前の試演会では義経をやった。カーテンコールで泣きながら「又獅童さんとやりたい」と言ったら、それが実現した。一丸となることの凄さを感じた。
萬太郎:試演会の手伝いをさせてもらった者として嬉しい。
新悟:彌紋クンは1つ下(そんなに若いなんて知らなかった!!)。初めて会ったときは幼く見えたのにしっかり演じられて感激した。
歌女之丞:国立研修所では何度か試演会があり、卒業公演以外は素でやる。先代又五郎師匠に初めて教わったのが「対面」である。当時を思い出した。 

次は今月の役について。
 
勘三郎:今月の「対面」は中村座で初の松羽目もの。十郎は和事でむずかしい。手のもっていき方(五郎を止める手)等、口伝があって大変。「身替座禅」はやっと、あまり考えずにできるようになった。
 
橋之助:直侍が蕎麦を食べる場面だが、今日の蕎麦は太くて途中からまってしまい、むせた。好きな食べ物はナイルのカレー。
 
彌十郎:かつての試演会(何年前っておっしゃってましたっけ。17年? 聞きそびれました)で碇知盛をやり、夢がかなったので時計を買って「知盛」と名付けた。今でもその時計は持っている。玉の井は、亭主が大好きで大好きででもちょっとやきもちやき、ということを意識して演じている。前に八千代座でやった時、空調が壊れた。9月初旬であり、かつぎの中で汗が蛇口から勢いよく出るみたいに出て、楽屋に戻ってから脱水症状を起こした。
 
獅童2001年の試演会では緊張のあまり激ヤセした。獅童さん、吉崎さんに「プライベートなことをお聞きします」と言われ、当然ウワサの女性のことをつっこまれると思ったのか「え? プライベート?」と何度も訊き返していたけれど、プライベートの内容はお料理のことでした。この正月には鳥鍋をつくり、お弟子さんたちにもふるまった。最後はカレーにしてしめたそう。
 
亀蔵:丈賀は初役。田之助さんに教わったが、田之助さんの家が昔ここ(中村座の建っているところ)にあったからと懐かしがって、ほとんど何も教えてくれない。教えてくれたのは、器をさわってどれくらい入っているかを判断する、ということだけ。目をあけないで蕎麦を食べる稽古を楽屋でしている。目を開けないと汚らしい食べ方になるので、そうやっている。雪の歩き方はむずかしい。杖をつくと音が出るし、杖の先に白いものをつけるわけにもいかないし。また、通常は舞台が回るのだが、ここでは自分が回る…。
 
七之助:お染は玉三郎のおじさま(七クンになると玉様はおにいさんでなくておじさんなんだ)に教わった。「中村座をあなたが揺らしなさい」と言われた。そういう心構えでやっている。玉三郎さんはあまり何回も稽古をつけるほうではないが、細かくみっちり稽古してもらった。
 
萬太郎:前回の大阪では1人。今回は兄(梅枝)と一緒だが、兄弟別々になることはほとんどないので普通。今回兄は演舞場と掛け持ちでこちらにはあまりいない。普段、楽屋では兄弟でどんな話をするのか聞かれた萬太クン、「舞台をアツく語り合っています(笑)」。
 
新悟:浅草の町をよく歩いているところを見かけられているそうだけど、と振られ、「食べることが好きなので食べ歩きはよくしています」。お蕎麦をよく食べに行くそう。
 
歌女之丞:初めての国立の試演会で大磯の虎をやった。昨日の稽古のとき梅之さんは演舞場だったので自分がかわりに虎になった。30何年ぶりである。
 
勘三郎:父親が役者でない人でもいい役をやらせたい。お風呂に入っていると毎日セリフをやっているのが聞こえてくる。
 
歌女之丞:みんな研鑚を積んでいるが、大事なのは発表の場である。(その通り。もっと発表の機会をふやしてあげたいなあ。なんて私にはなんにもできないけど)
 
そのほか、プライベートなこととして勘三郎さんが「孫はかわいい。初めて這い這いした時もはじめて『まんま』と言った時も自分がいた時。そのどちらも勘太郎はいなかったんですよ」と、微笑ましいジジバカ優越感を。今、勘太郎さんは夫婦で全国を挨拶回りしているので七緒八ちゃんを預かることが多いようで、目を細めていた。

試演会の出演者の挨拶は観劇記にも少し書いたが、印象的だったのは、やはり彌紋さんの挨拶。本当にやりたかったという熱意にあふれていて、この試演会に関わったすべての人(音楽や大道具さんなどすべての職種を挙げて)に謝意を表していたのが微笑ましかった。彌紋さんが全部言っちゃったけれど、みんな同じ気持ちだったのが、それぞれの挨拶からわかる。
 
梅之さんは、スカイツリーのある押上に住んでいるので、これから歩いて帰ります、って言ってたかな。出待ちしたかったけど…。
 
挨拶の途中で泣いてしまった獅二郎さんは「まだまだ足りないところもある」と言ったところで声がつまって涙が止まらなくなって。「萬太郎さんに毎日稽古をつけていただいた」と感謝していたけれど、萬太郎クンのような若い役者さんにとっても指導するというのは大きな経験になったのではないだろうか。
 
大名役の梶浦昭生さんと山岡弘征さんは普段、小さな劇団などで活動しているそうで(時々、歌舞伎の名前でない役者さんを見るけれど、どういう方たちなのかなと思っていた)、こんなセリフのある大きな役は初めてと感激していた。その姿に私も嬉しくて感動した。
 
やがてトークショーも「そろそろお時間で」…そうしたら勘三郎さんが「この後なんにもないんだから、もっとやろうよ」って(勘三郎さん、本当にお芝居の話になると終わらないのね)。それでも30分の予定をだいぶオーバーしていたので、残念ながら終了。
 
あ~、楽しかった!!

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コメント

お久しぶりです、年も明けまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
S.Fujisanさまのすばらしい記憶力と再現力、あっぱれでございます!改めて、しみじみと思い出せます、ありがとうございます。私も初の「試演会」でしたが、平日4時を突破するために、仕事を片っ端からなぎ倒し、ほとんど力づくで半休とって駆けつけました!そして、Fujisanさまのレポートどおり、感動と感謝にあふれる素晴らしい時間を過ごすことができましたshine

本当に若手のみなさんの芝居に対する真摯な気持、演じる喜びがほとばしるような舞台でした。
ここ数ヶ月で観た芝居の中で、最も心に残った舞台といっても過言ではありません。
みなさんが、最後に並んでご挨拶されているとき、一人一人の言葉に感謝があふれ、私ももらい泣きをしてしまいました。彼らの「舞台に立てて嬉しい」純粋な気持は、何かキラキラと崇高なものを見ているような気持さえしてきました。
こういう情熱、それを支え、育てる先輩の役者たち、そして温かく見守るお客様たち、そういうものを平成中村座の小屋がやさしく包んで、本当に幸せな夜でした。数日たった今でも、温かい幸せが続いています。何度も反芻できるFujisanさまのレポにも感謝です、ありがとうございます。

最後に…勘三郎さんがさがしていた「どうしても見たい!と一人で来ていた男の子」は、スポットライトのあたった親子ではなく、もしかしたら、たまたま見かけた小学生くらいで、一人でまっすぐ中村座に入って行った男の子ではないかと….背中にテニスのラケットを、刀のように斜めに背負っていましたwink
このかわいい勇気あるお客さま、ちゃんと舞台が見える席に座れていたように、祈ります!!

投稿: よこ奴 | 2012年1月14日 (土) 00時50分

よこ奴様
おはようございます。
コメントありがとうございます。こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いいたします。

試演会の舞台と出演者のあいさつに寄せられた拍手があの時間のすべてを物語っていましたね。4時に駆け付けられるまでのよこ奴様の怒涛状態は十分お察しいたします。でも、その甲斐あって心にいつまでも残る舞台でしたね。よこ奴様ご同様、私も感激・感謝、そして温かい幸せが続いています。これからも何かにつけて、彼らの気持ちが胸に甦ると思います。

そうそう、1人でチケットを取って(あとで気が付いたのですが、お小遣いでも買える値段でした。それが又嬉しく思いました)来たという小学生のこと、勘三郎さんがそういうお客様がいらっしゃるとご紹介された瞬間、はっと胸を衝かれるような感動を覚えたのに、書くのを忘れていました。触れてくださってありがとうございます!! あの時、スポットライトが当たったのは親子連れで、私もおかしいなあと思ったのでした。ご当人たちも当惑されていたような…。私はそれらしい少年を見かけませんでしたが、きっとちゃんと舞台が見えて、心がふるえるような感動を味わったと思いますよ。そう信じたいです。こういうお客さまを大事にする中村屋さんだからこそ、という感を強くしたあの瞬間でした。

投稿: SwingingFujisan | 2012年1月14日 (土) 09時20分

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