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2012年1月14日 (土)

大奮闘、立役亀治郎の魅力全開①:新春浅草歌舞伎第一部

112日 浅草歌舞伎通し:第一部(浅草公会堂)
 
今回、亀ちゃんの大奮闘ぶりに、私の中では「立役の亀治郎」に対する抵抗感がまったくなくなった。昼夜とも、あれほどこだわっていた「亀治郎の女形」を見たいという気持ちすら起きなかった。小柄で華奢な体を上手に骨太に見せていたし、女形としてはちょっと難ありかなと思う声が立役になると太く大きく響いて、見応え聞き応えがあったのだ。昼夜ともすっごく眠くて眠くて、時々沈没しながらも何とか乗り切ったのは演目がめちゃ面白かったから。
「お年玉ご挨拶」
歌昇クン。初ご挨拶は緊張のあまりしどろもどろだったそうだけど、2回目の今回はだいぶリラックスした様子だった。ところが、話し方が普通におしゃべりしているみたいな感じで、後方の席にいて、しかも耳がかなり老いてきている私には、あまりよく聞き取れなくてとても残念。
まずは「私ごとですが、昨年9月、父の前名である歌昇を襲名しました」から始まって、この浅草歌舞伎は平成元年・2年生まれで仲の良い仲間と出していただけてありがたい、一生懸命つとめます、と続いたが、その後が聞き取れなかった。
「自分のことばかり喋ってしまって」と少し反省して「今年の歌舞伎には大きなことば2つある。勘太郎さんと亀治郎さんの襲名です」。しかし「自分もまだ地方の襲名公演がある」。歌昇く~ん、またご自分のことですよ~。でもいいのいいの、歌昇クンのことも聞きたいんだから。
「ひと前で話すのは苦手で緊張する」と言う歌昇クン、初めての口上の時に獅童さんがトチったかなんかでその悪い流れが次の自分にもきて、「何はともあれ」をなんとかって言っちゃって恥ずかしい思いをしたそうなんだけど、肝心の「何はともあれ」をどう言ったのかが聞き取れなかった。う~む。
「南総里見八犬伝」
最初に聞いたか坊主が2人(澤五郎、千蔵)出てきて、「何を聞いたか?」「浅草歌舞伎の評判を聞いた」「貴僧は鳴神上人が竜を滝に閉じ込めた話を聞いたのであろう」「それは別の芝居じゃ。(松竹座でしたっけ?)拙僧が聞いたのは犬の話である」ということで、八房と伏姫につながる。
もう一度見るので詳しい感想は後日にして、今回はぽつぽつと。
まず亀ちゃんの老け役。竹三郎さんとの夫婦役はとにかく可笑しくて可笑しくて笑い転げた。扇子をぱたぱたぱたぱた忙しなく動かし、せかせかと動く姿は段四郎さんの義平次と重なった。
竹三郎さんは「お江戸みやげ」に続いて今回も意地悪ばあさん役。ノリノリの亀ちゃんじいさまと一緒にというかそれ以上に(?)ノリノリで娘に楽しそうに意地悪。あんまり可笑しくて、娘・浜路(壱太郎)に同情する余裕がなかったわ。というか、壱太郎クンに同情してしまう。きっと毎日笑いを堪えているんじゃないかと。
なんてったって私のイチ押しは亀鶴さんのワル。屈折した心理の見せ方がうまい。 

二幕目の円塚山でのだんまりは若手勢揃い。癒しの米ちゃん(米吉)がとてもきれいでかわいい(お父さんに顔が似ている)。種ちゃん(種之助)はずいぶん小柄だけど、相撲取りらしい力強さと形がきれい。
 
ところで犬山道節を除く七剣士――1人だけ、どうしても誰だかわからない。米ちゃんでしょ、種之助クンでしょ、巳之助クンでしょ、薪車さんでしょ(頼もしくってカッコいい)、ラブリンでしょ、そして…え~と歌昇クンでしょ…あと1人。顔は獅童さんなんだけど、獅童さんがここにいるわけない。若手の出演者の名前を頭の中で11人辿っていくと、「そうだ、隼人クンだ!!
 
親戚(時蔵さんと獅童さんが従兄弟どうし)なんだから似ていても不思議はないけれど、犬江親兵衛の扮装をして隈を取った隼人クンはそれにしても獅童さんにそっくりで驚いた。
 
だんまりの中に道節役の亀ちゃんも登場して、やがて道節の幕外の引っこみ。飛び六方が似合っていた。
 
余韻に浸りながらこれからの展開を期待していたら、これで「八犬伝」は終わりなのだった。これから、っていうところなのに足元をすくわれた感じ。しかも米ちゃん、種ちゃん、隼人クンの出番はここだけ。今年は小手調べというところでしょうか。
 
「廓文章」
 
何度も閉じたがる目…。
 
愛之助・壱太郎というフレッシュコンビで、春猿さんは吉田屋女房おきさ。愛之助さんの伊左衛門は自然な愛敬と色気があってうっとりする(そう、いろんな仕草や表情がとっても自然なの。だからとても可愛い)。
 
壱太郎クンは愛らしさに加えて太夫らしい大きさが見えた。
 
吉太朗クンの太鼓持ちにユーモアがあって感心した。まだ10歳だというのに!!

仕事もだいぶこなしたし、次回は睡眠をたっぷり取って行かなくちゃ。
 
<上演時間>「お年玉ご挨拶」5分(11001105)、「八犬伝、発端・序幕」50分(11051155)、幕間10分、「八犬伝、二幕目」35分(12051240)、幕間25分、「廓文章」75分(13051420

私としては、これくらいの長さが助かる。

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コメント

こんにちは。いま、第1部を見て帰ってる途中ですtrain 今日の年始ご挨拶は、亀鶴さん。さすがに手慣れたもの。前に見た時のように、トンボで客席に降りる、ってことはなかったけど(期待させて…千穐楽にでも、と。あら亀鶴さんは千穐楽の挨拶ではないのに)。
亀治郎さんの老け役も面白かったですね。上から見てると、香川照之さんと似てる~と思い、また段四郎さんの義平次を思い、というところでした。
今回、私は亀治郎さんと亀鶴さんの挨拶を聞きましたが、フレッシュな若者も聞いてみたいし、来年以降もとても楽しみになりました。新しい世代は美形が多い、なんていうと語弊がありますかね~。今どきのカッコいい子たち、ですね。

投稿: きびだんご | 2012年1月15日 (日) 15時51分

きびだんご様
こんにちは。
お帰りの車中からのコメント、ありがとうございます。
今年は亀鶴さんのご挨拶に当たらなかったので、きびだんご様がとってもうらやましいです。でも確かにおっしゃる通り、若手のあいさつも聞いてみたいですよね。去年までは全員のを聞こうと思えば聞けたけれど、今年は大勢で運次第、どなたに当たっても嬉しいことは嬉しい。

亀ちゃんの老け役、段四郎さんの義平次によく似ていましたよね~。歌舞伎の血って濃いんだなあと改めて思います(香川さんとも似てますね)。

新しい世代に美形が多いのは春猿さんも触れていましたが、ほんと、素顔はいまどきのカッコいい子ですよね。平成ももう24年なんだと思うと平成生まれが活躍するのも不思議はないんだなあ…。

投稿: SwingingFujisan | 2012年1月15日 (日) 16時50分

私も先週見てまいりました。
前は、なかなか「愛嬌」というものが出にくい人なんだなと思ってましたが、亀ちゃんの役作りのたまものか、もしくは「ウチくる!」なんかでも変装で出演したりで何かが吹っ切れたのか?!
老け役も面白くて良かったですね~♪

そしてなんといっても最近の壱太郎くんの成長には目を見張るものがあります。
キレイで、愛らしくて。。。
確かに粒ぞろいの若者クン達、これから益々楽しみで歌舞伎の将来にも明るい光ですねhappy01

投稿: 林檎 | 2012年1月16日 (月) 15時24分

あ!今年初でしたね。

いつも楽しく読ませていただき、ありがとうございます!
コメントできる時とできない時とありますが、
何卒本年もよろしくお願い致しますshine

投稿: 林檎 | 2012年1月16日 (月) 15時27分

林檎様
こんばんは。コメントありがとうございます。

亀治郎さんは「決闘 高田馬場」で三谷さんによって自分では気づかなかった面を引き出してもらったと前に語っていましたが、そのあたりから愛敬を意識しだしたのではないかなと私は思います。ただ、亀ちゃんは女形をやると勝気な面が出るので愛敬があっても目立たなかったのかもしれませんね。これからもいろいろな面を見せてほしいです。

壱太郎クンは最近しっとりした魅力も出てきましたね。若手の中心的存在になっていくような気がします。


こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。コメントのことはお気になさらないでくださいませ。もちろん、いただいたらとっても嬉しいですけど。

投稿: SwingingFujisan | 2012年1月16日 (月) 21時44分

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