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2012年2月

2012年2月29日 (水)

博多座千穐楽夜の部②:「華果西遊記」その二

226日 二月花形歌舞伎千秋楽夜の部(博多座)
「華果西遊記」
★序幕第二場「福凌山の場」
猪八戒(猿弥)との出会い。
悟空は相変わらず、逃げ出そうとしては金冠に締め付けられている。そんなある日、大猪が襲ってくる。悟空が追い込むと大猪の本性、猪八戒が出てくる。悟空が八戒を殺そうとするところを三蔵法師が窘め、八戒は菩薩のお告げもあったことから三蔵法師の弟子として一行に加わることになる。
大猪は仮名手本の猪とはだいぶ趣が違っていた。
★序幕第三場「流沙川の場」
先ほど出会った1人の老人のアドバイスに従い、一行は流沙川を舟で渡ろうとしている。そこへ河童(さっきの老人、そしてこの河童こそ沙悟浄:弘太郎)が現れたので八戒が驚いて川に落ちてしまう。悟空は三蔵法師の命で川に飛び込み八戒を助けに行く。
ところが、その隙に1羽の大鷲が三蔵法師をさらって行ってしまう。
この場面、記憶の断片の中にあるある。子供の頃、三蔵法師って徳の高い坊さんのわりには何となく抜けているような気がして、イライラしたものだ。
さて八戒を助けた悟空は沙悟浄を打ち据え、仲間に加わらせる。
三蔵法師がさらわれたことを知った悟空の悲痛な祈りに観世音菩薩が現れる。と言っても声だけ(この観世音の声が亀ちゃん。声だけだけど、これで亀ちゃんも全演目出演ということになる)。観世音菩薩は悟空の心に感じ入り斛斗雲を賜る。そして悟空は斛斗雲で師の囚われている菩薩峠へ。悟空はいつの間にか、本当にお師匠様を慕うようになっていたのね。
斛斗雲に乗った右近・悟空の悠々たる宙乗り!!  客席も大いに盛り上がった。もっと近い席を取ればよかったのだけど、空いてなかったのかもしれない。でも、右近さんの宙乗りはけっこう近くで何回も見ているから、まあいいか…ってわけにもいかないのよね、ミーハーファンとしては(なにしろ「ヤマトタケル」の宙乗りを目の前で見て、右近さんにlovelyになっちゃったわけだからcoldsweats01
★序幕第四場「菩薩峠の場」
三蔵法師がさらわれたのは、寧親王の陰謀。危うし、三蔵! というところを悟空が救い出す。そして観世音菩薩から天馬を賜った八戒、沙悟浄も駆けつけ、一行は再び天竺を目ざす。

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博多座千穐楽夜の部①:「華果西遊記」その一

226日 二月花形歌舞伎千秋楽夜の部(博多座)
12022901saiyuki 夜の部はケチって3階最後列で。伸び上がったり立ち上がったり狙いだったんだけど、後ろに立ち見の人がい~っぱいshock 昼の部もそうだったのかなあ。 
「ご挨拶」
スッポンから袴姿で登場したのは亀ちゃん。千穐楽の御礼のあと、「歌舞伎を初めて見る人~?」「歌舞伎を見たことはあるが2月の歌舞伎は今日が初めての人~?」で客の挙手を促し、「複数回見ている人が多いので私は喋るのがめんどくさい。もう喋らなくていい」とか言いながら「歌舞伎は見るものではなく何するもの~?」→客席「参加するもの」。亀「役者が喜ぶのは~?」→拍手が起こる。
「亀治郎、最後の博多座であり、宙乗りは博多座が最後。今度帰ってくるときは名前が変わっている。でもサルちゃんはやめて。猿になっても亀ちゃんで」。ってことは、これからも亀ちゃんでいいのかsmile
ここからは劇場を下手、真ん中、上手の3つに分けて拍手の稽古。う~ん、これはもういいんじゃない?gawk
「鬼揃紅葉狩はこっち(維茂)は寝てるけど、そっち(客席)も寝ていることがある。今日は興奮して。救急車も医師もいるから。拍手はいつでも。声もかけて」。その途端、「おもだかやっ」。
亀ちゃんは博多座だと本当にリラックスして、生き生きしてるねえ。
「華果西遊記」
これまでに2度見ているし、配役も同じだから軽い気持ちでいたら、なんと今回は

前半部分もつくのだった。すなわち、三蔵法師が天竺に行くに至る経緯、そして孫悟空、猪八戒、沙悟浄が三蔵法師に従うようになる経緯等が序幕として描かれる。22年ぶりの上演だそうだが、そんな序幕があるなんて、不覚にもこれまで気がつかなかったんだわ。
★序幕第一場「長安径山寺の場」
唐の太宗(門之助)が天竺に御経を求めるべしという夢を見て、その使者を探していると、径山寺の住職(寿猿)が弟子の玄奘を推薦する。しかし太宗を快く思わない叔父の寧親王(欣弥)が横槍を入れる。そこへ、孫悟空(右近)が乱入。
この時、悟空の出は花道と思わせておいて、本当は舞台中央、御殿階段下から出てくる。狐忠信みたい!! 私は上から見ていたからその瞬間を見逃すことはなかったよbleah
暴れ者の悟空に寧親王の手下である司馬将軍張須函(猿四郎)が立ち向かうが、如意棒を操る悟空の相手にならない。ここで、悟空と司馬将軍の兵士たちがエグザイルダンス。ほんと、歌舞伎ってエグザイルダンス好きよねthink 今月は演舞場を除く3座全部でこれ見たよhappy02
一方の玄奘(笑也)は「悟空こそ唐土を治めるにふさわしい」という太宗の言葉を伝え、黄金の冠を悟空に与える。喜んだ悟空だが、玄奘が印を結び呪文を唱えると悟空が苦しみだす。子供時代に読んだお話にも載っていたかの有名な金冠である。悟空は抵抗できず、玄奘に従うことを約束する。
この功徳により、玄奘は太宗から三蔵法師という名を賜り、天竺へ旅立つことになり、悟空もお供を命じられる。嫌がる悟空だが、頭の金冠のこともあり、しぶしぶお供を承知する。
記憶は断片的で、ふ~ん、そういう経緯だったとは知らなんだ。しかし、金冠を締め付ける技は仏法によるものでも、それを悟空の頭に載せさせたのは騙しのテクニック。それに金冠締め付けも脅し。それを玄奘の功徳にしちゃうのが面白い。
右近さんの悟空は愛敬たっぷりでかわいいし、笑也さんの三蔵法師は上品そのもの、この人以外に考えられないほどのはまり役である(筋書き見たら、30年以上も前に時様がやっていた)

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2012年2月28日 (火)

博多座千穐楽昼の部④:「天竺徳兵衛」その三

226日 二月花形歌舞伎千秋楽昼の部(博多座)
「通し狂言 天竺徳兵衛新噺」(てんじくとくべえいまようばなし)
★二幕目第一場「小幡の里螢ヶ沼の場」

磯平がかつての朋輩・小平次を頼ろうと小幡の里にやってくる。小平次は今川家の家臣であったが、奥勤めのおとわと恋仲になり、主家を追われて郷里に戻ったのであった。
ところが、このおとわという女が極悪人で(どうして小平次はこんな女と一緒になったんだろう)、小平次の留守の間に馬市の多九郎といい仲になっている。2人は悪徳医師(欣也)と組んで小平次を亡き者にしようと画策するが、小平次はしぶとくなかなか死なない。無惨に斬られ、沼に沈められ、もうダメかと思うと浮かび上がってきては多九郎の足や杭にしがみつく。気の毒な小平次ではあるが、そのしぶとさは薄気味悪いほどである。ついに、おとわが杭にしがみつく小平次の5本の指を斬り落し(刀でぐしぐしshock エグすぎるshock トラウマになりそう)、小平次の命は尽きる。
ところで、どういうわけか、浪頭の名鏡は多九郎の手に入っていたのだが、今川家の重臣・尾形十郎が通りかかり、闇にまぎれて逃げるうち(右近、猿弥、欣也、亀治郎4人のだんまり)、鏡は沼に落ちてしまう。
ここは、小平次とおとわ2役の亀ちゃんの早替り。予期していなかったので、本当にびっくりした。多九郎は最初、馬子に絡まれて困っていた磯平を助けたりして人間の大きな侠客(三婦みたいな)に見えたのに、こんなに悪いヤツだったとはbearing 猿弥さんはどっちにも見えるからなあ。
★二幕目第二場「小幡の里小平次内の場」
おとわと多九郎は悪徳医師の毒薬で小平次の父正作と妹おまきを殺そうと計画している。そこへ尾形十郎がやってきて一夜の宿を乞う。正作が小平次を案じていると、十郎が素性を明かし、小平次惨殺の事実を知らせる。
で、ここで強行軍の疲れが出て、少しsleepy(♪人は誰でも~・・・スキマ風です。つまらんギャグでごめん) 気が付いたらおまきが父親に縛られて外の柳の木に括りつけられているところであった。なんで? あとで筋書きを見たら、おまきが十郎に一目惚れ、しかし十郎は小平次の主筋とあって父親が許さなかったらしい(そうわかっても、やっぱりよくわからない)。
小平次は幽霊となって多九郎とおとわを脅かし、十郎には沼に沈んでいた名鏡を手渡す。そして多九郎は十郎の手によって、おとわは小平次の亡霊によってついに絶命する。
おとわの亀ちゃんは土手のお六みたいだけれど、こっちのほうが断然悪女。春猿さんに「姉さんは悪婆」と言われていた。幽霊の亀ちゃんとおとわの早替わりがすっごく早くて思わず「おお~っhappy02」と声が出てしまった。幽霊の亀ちゃんは恨みを晴らすというより楽しそう。
右近さんがカッコいい。
★大詰第一場「肥前国松浦潟船櫓の場」
大薩摩の演奏、浅葱幕が振り落されると、枝折姫と大宰府の権の師・西ノ宮の中納言が、船櫓から海を眺めている。枝折姫は中納言に救われていたのであった。ん? 枝折姫まんざらでもないのか?gawkという様子。
ところが枝折姫に言い寄る中納言が引き出物として浪切丸を差し出したことから、枝折姫は中納言が徳兵衛であることを悟る。中納言徳兵衛は枝折姫を葛籠に押し込める。
船櫓の下には尾形十郎がいて、ここは楼門五三の桐の五右衛門と久吉をそのままパロディ(久吉の和歌もぱろってた)。船櫓もまるで楼門みたいだったし。徳兵衛は赤い舌を出していた。

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博多座千穐楽昼の部③:「天竺徳兵衛」その二

226日 二月花形歌舞伎千秋楽昼の部(博多座)
「通し狂言 天竺徳兵衛新噺」(てんじくとくべえいまようばなし)
★序幕第二場「筑前国今川館奥殿の場」

筑前の国を治める今川左馬次郎の妹は隣国を治める梅津桂之介の許嫁であったが、将軍家より管領山名家へ嫁ぐよう命じられていた。返答を先延ばしにしている今川家へ将軍家からの上使が2人やってくる。左馬次郎は白装束に切腹の覚悟で将軍家の命を受け入れられないと告げる。上使の1人は情に厚く(猿三郎)、1人は気短で意地悪(猿四郎)。ここは仮名手本四段目・切腹の場のパロディか。上使の情けによって左馬次郎にはひとまず枝折姫説得の猶予が与えられる。
縁談のことで気がふさぎがちな枝折姫を慰めようと腰元(段之)が田舎座頭の徳市(「蜘蛛絲梓弓」の座頭を思い出す)を連れてくる。徳市が座敷に上がる時のギャグ――これは段々(階段)、こなたは段之」。はは、それはともかく、この座頭、木琴演奏をして姫を慰めるが、木琴なんて珍しい楽器を持ってるところが怪しいではないか。演奏のほうは最初は子供が面白がって鳴らしているみたいだったが、徐々に黒御簾の三味線との掛け合いになっていき、亀ちゃんが歌notesまで披露でウケた。
この徳市、正体は徳兵衛であったことを左馬次郎に見破られる。それは最初から怪しんでいた左馬次郎が花籠に礫を投げ、中から蛇を這い出させたところ、蝦蟇の妖術使いである徳市が怯えたからである。しかし、左馬次郎はこんなことを予期していたのだろうか、普段から花籠に蛇を潜ませておくなんてエグすぎるではないかwobbly ともかく、徳市=徳兵衛はその場を逃れる。
すると今度は将軍家から別の上使がやってくる。これをも怪しむ左馬次郎が再び花籠に礫を投げるものの上使は動じない。もちろん、この上使も徳兵衛なんだが、どうして今度は平気だったのかな。それどころか徳兵衛は蛇を摑んで庭に投げると筧を這い登ろうとした蛇が2つに避ける(エグいwobbly)。それで徳兵衛は筧に浪切丸が隠されていることを悟り、手に入れる。
そこを左馬次郎の手の者が取り囲む。すると超巨大な蝦蟇が現れ、徳兵衛はその上に乗って妖術を使い、逃げる。この蝦蟇がめっちゃデカくて、迫力あり、ここだけにしか使われないのがもったいない。
門之助さんの左馬次郎が強く上品な貴公子ぶりで、悲しげでもあり、とても素敵。

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2012年2月27日 (月)

博多座千穐楽昼の部②:「天竺徳兵衛」その一

「通し狂言 天竺徳兵衛新噺」(てんじくとくべえいまようばなし)
11022801tokube 猿之助四十八撰の第1弾。22年ぶりという今回の上演に当たり、かなり手直しされたようだが、簡単に言えば、徳兵衛という船乗りが自分の素性を知り、妖術を伝授され、日本転覆を企てようとするというあらすじ。
南北の作品で、パロディいっぱい、南北らしいエグさもあり、スーパー歌舞伎の要素もあり、古典がこんなに楽しく、客席も盛り上がるとは!!
主な配役は
天竺徳兵衛・小平次・小平次女房おとわ3役を亀治郎(3役早替りではあるが、徳兵衛自身が座頭・将軍家上使・西ノ宮の中納言・花作りの鳴雷に変装するので、7役やっているような印象を受ける)
徳兵衛の父木曽官(の亡霊):猿弥
筑前の領主・今川左馬次郎:門之助
その妻・葛城:笑三郎
左馬次郎妹・枝折姫:笑也
小平次父・正作:寿猿
小平次妹・おまき:春猿
おとわの愛人多九郎:猿弥
今川家の重臣尾形十郎:右近
これが見たくて博多座まで行ったんだし、面白かったから、自分の記憶のためにもすっごく長くなります。
★序幕第一場「博多沖玄界灘元船の場」
幕が開くと海に浮かぶ大きな船。おお「毛剃」だぁ。4人の船乗りが珍しい異国話を聞こうと徳兵衛を船室から呼び出す。茶色の癖毛、分厚いドテラ。おお「毛剃」だぁ。
「今日は千穐楽。市川亀治郎、じゃなかった天竺徳兵衛、厚く御礼申し上げます」とまずは客席に向かって大仰なご挨拶。そして船乗りたちに請われるまま異国話を始める。「あれに見えるは韓国。博多港から高速船で3時間(だったかな?)、また福岡空港から仁川へは90分(だったかな?)」と、ご当地ならではの語り出し。「空前絶後の反流ブーム、そういえばお主も韓流好きだったのではないか。かの国の歌を歌ってくれ」。そう振られたのは澤五郎さん。テレくさそうに立ち上がり「では少女時代の踊り」と腰を振る(ふ~む、澤五郎さんは少女時代派か。浅草では春猿さんが亀ちゃんにさかんに韓流好きをいじられていたっけ)。
さて、徳兵衛の亀ちゃんは現代の韓国の町歩きをした話をする。もちろん歌舞伎調でね。ここは猿之助さんが現代のニュースを語る趣向にしたのだそうで(だから「新」:いまよう)、それに則っている。たまたまコスメショップに入っちゃって、そこの一番人気はカタツムリパックだった(BBクリームかと思った。もう古いか)とか、食べ物の話とか色々面白かったけれど、意外にも亀ちゃんの声が小さくて聞くのに必死、メモを取れなかったので忘れちゃった、ごめんなさい。
徳兵衛の韓国話に盛り上がったあと、船乗りたちが船室に戻ると、あたりに怪しげな空気が漂い、男の亡霊が海上に現れる。その亡霊が言うには、自分は朝鮮国王の臣下で木曽官(きそかん、ではない、もくそかん)といい、徳兵衛の父親である。日本に攻め込まれた朝鮮の仇を晴らそうとして日本転覆を図ったが叶わず、名刀浪切丸を盗んだが正体がバレて切腹した。息子に後を託し、蝦蟇の妖術を授けて消えていく。亡霊などによって自分の素性を知るとか、父親が異国の重臣であったとかいうのは石川五右衛門のパロディか(この後も、五右衛門のパロディあり)。児雷也も仙人から素性を知らされたんだっけ。蝦蟇の妖術は絶対児雷也を思い出すよね(あ~、「児雷也」もう1回見た~い!! 演舞場でも国立でもやってほし~い!!)。
父の遺志を継ぐ決意をした徳兵衛。向きを変え船首を正面にした船の突端に、ドテラを脱ぎ捨てその下に着けていた南蛮衣裳ですっくと立つ徳兵衛は(「毛剃」だぁ)、亀治郎睨みで辺りを睥睨する。
團十郎さんみたいに体がデッカくない亀ちゃんだけど、ちゃんと大きく見えた。

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博多座千穐楽昼の部①:ご挨拶

226日 二月花形歌舞伎千秋楽昼の部(博多座)
12022701hakataza 久し振りの博多座はやはりとてもいい。座席の前がチョー狭いけれど(エコノミークラス並?)、23階からでも見やすいし(最前列で手すりが目に入らない)、お弁当も安い。
「ご挨拶」
スッポンから右近さんが袴姿で現れる。そうだ、浅草歌舞伎と同様、博多でも日替わりでご挨拶があったんだと思い出す。ただ浅草と違って平伏しての口上はなく、まずは無事千穐楽を迎えることができたとの御礼から始まり、リラックスした様子の右近さんが花道から本舞台と自由自在に動き回ってのトーク。以下、かいつまんで。
・「天竺徳兵衛」は幻の演目だったが師匠猿之助が昭和57年に復活して以来大人気である。歌舞伎はわからなくて退屈、料金も高いと言われるが、この芝居を見てわかって面白いと思っていただければありがたい。
・歌舞伎はロックと同じ。静かに見る必要はない。参加してほしい。キャーも手拍子もOK。しかし一番簡単な参加は拍手である。役者は拍手がほしくて芝居をやっている。拍手がほしいから見得を切る。拍手ももらうとたくさんクルクルまわったりもする(右近さんも亀治郎さんもたくさんクルクル回っていました)。<ここで客席から拍手> 拍手をいただくと長く喋ったりもするんです。でも私の持ち時間は5分。<と言いながらまだまだトークは続く>
・茶の間と違って劇場では席を立つ人がいると「あ、どこへ行くんだろう」と気になるし、居眠りをしている人がいると隙間風が吹く(ごめんなさい)。拍手があると気持ちがいい。死んでもいいと思うくらい幸せになる。逆に拍手がないと本当に死んでしまいそうになる。
・今日は昼の部で亀治郎さんが宙乗りをして夜の部では私がやる。1日中博多座にいましょう(はい、そのつもりです)。
・挨拶は日替わりだが、右近の回に盛り下がったと言われては悔しい。右近の力で盛り上げたい、右近の力で!! 右近の力で!! ウコンの力で…と、例のアレを懐から。ここでまた大きな拍手と笑いが起こる。(他の日は知らないけど、少なくとも今日はすっごく盛り上がったよ)
・今日は「いまよう天竺噺」ではなくて「いまよう天竺祭りです!!

拍手は強要されてするものではない。大丈夫、博多座ではみんなが芝居を楽しみ、自然に拍手が湧いていた。おばばはその若い熱気についていけない、なんてこともたまにあったけれど、博多座のお客さんはめちゃくちゃ盛り上がる一方で節度も弁えていて拍手がセリフの邪魔をするということはほとんどなく、とっても楽しかった。

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2012年2月26日 (日)

SwingingFujisan@博多座

いつもならそろそろ起き出そうかという8:10のairplaneで福岡へ。
前日、bottleの力を借りて超早寝。今朝は4時起き(それでも日帰りは荷物が少なくて楽)。電車が止まったら取り返しがつかないから、少し早めに家を出て、無事福岡空港着。
平日ならともかく日曜早朝にも世の中はしっかり動いているのねえ(電車に乗る人が多い)とねぼすけの私は感心しきり。
羽田でのrainの予報にshockとなったけれど、確か博多座は空港から建物の外へ出ることなく行けるんだったよなあと思い出す。
そして地下鉄で4駅、久々の博多座に到着ですscissors

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2012年2月25日 (土)

勘九郎襲名公演昼の部

221日 中村勘九郎襲名披露二月大歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
筋書きに写真が入る頃を狙ったのでやっとの昼の部観劇。この日はテレビ撮影が入っていた(どこの局だったかしら)。 
「鳴神」
白雲坊(亀蔵)と黒雲坊(男女蔵)は浅葱幕の後ろ、上手側から出てきた。酒とタコのことを互いに鳴神に言いつけ合って争い、白雲坊が黒雲坊の頭をぽかり。すると黒雲坊は「あいた!」 その瞬間浅葱幕が振り落される。すると白雲坊「幕も開いた」で、始まり始まり。
七之助さんの雲の絶間姫は現代的な香りが強く、見た目ちょっと男っぽい感じがしたが、そのコケティッシュな魅力に鳴神が籠絡されるのもむべなるかな。夫とのなれ初めの話もとても面白く聞くことができた。姫が気を失った鳴神に口移しで水を飲ませた時の亀蔵さんのビックリ顔が私にはツボでしばらく可笑しかった。
橋之助さんの鳴神を見るのは2度目だが、今回はあまりエロティシズムを感じなかった。どちらかというと、清潔感のほうが強かったのかな。それに後半、もっと暴れてもよかったんじゃないかしら。なんだか、鳴神って気の毒だなあと思わされてしまったわ。
「土蜘」
こんな古怪な智籌(ちちゅう)は見たことがない。その出は「いつの間にか花道に現れているように」と口伝が残されているそうだが、23階のモニターも消えたままだったし、そろそろかなと花道に目を遣ったら半分くらいのところに智籌がいた。まさに「いつの間に現れたんだろう」という登場。声も低くて凄みがあり、強烈な存在感を放っていた。畜生口の見得も薄気味悪かったし、頼光の一太刀を受けて去る時、花道で低く身構え舞台の頼光を睨み付ける姿は鬼気迫る。
蜘蛛になった姿は意外にも小さく見えたけれど、ジャンプが高く、きっちりと形もきれいで徐々に大きさを感じた。蜘蛛の糸は撒く数が少ないような気がしないでもなかったが、派手に撒くだけがいいものではない(それはそれでもちろん楽しいけれど)、ということを知った。糸を片手で手際よく巻き取っていく後見さんたちの働きにも注目。
仁左衛門・吉右衛門・勘三郎・芝雀の4+子役ちゃんによる話題の間狂言、思ったよりさらっとしていたけれど、涎もののご馳走。ここだけは間近で見たかったな。
大満足の「土蜘」だった。幕見がないのが本当に残念。
「河内山」
やはり仁左様の河内山は一番カラっとしていてスカッとする。知性があって品もよい(いわゆる「上品」というのともちょっと違う。品格とでもいうのかな)。上州屋へ向かってすたすたと歩く姿も実にかっこいい。素性がバレた後の開き直りも思いっきりがいい。「馬鹿め」が小気味いい。いいことずくめで、河内山は仁左様が一番好きだ。
上州屋では我當・秀太郎・仁左衛門の松嶋屋3兄弟の顔合わせ。我當さんはだいぶ足が悪そうだったが、親戚筋として上州屋の娘を心配する温かさと鷹揚さが感じられた。
勘九郎さんの松江候は不機嫌さが楷書で出ていて、そこがいい。癇性の強さというよりは気性の激しさを感じた。河内山の堂々たるカッコよさにこの松江候がしっかり食らいつくところに見応えがあった。最後、3階からは河内山に「馬鹿め」と一括される顔が見えず、非常に残念。松江候の小姓・彌紋さんが初々しい。
<上演時間>「鳴神」72分(11001212)、幕間30分、「土蜘」79分(12421401)、幕間20分、「河内山」89分(14211550

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2012年2月24日 (金)

雀右衛門さん逝く

いつものように遅く起きた朝、テレビをつけて衝撃を受けた。
雀右衛門さんが亡くなった。
2月23日、奇しくも父と同じ日に。
残念ながら私は雀右衛門さんの全盛期を存じ上げぬが、それでもその芸に少しでも触れることができたことを幸せに思う。
最初に雀右衛門さんをこの目にしたのは、海老蔵さんの襲名披露公演での口上。ただ、列の真ん中にいらしただけで、すごい色気を感じたものだ。
今、雀右衛門さんのお染、芝翫さんのお光、富十郎さんの久作、そして藤十郎(鴈治郎)さんの久松、田之助さんのお常という人間国宝超豪華配役の「野崎村」が胸に鮮やかに甦っている。しかしこの中で
富十郎さん、芝翫さん、そしてついには雀右衛門さんが…。
ご冥福をお祈りいたします。

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2012年2月23日 (木)

染五郎版「研辰の討たれ」:松竹座夜の部②

215日 二月花形歌舞伎夜の部(松竹座) 
「研辰の討たれ」

12022301togitatu 実際に見たことがあるのは野田版で、オリジナル版は延若さんの研辰を映像で見たことがある。延若さんの研辰なら風貌の似ている獅童さんの研辰を、と言いたいところだが、染五郎さんで見ちゃったら、この役は染五郎さん以外考えられなくなってしまった(もっとも獅童さんだったらまた全然違った研辰になっただろうけれど)。
その染五郎さん、顔がアンジャッシュ児島じゃん、と一発で吹き出してしまった。しかし児島と違ってよく喋る、次から次へとああ言えばこう言う。朋輩への言いたい放題、上役へのへつらいや媚びがいちいち他の武士たちのカンにさわるのもわかるが、ついこの間まで町人だった辰次には武士の中にあってそういう生き方しかできないのではないか、孤軍奮闘頑張れなんて気持ちにもなるから不思議である。辰次を演じる役者の資質にもよるんだろう。嫌なヤツでありながら愛敬も備えていて、どこか魅力的なんである。
そういう辰次唯一の理解者というか辰次贔屓というか、殿様の奥方(高麗蔵)は辰次をかばい、励ます。高麗蔵さんはこういう役がとてもお似合い。「一心太助」の素敵な御台所を思い出す。
他人のことは平気でバカにするくせに自分がバカにされたことに耐えられない辰次は、家老の平井を卑怯な方法で殺してしまう。しかし本当は平井を落そうと思って掘った穴に自分が落ちるなど笑いを取っておいての殺しなので、見る側は意外と卑怯さを感じない。人を殺したことに対する辰次の怯えはあまり伝わってこず、むしろ気の高ぶりみたいなほうを感じた。町人でも武士でもない、あるいは町人でも武士でもある、微妙な辰次の位置ゆえだろうか。
この後は仇討で追う側と追われる側のすれ違いに駆け引きがたっぷりの笑いの中に描かれる。見せ場の1つである倶利伽羅峠の畚(ふご:こんな言葉知らなかったし、ワードの変換にあるなんてびっくり)渡しは、期待したほどでもなかった。延若で見た時はもっとのどかかつ緊迫感があったように記憶しているが、歌舞伎のほうが舞台が大きいせいかもしれない。たまたま畚ですれ違った辰次と平井の長男・九市郎(愛之助)、いきり立つ九市郎。辰次は畚の綱を切り、九市郎は谷底へ。それでも九市郎は足を痛めた程度だったのは奇跡に近い。
吾妻屋という宿屋で辰次と九市郎が鉢合わせ。その後九市郎の弟才次郎(獅童)もやってきて、ここでも何とか辰次は宿の水桶に飛び込んだりして(前2列くらいにシートかなんかが配られていた)逃げおおせる。ここで初めて辰次は心からの恐怖を覚えたのかもしれない。

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2012年2月22日 (水)

維盛の存在感、「すし屋」:松竹座夜の部①

215日 二月花形歌舞伎夜夜の部(松竹座) 
「義経千本桜 すし屋」

今月松竹座唯一の古典。
最近の愛之助さんは愛之助という役者の独自性を築いてきているってことをあらためて実感した。はじめのうちこそ仁左様に似ているところがみられたものの、体型も顔も演技もかなり愛之助の権太になっていて、仁左様の権太を見れば見たで「すっごくいい」と言うに違いないいっぽうで、愛之助さんの権太も「すっごくいい」のである。こまかい感情表現も丁寧で、愛敬もあり、骨太なのがいい。
今回は「すし屋」のみで時間的には楽だったし、「木の実」からを何回か見ているから権太一家の愛情がインプットされていて、別れの場面では涙がどっと出たものの、やはり「木の実」から見たかった気持ちもなくはない。それに、権太の女房小せんが蝶紫さんだったのもその気持ちに拍車をかけた。
別れの場面では権太の気持ちに焦点が当てられるが、今回は小せんと倅・善太郎の気持ちを思って悲しくなった。小せんも善太郎も若葉の内侍と六代の君の衣裳が全然身についていない。いつもそう感じてはいたのだが、身分の高い人の衣裳が合わないことが引き裂かれる町人一家のむごさ哀れさを強く感じさせることに、今回初めて気がついたのである。
権太が2人をわざと足蹴にしたりきついことを言っても、2人はそれが偽りの行動であることを、権太の本当の気持ちは煙いとごまかす涙にあることをわかって静かに引かれていく。目と目で別れを告げる権太一家の悲しみがしみじみと胸に迫ってきて、泣かされた。
権太の母は吉弥さん。吉弥さんの老け役はちょっともったいないような気がする(私が一番好きな吉弥さんは、「牡丹灯籠」のお国かな)。吉弥さんは金を無心されるのさえ嬉しいといった感じで、これまで見た母親の中で一番権太に甘いように私には見えた。見た目きりっとしているのにそのギャップがとてもよかった。父親の歌六さんは安定していてさすがのうまさ。
お里の壱太郎クンは動きがちょっとぴょんぴょんしすぎているような気がしたが、お里としてはそれでいいのかもしれない(声がもうちょっとキンキンしないともっとよかった)。とにかく弥助に一途なのが可愛くって、それだけに「親への義理で契った」と維盛に戻った弥助に言われたのが哀れであった。
米吉クンが若葉の内侍に大抜擢。ちょっと荷が重いかなあという気もしたけれど、きれいだし身分の高さも感じられたし、「すし屋」の場面だけであれば十分頑張りが見て取れた。あとは経験の問題だけだろう。
獅童さんの梶原、私は獅童さんに甘いかもしれないけれど、堂々と立派で、人間としての大きさもあり、カッコ良かった。

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2012年2月21日 (火)

何度でも見たい、「伏見の富くじ」:松竹座昼の部②

215日 二月花形歌舞伎夜昼の部(松竹座) 
「大當り伏見の富くじ」
最初から最後まで笑った笑った、ほんとによく笑ったhappy01
以下、ネタバレします。
まず染五郎さんが登場して口上。役名が幸次郎だから幸四郎に結び付けて、「日本中で弁慶やった。その息子はたまらない、世界中でやらなくちゃ。ところがその息子は人間豹になってどこかへ飛んで行ったりしてアホです」と、摑みはバッチリ。この口上でなんかうまいことを幸次郎が言うと伏見稲荷の神官が「座布団一枚!」。すると、お狐さんの陰から黒衣さんが座布団を投げる。その呼吸のよさに、場内爆笑
happy01
幸次郎は質屋の若旦那だったが、預かった大名家の屏風を紛失したために店はつぶれ、今では紙屑拾いをしている。その幸次郎、ある日吉原じゃなかった島原の花魁道中に行き当たり、鳰照太夫に一目惚れする。ここは「駕籠釣瓶」の見初めのパロディね。鳰照太夫が幸次郎ににっかりと笑いかけると、き~んという感じの音が鳴り、同時にライトがぴかっと光り、にっかり感というかぴっかり感を盛り上げる。これがめちゃ可笑しくてhappy01 幸次郎はそのたび「頬をちょっと押すとこし餡がぷにゅ~と出てきそうな(happy01におてる」の魅力にくらりとなる。
鳰照太夫はなんと翫雀さん。小太りの容姿が愛敬たっぷりで、人物もよく、何ともチャーミング(時々、お顔が扇千景さんに似ていると思った)。はじめのうち声が割れていて聞きづらいことがあったが、徐々に落ち着いてくると同時にだんだんいい女に見えてくるから不思議。
太夫は下駄が苦手のようで、すぐ脱げてしまう。すると、禿の1人(吉太朗)が「また脱げた」、もう1人が「言うたらあかん」を繰り返すhappy01 下駄が脱げるだけでなく転びもする(よく転ぶんだ)。すると「又、こけた」。吉太朗クンは実に演技がうまいといつも感心するが、この禿もその心を摑んで演じているようで見事だった。
ところで、鳰という字も読みもニナガワの「十二夜」(権十郎さん演じる「鳰兵衛」)で初めて知った私、最近「鳰の湖」という相撲取りがいることを知り1人「におっていう字読めるもんね」とほくそ笑んでいたのだが、ここで鳰照太夫が出てきたので、なんだかおかしくなってしまった。しかもこの名前、口に出すと「におてる」太夫だからね(でも、「鳰照」という遊女の浮世絵があるみたいなので、実在の人物だったのかしらね)。
でね、「鳰」というのは「カイツブリ」のことなんですって。それはこのお芝居で初めて知った。
閑話休題。
この鳰照と幸次郎の恋物語を縦糸として、様々な横糸が編まれる。思い出すままに。
幸次郎が当番で川攫いをしていたら、革の財布が引っかかってきた。それを拾い上げた幸次郎、「ごじゅう~りょう~」bleah
この財布を川の中で河童(鴈祥)と奪い合うんだけど、それがまた可笑しくて可笑しくてhappy01 この場面をはじめとして、舞台の作りが三谷さんの「決闘! 高田馬場」をヒントとしたんじゃないかと思うようなことが間々あって、楽しくてしょうがなかったhappy01
染五郎さんの関西弁は上方の人に「あんた、ほんとはお江戸の人やろ」とからかわれるが、私には違いはわからない。二枚目半のキャラで大奮闘。実にカッコいいのである。

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2012年2月20日 (月)

政治に翻弄された若者の悲劇、「慶安の狼」:松竹座昼の部①

215日 二月花形歌舞伎夜昼の部(松竹座)
12022001syotikuza_2 遠征かつ花形歌舞伎の第二弾は松竹座。前日、終演後最速で新幹線に飛び乗り大阪へなんばの定宿でぎりぎりまでたらたらと過ごし(なぜかツインにグレードアップしてくれたので、余計のんびりした気分になった)、いざ松竹座へ。
御園座で歌舞伎らしい歌舞伎(って定義はわからないんだけどね)を楽しんだ後の松竹座はちょっと変わった演目の取り合わせ。とくに昼の部は新国劇と松竹喜劇?な感じで、音楽も夜の部の「すし屋」以外は録音。でも全部の芝居に染五郎・愛之助・獅童という同級生3人が一緒に出るというだけでも絶対見なくっちゃの魅力だし、実際ものすご~く素敵で楽しかった。 
「慶安の狼」
新国劇か普通の時代劇のような感じだと思ったら。初演が昭和41年、やはり新国劇が新橋演舞場で上演したのだそうだ。
「慶安の狼」は丸橋忠弥(獅童)の苦悩を中心に描いた物語で、体制に反逆しようとする忠弥と体制の中でおとなしく奉公する親友・野中小弥太(愛之助)の生き方の違いは、ちょっと「江戸の夕映」を思い出させた。しかし裏切りに次ぐ裏切りで、道を違えた親友2人が最後はひとつになる。ザンバラ髪を振り乱し、刀や槍を振り回す様式的ではない立ち回りは、先日俳優祭で見た殺陣と同様、危険でゾクゾクするような迫力がある。瀕死の小弥太を支えて立ち上がらせ、紐で自らの体と結びつけて戦う忠弥。小弥太は絶命し、その傍らでものすごい形相で1人戦う忠弥。真山青果のようなアツさはなく、しかし政治に翻弄され潰された若者たちの悲劇に思わず涙し、そのむなしさに胸が重くなった。
小弥太が口をきいてくれた仕官の道を断り、由比正雪(染五郎)に与した忠弥だが、正雪は手下の本吉新八(宗之助)に忠弥暗殺を命じ拳銃を与える。しかし銃声がした後姿を現したのは新八ではなくて忠弥であった。まったく動揺を見せない正雪。正雪は新八が返り討ちにあうことを見越していたのではないかしら。本当に危険だと思ったのは忠弥ではなくて新八のほうだったのではないかしら。その辺はよくわからなかった。正雪が舞を舞う場面は信長と重なった。
獅童さんには、武士は武芸を活かしてこその存在と考え、平和になった世の中についていけない忠弥の凄みがあった(でも目の化粧がパンダみたい。黒く縁取り過ぎじゃない?)。
体制の中で生きていこうとする愛之助さんは穏やかで友を思う気持ちが素直に出ていた。小弥太は忠弥の友人であったがために死なねばならなかったのだろうか。さぞや無念であっただろうが、友と一つになって死へ旅立ったことを彼は静かに受け入れたことであろう。
友右衛門さん(金井半兵衛)がいいところでセリフにつまり、プロンプターが入ってもしどろもどろになってしまったのが残念。そこだけだったから、余計に残念。
しょぱな、居酒屋の場面で女中役の梅之さんがいそいそと動き回る様子、店で起きる事件の行方を暖簾の陰から不安そうに窺う仕草に「らしさ」が表れていた。そういうところで、観客はその世界に入っていくのだ。小さいけれど大事な役だと思った。

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2012年2月19日 (日)

花の若手が繰り広げるアウトローの世界、御園座夜の部

214日 二月花形歌舞伎夜の部(御園座)
「通し狂言 青砥稿花紅彩画」
12021901misonoza_2 通しは2回目。今回は大好きな菊之助・弁天×松緑・南郷の組み合わせの他に亀三郎・忠信、梅枝・赤星とまさに若手花形の白浪たち。その若い白浪たちを束ねるのが團蔵・駄右衛門。ちょっと小ぶりな感じは否めないが、新鮮で素敵で愛おしいワルたちの出会い、花の若手の繰り広げるアウトローの世界に胸を熱くした。
信田小太郎として登場する弁天の初々しい美しさ、婚礼前の武家娘として登場する弁天の花も恥じらう美しさ。ただね、私としては正体を現してからの弁天は、「粋」や「悲しみ」という点で菊五郎さんのほうが好きかも、とちょっと思ってしまった(菊ちゃんに意気や悲しみがない、というのではなく、うまく表現できないけれど、何か感じるものが違うのよね)。でも、大屋根で最後まで耐える弁天の意気地に菊之助=弁天の心を見た気がした。
松緑さんとのコンビで好きなのは、南郷と弁天はきわめて密接な関係にありながら、べたべたしていないサラっとした空気が2人の間に流れているところ。松緑さんが大きく弁天を包んでいる感じもいい。
忠信利平の亀三郎さんはカッコよく、赤星との思わぬ出会いにも心の真実が籠っていて胸があたたかくなった。
梅枝クンが大健闘。前回の通しでは千寿姫の哀れさが胸にきたが、今回はやむにやまれぬ事情を抱えた赤星が駄右衛門一味になる過程を丁寧に演じて、その実力を発揮していたと思う。
團蔵さんは浜松屋との因縁が明らかになったときの親の気持ちがにじみ出てほろっとさせられた。この場面、実の親子の名乗りがあまりに出来過ぎのせいだろうか、客席から笑いが起きたのが私としては不本意(わからないじゃないけれど)。團蔵さんはただ、体の細さで損をしているような気が時々した。
右近クンは立役のほうがいいわと思っていた私の目にも千寿姫は頼りなげで愛らしい。浜松屋の番頭はこれをやらせたら天下一品と思っている橘太郎さん。背を丸めて首をちょっと前に突き出して座る姿だけでも、まさに番頭の風情が漂っていて最高。盗みを丁稚2人に見咎められてからのチャリ場は楽しかった。「ご当地尾張はスケート王国。ミキティ、真央ちゃんに佳菜子ちゃん」と始まり、菊之助、亀三郎、梅枝、松緑の名を織り込んだ剽軽なセリフが笑いを呼ぶ。3人のエグザイルダンスも息ぴったり(これ、松竹座でもやっていたし、歌舞伎ってほんと、エグザイルダンス好きねえ)。愛敬たっぷりのこの人が本当は悪い人だなんて信じられない。
菊十郎さんの狼の悪次郎もいかにもな雰囲気で、登場すると安心する。
大屋根での立ち回りは迫力たっぷり。弁天が息絶えた後、極楽寺山門の駄右衛門と山門下土橋の青砥左衛門藤綱(亀寿)の対峙で幕。亀寿さんが締めくくりの重要な役に大きさを見せていた。
<上演時間>序幕70分(16151725)、幕間30分、二幕目90分(17551925)、幕間20分、大詰15分(19452000

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2012年2月18日 (土)

見応え十分、御園座花形昼の部

214日 二月花形歌舞伎昼の部(御園座)
12021801misonoza 今月は御園座、松竹座、博多座と3座で花形。その第1弾は御園座の花形。
前日、アルコールの力で早寝し、苦手な早起きを克服して名古屋へ。新幹線では1時間くらい爆睡したかな。
「義経千本桜 渡海屋・大物浦」
知盛・松緑、弁慶・團蔵、相模五郎・亀三郎、入江丹蔵・亀寿は去年7月国立劇場と同じ。今回、典侍の局を菊之助、義経を梅枝という実にフレッシュで期待の大きい配役となった。
菊之助さんは前半、お柳としての家内を取り仕切る生き生きとした世話女房らしさに加え、平家の身分高い女性としての楚々とした上品な美しさがあった。後半の貴族姿に昨年の浮舟が重なったが、あの時と違って違和感はなかった。知盛をはじめとする平家一族の武運を案じながらも天皇を守り女官たちを束ねる凛とした品格が、早くも涙を誘う。義経に保護されて知盛の前に姿を見せた時には、知盛に対して自分を恥じているような感じを受けた。平家の悲劇をかくも美しく気高く見せる菊之助さん、思えば菊ちゃんは政岡もきっちり演じこなしたし、玉手御前も雪姫も新鮮に演じたし、この若さで凄い役者さんだ。声がきれいに戻っていて安心した。
松緑さんの知盛は、前半の銀平に大らかさがあって、相模五郎と入江丹蔵をあしらうところもそれが活きる。そして頼もしい。後半の勇ましさ、哀しさ、怨念、諦念、安堵、潔さ、色々な気持ちがこちらにも入り混じって伝わってきて、胸を抉られる。碇とともに海に消えた瞬間には思わず心の中で手を合わせた。
亀三郎・亀寿さんの五郎、丹蔵は口跡がいいから、ユーモラスな前半の魚尽くしが楽しい。後半の相模五郎のご注進は力強さの中に悲しみが、そして主君の最期を見届けねばという強い覚悟・意志が感じられた。入江丹蔵も、背に回した源氏方の侍ごと自らに刃を突き立てるという勇猛さ。ここにも滅びの美学を見るような気がした。
梅枝クンの義経は若いがその品格、古風さがぴったり。義経からも悲しみが滲み出ている。先月の中村座でも「鳥居前」で義経を演じた梅枝クン、立派な義経役者になることを十分予感させる演技であった。
團蔵さんの弁慶のほら貝には知盛への敬意とともに戦のむなしさ、悲しみ(ここの登場人物にはみんな悲しみが漂っている)が込められていてじ~んときた。主君義経を守るという忠義の任務がなかったらこの人も熊谷みたいに出家したのではないかしらと思いかけて、そういえば弁慶はもう出家していたんだっけと気がついた。
菊五郎劇団の若手による見応えたっぷりの「千本桜」であった。

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2012年2月17日 (金)

平成中村座4月チケット、無事ゲット

今日は4月中村座の発売日。
昨日みたいに午前中ネットが繋がらなかったら大変。原因はわからないが、機械を少し暖めておいたほうがいいのかしらとか考えて、6時に目が覚めたときに電源を入れ、再び布団にもぐり込む(寝たのが遅いから許してね
bleah)。
8時ごろたらたらと起き出し、家の中のことをしつつネットを確かめると、おお、今日は無事につながっているgood しかも頗る快調(つながっても、速度がめちゃ遅だったりするのよ)。でもね、このパソコン、今まで調子よかったのに突然つながらなくなることが時々あるのだ。心配しつつ…。
さらには桜席専門の私だから緊張度は他の劇場に比べて倍以上(桜席で一応ちゃんと舞台が見える席って数が少ないんだもの。現に3月の公演はあまりいい席が取れなかったし。ネットも繋がらなくて息子の借りたし)。
結果…パソコンも頑張ってくれて、何とか希望の日時に希望の席が取れてほっとしている。朝、父にお願いしたおかげかなcoldsweats01 感謝です。
しかしこうネットが不安定では、ねえsad

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2012年2月16日 (木)

主婦はお忙し

たった2日家をあけただけなのに(といっても丸々2日だからねえ)、家の中のこと、仕事の連絡、ネットが繋がらない(どうも午前中は調子悪い。この前、工事のせいにしたけれど、そういうわけではなかったみたい、すんませんbearing)等々で忙しい忙しい。主婦ってお忙しなのねえ、と大したこともしないくせに(絶対に、他の主婦より楽してる、と自分で認識しています)感心したりしてcoldsweats01

仕事は出発前に頑張って全部仕上げたのだけど、ありがたいことに又次の仕事がきて、そして今日は急ぎの仕事の依頼。もちろん、お引き受けしました。
というわけで、記憶の新しいうちに遠征の感想を、と思いながらなかなか手が着きません。ま、ぼちぼちと書いていきます。
あ~、夢の時間が終わって現実に引き戻されると、夢は遥か昔のように感じるんだわ
weep

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2012年2月15日 (水)

松竹座:胸一杯のカーテンコール

遠征第二弾は松竹座。
「大当り伏見の富くじ」があんまり可笑しくて笑って笑ってほろりときて。幕が下りても拍手が全然鳴りやみません。
やがて再び幕があき。かん雀さんが泣いているようにみえたのは目の錯覚かしら。こちらの胸も一杯になり、思いっきりの拍手を送りました。
今、昼の部が終わって興奮さめやらぬSwingです。
追記:今月の番付には写真は入らないとか(残念)。舞台写真はもう出ていますが、なぜか獅童さんのだけがない(2枚らぶりんとのツーショットが出ているけれど、う〜ん買っちゃおうかなあcoldsweats02  超三枚目獅童さんなんだよねえ)。

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2012年2月14日 (火)

御園座

遠征第一弾は御園座。劇場のお弁当は高いからと東京駅で駅弁を買って行ったらこれが幸いした。だって御園座ではお弁当を売っていないのだcoldsweats02 御園座は初めてじゃないのにすっかり忘れていた。
それに幕あいになったら客席がほとんど空っぽになったからちょっと不安になって係りの人に確認したら、客席内での飲食禁止なんですって。それも忘れていた。2階のロビーの椅子があいていたので(1階はいっぱいだった)無事に駅弁ランチをすませることができた。
この前御園座に来たのはいつだったんだっけなあと記憶を辿りつつ(長距離バスを使った記憶がある)夜の部開場時間を劇場内で待つSwingであります。
追記:開幕前に劇場の人が前に出て、諸注意事項を大きな声で促す、あのお馴染みの光景を御園座では見ない。それでも少なくとも今までのところmobilephone着信音が鳴ることはなかった。

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2012年2月13日 (月)

楽しい展覧会:フェルメールからのラブレター展

211日 「フェルメールからのラブレター展」(Bunkamura ザ・ミュージアム)
やっと行ってきました。1月に娘と行くつもりでいたのだけれど、滞在期間のうち半分は様々な友人と会うので外出していた娘(「あたしなんか、少ない方。みんな、帰国するたび毎日出かけてるよ~」。ま、友人が多いのはありがたいことです)の都合がつかず、今頃になってしまった。それも渋谷というのがネックで、いくらフェルメールでも単独ではなかなか足を向けづらく、DNPとの抱き合わせ日程にしてやっと、というわけ。
当日券でちょっと並んだわりには意外とちゃんと見ることができた(もちろん、それなりに混んでいたのだけれどね)。展示は第1章「人々のやりとり――しぐさ、視線、表情」、第2章「家族の絆、家族の空間」、第3章「職業上の、あるいは学術的コミュニケーション」、第4章「手紙を通したコミュニケーション」に分かれており、絵(というか、絵の中の人物の心理)を読み解くという遊びを自分の中でやったりして、非常に面白かった。また風俗画であるから敷居が高いこともなく、当時のオランダの文化や生活ぶりが見て取れるのも興味深かった(オランダは非常に識字率が高かったそうで、だからこそ「手紙」が重要なポジションにいるわけだ。楽器が恋愛の象徴として描かれているなんていうのも読み解きのヒントになる)。
1では「牡蠣を食べる」「トリック・トラック遊び」「眠る兵士とワインを飲む女」「生徒にお仕置きをする教師」などが、1枚の絵にドラマが見えるみたいで面白い。
2では「テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族」は強烈な印象を残す。画家自身も含む大人から子供まで11人の一家が様々な体の向きのまま全員こちらに視線を向けている。それはいいのだが、全員が白い襞襟をつけていて、う~んなんかちょっと異様な感じ。
この章では私は家族の姿というよりは室内そのものに興味を覚えた。2色のタイルが市松模様にみたいになっている床、開いているドアの先に見える部屋(扉のところに誰かがいることもあるし、いなくても人の存在を感じる)、一段高くなった木製の段の上に置かれた椅子(タイルとか大理石の床は冷えるから)、壁に掛けられた絵、赤いタペストリーの掛けられたテーブル等々。DNPでかつて見たファン・ホーホストラーテンの「部屋履き」が甦る(そういえば、彼の絵は今回なかった)。
3は専門職の人物画で、これは11人の顔を見るのが面白い。「羽根ペンを削る学者」が私のお気に入り。この絵が含むところはともかくとして、この学者が本当にそのあたりにいそうな気がする。

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2012年2月12日 (日)

勘九郎に触発され…

今日中にやらなくてはいけない仕事がまだ終わらない。アセりながらも「まあ何とかなるかなぁ」なんてどこかで他人事みたいに思う自分もいて、今ふっとその自分が表面に出たところ。
で、ネットでこんな記事(↓)を読んで、触発され、やるべき仕事は早くちゃんと片付けようと、あらためて思った。ので、今日はこれで失礼。

「彼らの心が折れない理由 中村勘九郎(1)」 by 小松成美→ココ

「彼らの心が折れない理由 中村勘九郎(2)」 同→ココ

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2012年2月11日 (土)

GILLEで元気に

最近ネットでかなりの話題になっているからご存知の方も多いと思うけれど、私もすっかりハマってしまった謎のシンガー、GILLE。疲れた時に彼女の歌を聞くと俄然元気が出る。
ご存知ない方は是非、聞いてみて(AKBの「Flying Get」を英語でカバーしている。他にもヒルクライムの「春夏秋冬」、原田真二の「タイム・トラベル」のカバー、とにかくすっごくいい)→ココ

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2012年2月10日 (金)

愉快な中村屋~どうする、4月っ!!

手のかかる仕事をやっと終えて帰宅したのが夜11時直前。すぐに風呂掃除(あの地震以来、風呂の水は入る直前まで流さないことにしている)。ごしごしやっているうちに、ハッと思い出すことあり。
11時から勘太郎ちゃんじゃなかった勘九郎さんが出るテレビがあったんだぁ!!
録画しておこうと思ってすっかり忘れていた。急いで風呂掃除を終え、急いでテレビをつけ。
「5LDK」という番組は、見てみたら前にも1~2回見たことがあるような気がした。
前半の高級品かそうでないかを当てるのも面白かったけど、後半のトークで大笑い。
その1 勘三郎さんは七緒八クンに会いに来ると「ジジが参りました。何かご用はございませんか」って言うんですってsmile すると七緒八クンはおじいちゃんをばんばん叩くんですって(可愛いねえ)。それを見て勘九郎さんはとっても不安になるんですって。だって、子供のころから恐ろしい父親だったから、ってbleah  笑いました。
その2 勘九郎さんは学生時代エロ本を軽く200冊は集めていたんですって。それは定番ベッドの下に隠していた。しかし弟の七之助さんの部屋はどこを探してもエロ本がないんですって。で、ある日、両親に呼ばれていくと、「隆行ホモか?」と父親に訊かれた、って。笑い転げました。

テレビが終わってパソコンの前に座ったら、中村座4月の詳細が出ていた。昼の部の法界坊は早くから発表になっていたけど、夜の部も早く発表にならないかなあと気になっていたのだ。演目は「小笠原騒動」ですって。見たことないし、すっごく楽しみ。
でも、4月はまたまた厳しい日程になりそう。前半は事情があってなかなか入れられないのに、4月は国立最低3回リピート、演舞場も昼夜2回ずつって考えていたんだもの。
どうする、4月っhappy02 私の
moneybagをからっぽにしないで~~bearing

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2012年2月 9日 (木)

カーテンコールの相乗効果で楽しさ100倍:「ロッキー・ホラー・ショー」

28日 「ロッキー・ホラー・ショー」(サンシャイン劇場)
楽しかったsign03 面白かったというよりはとにかく楽しかった。口内炎の痛みが吹っ飛んだ。
頭痛に歯痛、口内炎の痛み、腰痛、全部右側の痛みに耐えながら仕事に精を出していたこの何日間かwobbly こう痛くては外出なんかする気になれねえ、っていうんで今日はついに鎮痛剤を飲んだ。口内炎だけは頑固に痛みが残ったものの、不快感もかなり軽減し、池袋へ。キャラメルを見なくなってからサンシャインはすっかりご無沙汰。これまで通り都電で行こうかと思っていたら有楽町線の東池袋から地下道で繋がったと知り、そっちのほうが便利だし交通費も安いし。遠回りだと覚悟していたのに時間も早くてビックリ。
通路際の席だったからあんまり早く座っては悪いなあ…ではあったのだけど、とりあえず席に着いたら、あっちこっちから黄色い歓声が聞こえてくる。青いメイド風ミニワンピのおねえさんたちが開演前限定ポップコーン(ロッキー・ホラー・ショーの箱入りで500円)を売り歩いていて、誰かが買うと、そのたび大声で「お買い上げいただきました~」と叫んでいたのであった。それに呼応して客席からは拍手が。はは、のっけからノリノリですわ。2つ買う人がいればさらにノリはup
やがて舞台のスクリーンに諸注意事項が英語と日本語で映し出され、それを読み上げたアナウンスも入る。その中に「上演中は、火・水・米の使用はご遠慮ください」とあって、「何?」とわからなかったのは、映画を見ていないから(らしいことが後で判明)。
注意事項が終わると、さっきの売り子の1人が「サイエンス・フィクション」を歌う。マジェンタ役のグリフィス・ちかさんだと間もなくわかる。かわいい声で歌っていたかと思うと潰れ声を出したりするのだが、その使い分けが巧み(っていうか、あんな潰れ声出していたらノド痛めるんじゃないか、なんて余計な心配をした)。
この芝居、ストーリーはあってないようなもので、簡単にいえば友人の結婚式に出てそれがあんまり素敵でうっかり婚約しちゃったカップル(ブラッド:中村倫也、ジャネット:笹本玲奈。ノリで婚約っていう感じだったからそういうカップルなのかと思っていたら、そうではなくてウブで真面目な2人だった。だからこそうっかり婚約しちゃったのね)が恩師の家へ行く途中、土砂降りの雨の中でパンクし、不気味な古城に電話を借りに行ったことから恐怖のような快楽のような奇妙な体験をするという話。
古城には執事のリフラフ(岡本健一)やマジェンタ(グリフィス・ちか)など奇妙な住人がいて、「タイム・ワープ」を踊り出す。前のほうでは一緒になって踊ってる客もいる。
そこへ古城の主フランク・フルター(古田新太:フルター、古田って出来過ぎでしょbleah)が登場する。金色のガウンをぱっと脱ぎ捨てるとなんと黒のボンデージ姿。今日はフルターの作った人造人間完成のお披露目パーティーなのだ。ブラッドとジャネットの目の前で人造人間ロッキーに命が宿る。
化粧してボンデージ姿の古田新太!!  堂々たるその存在感。意外と脚がきれいで、お似合い。すんなり受け入れられた。ハチャメチャな古田さん、歌はうまいし、とにかく楽しい。
この役はROLLYが何回かやったそうなんだけど、私としては古田さんがあんまりはまり役で、逆にユニセックス的ROLLYのこの役は想像できない(生々しすぎそうな気がする)。実を言うとこの芝居を見る目的の1つは生ROLLY(ローリー・寺西だった頃から1度ナマで見たかった。って、私なにそんなにROLLYにこだわっていたんだろ)を見ることだったのよね。でもROLLY演じるエディはバイクで華々しく登場して1曲歌ったと思ったらすぐにフルターに肉の塊にされちゃった。なんだ、これだけかいとガッカリしていたら、スコット博士の甥だったとかで思い出話の時にエンジェル姿で再登場。さらにはカーテンコールでギターかき鳴らしまくり。もうこのギターがめっちゃくちゃよくて、そうか私は生ROLLYを見るのではなく聞きたかったんだわ、と大満足。楽曲すべての詩ROLLYが訳したそう。聞き取れないところもたくさんあったんだけど、それでもすっごくよかったなあ。ところでロッカーって体やわらかいのねsmile

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2012年2月 8日 (水)

Swing家の怪

暮れにいただいた生姜ドリンクのセットが見当たりません。
1本だけ飲んで、後は箱に入ったままどこかにあるはずなのですが、見当たりません。
ありそうな場所は毎日何度となく探しているし、ありそうもない場所もこれまでに何度も探しました。
いったいどこへいってしまったんでしょう。
こんな不思議なことってあるのかしら。
当分生姜ドリンク探しの日々が続きます…

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2012年2月 7日 (火)

昨日はトリュフォー、今日はディケンズ:Googleロゴ

昨日のグーグルはフランソワ・トリュフォー生誕80周年記念ロゴsign03
何を隠そう、私はトリュフォーファンなのだ。と言ってもそんなにたくさんは見ていないけれど。
そのロゴが3種類あることに気づいたのはほんの10分ほど前。フランスのグーグルで気づいて、隠れていた2種類も保存して、日本のグーグルに戻ったら、もうトリュフォーは消えていて、新しいロゴに変わっており、ビックリ。ちょうど0時だった。
7日のロゴはチャールズ・ディケンズ生誕200年記念。ディケンズは特別好きというわけでもなく、ごく有名な数作しか読んでいないcoldsweats01
0時のロゴを見たことにちょっぴりだけgood
トリュフォー版はフランスグーグルで多分日本時間8時までは見られると思う。

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2012年2月 6日 (月)

雛がいっぱい:二木屋のひなまつり

昨日の続き。新年会は北浦和の二木屋というところで行われた。二木屋は元政治家(1955年、自民党初の内閣で厚生大臣であった小林英三)の家をそのまま会席レストランにしたもので、登録有形文化財となっており、室内にはこんなスゴい人の額がかかっていた。
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↑犬養毅
12020602nikiya
↑尾崎行雄

 

また、二木屋は月々の室礼(しつらい)を心得(?)としていて、今月はお庭にも、建物の中にも雛がいっぱい飾られている。貴重な古雛、日本各地の雛等々。団体で見学したのでうまく写真を撮れず、ごく一部だけご紹介。
12020603nikiya 

↑享保雛。享保年間に京都で作られ始めた雛の様式を「享保雛」と呼ぶ。顔は能面のようである。袴には綿を入れて膨らませてある。その後も発展を遂げた享保雛だが、この内裏雛は享保年間のものだそうだ。
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 ↑この官女は江戸中期のもの

12020604nikiya
 ↑次郎左衛門雛。佐野ではない。雛屋次郎左衛門が創始したと言われる雛で丸顔に引目鉤鼻が特徴。「公家や上級の武家の間では流行とかかわりなく雛の本流として長く重んじられたといわれ、大名家のコレクションの中には必ずといっていいほど納められて」いるとのこと。この雛は明治期に入って作られたものらしい。作家の名前がついている雛は珍しいそうだ。
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 ↑檜皮葺の御殿
12020606nikiya
↑庭の小さな池に 

二木屋の雛のコレクションは、雅叙園の百段階段で現在行われている雛の展示にも出品されているので、関心のある方はぜひどうぞ。

二木屋ココ
雅叙園ココ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2012年2月 5日 (日)

「微妙な光」を描く画家:アンリ・ル・シダネル展

24日 アンリ・ル・シダネル展(埼玉県立近代美術館)
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前々日は演舞場、前日は高校クラスの新年会、この日は大学の地域同窓会の新年会と3連続夜の外出はさすがに疲れた。
アンリ・ル・シダネル展は、その新年会の企画の一つであり、地元にある美術館ながら一度も行ったことがないので私も便乗。
ル・シダネル(18621939)は日本では知名度が低いようだが(自分が知らなかったから、というわけではないが、私も全然知らなかった)、ヨーロッパでも一時忘れられ、再認識されてきたのは比較的最近らしい。
彼はジェルブロワという村に構えた自宅の庭をバラで埋め尽くし、さらには村の住民の賛成を得て村全体をバラで埋め尽くしたそうだ。その結果小さな村がフランスで一番美しい村と言われるに至ったのだとか。
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.自画像
展示されていたのはダンケルク時代の自画像で16歳の時の作品(鉛筆画)。利発できりっとした少女のような面差しである。裕福な家の子女という感じ。
2
.エタプル
エタプルというのはフランスの町の名前で、ここに滞在している間の作品。素朴な自然を描いている。印象派のような雰囲気もあるが、光が何かにくるまれたようで、あんなに明るくない。そのせいかどうか、ところどころ押絵のような厚みを感じる。ル・シダネルの描いた光は「微妙な光」であり、それは次の人物像にも反映されている。
3
.人物像
「月明かりのなかの輪舞」(リトグラフ)は、6人の乙女が青いかすかな光の中で踊っている。幻想的で、心惹かれる。
ル・シダネルの人物画は数多くはないようで、とくに1900年以降は油彩による人物画はほとんどなくなるそうだ。出展されていた「カミーユ・ル・シダネルの肖像」(1904年)はそういう意味で珍しいとのこと(カミーユは奥さん)。 

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2012年2月 4日 (土)

もう一度見たい:勘九郎襲名公演夜の部②

22日 中村勘九郎襲名披露二月大歌舞伎初日夜の部(新橋演舞場)
 
全然関係ないけれど、昨日(23日)新宿伊勢丹の地下が大盛況。一部には長蛇の行列ができている。そしてデパートの人が「最後尾」と書かれたプラカードを持って「年末以来だよ~」と嬉しそう。野次馬根性丸出しで売り場を覗くと、なんと「恵方巻き」でした。へえ、関東でもぉeyeとビックリしたのでした。
「春興鏡獅子」
小山三さんが老女・飛鳥井で登場。予備知識なしで行ったものだから、ああさっき仁左様が言っていたのはこのことか、と仁左様の心遣いにあらためて胸をアツくする。93歳という年齢で舞台に立つことだけでも素晴らしいのに、セリフもしっかりしているし、緋色の着物もよくお似合い。大感動!! それでも私はやっぱり小山三さんは娘役のほうが小山三さんらしいかもなあ、なんてちょっと思ったのでした。
さて勘九郎さんの弥生は、上品で愛らしく清潔感があり初々しい。その初々しさがちょっと生硬な感じも与える。あらっ、後見は七クン?と気づく。そうしたら七之助さんのほうも気になってしまって…。さっきの口上で兄弟が2人とも「手を携えて」と言っていたことが甦り、後見を見る目にも熱が籠る。いずれ七之助さんも鏡獅子を踊ることになるんだろうな。
胡蝶は宜生クンと玉太郎クン。玉太郎クンに一日の長あり。経験の差ならいいけれど、宜生クンの動きがちょっときつそうだったのが気になった。ところで宜生クン、ずいぶん大きくなってビックリ。国生クンに似てきたかも。
獅子のバックは花道七三で頭を横に振り、毛を脇にして。獅子は勇壮、動きもなめらかできれいだった。毛振りは途中ちょっと息切れ感がみられたが、最後はスピードも形も持ち直したようだった。幕が閉まる寸前、片足を上げた姿勢がややぐらついたのが残念。
しかし、襲名披露の初日というのはその場の観客だけでなく報道の目も全部集中するからさぞや緊張して大変だろうなあ。
「ぢいさんばあさん」
ぢいさんは仁左様で2度、ばあさんは菊五郎さん、玉三郎さんで。3度目の今回にしてはじめて仁左様以外のぢいさんを見る。
扇雀さんの久右衛門に弟らしさ、福助さんのるんに姉らしさが見られてとても好もしかった。仲睦まじい姉夫婦にアテられる扇雀さんも微笑ましい。福助さんの夫に対する甘え方は武家の妻としてちょっとやり過ぎな気もしないでもないが、イヤな感じはしなかった。ただ、赤ん坊に「1年間お別れだからおとなしく待ちましょう」と語りかけるセリフがちょっとぶりっこ過ぎたかなあ。悲しみを堪える表情は美しいのに…。
橋之助さんの下嶋甚右衛門は本当に嫌味な男で、むかつく。しかし、段々下嶋の屈折した心理が見えるような気がして、気の毒にもなった。伊織もきっと下嶋のそういうところを理解していたんだろうなあ。
若夫婦の巳之助・新悟。新悟クンの眉を落した顔にはこちらがまだ慣れないが、若妻らしさもあり品もよく、何より情がこもっていてよかった。巳之助クンにも伯父夫婦への敬愛が感じられた。初々しい若夫婦は好もしかった。 

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2012年2月 3日 (金)

心あたたまる口上:勘九郎襲名公演夜の部①

22日 中村勘九郎襲名披露二月大歌舞伎初日夜の部(新橋演舞場)
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毎年恒例、テレビ埼玉のレッズ激励会と重なってしまったけれど、なんたって勘太郎ちゃんの勘九郎襲名初日だし、歌舞伎最優先の私としては迷わず演舞場。それも口上目当てで初日は夜から(レッズのほうは、梅﨑に柏木に新加入の槙野、そしてベテランの山田暢久、鈴木啓太が来たんだって。チクショー、私の行かないときに限って梅ちゃんとはbearing)。
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時にはまだ昼の部が終わってなくて、しばらく待っているとドアが開きどっと人が流れ出てきた。夜の部開場を待つ人の数と相俟って、演舞場前は一時大賑わい。ドアから出てくる人の中に波乃久里子さん発見。普通に観客に混じって出てらっしゃるのねえ。それから評論家の犬丸さん(?)、松竹社長の迫本さん(?)も。きれいどころさんも何人か見えた。1615分を過ぎてから夜の部開場。久しぶりの歌舞伎入替パワーを感じたけれど、さすがに開演は3分遅れの16:33。
「御存 鈴ヶ森」
何回か見た鈴ヶ森の中で一番印象に残っているのは平成1612月、山左衛門さんの名題昇進と仲一郎改め山左衛門披露の「鈴ヶ森」である。いや、演目そのものより、その時の山左衛門さんの飛脚がどういうわけか強烈に記憶に残っていると言ったほうがいいか。その山左衛門さんは今回駕籠かき。そして飛脚は家橘さん(ちょっと上品過ぎるかなぁという気がした)。バッチイ雲助たち(吉之助・三津之助・國矢・いてう等々)がわらわらと出てくることに改めて驚いた。
白井権八は勘三郎さん。権八が登場する前に雲助たちが飛脚に「白井権八のなりは?」と訊くと、「いい男。歌舞伎役者の中村勘三郎に似ている」という前振りがある。ひわ色の着物を東絡げにした勘三郎さんは実際、ふっくらとした若衆姿に品と色気がある。行儀もよい。
立ち回りはエグい場面を歌舞伎らしい様々な趣向で笑いに変える。笠を持っての立ち回りは國矢さんだったと思うけれど、ちょっとミスがあって残念。鼻そぎはどなただったかしら、血は耳に隠していたみたい。一通りの趣向を見せると、今度は上手から彌十郎さん、下手から橋之助さんの2人が登場して、間に家橘さんを挟み、だんまりで立ち回る。彌十郎さんがデカい!!
さて、いよいよ吉右衛門・幡随院長兵衛の登場。カッコよくてドキドキする。長兵衛が名乗ると広島生まれの権八が、おお中国まで名の聞こえたあの幡随殿かと感嘆の声をあげる。すると「ちげえちげえ」。中国まで名の聞こえたのは「鼻の高い高麗屋」、「啖呵がいいのはおれのとっつぁん」で拍手。
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人のセリフの応酬にわくわくの「鈴ヶ森」だった。
「口上」
松が描かれた襖、左右の欄間(?)には「壽」の文字と鶴が。
まずは勘三郎さんが長男勘太郎に勘九郎を襲名させることになったと報告。そして、初代勘九郎は初代勘三郎の実子で寛永年間に生まれた。2代目は元禄元年生まれでまだ忠臣蔵もできておりません。34代ときて5代目の私は勘九郎ちゃん勘九郎ちゃんと可愛がっていただいた。(勘九郎という名は)大したことないんです。しかし歌舞伎は大変。(新勘九郎は)最近、私も父もやっていない関扉を始め私のやってないものばかりをやっている。吉右衛門さんや踊りは大和屋から教えてもらっている。ここに並んでもらいたかった岳父・芝翫にも色々教わった。これ(勘九郎)の良さは謙虚さである。その謙虚さを忘れずに。
以下、各役者さんの口上をかいつまんで(ところどころ敬称略)。
我當:勘九郎さんは子供のころから芸に熱心。俳句にも嗜みがあり、小学生の時に「雨やみて 庭のいちょうも うれしそう」と詠んだ(平伏している勘九郎さんの背中がふるえ「参ったなあ」とでもいう表情をしている様子が想像できる)。
三津五郎:勘九郎という名跡は忘れようとしても忘れられない。小さい時から明けの明星のように輝いていて、40何年で一代で築き上げた立派な名前。昨年七代目勘九郎となる子が生まれ、勘三郎さんはおじいさんになった。襲名とは人と人との繋がりだなと思う。
彌十郎:勘三郎さんと三津五郎さんは子供のころから大変仲良し。1学年下である自分はいつもその後ろにくっついていた。勘九郎さんにイタズラをすると「このジジイ!」「何を! 雅行っ! 勘太郎っ!」とやり合ったが、勘九郎になって呼び捨てはしにくい。「今後とも勘九郎…さんをよろしく」
芝雀:襲名の口上の席に列座させていただきありがたい。
秀太郎:先代勘三郎の鏡獅子で自分は胡蝶をやった。今回も胡蝶をやりたかったがかなわず。もう50年も前のことでございます。
吉右衛門:ご襲名おめでとうございます。
 

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2012年2月 2日 (木)

久々にドキドキのチケットゲット、3月中村座

朝、ネットが繋がらないshock
まあ、案の定というか予測可能だったというか。
というのは、自宅そばで今日明日となんかの工事が入ることになっていたのだ。
この工事は去年12月半ばに始まったもので、途中、間をあけながらおそらく明日で完了予定。で、ちょうど工事が始まったころから私のネットがひどく不安定になってつながらないことが多くなったのだった。因果関係についての確証はないが、状況的にみて、ネットの不安定性は工事の影響だろうと思われる。
その工事が2月2・3日に行われるというお知らせがきたから、ゲッと思っていたのだ(工事は朝が早いからねえ。9時前にはもう道路を掘り返す振動で家が揺れ始めていた)。だから案の定っていうわけ。
私のパソコンではとにかく心許ないので息子の協力を得ることにして、昨夜息子のパソコンでリハーサル(なぜか、息子のネットはつながる。あ、本当はつながるのが当たり前で私のほうが「なぜか」なんだbearing)。
今朝9時40分くらいからノートと2台でスタンバイ。
そして10時。
あれだけ万全を期していたのに、片方がなかなかつながらなくて、しかもせっかく座席選びまでいったのにエラーが出てしまい、ログインからやり直しweep(2台同時に入ったせい?) こういう時って焦ってなかなか手がうまく動いてくれないのよねsweat01 それでも何とか頑張って桜席をゲット(とにかく残っている席ってことで、選んでいられなかった)。
久々にドキドキ、胸と胃の痛みを覚えた、3月平成中村座ゴールド発売日でした。

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2012年2月 1日 (水)

楽しくて悲しいおじにゃんたち:「十一ぴきのネコ」

131日 「十一ぴきのネコ」千穐楽(紀伊国屋サザンシアター)
11ぴきのネコ」といえば馬場のぼる(原作は読んだかなあ。人形劇で見たかなあ。記憶が定かでないところをみると、読んでも見てもいないのかも)。自分の中でそれが井上ひさしと結びついたのがいつだったのかもわからないけれど、楽しみにしていた公演。歌舞伎の千穐楽と重ならないよう日程を調整しながらせっかくだから千穐楽を取った。しかし、それは失敗だったわ。だって、千穐楽じゃリピートできないじゃないbearing

開演前、なんとなく座席で通常とはやや雰囲気の異なるざわざわ感が伝わってきた。顔をあげて周囲を見回すと、ちょっと薄汚れた服装の男性が客を座席に案内していた。よく見ると、通路のあちこちに同じような恰好をした男性たちがいて客とお喋りをしたり、空席に腰かけたり。それがネコさんたちなのであった。
やがてこまつ座のおにいさんが「まもなく開演です」と声を張り上げる。すると1人のネコさんが「大きな声だねえ」。おにいさん「ありがとうございます。それだけが取り柄です」とネコさんに向かってから「今おわかりのとおり、ネコさんたちは大きな音に敏感です。携帯・PHS、時計のアラームなど~」と定番の注意を客に促していた。

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+1匹の一癖も二癖もある個性的なおじネコたち。出演者12人はすべて男性。それもイケメンとかスター性があるとかでなく、ごく普通に見えるオジさんたちだけど(私にオジサンって言われたくないっていう年代だよね。失礼)、始まるとすぐその演技に魅了される。生き生きとそれぞれの猫生を反映させた猫物像が見える。
シェイクスピア学者の飼い猫だったというにゃん太郎は北村有起哉にぴったり。10匹の野良猫がひしめき合う土管に飛び込んできたのに、その弁舌でいつのまにかリーダー的存在になっているにゃん太郎。弁舌だけではなく行動力も備わっている。北村さん、飛んだり跳ねたり走ったり、汗まき散らしての大奮闘。
このにゃん太郎のある意味対極にいるのが猫馬場じゃなかった猫糞のにゃん十一(山内圭也)で、はみ出し者的存在なのだが、その分印象も強い。そしてこの2匹の10年後は…。

いつもすきっ腹を抱えていた野良猫たちは、鼠殺しのにゃん作老人(勝部演之、で出番はほんの少しだけど存在感はさすが。そしてネコらしい最期)に教えられて巨大な魚の棲む大きな湖へと旅に出る。紆余曲折、試行錯誤の果てについに巨大魚を捕えたネコたち。すぐにでもかぶりつこうとする仲間ににゃん太郎は提案する。この場で食べずに筏で引いて元の場所に戻り、他の野良猫たちにも分け与えよう。しかし気が付くと魚は骨だけに。ああ「老人と海」と同じ状況かと1人頷いたらとんでもない、実は10匹のネコたちが約束を破って食べちゃっていたのである。いやいや10匹だけでなく、言い出しっぺのにゃん太郎まで食べちゃっていたのだ。空腹には誰も勝てない。その気持ちはわかる。 

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