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2012年2月29日 (水)

博多座千穐楽夜の部②:「華果西遊記」その二

226日 二月花形歌舞伎千秋楽夜の部(博多座)
「華果西遊記」
★序幕第二場「福凌山の場」
猪八戒(猿弥)との出会い。
悟空は相変わらず、逃げ出そうとしては金冠に締め付けられている。そんなある日、大猪が襲ってくる。悟空が追い込むと大猪の本性、猪八戒が出てくる。悟空が八戒を殺そうとするところを三蔵法師が窘め、八戒は菩薩のお告げもあったことから三蔵法師の弟子として一行に加わることになる。
大猪は仮名手本の猪とはだいぶ趣が違っていた。
★序幕第三場「流沙川の場」
先ほど出会った1人の老人のアドバイスに従い、一行は流沙川を舟で渡ろうとしている。そこへ河童(さっきの老人、そしてこの河童こそ沙悟浄:弘太郎)が現れたので八戒が驚いて川に落ちてしまう。悟空は三蔵法師の命で川に飛び込み八戒を助けに行く。
ところが、その隙に1羽の大鷲が三蔵法師をさらって行ってしまう。
この場面、記憶の断片の中にあるある。子供の頃、三蔵法師って徳の高い坊さんのわりには何となく抜けているような気がして、イライラしたものだ。
さて八戒を助けた悟空は沙悟浄を打ち据え、仲間に加わらせる。
三蔵法師がさらわれたことを知った悟空の悲痛な祈りに観世音菩薩が現れる。と言っても声だけ(この観世音の声が亀ちゃん。声だけだけど、これで亀ちゃんも全演目出演ということになる)。観世音菩薩は悟空の心に感じ入り斛斗雲を賜る。そして悟空は斛斗雲で師の囚われている菩薩峠へ。悟空はいつの間にか、本当にお師匠様を慕うようになっていたのね。
斛斗雲に乗った右近・悟空の悠々たる宙乗り!!  客席も大いに盛り上がった。もっと近い席を取ればよかったのだけど、空いてなかったのかもしれない。でも、右近さんの宙乗りはけっこう近くで何回も見ているから、まあいいか…ってわけにもいかないのよね、ミーハーファンとしては(なにしろ「ヤマトタケル」の宙乗りを目の前で見て、右近さんにlovelyになっちゃったわけだからcoldsweats01
★序幕第四場「菩薩峠の場」
三蔵法師がさらわれたのは、寧親王の陰謀。危うし、三蔵! というところを悟空が救い出す。そして観世音菩薩から天馬を賜った八戒、沙悟浄も駆けつけ、一行は再び天竺を目ざす。

★二幕目第一場「西梁国智籌殿の場」、第二場「雲中の場」、第三場「盤糸嶺山頂の場」
二幕目はお馴染みの場面。
子母泉の形と位置が今までと少し違うような気がしたが、私の記憶違いだろう。八戒が子母泉の水を飲もうとしたら、立見席の男性から「飲んだらいかんけん!!」の声。でもそれは八戒には届かず…。
妊娠してしまった八戒の手術を引き受けた悟空がその準備をする間、そして術中、客席からは音楽に合わせて手拍子が起こる。博多のお客さんはほんとノリがいい。おなじみ手の中の赤布を消して見せる右近さんの見事なマジックでますます客席は盛り上がるup
やんやの中、悟空は如意棒を自在に操ってみせ、八戒、悟浄も加わっての棒踊り。3人の息がぴったり合うからこその棒捌き。何回見ても素晴らしいgood 楽しいshine
女王の笑三郎さんはしっとりと落ち着いた美しさと年長者としての貫録があり、妹の春猿さんは愛らしく、迫られればさすがの三蔵もくらっときそうになるのもわからないではない。悟空に正体を見破られた2人。笑三郎さんは妖怪の親分としても貫録あり、春猿さんはあんなに儚げな美女の本性がこんなに恐ろしい姿に変身するとは、と驚かせる。
立ち回りでは昼の部でも3人返り越しを見せた猿琉さんが今度は悟空も入れた5人返り越し(4人が蹲る真ん中に右近さんがそっと入っていくのだ)。手が痛くなるほど拍手した(ご挨拶で亀ちゃんも「手が痛くなるほど叩いて」って言ってた)。
悟空の分身ちゃんたちがめちゃくちゃかわいくて、右近さんの分身ちゃんに対する愛が感じられるかっきれ踊りには心和んだ(毎回、よく上手に各身長を揃えるよなあ)。

序幕は他の通し狂言と違って、前半がないと話がよくわからないとか、前半があったおかげで話がすんなり呑み込めたというほどのものではなかったし、スペクタクル性からいっても後半のほうが見応えはあったが、桃太郎みたいにお供が増えていく様子や、その中での危機はとても面白く見ることができた。毎回でなくてもいいから、時々は見たいと思う前半だった。

「西遊記」も「天竺徳兵衛」も、舞台装置や仕掛け、そういう装置を動かす裏方さんと役者さんとの呼吸等々、さぞや大変だったろうが、
おかげさまで楽しい舞台、盛り上がる舞台、参加する舞台を堪能することができた。「西遊記」は平成13年の歌舞伎座以降、東京では国立の歌舞伎鑑賞教室でしか上演されていないので、東京でもぜひぜひかけてほしいものです。

 

 

 


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