« 博多座千穐楽昼の部②:「天竺徳兵衛」その一 | トップページ | 博多座千穐楽昼の部④:「天竺徳兵衛」その三 »

2012年2月28日 (火)

博多座千穐楽昼の部③:「天竺徳兵衛」その二

226日 二月花形歌舞伎千秋楽昼の部(博多座)
「通し狂言 天竺徳兵衛新噺」(てんじくとくべえいまようばなし)
★序幕第二場「筑前国今川館奥殿の場」

筑前の国を治める今川左馬次郎の妹は隣国を治める梅津桂之介の許嫁であったが、将軍家より管領山名家へ嫁ぐよう命じられていた。返答を先延ばしにしている今川家へ将軍家からの上使が2人やってくる。左馬次郎は白装束に切腹の覚悟で将軍家の命を受け入れられないと告げる。上使の1人は情に厚く(猿三郎)、1人は気短で意地悪(猿四郎)。ここは仮名手本四段目・切腹の場のパロディか。上使の情けによって左馬次郎にはひとまず枝折姫説得の猶予が与えられる。
縁談のことで気がふさぎがちな枝折姫を慰めようと腰元(段之)が田舎座頭の徳市(「蜘蛛絲梓弓」の座頭を思い出す)を連れてくる。徳市が座敷に上がる時のギャグ――これは段々(階段)、こなたは段之」。はは、それはともかく、この座頭、木琴演奏をして姫を慰めるが、木琴なんて珍しい楽器を持ってるところが怪しいではないか。演奏のほうは最初は子供が面白がって鳴らしているみたいだったが、徐々に黒御簾の三味線との掛け合いになっていき、亀ちゃんが歌notesまで披露でウケた。
この徳市、正体は徳兵衛であったことを左馬次郎に見破られる。それは最初から怪しんでいた左馬次郎が花籠に礫を投げ、中から蛇を這い出させたところ、蝦蟇の妖術使いである徳市が怯えたからである。しかし、左馬次郎はこんなことを予期していたのだろうか、普段から花籠に蛇を潜ませておくなんてエグすぎるではないかwobbly ともかく、徳市=徳兵衛はその場を逃れる。
すると今度は将軍家から別の上使がやってくる。これをも怪しむ左馬次郎が再び花籠に礫を投げるものの上使は動じない。もちろん、この上使も徳兵衛なんだが、どうして今度は平気だったのかな。それどころか徳兵衛は蛇を摑んで庭に投げると筧を這い登ろうとした蛇が2つに避ける(エグいwobbly)。それで徳兵衛は筧に浪切丸が隠されていることを悟り、手に入れる。
そこを左馬次郎の手の者が取り囲む。すると超巨大な蝦蟇が現れ、徳兵衛はその上に乗って妖術を使い、逃げる。この蝦蟇がめっちゃデカくて、迫力あり、ここだけにしか使われないのがもったいない。
門之助さんの左馬次郎が強く上品な貴公子ぶりで、悲しげでもあり、とても素敵。

★序幕第三場「筑前国今川館裏手水門の場」
左馬次郎は、葛城と枝折姫に今川家お預かりの重宝浪頭の名鏡を預け、2人を落ち延びさせる。しかし、徳兵衛の手下に襲われ、巳年、巳の月、巳の日、巳の刻生まれの葛城は大蛇に守られ、枝折姫だけが拐かされてしまう。この時、葛籠の後ろに消し幕が出て、笑也さんはその陰に隠れて引っこむんだけど、この仕掛けに客席、思わず笑ってしまうという感じだった。まあ、気持ちはわかるけど…。
葛城が姫を案じながらも供の磯平(弘太郎)と落ちていくと、水門から大蝦蟇が現れる。今度の蝦蟇は中に人が入っているから大蝦蟇と言っても、人よりちょっと大きいくらいかな。愛敬のある動きで今川の手の者と渡り合う。ここで猿琉さんが3人返り越しgood
やがてこの蝦蟇から出てきたのは、なんと亀治郎じゃなかった徳兵衛。菊百の鬘でポスターに写ってるあの姿で蝦蟇に入って大奮闘していたとは。それだけでもう大沸きの客席は徳兵衛の引っこみに手拍子であった。
笑三郎さんの落ち着いた美しさ、笑也さんのこれぞ姫というおっとりした透明な美しさ(照手姫を思い出し)。

|
|

« 博多座千穐楽昼の部②:「天竺徳兵衛」その一 | トップページ | 博多座千穐楽昼の部④:「天竺徳兵衛」その三 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/44284986

この記事へのトラックバック一覧です: 博多座千穐楽昼の部③:「天竺徳兵衛」その二:

« 博多座千穐楽昼の部②:「天竺徳兵衛」その一 | トップページ | 博多座千穐楽昼の部④:「天竺徳兵衛」その三 »