« 雀右衛門さん逝く | トップページ | SwingingFujisan@博多座 »

2012年2月25日 (土)

勘九郎襲名公演昼の部

221日 中村勘九郎襲名披露二月大歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
筋書きに写真が入る頃を狙ったのでやっとの昼の部観劇。この日はテレビ撮影が入っていた(どこの局だったかしら)。 
「鳴神」
白雲坊(亀蔵)と黒雲坊(男女蔵)は浅葱幕の後ろ、上手側から出てきた。酒とタコのことを互いに鳴神に言いつけ合って争い、白雲坊が黒雲坊の頭をぽかり。すると黒雲坊は「あいた!」 その瞬間浅葱幕が振り落される。すると白雲坊「幕も開いた」で、始まり始まり。
七之助さんの雲の絶間姫は現代的な香りが強く、見た目ちょっと男っぽい感じがしたが、そのコケティッシュな魅力に鳴神が籠絡されるのもむべなるかな。夫とのなれ初めの話もとても面白く聞くことができた。姫が気を失った鳴神に口移しで水を飲ませた時の亀蔵さんのビックリ顔が私にはツボでしばらく可笑しかった。
橋之助さんの鳴神を見るのは2度目だが、今回はあまりエロティシズムを感じなかった。どちらかというと、清潔感のほうが強かったのかな。それに後半、もっと暴れてもよかったんじゃないかしら。なんだか、鳴神って気の毒だなあと思わされてしまったわ。
「土蜘」
こんな古怪な智籌(ちちゅう)は見たことがない。その出は「いつの間にか花道に現れているように」と口伝が残されているそうだが、23階のモニターも消えたままだったし、そろそろかなと花道に目を遣ったら半分くらいのところに智籌がいた。まさに「いつの間に現れたんだろう」という登場。声も低くて凄みがあり、強烈な存在感を放っていた。畜生口の見得も薄気味悪かったし、頼光の一太刀を受けて去る時、花道で低く身構え舞台の頼光を睨み付ける姿は鬼気迫る。
蜘蛛になった姿は意外にも小さく見えたけれど、ジャンプが高く、きっちりと形もきれいで徐々に大きさを感じた。蜘蛛の糸は撒く数が少ないような気がしないでもなかったが、派手に撒くだけがいいものではない(それはそれでもちろん楽しいけれど)、ということを知った。糸を片手で手際よく巻き取っていく後見さんたちの働きにも注目。
仁左衛門・吉右衛門・勘三郎・芝雀の4+子役ちゃんによる話題の間狂言、思ったよりさらっとしていたけれど、涎もののご馳走。ここだけは間近で見たかったな。
大満足の「土蜘」だった。幕見がないのが本当に残念。
「河内山」
やはり仁左様の河内山は一番カラっとしていてスカッとする。知性があって品もよい(いわゆる「上品」というのともちょっと違う。品格とでもいうのかな)。上州屋へ向かってすたすたと歩く姿も実にかっこいい。素性がバレた後の開き直りも思いっきりがいい。「馬鹿め」が小気味いい。いいことずくめで、河内山は仁左様が一番好きだ。
上州屋では我當・秀太郎・仁左衛門の松嶋屋3兄弟の顔合わせ。我當さんはだいぶ足が悪そうだったが、親戚筋として上州屋の娘を心配する温かさと鷹揚さが感じられた。
勘九郎さんの松江候は不機嫌さが楷書で出ていて、そこがいい。癇性の強さというよりは気性の激しさを感じた。河内山の堂々たるカッコよさにこの松江候がしっかり食らいつくところに見応えがあった。最後、3階からは河内山に「馬鹿め」と一括される顔が見えず、非常に残念。松江候の小姓・彌紋さんが初々しい。
<上演時間>「鳴神」72分(11001212)、幕間30分、「土蜘」79分(12421401)、幕間20分、「河内山」89分(14211550

|
|

« 雀右衛門さん逝く | トップページ | SwingingFujisan@博多座 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
白雲坊と黒雲坊がいい塩梅に話を回してる感じでしたね。
私が観たとき、土蜘蛛の間狂言の退場(?)に手拍子が少し起ってました。気持ちはわかるけど全面手拍子にはならなくてホッとしました。
松江侯、いつも顔が切れるの知ってるんですが、今回ほど見たかったことはありませんでしたね。^^

投稿: urasimaru | 2012年2月25日 (土) 21時04分

urasimaru様
おはようございます。コメントありがとうございます。
白雲坊と黒雲坊、よかったですね。姫の話の聞き出し方も上手だったし。
最近手拍子が起こって落ち着かない気持ちにさせられることが時々あります。そうそう気持ちはわかる、でも…。ほんと、全面手拍子にならないと確かにホッとしますね。

松江候、どんな表情をしていたんでしょうね。身を低くして下から覗きこみたい気持ちでした!!(そんなことしたって見えないんですけどねcoldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2012年2月26日 (日) 04時31分

ひゃ~、博多座にいらしたんだ、とビックリしながら書きこんでるきびだんごデス。ということは今月は(も?)全座制覇!?

私は22日の夜の部に行ったんですが、この時も撮影が入ってました。どこのかは知らないけど、フジテレビかしら?? で、22日の口上では、勘九郎長男なおやクンの誕生日というのと、三笠宮家の彬子女王が昼夜通しでおいでになってる、という話題が出てました。
昼の部は3階左袖から「土蜘」と「河内山」を見ただけなんですよ。やっぱり雰囲気を味わう程度で。これで今月は終わりと思ってたのに「見たい」気持ちがさらに募る結果となり・・・戻りチケットを探して、夜の部に行ったのでした。やはり襲名の熱気や「気持ち」は独特ですね。

投稿: きびだんご | 2012年2月26日 (日) 22時30分

えへっ。「天竺徳兵衛」をどうしても見たくて。片道マイル(飛行機全然乗らずに買い物やパスモで貯めているのだbleah)、片道割引実費で行ってきました。そういえば今月も全座制覇になりましたわ。

襲名公演には格別なものがありますよね。見たい気持ちが募ったときは…わかる、わかります。我慢せずに! ですね、お互い。戻りチケットが出てよかった!! 私も千穐楽が重ならなかったら夜の部リピートしていたかもしれません(全座の千穐楽に行きたかったです!!)。いや昼の部ももう一度見たかったな。
22日の口上は特別だったんですね。七緒八クン22日生まれでしたか。父と一緒ですわ。
彬子さまのご身分は女王なんですね。初めて知りました(コメントを頂かなかったら一生知らなかったかもcoldsweats02)。皇族の方が昼夜通しでいらっしゃるなんて珍しいのではないかしら。
テレビがフジだとしたら「密着」ですね、きっと。歌舞伎チャンネルがなくなってからNHKだけが頼りの私です。

投稿: SwingingFujisan | 2012年2月27日 (月) 00時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/44258911

この記事へのトラックバック一覧です: 勘九郎襲名公演昼の部:

« 雀右衛門さん逝く | トップページ | SwingingFujisan@博多座 »