« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月

2012年3月31日 (土)

6倍

野次馬で新しいモノ好きの私、ダメもとでスカイツリーの抽選に応募してみた。
受付開始の22日はチケットサイトにまったくつながらず、ここぞ深夜族、夜中ならどうだと2時3時にトライしてみたがぜ~んぜん
bearing だいたい抽選なんだからそんなに慌ててアクセスすることもなかろうにと自分を棚に上げてボヤきながらの翌日午後、おお、やっとつながった!!
取扱いはぴあで、ぴあならIDもパスワードももっているからと入れてみたらバカだね、スカイツリーはスカイツリーであらためて登録が必要なのだった。めんどくせ~な~とブツブツ言いつつ手続き完了。
初日は当たりっこないから最初から狙わぬが利口、他の日を選んだものの、てんで期待していなかったら、あらら!! なんと当選メールが来たではないのscissors 思わず我が目を疑い、何度も確認したわcoldsweats01
その後のニュースで335倍と知って「へ~、よく当たったものだ」と感心していたら335倍は初日のみで、他の日は6倍だったとか。
それでも、これまで芝居やサッカーで色々悲哀を味わってきた身には「ばんざ~いpaper」な嬉しさ。もっとも、どうせいつかは当日券が取れるんだろうからここで運を使っていいのかなあという思いもなくはない。だけど、やっぱり素直に喜ぼうっとhappy01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月30日 (金)

シネマ歌舞伎「高野聖」

326日 シネマ歌舞伎「高野聖」(MOVIX川口)
ほどよい時間帯の上映が終わってしまい、朝950の回のみ。明日行こう明日行こうと思いつつ当日起きられないこと数日。でも獅童さんが宗朝役だった博多座公演は見ていないのでどうしても見たい。ついに頑張って(ってほどでもないかcoldsweats01)、見てきた。
この映画は、これまでのシネマ歌舞伎とは違って舞台公演を撮影したものではない。宗朝が深い森を超える場面などは実際の森を使っている。舞台部分も新たに映画用に撮ったということだ。海老蔵版の舞台を見ている私としては獅童版もライブで見てみたかったなという気持ちもあるが、そういう手法を使うことによって、泉鏡花の世界がより色濃く出ていたし、登場人物の心理がわかりやすく、大変感動した。

まず、玉三郎さんが泉鏡花について語るプロローグ的な部分が数分ある。その中で玉さまは、「高野聖」は舞台化するのが難しかった。見終わったあとお客様に小説を読み終わったような感覚をもっていただければ一番いい、というようなことを言っていた。映画を見て、小説を読んでいない私は逆にこれからでも読もうか、という気持ちになった。
獅童さんの宗朝は配役発表があったときには「どうなの?」とピンとこなかったけれど、スチール写真は意外と悪くなかった。そしてシネマ歌舞伎で見た宗朝は獅童さんにぴったり。山道で富山の薬売りと会話する場面はセリフが馴染まない感じだったが、女との出会いからはどんどん宗朝に惹き付けられていった。セリフに出ない微妙な感情、女との間に通う空気を獅童さんの姿、表情が表している。そして海老蔵さんとはまた違ったピュアさ(海老蔵も獅童も女性問題でしょっちゅう騒がれるのに、どうしてそういう2人が純粋で清らかに見えるんだろう)。海老蔵さんの強烈なストイックさに比べ獅童さんの場合は一歩間違ったらという危うさを含んでいるのだけど、それが煩悩と闘いながらもぶれない青年僧の純粋さ、やさしさを感じさせてよい。うん、獅童さんの宗朝は優しかった。一晩明けた朝の宗朝がひとつ成長したような表情になっていて感動した。そしてアップになると獅童さんはきれいな顔立ちをしていると思った。海老蔵・宗朝にあんなに感動したのに獅童・宗朝を又見たくなっている…。
玉さまは以前に海老蔵さんとの共演で見たときよりもっと生身な感じがした。舞台ではそこまではっきりとは見えない細かい表情の動きにこの「女」の苦しみとか煩悩とか喜びとか、感情が美しく表現されていた。宗朝に「嬢さま」と呼ばれ、「(川へ落ちたら村人にどう思われましょうという女の問いに)「白桃の花だと思うでしょう」と言われて女はどんなにか嬉しかっただろう。プロローグ部分で玉さまが「女は主役であるようだけど、そうではなくて宗朝から見た対象物、親仁から見た対象物であるかもしれない」というようなことを語っていたけれど、この映画を見ていたらまさにそんな風に感じられた。旅立つ宗朝が親仁に「もともともっている好き心で、戻って女と暮らしたいと思ってるだろう」と言われて「そうではない、あの人を不憫に思っているのだ」と答えるのが胸に切々と響き、私もこの女を不憫に思った。
親仁の歌六さんは海老蔵版でも素晴らしい長セリフで酔わせてくれたが今回も女と次郎を守っていこうという気持ちが淡々とかつ沸々と感じられ、この一見俗っぽいオジサンを尊いものにしていた。
「高野聖」というお話を好きになった。そして私はやっぱり獅童さんが好きなんだなあと思った。
<上映時間>85分くらい

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月29日 (木)

勘十郎さん、おめでとうございます

藤間宗家の勘十郎さんの結婚披露宴が昨日行われたそうだ。
以前に婚約発表があったとき、お相手が日ハムオーナーのお嬢さんと知ってちょっとビックリしたのは、親友が大の日ハムファンだから。
仲人は藤間勘右衛門(尾上松緑)夫妻が務めたとのこと。
勘十郎さんの振りつけた踊りは楽しくて大好き。今月演舞場で楽しんだ「唐相撲」もそういえば勘十郎さんだった。
おめでとうございます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

続ける

日本俳優協会が東日本大震災の義捐金口座取扱いを終了するとともに、収支報告を発表しています(→ココ)。
この義捐金が真に有効に使われることを強く願うものです。
1年経って支援活動に一区切りつけたというところでしょうが、これで終わりというわけではないと思います。実際、4月には仁左衛門さんが宮城県で無料公演を企画していらっしゃいますし、これからも色々な形で支援が続けられることでしょう。
私も未だ身体的活動をしていないのが申し訳ないのですが、微力ながらできることを続けていくつもりです。

母の部屋の窓から心和ませてくれる桃もやっと花開き始めました。庭の沈丁花も香り始めました。東北の春を私も心待ちにしています。
12032901jinchoge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月28日 (水)

平成中村座3月千穐楽夜の部

327日 中村勘九郎襲名披露三月大歌舞伎千秋楽夜の部(平成中村座)
12032801skytree いつもは上野で空く銀座線が今日は浅草まで混んでいて、地上へ出ると吾妻橋、平日の午後なのにあまりに大勢の人がスカイツリーにカメラを向けているのにびっくりした。隅田公園はもう桜まつりが始まっているのであった(3/204/8。一応4/15の早慶レガッタと4/21の泣き相撲も4月のイベントとして看板に挙げられていた)。私は心地よい日差しの下、ず~っと川沿いを歩いて初めて裏から中村座へ向かった(もう桜が!! 今年の浅草の人出は大変でしょうねえ。写真はどの辺だったかな。吾妻橋から7~8分歩いたところだったと思う)。
「傾城反魂香」
初日は席が悪くあまりぴんとこなかった「傾城反魂香」であるが、同じ桜席後列でも今日は右側、かなりよく見え面白さも感動も前回とは大違い。又平・おとくの愛情がストレートに伝わってきた。さらには先日のBS朝日「片岡仁左衛門の魅力」で仁左様が語っていた不遇時代と又平の不遇が重なり、そこでは泣かなかったけれど、願いがかなった又平の喜びが仁左様の喜びと重なって思わず涙が出た。必死で訴える仁左様のどもり方は言葉の出だしだけどもってあとは明瞭なのが今回はしっくり耳に入ってきた。「かか、抜けた!」は「かか」と叫んで「抜けた」は抜いて口にしていた。仁左様はオーバーにならずに感情表現が優れていて、まさにその心になっての又平であった。
勘三郎さんのおとくはいつもず~っと夫を見守っていて、その全身ににじみ出る愛情の深さに胸がアツくなった。夫のためにいらぬ話までするおとくを又平が困った顔をしながらたしなめるのが微笑ましい。又平が死ぬ覚悟をしたとき「私も一緒に死にたい」というおとくの言葉に涙。実生活でも仲のいい2人だからこその「いいかんじ」の空気が又平とおとくの間に流れていた。
右側の席は虎も頭だけは見えたし、雅楽之助が援護を頼みに来たとき物見に立つ又平の姿勢を初めて後ろから見て、かなりきつそうだなと思った。左側からは見えなかった部分が見える反面、見えないのが座敷にいる土佐将監。ま、しょうがないよね。
将監が虎を確認するとき、修理之助が用意した風呂の椅子みたいな椅子に座っていたけれど(うかれ坊主様からご指摘をいただいた点の1つ)、初日もそうだったかなあ。初日は立っていたような気がするけれど記憶違いかも(左側からはよく見えなかったし)。
庭先で履物(下駄)を履くのは将監だけだったのが面白かった。修理之助も履物を履かずに外へ出たし、又平夫婦も庭先では草履を脱いでいた。
手水鉢の表に抜け出た絵はかろうじて見えた。修理之助が姫を助けに出た直後、黒衣さんが縁の下から出てきて手水鉢の中に入ったのが今日はわかった。初日になんだろうと思った手水鉢の後ろの黒いものは黒衣さんの背中だったのだ。初日は最初から黒衣さんが入っていたような気がしたけれど記憶違いかな。ちなみに、手水鉢の絵が抜け出る部分は嵌め込み式になっていたみたい。
最後の引っこみは左側からは全然見えなかったけれど、右側だと定式幕をぐっと引き寄せてくれている部分から何とか見えて、他の客席の人たちと楽しさを共有することができた。
亀蔵さん、初日同様、幕が閉まると走って袖へ飛び込んでいった。
「口上」
12032802nakamuraza 初日と違う話だけご紹介。
勘三郎さんは「初日より千穐楽まで賑々しくお出でいただき御礼申し上げます」などのご挨拶の後、初日同様中村座の歴史を語った。京橋にあった中村座が江戸城に近いため移転させられた話は前回も聞いたが、どうして江戸城に近いといけないのかがわからなかったその理由が今回判明。小屋で鳴らす太鼓が大名登城の太鼓と紛らわしいからだそうだ。移転した先(猿若町?)は沼地で、埋め立てのためにモッコに土をのせて運んだが、まさにここ、今戸橋東から運んだのだそうだ。
我當さんは、勘九郎さんが先月「鏡獅子」と「土蜘」という大きな役を2つやったことが嬉しい。先代勘三郎さんもどんなにか喜んだことだろうと胸が熱くなったと語った。

進之介さんは、高校時代当時の勘九郎(現・勘三郎)に惚れ込んだ友人の話をして(urasimaru様が前回コメントで教えて下さった話です)、皆様にも新勘九郎さんを一生追い続けてほしいということだった。
海老蔵さんは、勘九郎さんが大好きで大好きで大好きでたまらないお父様の大好きで大好きな名前を継いで幸せで嬉しくてたまらないだろうと、「大好き」を連発。重圧を感じて数カ月間勤めたと聞いているという海老蔵さんは自身の襲名時の重圧を思い出しているようだった。
仁左様は、17代目勘三郎さんに教わった役が自分ではその通りできていないが、教わったことを勘九郎さんに伝えるのが自分の役目でもある。私の孫も勘九郎さんに教わることがあれば教わりたいと目を細めた。初日心配した咳は治ったみたいでほっとした。

続きを読む "平成中村座3月千穐楽夜の部"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月27日 (火)

等間隔

12032601even
ひどくわかりづらいかと思うけれど、上から金星、月、木星。
2012年3月26日18時30分頃、この3つが縦に一直線、それも等間隔に並ぶということで写真を撮ってみた。これが精いっぱい。
5月21日の金環食も楽しみ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月26日 (月)

巡業西コースは右近さんの「熊谷陣屋」

今年の巡業はすでに音羽屋の東コースと近松座の中央コースが発表になっていてチケットが販売されているが、やっと澤瀉屋の西コースもチケットWeb松竹に出てきた。
演目は
★歌舞伎のみかた:猿弥
★熊谷陣屋
 熊谷次郎直実:右近
 相模:笑三郎
 弥陀六:猿弥
 堤軍次:弘太郎
 梶原平次景高:寿猿
 藤の方:笑也
 源義経:門之助
★女伊達
 女伊達:笑也
 男伊達:猿三郎、猿四郎

日程はわかっている範囲で
8/31 越谷サンシティホール
9/01 立川市民会館
9/24 厚木市文化会館

私は今のところ越谷かな。






| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月25日 (日)

野生児?イライザ

12032501elisa
昨夏、近所の園芸店の閉店セールで格安で買い求めた胡蝶蘭。
イライザと名付けて立派に育てるつもりが、伸びてきた枝をガイドに沿わせるのが怖くて(ぽきっといきそうなんだもの)そのままにしておいたら好き勝手なほうを向いてしまって…。結局野生児のままですわcoldsweats02
でも、こんな可愛い花を咲かせてくれて、見惚れています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月24日 (土)

国立4月研修発表会配役

来月18日国立劇場で行われる研修会の配役が発表になっていた。
詳細は→ココで。
国立の研修発表会は夜なのでなかなか行かれない私だが、来月は行くつもり。
これから仕事なので取り急ぎ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月23日 (金)

ちょっと寂しい3月演舞場夜の部

321日 三月大歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
最初の演目で気が進まなかったけれど、今回は少し高い席を取ったのでもったいないからちゃんと見ることにして時間通り出かけた。
しかし演舞場は寂しい。1階は空席が目立ち、多分2階もだろうと思うのは、幕間に人が少なかったから。そして拍手にほとんど熱がこもっていない。幕があいても役者さんが登場しても見得でも盛り上がり場面でも拍手なし、あってもまばら。
「佐倉義民傳」
12032301sogo 前回(年12月)はまったく見る気が起こらずパスした「佐倉義民傳」を見ることにしたのはチケット故もあるが、コクーン歌舞伎で見たことが大きかったと思う。勘三郎版を見たのだから幸四郎版も見ておこう、と。
結果、全体としては意外と面白かった。辛気くさいことは辛気くさいけれど、見ないうちに嫌っていたほどの重苦しさはなかった。
序幕第一場「印旛沼渡し小屋の場」
降りしきる雪の中、頭にかぶった笠に積もった雪をはらはらと花道に落しながら木内宗吾(幸四郎)が歩いていく。雪を踏みしめ、よろけそうになるのを堪えながら進む様を見たら、すんなりその世界に入っていけた。しかし、雪国かと見紛うほどの大雪で、佐倉というのは比較的温暖なのかと思っていた無知…。
左團次さんの渡し守・甚兵衛がしみじみよかった。宗吾に感謝しつつも生きていることを恨みに思うその貧しく厳しい暮らし、左團次さんのセリフが胸にぐっと迫ってきた。禁を犯して舟を出そうという甚兵衛、甚兵衛に咎が及ぶことを気遣って断る宗吾、2人の遣り取りは緊迫感を以てこれまた胸を熱くした。
第二場「木内宗吾内の場」、第三場「木内宗吾内裏手の場」
子供たちが寒そうに手をすり合わせたり火に当たったり。長男彦七(金太郎)は赤ん坊をあやしたり。やっと帰ってきた宗吾が「うちはいいなあ」とつぶやく。ここは宗吾の家族の愛情と、追手迫ってきたことによる緊迫感、別れの愁嘆場であり、芝居の中で一番盛り上がるところだろうに、意外と胸打たれず全然泣けなかった(意外と寝ないで見られるぞと思ったのに第二場のどこか途中ちょっとだけ寝た。展開にはほとんど影響のない場面だったと思う)。幸四郎さんの泣きの芝居は悪くないと思うのに、新劇を見ているような気分(?)だからだろうか。
それでも福助さんが夫を支え子供たちをしっかり育てている女房おさんを出しゃばることなく控えめに演じていて(遠いので表情まではよくわからなかったが、オペラグラスで見る限り、変顔はしていなかったと思う)、好感がもてた。
梅玉さんが珍しく脚を出したならず者役(脚、きれいです)。この幻の長吉という男は突然現れて宗吾を代官所に突き出すと脅しながら実際は追手を宗吾から引き離してくれるのだが、恐らく客にはこの件が唐突すぎてよくわからないのではないだろうか。私もコクーンで通しを見ていなかったら何なんだ、と思ったかもしれない。事情を知っていても、ここの描き方は唐突過ぎるような気がした。
二幕目「東叡山直訴の場」
浅葱幕が振り落されると、序幕とは打って変わった明るく華麗な寛永寺の渡り廊下。警護の侍たちに捕えられながらも家光(染五郎)の足を止めさせることに成功する宗吾。直訴状を読み上げた供の松平伊豆守(彦三郎)の表情に、佐倉領主の悪政への驚き、直訴は取り上げぬと言いながら直訴状の包みだけを捨て中身は懐にしまう温情がみられ、こちらもほっとするのであった。
しかし最後まで盛り上がらぬ客席であった。
芝居は芝居として、宗吾はやっぱりすごい人だと思うので、2階でお参りした。

続きを読む "ちょっと寂しい3月演舞場夜の部"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月22日 (木)

中村座3月試演会

319日 平成中村座試演会(平成中村座)
12032201narihirabasi_2 12032202treestrap_3 チケット発売日はパソコンの前にいることができず、携帯からアクセス。しかし座席表が頭に入っておらず、最初に出てきた席を放棄した後でそれが案外いい席だったことがわかり、大失敗。その後さがしても当たり前だけどどんどん後ろのほうに下がってしまい、Webでの挑戦は断念。半ば諦めつつ、中村座観劇日に窓口へ寄ってみたら、いい席が残っていました!!
「一條大蔵譚」
國矢さんの鬼次郎、顔は橋之助さんに似ていた。セリフに仁左様の指導が窺える。緊迫感に満ちていた。勘解由が見えない相手に斬りつけられた時の驚きの表情が印象的だった。踊りが上手な國矢さんだから、激しい動きもきりりとカッコよかった。
國久さんのお京は御殿勤めの雰囲気が濃く、夫に従う女性という感じがした。
嶋之亟さんの常盤はとても強い女性に見えた。運命に耐えるのではなく、流れをうまく利用して逆らおうという強さだろうか。常盤は小道具や手の使い方が難しいんだなあと思った。
鳴瀬の蝶紫さんはぴったり。夫を諌めるきっぱりした心がよかった。
勘解由の橋幸さんは大柄でそれだけでも悪役感が強かったが、金への執着心に少し愛敬が見えた。
千次郎さんの大蔵卿は小柄ながら大きさがあり、非常に好感がもてた。本心を明かすときには指先まで力が入って、大蔵卿の心底がよくわかった。千次郎さんの後ろで黒衣さんが引き抜きの準備を一生懸命していた。だから引き抜きが決まった時にはいつも以上に大きな拍手を送った。引き抜き後も長い刀を後ろへ抜き出すのにけっこう手間がかかっており、黒衣さんと演じる側の呼吸の大事さ、それぞれの気配りがあらためてわかった。
大蔵卿が客から見えないところで勘解由を殺しその首を斬り落して持ってくるが、そのタイミングがいつも早い。それで客席からは思わず笑いが起きてしまうのだが、今回は納得できる時間をかけていた(遅すぎもせず、程よいタイミングだったと思う)。
1
回きりの公演はまさに真剣勝負で、演じきったそれぞれの役者さんが爽やかに見えた。
ところで、
4月の試演会はまだ決まっていないが、休演日から予想すると、私は行かれないかもweep

続きを読む "中村座3月試演会"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年3月21日 (水)

勝癖をつけよう:ナビスコカップ勝利

320日 vs ベガルタ仙台(ナビスコカップ、@埼玉スタジアム、1500キックオフ、23,076人)→10で勝利
12032101vsvegalta_212032102vssendai_3
今年は友人のシーチケに便乗しているのでナビスコも観戦。リーグ戦開幕とは打って変わって天気もよく日が差している間はあたたかく(日が陰ってもかろうじて耐えられた)、気持ちのいい観戦とはなったが、トップメンバーの大半を入れ替えた布陣で(柏木、頑張っていた)前半はお寒い内容で眠気を堪えるのに精いっぱい。

久々の登場の岡本が前半14分、山田直輝が同24分と負傷退場で早くも2人も選手交代をせざるを得なくなり、どうなることかと思ったが、直輝のかわりに入った矢島が私の目を引いた。ボールが足元にしっかりおさまり、ガッツもある。俄然注目、前半の収穫である。
ところが後半しばらくは矢島が消えてしまった。途中から又活躍が見られたけれど。すっごいオーバーヘッド、そういうガッツが好もしい。決めてほしかったな。
チームとしては後半4分に永田がヘッドで1点決める。周囲の人たちとハイタッチで喜び合う。
後半ベガルタの猛攻など全体としてピンチは何度もあり、その都度バーやポストに助けられたり、必死で守ったり、GK山岸のスーパーセーブがあったり。DFスピラノビッチが2枚目のイエローで退場になると、槙野が入ってきて安心した。スピラはもっと使えばいいのにと思っていたが、今日の試合を見る限りはダメだな。しかし監督も早い時間のケガ人2人、そして後半の退場と大変なことだったろうが、交代した高橋峻希と矢島慎也が働いたし、槙野の投入も適切だったし、審判のひどい判定(今年、「判定に対して異議を唱えない」「遅延行為を行わない」などの選手憲章が制定され、全選手がサインしたそうだ。それなら意義を唱えられないようなジャッジをしてほしいものだ)にもめげず勝利したこと、去年との違いは明らかである。
リーグ戦に続き10と最小得点ではあるが、勝つことが大事。去年の負け犬根性を早く忘れて勝癖をつけたい(天狗はダメですよ)。
今日も試合終了後、We are Diamondsを選手もタオルマフラーを掲げて歌い(山岸が嬉しそうに体を振っていたのが印象的)、今年の行く末を明るくしているようなレッズの結束を心強く思った。
今日の祝勝会は前回の反省を以て、生3杯にライチグレープフルーツのカクテル1杯にしておきました。
直輝の怪我(かつて伸二が潰されたタックルを思い出す)、重傷かもしれないとのこと、これまで何度も怪我に苦しんできた直輝の無念さ悔しさを思うと私まで泣きたくなる。どうぞ軽傷でありますように!!
追記:クラブの発表によると、左膝前十字靭帯損傷とのこと。全治は手術後に発表になるそうだが、ヘタするとオリンピックどころか今季絶望かも・・・。そんなことにならないよう祈るしかないけれど、無理に中途半端な回復で出場せずに完治させてほしい。


| | コメント (2) | トラックバック (0)

中村座千穐楽撃沈

あっという間だった。
千穐楽夜の部桜席、すでに前列はなく、どこでもいいやとブルーの席を押さえたのに「ご用意できませんでした」sad
2度やり直したらもう完売shock
いろいろ考えて、千穐楽は諦めました。だいたい5月ファイナルの千穐楽で日曜日、もともと難しいなとは予測していたんだけど…。
中村座もはじめのうちは桜席余裕で取れていたんだけどな…。
中村座を諦めた分は6・7月の演舞場に賭けるとしよう。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月20日 (火)

遅ればせながら国立劇場「一谷嫩軍記」

315日 「一谷嫩軍記」(国立劇場大劇場)
「陣門」「組討」は見たことがあるが、「堀川御所」「兎原里林住家の場」は初めてと思ったら道理、前者は98年ぶり、後者は37年ぶりの上演という。それなのに、私としては今一つ盛り上がりに欠けて、序幕「堀川御所」(合戦前の緊張感というよりは貴族風のゆったりした時の流れを感じた)はところどころ、二幕目「兎原里林住家の場」は大半寝てしまった。3階最後列は狭くて暑くて…というのを言い訳に。何十年も上演されていない演目だからもったいないことをしたのか、何十年も上演されていないのにはそれだけの理由があるのか、ミーハー観客である私にはよくわからない。
「陣屋」はいつもは明らかにされていない部分がいくつか演じられて、そのおかげで全体にわかりやすくて面白かった。逆に堀川御所の場があるためか、今回は制札の前で農民たちが騒いでいる場面(花ほめ?)がない。
團十郎さんの熊谷は「陣屋」では初めて。骨太でカッコよかった。敦盛を討った次第を藤の方に聞かせる件では、奥の梶原を意識している様がありありとわかって(吉右衛門さんなら肚でわからせるんだろう)、ドラマチックに盛り上がった気がした。また、ラスト、出家を決めたのに合戦の音が聞こえてくると、はっとするのは武士への未練を思わせる。團十郎さんは確かに不器用な役者さんかもしれない、しかしその不器用さが逆に團十郎さんの持ち味と相俟って、いい熊谷だなあと思うのである。
三津五郎さんの義経が品よく、大きさもあった。
巳之助クンの堤軍次は丁寧で基本に忠実なのが(と言って、軍次の基本なんて知らないのだが、そういう印象だったのだ)好感がもてた。
そして女性2人がとてもよかった。いつもは「敦盛を討った」という熊谷の話に藤の方が突然斬りかかってくるのだが、今回はその前がある。相模の後に藤の方も陣屋にやってきて、2人は何年ぶりかで再会する。すでに熊谷が敦盛を討ったことを知っていた藤の方だが、敵が熊谷だとは、相模との積る話の中で初めて知るのである(熊谷は昔、佐竹次郎という名だった。熊谷になったことを藤の方は知らなかった)。昔の恩を持ち出して夫を討てと相模に迫るなど、話がわかりやすくなった。藤の方の東蔵さんは母の強さと悲しみを院の胤を産み落とすほどの位にある女性の「品のよさ」をもって見せていた。
相模の魁春さんには、相模がわざわざ陣屋に来たのはひょっとしたら小次郎の死を予感していたのではないか、と感じるようなものがあった。ひたすら夫に仕えている様子がいじらしいほどで、わが子を失った悲しみ・絶望も男社会、さらには藤の方への恩義の中で(女の宮仕えもつらい…)納得せざるを得ないとする気持ちは想像するに余りある。熊谷も出家して去り、相模を哀れと思うよりは、相模は今後の人生を思わず考えてしまったのは、もしかしたら相模に芯の強さを見出したからかもしれない。
市蔵さんの梶原、彌十郎さんの弥陀六もよかった。
1
時間50分と長丁場だが、ほとんど退屈しなかった。
<上演時間>序幕30分(12001230)、幕間35分、二幕目60分(13051405)、幕間20分、三幕目110分(14251615
12032001ruggerman
↑熊谷名物、五家宝のほかに、これも熊谷らしい「ラガーマン」というお菓子を買いました(2個+3個の5個入り)。まだいただいていませんが、中身はラグビーボールの形をしていて、ラムレーズン入りの黄身餡の入ったカステラをホワイトチョコでコーティングしてあるそうです。ちなみに7年後の2019年はラグビーのワールドカップが日本で行われます。

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月19日 (月)

遅ればせながら平成中村座昼の部

313日 三月大歌舞伎昼の部(平成中村座)
観劇から1週間も経ってしまった。
「暫」
桜席に入ると中村屋の家紋の入った提灯と成田屋の家紋の入った提灯が並んでいた。
勇ましい太鼓の音が席の真下から響き、大薩摩を正面に聞き、迫力たっぷり。
清原武衡の我當さんは顔は意外と優しく見えたが、冷酷さを含んだセリフに堂々たる公家悪ぶりが窺える。赤っ腹はみんな力強く、とくに功一さんにリキ入っていて、こちらも力が入った。
「しばら~く」の声で海老ちゃんが登場したが、声のせいだろうか、意外とオーラを感じなかった。高音が開放音になるせいか、どうもおさまりが悪いというか、力が抜けるというか、そんな気がするのだ。それでもやっぱり海老ちゃんは客を引き付ける。権五郎が本舞台に移ると、4人がかりで衣裳を直していた。敵に対しては凄みをきかせていた海老蔵権五郎、源氏の重宝2品を義綱に渡し「めでたく妹背の誓いを」どうたらと言ったときの顔がとてもとても優しかったのが素敵だった。仕丁たちの首を一気に斬るところはタイミング的にややスムーズさが足りなかったような気がした。もっと面白く見せられただろうにと残念。
権五郎に茶後見の子役ちゃん(秋山悠介クンか上野結菜ちゃんか)が背伸びして権五郎の口に茶碗を当てていたのが可愛かった。客席からも微笑ましいという笑いが起こり、茶後見引っこみの際には拍手が湧いた。
友切丸をもってきた小金丸行綱役の梅丸クンが清々しい凛々しさを見せて、ああ梅丸クンのこんな役もいいなあと思った。
猿弥さんの鯰、七之助さんの女鯰が品よくユーモラスでよかった。七之助さん花道の引っこみは足元が視野の外だったが(下手側前列のいい席だったけれど)、そのせいかまるで花道を滑っているように見えて不思議な気持ちがした(一瞬前かがみになって足元を見たらちゃんと歩いていた。当たり前だけど)。
大仰で荒唐無稽な祝祭劇だから、理屈抜きに楽しんだ。
「一條大蔵譚」
開幕5分くらい前から、茶屋亭主の松之助さんが床几に茶碗を置いて準備していた。松之助さんはいかにもな感じ(その時代やその人物の雰囲気)でうまい。
小山三さんの鳴瀬がしっかりした演技で、先月「鏡獅子」の時には小山三さんは飛鳥井もいいけれど娘役のほうが好きだと思ったけれど、この鳴瀬はとてもよかった。亀蔵さんの勘解由が悪役ながら憎めない面もあり、金に執着する人間の悲しさみたいなものを感じた。
扇雀さんの常盤御前は、翻弄される運命に耐えながら時機を待つ女性の強さをしっとりと見せていた。
勘九郎さんはふっくら感や柔らかさを出すタイプではないので作り阿呆の部分に難しさを感じたけれど、本来の知的できりっとした姿との演じ分けにメリハリがあったと思う。
七之助さんのお京が任務を持つ女性の落ち着きを見せていた。常盤御前への思いは厳しい鬼次郎とは少し違う、女性ならではの感情が込められているような気がした。
仁左様の鬼次郎は常盤に対する悔しさが直情的に出て、真実を知っているこちらまでその悔しさに同調してしまう。あの動きの激しい鬼次郎を若々しく演じている仁左様に感動してしまった。
幕が閉まった後、引っこむ際に勘九郎さんが桜席に挨拶してくれた。

続きを読む "遅ればせながら平成中村座昼の部"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年3月18日 (日)

久々の痛快、ホーム開幕戦

317日 vs 柏レイソル(@埼玉スタジアム、1404キックオフ、41,069人)→10で勝利
12031801vskasiwa12031802vskashiwa_2
今季開幕戦をアウェーの広島――新監督・ミシャ・ペトロビッチ監督の古巣。前期チームもファンも裏切った監督もペトロビッチ、ゼリコ・ペトロビッチ――でガッカリの敗戦だったし(今年も×か…な感じだった)、
rainだし、ホーム開幕戦でなかったらパスしたいところだったが、防水スプレーかけまくり出かけた。浦和美園駅からのシャトルバスは列の最後尾がはるか遠く、雨の中仕方なく徒歩でスタジアムへ。
今シーズンは仲間と席はバラバラで観戦中は1人。その仲間の中に「晴れの神様」がいて、なんと見事な神通力sign03 前半途中から雨がやんだのだ(試合後また降り出したことを考えると、神通力としか言いようがない)。私の席は屋根がなくモロに雨をかぶるので大助かり。しかし雨が止んだ後はめちゃくちゃ寒かった。レッズのダウンの上にレッズのカッパを着ていたにもかかわらず、寒くて寒くて。
その寒さと寒さからくる眠気(暑くても寒くても眠いのね、私はcoldsweats02)を乗り越えられたのは試合が面白かったから。本当に久しぶりに面白いレッズの試合をアツく楽しむことができた。
去年とは全然違う。走るdash ボールを待っていないで取りに行くdash 攻めるdash
はじめのうちこそ柏(前期最終戦、目の前で胴上げを許したannoy)ペースであったが、8分に原口がシュートしてからは(このシュートは得点ならず)パスもまわり、攻撃の形ができていく。
そして36分、ランコ・デスポトビッチが前線へ流れたボールをチェイスして、ついにゴォールsoccer こちらからはわからなかったが後で映像を見たら、ボールは相手15番に渡り、15番が内側へ流したボールをランコが奪い、左右から飛び込んできた相手2人の足が届くか届かないかの隙をついてのきれいなゴールだった。ランコのゴールはリーグ戦初(去年は無得点)sign03
ランコの使われ方にはこれまで不満があったので、この試合のワントップ起用は嬉しかったし、それに見事に応えたランコに感謝である。ランコはスピードもあるし、これからも期待に応えてほしい。
その後はハラハラする場面も多々あり、そのたびにDFGKが凌ぐ。
後半は試合が止まる時間がけっこうあったのでアディッショナルタイムは覚悟していたが5!! みんなみんな、真っ赤な炎のスピリットでついに笛。 本来のポジションで実力発揮・帰ってきた頼りになる男・阿部勇樹、やっぱり本来のトップ下で伸び伸びとしたプレーを見せた柏木、新加入のスピーディ槙野、空いてミスを見逃さなかったランコ、ベテランの力を見せた坪井、平川(スピードは衰えていない)、以前の動き復活かも?の啓太、いつも全身全霊で走る梅﨑(昨夜夢を見ちゃったcoldsweats01)、疲れているのに献身的だった原口、がっちりと守備を固めた永田、守護神加藤、怪我から回復してオリンピック代表に戻りたい山田直輝、 オリンピック代表チームで力をつけてきた濱田、全員の力での勝利だったよ。
柏というレベルの高いチーム(柏の選手は体がデカい。レッズの選手が華奢に見えてしまう)を相手にスピーディーで面白い展開を見せた今日の試合。今後の期待が高まるが、そういえば去年も名古屋との開幕戦で快勝してその後だまされたんだっけな。いや、でも今年は違う、絶対違うぞsign03
試合終了後、We are Diamondsを選手も一緒に歌ったそうだが、その前に残念ながら席を立ってしまったせっかちな私。その後いつもは「反省会」という名の飲み会は今日は堂々たる「祝勝会」で、beer3杯、日本酒はどれだけ飲んだかしら。久々の肝臓いじめをしました。やや二日酔い気味の今朝であります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月17日 (土)

仁左様と獅童さんをテレビで

獅童「井上ひさしとてんぷくトリオのコント」で、コントに初挑戦だそうだ。
井上ひさしがてんぷくトリオのためにコントを書いていたとは知らなかった(当時知っていたとしても、まったく忘れていた)。そのコントのいくつかを獅童、山口智充、ココリコ田中直樹がそれぞれ伊東四郎、三波伸介、戸塚睦夫のセリフを担当して演じたとか。獅童さんは自分の演技の幅を広げるためにやってみたかったとのこと。演出は三宅裕司。このコントは3月24日、NHKBSプレミアムで午後11時から放送される。獅童ファンでもあり井上ファンでもある私としては楽しみ。

25日はBS朝日で「片岡仁左衛門の魅力」も放送される21:00~22:25)。これははじめ、静岡朝日テレビでの放送という情報しかなくて、何とか静岡のテレビが見られないものかしらと思っていたら、BS朝日でもやってくれるというから嬉しかった。ココ見るだけでもわっくわくheart04

歌舞伎の感想、まだ滞っております。早く仕事を仕上げなくっちゃ…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月16日 (金)

梅満開

12031601ume
国立劇場の「貴山白)きざんはく)」です。あまりきれいだったのでアップも。
12031602ume
風は冷たいけれど、春を感じるひと時でした。
中村座昼の部、国立と感想が滞っております。
なお、4月の「絵本合法衢」、やはり段四郎さんは休演のようです。高橋瀬左衛門役は高橋弥十郎役の左團次さんが二役で演じらるそうです。段四郎さんのご病状が心配ですが、ゆっくりご養生していただいて6月の襲名公演で拝見できれば、と思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月15日 (木)

鐵之助さん逝去

嬉しいお知らせの後は悲報です。
澤村鐵之助さんが亡くなられたそうです。不思議なことに、つい何日か前、「そういえば、最近鐵之助さんのお姿を見ていないなあ。お病気かしら」とふと思ったことがあったのでした。
新聞の訃報欄に沢村鉄之助というお名前を見ても一瞬ピンときませんでした。鐵之助さんのお名前は旧字体で頭に入っているものだから。
味のある老女役が色々思い出されます。とくに印象に残っているのが「文七元結」の長兵衛女房お兼、「京乱噂鉤爪」の甲兵衛女房お勝。
81歳。また心に残る役者さんがこの世を去られました。ご冥福をお祈りいたします。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

祝・又五郎さん

昨日の新聞に載っていた情報だからちょっと遅くなってしまったが、中村又五郎さんが芸術選奨文部科学大臣賞を受賞された。

授賞理由は、「9月、新橋演舞場での三代目襲名披露で、義太夫狂言の名作『菅原伝授手習鑑』から『寺子屋』の武部源蔵と荒事の基本『車引』の梅王丸を演じ分けて、芸域の広さを見せた。ことに初役の源蔵は、物思いにふける花道の出から、中村吉右衛門氏の松王丸に対峙して一歩も譲らない首実検まで、その立場、境遇、人柄までが鮮明な源蔵だった。踊りにも定評があり、充実の一途である。人間国宝の吉右衛門に代表される播磨屋一門にあって芝居に厚みを増す役者としての存在は大きい」ことだそうである。
2
日目にしてアキレス腱断裂というアクシデントに見舞われ、ギブスで固めた足、痛みをおしての見事な演技には深い感動を覚え、ますます又五郎さんを好きになったのであった。
だから、この受賞はとても嬉しい!!
おめでとうございます、又五郎さん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月14日 (水)

予定、計画、予定、計画

7月までの歌舞伎の上演日程が色々発表になって、予定を立てるのになんだかワケがわからなくなってきたtyphoon 情報は早くほしいくせに、次々と手帳に予定だの計画だの書き込んでいるうちに煽られるような気持ちになっちゃったのだ。
夏の巡業、音羽屋のは2度行くつもりなんだけど(またダブルキャストなんだもの。それに今回は菊之助×松緑だけでなく、梅枝×右近、亀寿×萬太郎とトリプルダブルだから)、近松座が入らなくなりそう。
それからチケットの売り出し日、変えないでほしいな。中村座なんか毎月違う日だったし、演舞場も6月公演は4月中の発売だし。発売日に歌舞伎の昼の部なんて入ってると大変bearing こっちは演舞場なら9日と予定しているんだからぁ。まあ幸い、5月中村座も6月演舞場もコクーンも自宅のパソコンから申し込めそうではあるけれど。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月13日 (火)

ドライヤー騒動

母の微熱も1週間かかってやっと下がり、寝坊助生活に戻った私coldsweats01 でも明日は観劇だから今日は早寝して、と早めに入浴した昨夜、髪を乾かそうとドライヤーのスイッチを入れた瞬間、ボッと音がして火花がshock こわっ、危ないねえ。
本体とのつなぎ目でコードが切れていた(今どき断線なんてwobbly)。
さて、ドライヤーのスペアはあったかしら…古いドライヤーは捨てちゃったはずだし、何年か前に父に頼まれて買ってあげたドライヤーがどこかにあるはずだけどeye……eye
で、何を代用品にしたと思う?
布団乾燥機bleah
私の使っている乾燥機はかなり高温になるし風もけっこう強いから何とかなるだろう。ところがまずホースが短くて頭になかなか届かない。そのうえ太いから風も集中せず、ドライヤーとしてはほとんど役立たず。当たり前っちゃあ当たり前なんだけど、明日外出だっていうのにこのアタマじゃどうしろっていうの。
覚悟を決めて、寒い父の部屋へ。ありましたgood 小さな黄色いスケルトンのドライヤーが。これ、何のために父が必要だったかっていうと、ガムテープをきれいにはがすためsmile だから立派なものでなくていい、小ぶりでシンプルなものを、と選んだのだった。それでも布団乾燥機よりはマシだろう。
ところが、失礼しました。マシどころか、道具は道具。小さくたってシンプルだって、ドライヤーはドライヤー。しかもホテル備え付けのものよりずっと風が強い。いずれ新しいのを買うことになると思うけど、十分な働きである(ドライヤーの威力をあらためて思い知った)。父に感謝。
それにしても、10日ほど前に洗濯機が壊れてそれも2度目の故障だったので買い換えたところだった。電化製品って一度に壊れるっていうけど本当なのね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月12日 (月)

3月演舞場昼の部

38日 三月大歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
すっかりレポが遅くなってしまった。
先週いっぱい朝寝坊を返上して早起きだった私(6時半~7時の間に起きる。いつも8時過ぎ起床の私としてはかなりきつい)。それは施設にいる母の朝食介助のため。先週日曜日から原因不明の微熱が続き、普段は週23回夕食介助に行くところ(別に施設に任せたっていいんだけど、うちは近いから)先週はずっと朝夕食の世話をしに行った。この日も朝食の手伝いをしてそのまま出かけるつもりだったが、少し時間に余裕があったので一度家に戻った。玄関を入ろうとした瞬間、「あっ! チケット忘れてた」。
ああ、家に戻ってよかった。そして、よく気づいたものだ!! いつもは前夜に用意しておくのに…。
「荒川の佐吉」
なんてったって佐吉といえば仁左様、辰五郎といえば染五郎という「荒川の佐吉」だが(そのコンビでしか見ていない)、ついに染五郎さんが佐吉に。そして嬉しいことに辰五郎を亀鶴さんという取り合わせ。正直言えば、私は仁左様の佐吉がカッコいいし大好きではあるけれど、やくざの三下にしてはちょっと立派すぎるなと思わないでもない。その点、染五郎さんの佐吉はいかにも三下風で「最初はみすぼらしくて哀れで、最後に桜の花の咲くような、いさぎよい男」に合っていたとし、よく研究してもいると思う。
しかしどことなく違和感みたいなものもず~っと心から離れない。たとえば、親分の仇討に飛び出していくところは、仁左様だと哲学的にじわじわと気持ちが盛り上がっていくような印象を受けるのだが、染五郎さんの場合は一気に爆発した感じで、「あれっ」と思ってしまった。この話って、佐吉の成長物語でもあると思うのだけど、その成長の過程における心の動きの表現にやや物足りない気がするのだ1階席ではあまり泣いている人がいなかったような…)。仁左様のほうがそういう部分をていねいに演じていたと思う
とはいえ、佐吉のスッキリとした男気、カッコよさ、卯之吉への愛情は十分感じられて、ラストは大いに泣かされた。
佐吉を慕い、心配し、卯之吉を可愛がるその辰五郎を亀鶴さんが好演。亀鶴さん自身が辰五郎という人物を、佐吉を、卯之吉を愛しているその心持ちがきゅんと胸に響く(亀鶴さん自身が「辰五郎させて頂いて幸福です」とつぶやいている)。とくに三幕目・辰五郎の家の場は、ささやかな幸せを感じる辰五郎の心がほほえましく思った。仁左様と染ちゃんだと上下関係がはっきりしているような印象を受けるが、染五郎さんと亀鶴さんだと年の近い友達という印象である。ただ、時として「アニイ」と慕う辰五郎のほうがアニイに見えてしまったりもして…。

卯之吉役の子役ちゃん(筋書きを買っていないので名前がわからない)は盲目の演技が上手で、生活感や賢さが見事に表現されていた。
この3人の他人どうしの間に通う感情は無償の愛なのだが、人生、それでは生きていけないということだろうか。一度捨てた子供を引き取りに来た母親お新(福助)を私はいつも許し難い。本心からだとしても佐吉の前で死のうとしてみせたりするなんてズルい。お新だけだったら佐吉は卯之吉を返さなかっただろう。それを見越して政五郎に仲介してもらったようで、それも面白くない。しかし卯之吉の目が見えないことが結局は佐吉の弱みとなる。卯之吉の幸せを願うばかり。
ラスト、佐吉の旅立ちを見送る亀鶴さんの目が涙に光っていると思ったら、足早に去る染五郎さんの目からも涙がこぼれていて、辰五郎と卯之ちゃんが見送りに来た時から流れていた私の涙もとめどなく、明るくなるまでに涙を止める時間がほしかった。
他の登場人物では、お八重の梅枝クン、はじめはヤクザとはいえ大親分のお嬢様、次は落ちぶれた生活に気持ちもすさみ、最後は多分それが本来であろう姿に戻る。その三場三様のお八重の気持ちが古風な面差しによく表れていた。
梅玉さんの成川郷右衛門は深い。心に何か暗いものを抱えているようで、これまでにない魅力を感じた。梅玉さんは人間豹のときの悪役もよかったし、こんな陰のある役が案外似合うと思う
幸四郎さんの相模屋政五郎は安心できる大きさであったが、優しさすぎて(情感が強すぎて)説得力に欠けるような気がした。シビアに現実を見つめろという部分があってもいいのではないだろうか。
佐吉と卯之吉の別れは頭では納得しても感情的には納得できないが、後味のよさは卯之吉に対する無償の愛を最後まで貫く佐吉の潔さなんだろうな。染ちゃんのラスト引っこみ、佐吉に安住の地はないかもしれないけれど、どこにいても卯之ちゃんの幸せを案じている思いに心打たれた。

続きを読む "3月演舞場昼の部"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月11日 (日)

祈り

この1年、あの日を思わないことは1日たりとありませんでした。思い出せば心がすくむ…被災地から遠く離れ、被害もほとんどなかった私でさえ心に傷を負ったのですから被災された方々の傷の深さを思うと言葉もありません。
しかしすくんだ心を開いて前を向いて歩かなくては、と日々色々な楽しみを見つけるようにしています。大好きなお芝居、サッカー、そういうもののほかに家族の中でのちょっとした喜び、そして自然の美しさ。自然はまさに脅威にもなりますが、庭の花、道端の花が私を呼び止め心を慰めてくれます。
時に立ち止まり、後ろを振り返りながら、これからも前を向いて歩いていきます。
黙禱。

12031101crocus

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月10日 (土)

待望の6・7月演舞場

朝から又ネットが繋がらなくてイライラimpact いただいたコメントへのお返しもできない。仕事のメールも出せやしないangry 原因がわからないので困る。
仕方ないのでおっそろしく通信速度の遅いノートでちょっと情報を見たら、6月と7月の演舞場の情報が出ているではないのhappy02
嬉しいのは月乃助さんが復活されることsign03(待ってましたっ)
そして「ヤマトタケル」が6・7月の2カ月にわたって上演される。中車さんは帝ですか!
おお、7月には猿翁さんが真柴久吉にsign03
おお、同じく7月には中車さんと団十郎・海老蔵さんが共演sign03
興奮しまくりの私happy02
さあ〜今からチケットゲットに向けて心が燃えるわbomb

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年3月 9日 (金)

今日は俳優祭の放送

1月28日に国立劇場にて行われた俳優祭の模様が22:15~23:00(たった45分だけどね~bearing、NHK Eテレの「芸能百花繚乱」で放送されます。私はつい今しがたハッと思い出して慌てて録画予約をしました(心配性なので22:00からの「花鳥風月堂」もコミで予約しましたcoldsweats01)。
もし今日見逃しても来週月曜日(12日)午前5:15~6:00に再放送があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

そろそろ巡業情報も

4月演舞場のチケット発売日。さんざん迷った末、とりあえず昼夜ともリピートなしにした(12月にお金使い過ぎたからここのところちょっとケチってるcoldsweats02)。

で、公演一覧を見ていたら、巡業東コースが出ていた!! 今年も江戸川区総合文化センターは初日だろうか。
演目は「義経千本桜」:鳥居前、道行初音旅、川連法眼館
出演は菊五郎、松緑、菊之助、亀三郎、亀寿、梅枝、萬太郎、右近、権十郎、團蔵、時蔵

中央コース・近松座の情報も既に出ており、去年のことを考えると今年は無事に全国で歌舞伎が楽しめるといいなと心から思う。

中央コースの演目は、「お目見えご挨拶」(藤十郎)、「夕霧名残の正月」(伊左衛門:藤十郎、夕霧:扇雀)、「曽根崎心中」(徳兵衛:翫雀、お初:壱太郎、油屋九平次:亀鶴)
曽根崎心中のお初、藤十郎さんではなく壱太郎クンというのは巡業ならではだろう。楽しみな親子共演である。

なお、西コースは澤瀉屋一門が回るもよう。

そういえば、
4月の演舞場を通しで見て(別日OK)初回に筋書きを購入すると47名にプレゼントが当たるそうだけど(詳細はココ)、私はパスかな。筋書きは写真入りが出るまで待つことにしているんだもの(写真なしと写真入りと2冊買っていた時期もあったのにね)。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年3月 8日 (木)

古代エジプトの供物奉納儀式に参加する:「来世のための供物展」

211日 「来世のための供物展」(ルーヴル-DNP
この展覧会は34日に終わってしまって今さら感があるけれど…。
8回のミュージアムラボ。第1回から全部見ているので今回だって外すわけにはいかない。で13時の回を申し込んでおいたら、20分ほど早く着いてしまった。でもすぐに鑑賞することができた。こちらは予約制で1時間に何人もいないから、展示品を1人占め状態で見ることができる。
今回の展示品は古代エジプトの死者のための供物に関連する彫像などである。
ミュージアムラボでは、まず全体的な解説をパネルで読んだ後、実物を見る。それからさまざまな解説を見て、最後にもう一度実物を見る。というのがいい見方だと思う。
「供物を運ぶ女」像(BC1963BC1786頃)。死者が永遠に食事をとれるよう、供物(食べ物)の入った重い籠を頭上に載せて運ぶ女性の小像である。古代エジプトの葬祭信仰において重要な役割である。左手で頭にのせた籠を支え右手は生きた鴨を摑んでいる。エジプト彫刻では女性は足を閉じていることが多いが、この女性は歩行の姿勢をとっており、それが働く女性の特徴としての表現だそうだ。
「サムウトとムウトネフェルトの座像」(BC1479BC1425頃)。伝統的な姿勢で夫婦を表している。両脚を揃え、片方の手を相手の肩にまわし、もう一方の手は膝に置いている。エジプト美術の約束事で男性は褐色の肌、女性は黄色の肌に塗られているが、女性のほうは顔料が消失している。
「内務の長さケルティのステラ」(BC1970BC1900年頃)。来世で食事するためには遺された人たちに食べ物や飲み物を墓前に供えてもらう必要がある。しかし古代エジプトではそのかわりに、食べ物や飲み物を絵やヒエログリフで表現し、その名を唱えることで本物と同じ効果があると考えた。それがステラである。つまりステラとは石灰岩の石碑で、神の加護を保証し、来世で生きるために必要な食糧などを保証する役割を果たすものである。サケルティと妻がサケルティの両親と向かい合って座っている場面、墓に供物や葬祭用調度品を運ぶ家族や召使の行列が描かれ、その周囲にはステラの前を通りかかる人に呪文を唱えるように促す「生者への呼びかけ」などがヒエロクリフで刻まれている。
そのほか、「王の長官ホルイルアアの供物卓」(BC664BC525頃)、供物台(BC2700BC2200頃)、「タチチシャ(ロメインレタス)の縮小模型」(BC2033BC1550頃)、「羽をむしって糸でしばったガチョウの模型」(BC2700BC2200頃)が展示されていた。ロメインレタスとかガチョウとか具体的な食べ物の模型が残っているのが面白い。
作品にはそれぞれにキャプションパネルがついていて、文字情報や、展示物の画像に矢印を当てるとその部分に関しての情報が得られる仕組みになっている。ヒエログラフを読んでみようなんていう試みも面白いよ。
鑑賞システムでそれぞれの作品を詳しく読み解き、エジプト美術の約束事を学ぶ。また地図と模型で、神殿や墓の位置、行列がどのように進んでいったかを知る。
そしてルーヴル-DNPでのお楽しみ、参加型アクティビティは今回は「供物奉納の儀式に参加する」。再現された供物卓の前に立ち、画面の指示通りに香炉や水差しを使い、供物奉納の儀式に参加する。AR(拡張現実)とCGを用いた技術により、エジプト人の考えていた奉納効果が可視化され、鑑賞する私たちがまるでその場にいるような感覚をもつ。実際、これをやってみると、厳粛な気持ちになって死者のことを思うから不思議なものである。
8回展示は終わってしまったが、第9回「ゴヤの《青い服の子供》」展が427日~1028日まで開かれる。無料で、作品はほぼ1人占め状態、最新の技術で作品を読み解き、何かしらの参加ができる。展示期間も半年とたっぷりあるから、ちょっとでも関心をもたれた方は是非。
なおこの展示で使われた技術はルーヴルにも導入されるそうである!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 7日 (水)

耳心地よい舞台言語と虚々実々の面白さ:「雪やこんこん」

36日 「雪やこんこん」(紀伊国屋サザンシアター)
井上ひさし生誕77フェスティバル’12の第2弾。
強く押し付けてくるメッセージ性はなく、井上ひさしの芝居に対する愛――それはひいては人間に対する愛でもある――がテンポよくひたすら感じられて、楽しくて、笑って笑ってほろりとして、芝居ってこんなに面白いものなんだという喜びをたっぷり味わった。
時は昭和20年代の終わり。場所は北関東のさる湯治場にある芝居小屋の楽屋。そこで繰り広げられるのは女座長の大衆演劇一座と芝居小屋を抱える温泉旅館の人たちの虚々実々、といえば「淋しいのはお前だけじゃない」を、座長と温泉旅館のおかみが打つ一芝居で「キネマの天地」を、また高畑淳子と村田雄浩で「もとの黙阿弥」を思い出す(「さびおま」は井上ひさしじゃないけどね)。
高畑淳子とキムラ緑子には座員だけでなく私もだまされた。涙がぶわっと出たのに…その直後に大笑い。この2人の息をも継がせぬ言葉のキャッチボール、ふっと間のあく感覚、緩急自在で実に見事。高畑さんはご本人の芝居への情熱がそのまま中村梅子に乗り移ったような大熱演で、まさに梅子そのもの。緑子さんは、かつては大衆演劇の役者であったがそれを捨て温泉旅館のおかみとなり芝居小屋を運営する側にまわっても芝居への思いは捨てきれていないという心情を巧みに表現していて、彼女を中村梅子一座に引きずり込もうという企みに私も「いけいけ」と後押ししているのであった。
セリフが耳心地いい。雪やこんこんどころか降りやまぬモーレツな吹雪に「邪慳な雪だ」。なんて素敵!! 井上ひさしが旅芝居劇団から集めた意味面白く音の響き美しいセリフ(舞台言語と井上さんは言っている)を駆使したとあって、日本人の心の琴線に触れる、胸をアツくする、テンションあがるセリフがいっぱい。このセリフをちゃんと取っておきたいから原作本買ってしまおうかな。
座員は座長を含めて6人。二枚目役者・秋月信夫(今拓哉)、女形役者・明石金吾(村田雄浩)、娘役女優・三条ひろみ(山田まりや)、囃子方・光夫くん(宇宙)、そして頭取・久米沢勝次(金内喜久夫)、みんなはまり役である。今さんと村田さんのコンビが舞台で恋人どうしを演じるとか想像したら思わず笑ってしまうが、村田さんが女性に化けた姿もちょっと見たい気がした(いや、見たくないって? でも梅沢富美男の例もあるし)。山田まりやさんはちょっとちゃっかりしているようなところが可愛い。宇宙さんは不思議少年といった感じで、ほんわかする。金内さんは芝居の世界の生き字引。
一方の温泉旅館側ではおかみのほかに番頭立花庫之介(新井康弘:実在の古い役者さんの名前らしい。井上さんが大衆演劇の名台詞を集めるとき、立花庫之介から4週間かかって全部引き出したそう。彼へのオマージュだね)、女中お千代(高柳絢子)が一座を迎える。この番頭見たことあるけど誰だっけと一瞬頭を巡らせたら、そうだ、新井康弘だった。あのずぅとるびの新井クンもずいぶんオッサンになったものだなあと感慨深いものがある。こちらも芝居好き(芝居の中の立花庫之介もまた大衆演劇の役者だったのだ)、しっかり者の番頭にぴったり。千代ちゃんは空気を読まずそらとぼけているようでいて、案外何もかも見ている。この中で千代ちゃんだけが芝居の外の人だけに、その存在は大きい。

続きを読む "耳心地よい舞台言語と虚々実々の面白さ:「雪やこんこん」"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年3月 6日 (火)

父の愛に重ねて泣いた「麒麟の翼」

31日 映画「麒麟の翼」(MOVIX川口)
とりあえず見たい日本映画3本中の2本目。
テレビの「新参者」からの加賀シリーズァンである私としてはこの「麒麟の翼」が一番胸に響いた。前作「容疑者Xの献身」も面白かったが、「麒麟の翼」は胸にぐっときた。
日本橋で中年男性が殺された。彼は腹部にナイフを突き立てられたまま、誰にも助けを求めず8分間歩き続け、日本橋の翼のある麒麟像の下で力尽きた。この殺人事件の謎を追う加賀恭一郎(阿部寛)と松宮脩平(溝端淳平)。ミステリーなのでストーリーはこれ以上語らない。
阿部ちゃんがカッコいい。阿部ちゃんの目は優しい。悲しい人たちをあたたかくみつめ、真実に迫っていく。厳しく追及すべき相手には厳しいが、そこにも優しさが込められているように思う。事件に関わる人々の心を開き救っていく加賀の心を阿部ちゃんの目が見事に表現している。
殺された男(中井貴一)の息子・松坂桃李クンが複雑な感情を素直に表していた。中井さんの表情が父親の心情を表していて何とも切ない。
父親の愛は子供を守ること。私も何度も父に守ってもらった。この映画を見てその時の父の愛を思い、泣けて仕方がなかった。
そして看護師の金森登紀子(田中麗奈)が加賀に向ける「死にゆく人が発したメッセージを受け止めるのは生きている者の義務」という言葉。亡くなった人との約束は重い。私も父に家を守ると約束した。そのことに対する後悔はまったくないけれど、「重い」と思う(「重荷」ではない)。
加賀が事件に関わる人々の心を救うなら、金森登紀子は加賀と加賀の父親(山崎努)の心を救ったのかもしれない。いや、父親の心が救われたかどうかはわからないけれど、少なくとも金森登紀子がいたおかげで和んだことは間違いないだろう。
なお、この映画の中でひとつ解決していないことがあるが、近い将来きっと真実が明らかにされるに違いないという含みを感じた。

自分のことが色々重なって、つらい部分もあるけれど私はこの作品を好きだと思った。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 5日 (月)

勘九郎襲名披露中村座初日夜の部③:「御所五郎蔵」「元禄花見踊」

33日 中村勘九郎襲名披露三月大歌舞伎初日夜の部(平成中村座)
思えば去年のあの日、演舞場におけるこの演目の最中に大きな地震が起きたのだった。あれから1年が経とうとしている。
「曽我綉俠御所染 御所五郎蔵」
下手側通路の途中から仮花道が設えられていた。たったったっとやってきた勘九郎・五郎蔵の、2段上がり仮花道へ足をのせるそのカッコいいこと。子分たちとは足の運びもゲタの音も違う。
一方の海老蔵・土右衛門は本花道だから全然見えない。
花道に移ってからも2人は言い合い。この2人、喧嘩になるところを甲屋亭主与五郎(我當)が割って入る。「中村座のお客様も心配している」と。
この芝居を見るといつも、割り切れない思いや後味の悪さに駆られるのだけれど、今回はその原因が分かったような気がした。割り切れなさや後味の悪さというのは、五郎蔵があまりに簡単に皐月の縁切り話を信じてしまって、その奥にある皐月の思いを受け取ることができないことにあった。なぜあの男伊達が女の気持ちを思いやれないのか、人間ちっちゃくないかと言いたくなるのだ。そこがどうにも引っかかって、五郎蔵という人間に魅力を感じなかった。しかし今回、颯爽としてカッコもつけてはいるけれど五郎蔵には陰に籠った屈折がある――それを勘九郎さんからは感じ取った。内に潜んだその昏い屈折が一歩踏み込んで縁切りを考えることを妨げたのではないだろうか。そう思うと、その屈折が何かはわからないけれど五郎蔵という人間への興味が湧いてくる。
2カ月ぶりに見る海老ちゃんはやっぱり素敵。土右衛門にも屈折した昏さを感じるが、こちらは海老蔵ならではのサディスティックな魅力につながる。
扇雀さん(皐月)はきれいだった。土右衛門の手前、愛想尽かしをしなくてはならない切ない思いがよく伝わってきた。そういえば扇雀さん、去り状を本当に書いていたように見えた。
五郎蔵が間違えて逢州を襲う二幕第二場では勘九郎さんも後から登場する海老ちゃんも足の親指を立てていた。これは今まで気づかなかったような気がする。
七之助さんの逢州がお殿様に愛される美と品格と皐月をかばって五郎蔵の怒りを収め、土右衛門にも有無を言わさぬしなやかな大きさを見せていた。
幕が閉まると、上手桜席の下に設えられていた黒御簾みたいな箱に勘三郎さんが入っていたのが見えた。あの中に誰かがいるなあとはわかっていたのだけど、勘三郎さんとは思わなかった。勘九郎さんの五郎蔵をじ~っと見ていたのだ。勘三郎さんは私たちに手を振ってくれて引っこんでいった(こういうことがあるからミーハー観客には桜席はやめられない)。

続きを読む "勘九郎襲名披露中村座初日夜の部③:「御所五郎蔵」「元禄花見踊」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 4日 (日)

勘九郎襲名披露中村座初日夜の部②:口上

33日 中村勘九郎襲名披露三月大歌舞伎初日夜の部(平成中村座)
「傾城反魂香」が終わると次の口上までの間、桜席と舞台の間には黒い幕がおろされてしまった。
「口上」
上手から仁左衛門、海老蔵、進之介、我當、勘三郎、勘九郎、七之助、笹野高史、亀蔵、扇雀の10人が並んでいる。
私の席では口上を後ろから聞くのと、勘三郎さんが話し出した頃上空をヘリが飛んだのとで声がよく聞こえなくなってしまった(浅草上空って意外にヘリがよく飛ぶのだ)。以下、聞こえた範囲で。
勘三郎:六代目勘九郎襲名興行を平成中村座でできることの御礼を述べたあと、中村座の歴史をざっと語る。1624年、初代勘三郎が京橋に櫓を立てたのが始まり。江戸城に近いという理由で日本橋→堺町(現在の人形町)→浅草(ここのすぐそば)へ移転した。自分は昭和34年に勘九郎となり、「勘九郎ちゃん」「勘九郎ぼうや」と可愛がっていただいたが、「これ(新・勘九郎)はもう30でございます。子役ではございません。これなりの勘九郎を作っていくことと思います」。
我當:初めて中村座に出演する。先月に引き続き今月も賑々しく襲名披露にいらしていただいて嬉しい。おじいさまがどれほど喜んでいらっしゃるだろう。江戸末期、八代目仁左衛門がこの近くの芝居小屋で…(聞き取れなかったが、八代目は中村座で襲名しているそうなので、そのことかと思う)。
進之介:勘九郎さんの脚がどうとか言っていたと思うが、聞き取れなかった。
海老蔵:自分が8歳、まだ本名の波野雅行だった勘九郎さんが4歳のとき共演している。その後も「寺子屋」等共演し、俳優祭では殺陣田村で勘太郎最後の共演をした。勘九郎さんは真面目で情熱をもった方。自分も勘九郎さんを見習って真面目に精進する。勘三郎の兄さんは歌舞伎界にとって大事な役者さんで、病気から復帰できてよかった。七之助さんは美しく、毎日…(聞き取れず)。
勘九郎さんも七之助さんも肩震わせて笑っていた。
仁左衛門:新・勘九郎さんは真面目。器用ではないが努力の人。仁左様は、最初に咳をして途中でも咳をして、最後は咳が止まらなくなり、「とにかくよろしく」で締めた。仁左様って23年前から時々咳をすることがあるけれど、大丈夫かしら。
扇雀:勘三郎さんは46年間勘九郎だった。お父様を超えようとすると47年勘九郎でいなくてはならない。47年経つと自分は100歳を超える(笑)。
亀蔵:中村座では勘九郎さんと色々共演をした。来月も「法界坊」があるのでよろしく。
笹野:(「あわじやっ」の声がかかる)平成中村座にてめでたい口上の席に、しかも勘九郎襲名の口上の席に列座できることはこの上ない幸せ。初めて勘九郎さんに会ったのは渋谷の劇場。陰に隠れて七之助さんに「あの人だよ」と言って、ニコニコニコニコしていたので自分もニコニコニコニコした。3人でただニコニコニコニコ。今も顔を合わせるとニコニコニコニコ。
七之助:父の襲名と同様、金子國義先生に描いていただいた(演舞場も金子氏だったが、演舞場は松。中村座は桜)。兄に代わって御礼申し上げる。兄とは小さい時から共演している。今後も兄弟仲良く精進していく。
勘九郎:父が46年間名乗った勘九郎を六代目として襲名することになった。立派な襲名披露興行をしていただいて御礼申し上げる。平成中村座は平成12年にこの地に旗揚げした。その場で襲名披露ができるのは嬉しい。この気持ちを忘れず、弟七之助、中村屋一門の者たちと精進していく所存である。
最後に勘三郎さんが、「仁左衛門の兄は今月出る予定がなかった。『ワシも出るでぇ』。縁もゆかりもない笹野さんも出てくださって」と笑わせる。
平成中村座という芝居小屋ならではの口上だった。

続きを読む "勘九郎襲名披露中村座初日夜の部②:口上"

| | コメント (12) | トラックバック (0)

勘九郎襲名披露中村座初日夜の部①:「傾城反魂香」

33日 中村勘九郎襲名披露三月大歌舞伎初日夜の部(平成中村座)
博多座へ行ったのがついこの間のような気がする一方で、歌舞伎のない1週間がとても長く、待ちわびたこの日。
入口の左右両側に、演舞場にもあったお祝いの飾り絵馬がずら~っと並べられていた。東京事変からの絵馬もあったよ。
お祝いの幕は演舞場とは変わって若鶴会からのものだったけれど、写真は失敗したので次回に。
「傾城反魂香」
初日で土曜日ということもあってか、桜席の1列目は取れず、2列目の奥のほう(左側)になってしまったが、このお芝居は、桜席(とくに左側)で見るものではないなあと思った。桜席の人は土佐将監の座敷内が見えないからと、1つずつ梅席のほうに移動したが、2列目だと座敷よりも虎がほとんど見えない。伸び上がって何とか頭だけは見えたが、村人たちは声はすれど姿は見えず。花道も全然見えないのよね~bearing
それから、おとくはこちらに背中を向けていることが多く、私の聴力が衰えていることもあろうが、セリフが耳まで届かず聞き取れないことが間々あった。
極め付けは、手水鉢を突き抜ける絵がまったく見えないこと。お話はわかっていても、実際に見えると見えないじゃ感動が違う。
そんなわけで、イマイチな「ども又」ではあったが、勘三郎さんのおとくの献身ぶりに胸が熱くなった。夫の世話を焼き、夫のかわりに土佐将監へ訴え、夫に最後の自画像を描くことを勧め…、いつも2人で寄り添って生きてきたであろう愛情がどの場面でも全身から滲み出ていた。
仁左様の又平は言葉の出だしは吃るものの、その後の発音がきれいで、あまり言葉に不自由している感じはしなかった。しかし絶望のあとの喜びの愛敬にはこちらまでにこにこしてしまう。おとくの指先を目で追って手水鉢の表側に突き抜けた絵を見て驚いたあと、もう一度確認しようとして、なかなかそれができない、恐る恐る手水鉢に向き合う又平――こちらもドキドキしてしまった。
土佐将監は亀蔵さんで、線はやや細いものの、師匠としての心持がよく出ていたと思う。弟子の手柄を喜ぶ様に、将監は本当は好人物であることが感じられる。
ところで、この中村座版には将監の北の方が出てこない。又平夫婦が訪ねてきたときに応対するのも、将監が紋服を下される時に世話するも下女のおなべ(嶋之亟)である。又平が紋服を見につけるときはおとくと2人で手伝っていた。これまで北の方はそうそう見せ場もないし、添え物的な感じも受けないではなかったが、この様子を見ていて、北の方の存在の大きさを知った気がした。意外にも北の方がいないのが将監の重みを損なっているように思ったのである。 

続きを読む "勘九郎襲名披露中村座初日夜の部①:「傾城反魂香」"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年3月 3日 (土)

映画「荒川アンダーザブリッジ」

222日 映画「荒川アンダーザブリッジ」(MOVIX川口)
とりあえず見たい日本映画が3本。その中でトップに選んだのがこの映画なんてね。原作の漫画もアニメも見ていないけれど、TVの実写版を2回目から見ていたし(なんとなく見始めたらハマっちゃって)、一番早く終わっちゃいそうな気がしたものだから(案の定、32日で終了)。
私はテレビの実写から入ったからキャラクターもすんなり受け入れられたし、テレビの延長として見たからかなり面白かったけれど、原作やアニメファンの人、あるいはテレビの実写版を見ていない人にはどう見えたかしら。

 映画版はテレビ実写版と重なる部分もあり、見逃した最初の経緯がよくわかった。そして、不法占拠として立ち退きの危機にある荒川河川敷のシュールな住人達がどうなるか、ニノとリクの恋の行方は?という興味は満たされるが、11人の住人の描き方はテレビと違ってどうしても薄くなる(テレビのほうがみんな生き生きしていた)のが少々物足りない。ま、それはしょうがないか。リク(林遣都クンは私の目にはどうしても高校生にしか見えないんだけど、リク=本名・市ノ宮行は大学生で会社経営者なのよねえ)の成長物語という描き方になっていて、ちょっと甘いかなと思う部分もなくはない。それでも映画は面白かった。
寂しげな自称金星人のニノ(桐谷美鈴)がとっても愛おしくて、河童の村長(小栗旬)には「え?この人何者なんだ?」というナゾが生まれ(河童でない素顔でも登場するのよね。さすがにカッコいい旬クン。だって河童の旬クンはちょっと怖い)、星(山田孝之)の一見突飛なようでいてなんかちいせえな感を与える言動が意外に普通のような気もして…。私はシスター(城田優)とマリア(片瀬那奈)の関係も好きなんだけど、2人はどうなるのかな。
リクの父親・市ノ宮積(上川隆也)はテレビではあまり好きになれなかったけれど(第一、テレビの上川隆也はイマイチと私は思っている。でも今放送中の「ステップファザ-・ステップ」の上川隆也はとてもカッコいい。このドラマだけは見ている)、映画ではそのシビアなまでなクールさの陰にあった悲しさが見えて、とてもよかった。
荒川河川敷の自由人たち。互いの過去は知っていても踏み込まず、それぞれの生き方を邪魔することはなく尊重してもいるがそれなりにルールもある 映画を見たら、原作もアニメも見たくなっちゃった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 2日 (金)

梅一番

12030202ume_2
5月松竹座(→ココ)、6~7月コクーン(→ココ)の情報が更新されていた3月1日、一番梅を発見。博多では梅の香を感じる余裕がなかったので心待ちにしていた今年もつぼみがいっぱいの我が家の梅ちゃん。。
ちなみに前日はこんな(↓)でした。

12030201ume

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 1日 (木)

博多座千穐楽夜の部③:「鬼揃紅葉狩」

226日 二月花形歌舞伎千秋楽夜の部(博多座)
12030101momijigari ところで(何が「ところで」だ?)22日の夜の部には福山雅治さんがいらしたそうですねえ。
「鬼揃紅葉狩」
猿之助四十八撰の第3弾(書くの忘れたけれど、今月の博多座は3演目すべてが猿之助四十八撰から)。
「鬼揃紅葉狩」は染五郎さんで1回、亀ちゃんで1回見ている。もっと色々見たと思っていたら、それは鬼揃のつかない「紅葉狩」であったり(海老ちゃんのを歌舞伎座とパリで、勘太郎さんのを歌舞伎座で見ている)、玉三郎さんの「信濃路紅葉鬼揃」であったりしたのだった。
門之助さんは実に貴公子がよく似合う。「天竺徳兵衛」でもお殿さまが素敵だったし、「西遊記」でも信心深い唐の皇帝が高貴だったし、この「紅葉狩」の維茂も古風で涼やかな貴公子ぶりである。
亀ちゃんのお姫様(更科の前)が出てきたら、なんだか久しぶりにどきどきしてしまった。オーラというか、求心力がある。更科の前がいるだけでそこの空気を全部自分のほうにもってくるような、そんな感じがした。踊りもしなやかで、身体能力の高さが素晴らしい。維茂一行が眠りについたのを確認した更科の前の豹変――この後起こることへの予感でワクワクさせられた。鬼になってからの線の細さはなく(立役を重ねることによって大きく見せることへの努力が実ってきたことを感じる)、メリハリのきいた動きに魅せられた。
更科の前の侍女の1人になんと猿琉さん抜擢!! 女形の猿琉さんは「獨道中五十三驛」のおくらの吹き替えで見ているのだが、本格的なのは初めて。化粧もしているので顔がぱっと見にはわからない。そこで消去法で探していった。5人返り越しとか立ち回りで大活躍の猿琉さんは筋肉質の体で男っぽいのに、きれいでちゃんと女性らしく見えるから不思議。
今回の侍女には猿三郎さんもいらっしゃって、年齢的にも侍女を束ねるようなしっとりとした落着きがあり、こちらもお美しい。
でも鬼になってからはもう誰がだれやらわからず、ただただ見事な暴れ様を楽しんだ。
浅草で大活躍だった段一郎さんが維茂の従者の1人として出演。とてもハンサムで姿勢もきれいだった。
間狂言は神女八百媛(笑也)。はんなり、おっとりした動きが上品。維茂たちを起こそうと躍起になるのだが、その躍起さでさえもおっとりして愛らしかった。

続きを読む "博多座千穐楽夜の部③:「鬼揃紅葉狩」"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »