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2012年3月 4日 (日)

勘九郎襲名披露中村座初日夜の部②:口上

33日 中村勘九郎襲名披露三月大歌舞伎初日夜の部(平成中村座)
「傾城反魂香」が終わると次の口上までの間、桜席と舞台の間には黒い幕がおろされてしまった。
「口上」
上手から仁左衛門、海老蔵、進之介、我當、勘三郎、勘九郎、七之助、笹野高史、亀蔵、扇雀の10人が並んでいる。
私の席では口上を後ろから聞くのと、勘三郎さんが話し出した頃上空をヘリが飛んだのとで声がよく聞こえなくなってしまった(浅草上空って意外にヘリがよく飛ぶのだ)。以下、聞こえた範囲で。
勘三郎:六代目勘九郎襲名興行を平成中村座でできることの御礼を述べたあと、中村座の歴史をざっと語る。1624年、初代勘三郎が京橋に櫓を立てたのが始まり。江戸城に近いという理由で日本橋→堺町(現在の人形町)→浅草(ここのすぐそば)へ移転した。自分は昭和34年に勘九郎となり、「勘九郎ちゃん」「勘九郎ぼうや」と可愛がっていただいたが、「これ(新・勘九郎)はもう30でございます。子役ではございません。これなりの勘九郎を作っていくことと思います」。
我當:初めて中村座に出演する。先月に引き続き今月も賑々しく襲名披露にいらしていただいて嬉しい。おじいさまがどれほど喜んでいらっしゃるだろう。江戸末期、八代目仁左衛門がこの近くの芝居小屋で…(聞き取れなかったが、八代目は中村座で襲名しているそうなので、そのことかと思う)。
進之介:勘九郎さんの脚がどうとか言っていたと思うが、聞き取れなかった。
海老蔵:自分が8歳、まだ本名の波野雅行だった勘九郎さんが4歳のとき共演している。その後も「寺子屋」等共演し、俳優祭では殺陣田村で勘太郎最後の共演をした。勘九郎さんは真面目で情熱をもった方。自分も勘九郎さんを見習って真面目に精進する。勘三郎の兄さんは歌舞伎界にとって大事な役者さんで、病気から復帰できてよかった。七之助さんは美しく、毎日…(聞き取れず)。
勘九郎さんも七之助さんも肩震わせて笑っていた。
仁左衛門:新・勘九郎さんは真面目。器用ではないが努力の人。仁左様は、最初に咳をして途中でも咳をして、最後は咳が止まらなくなり、「とにかくよろしく」で締めた。仁左様って23年前から時々咳をすることがあるけれど、大丈夫かしら。
扇雀:勘三郎さんは46年間勘九郎だった。お父様を超えようとすると47年勘九郎でいなくてはならない。47年経つと自分は100歳を超える(笑)。
亀蔵:中村座では勘九郎さんと色々共演をした。来月も「法界坊」があるのでよろしく。
笹野:(「あわじやっ」の声がかかる)平成中村座にてめでたい口上の席に、しかも勘九郎襲名の口上の席に列座できることはこの上ない幸せ。初めて勘九郎さんに会ったのは渋谷の劇場。陰に隠れて七之助さんに「あの人だよ」と言って、ニコニコニコニコしていたので自分もニコニコニコニコした。3人でただニコニコニコニコ。今も顔を合わせるとニコニコニコニコ。
七之助:父の襲名と同様、金子國義先生に描いていただいた(演舞場も金子氏だったが、演舞場は松。中村座は桜)。兄に代わって御礼申し上げる。兄とは小さい時から共演している。今後も兄弟仲良く精進していく。
勘九郎:父が46年間名乗った勘九郎を六代目として襲名することになった。立派な襲名披露興行をしていただいて御礼申し上げる。平成中村座は平成12年にこの地に旗揚げした。その場で襲名披露ができるのは嬉しい。この気持ちを忘れず、弟七之助、中村屋一門の者たちと精進していく所存である。
最後に勘三郎さんが、「仁左衛門の兄は今月出る予定がなかった。『ワシも出るでぇ』。縁もゆかりもない笹野さんも出てくださって」と笑わせる。
平成中村座という芝居小屋ならではの口上だった。

この後、再び黒幕が下りると言われていたのだが、幕が下りることはなく、口上に並んだ役者さんたちが袖に引っこむのを最後まで目にすることができたscissors

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

先月、ロッキーホラーショーでコメントさせていただいた
ひじき です。
いいですね♪
中村座ならではの襲名口上。
ニコニコ笑いながら読ませていただきました。
来週、私も桜席での観劇です。
幕が下がらないといいなぁ。

投稿: ひじき | 2012年3月 4日 (日) 19時30分

ひじき様
こんばんは。コメントありがとうございます!!
ロッキーホラーショーでコメントをいただいたこと、もちろん覚えております(本当は、2年前にも一度コメントをいただいていたんですよ。お名前に記憶がありましたの^_^)。
演舞場での口上もあたたかさに溢れるものでしたが、中村座での口上にはあたたかさのほかに中村屋の本拠地としての格別なものがあったような気がしました。
来週、桜席できっともっとニコニコなさると思います。最後まで幕がおりないことを私も願っております。

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月 4日 (日) 22時18分

こんばんは、ひじきです。
観てまいりました。私は上手側の桜席だったのですが、
「傾城反魂香」では、勘三郎さんの表情にグッときました。
仁左衛門さんを見るあのまなざし。勘三郎さんにのまれてしまいましたよ〜。
最後は、もう涙、涙、隣の友達も涙、涙。
「口上」では、幕はおりませんでしたよ。
みなさんを見送ってから最後に舞台を降りた七之助さんが印象的でした。
「御所五郎蔵」
扇雀さん美しかったです。お手紙も書かれてましたよ。
勘太郎さん、二幕目第二場で待ち伏せしているところは、
あれは正面から見えているんでしょうかねぇ、
隠れていながらも、これから斬りつけるぞっというお芝居をしていましたよ。
「元禄花見踊」
幕がおりたとたんに、余韻もなく、みんな表情が男の子に戻ってしまうのは
まだまだ子供なのね・・・でしたが、
唄や三味線の方々に正座をして手をついて御挨拶をしている姿は、
さすがに伝統芸能の子供達ですね。

幕がおりたあとに、勘太郎さん・海老蔵さん・七之助さん、三人揃って振り返りざまに手を降ってくれたりして、
ホントにこれだから桜席はやめられませんね。

長々と失礼しました。
それでは・・・・。

投稿: ひじき | 2012年3月11日 (日) 21時04分

ひじき様
こんばんは。コメントありがとうございます。
「傾城反魂香」ではおとくは主に上手側に顔を向けているので、勘三郎さんの表情がよくご覧になれましたのね。私も次回は上手側ですのでしっかり見てまいります。2人がしっかり寄り添って生きている、夫婦愛が心を打ちますよね。
口上で幕を下ろさないのは勘三郎さんの配慮でしょうね。私たちは事前に幕を下ろすと言われていたので、うれしさが余計募りました。
お芝居の中で実際に手紙を書くということはあまりないと思うのですが(だいたい、すでに書かれた手紙が2枚目に隠してあって、それをうまく取り出すことが多いように思います)、扇雀さんはやはり実際に書かれていたんですね。毎日1枚ずつ書かれているので抽選でプレゼントとかないかしらcoldsweats01
待ち伏せはどうなんでしょうか。前に正面で見た時はどうだったかなあ。忘れてしまいました。
桜席にいると、幕の前後の役者さんの様子を知ることができて、興味深いですね。
勘太郎さん、じゃなくて勘九郎さんですね、海老蔵さん、七之助さんが手を振ってくれたなんて羨ましい!! 勘三郎さんはいつも目礼したり手を振ってくれますが、他の役者さんは割と知らん顔でいなくなってしまいます。次は期待しちゃおうっとsmile
桜席は特権席ですよね~。

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月11日 (日) 22時44分

こんばんは。
今口上が終わったところです。@中村座

足のお悪い我当さんを慮って、最後に舞台をあとにする七之助さんが素敵でした(^_^)

桜席が病みつきになりそうなからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2012年3月15日 (木) 18時05分

こんにちは。昨日夜の部に行ってきました!

手水鉢の仕組みは桜席でもわからないんですね!(知りたいような知りたくないような。)

口上で、進之介さんが勘九郎という名前について熱く語っていました。
高校生の時、「歌舞伎なんて全く分からない、つまらない」と豪語していた同級生が、大河ドラマ『武田信玄』1988年(たぶん。wowow録画が入っていたのでテレビで、と言っていましたが)で今川義元役をやった勘九郎(現勘三郎)さんを見て、「勘九郎は素晴らしい役者だ。俺はあの人に一生ついていく」みたいにコロッと態度を変えたというエピソードです。
隣りで我當さんが笑っていました。
我當さんは、八代目仁左衛門は中村座に座頭として十年いたとか言ってたと思います。
私の日は、背景が金子先生だということを誰も言っていなかったので、こちらで確認できてすっきりしました。^^
えびちゃんは毎日七之助に見とれてるって言ってました。(客席から笑い)

考えてみると、スカイツリーを見に来るヘリが多いんですよね。

投稿: urasimaru | 2012年3月15日 (木) 21時52分

からつぎ様
中村座からのコメント、ありがとうございました。
あたたかい空気がいっぱいの中村座ですね!! 
七之助さんの気遣いのお話、ぐっときました。
桜席は場所によっては舞台が見づらいのですが、役者さんの素顔がちらっとでも覗けるし、何よりこういう席を作った勘三郎さんのサービス心が嬉しいですね。
ぜひ又、桜席でご観劇をhappy01

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月15日 (木) 22時41分

urasimaru様
こんばんは。
聞き取れなかったところを埋めてくださってありがとうございます!!
進之介さんは松嶋屋の中では舞台を拝見した回数が少ないのですが、素敵なエピソードをおもちなんですね。「武田信玄」は私も見ていたのですが、勘三郎さんが義元をやっていたことはすっかり忘れておりました。ちょっとした表情とか、素晴らしい義元だったことが窺えます。
我當さんも仁左様同様お元気に2カ月続けての襲名公演ご出演で嬉しいです。
七之助さん、おきれいですものねえ~。

手水鉢の仕掛け、私も桜席ならわかるかなと期待したのですが…。でもおっしゃるように、知りたいような知りたくないような。

そうか、ヘリが多いのはスカイツリーを見に来るからなんですね。言われてみればなるほど!!です。救急車のピーポー音とか雨音とかそういうものすべてを含めての中村座なんだなあと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月15日 (木) 22時55分

おはようございます。
 私も、今週、中村座夜の部見てきました。
 「ども又」「御所五郎蔵」それぞれ充実して楽しめました。中村屋のおとく、ぼってりした独特の感覚がありますね。人柄の温かさがにじみでます。松嶋屋の又平、播磨屋とはまた違った良さ、播磨屋(音羽屋系の演出)との演じ方とはかなり違いますね。あまりどもりを際立たせないやり方、松嶋屋のたいがいのやり方同様、少しづつ手順が多いです。
 手水鉢の件、種明かしをするわけではないのですが、クロコが上半身、手水鉢に入っているのが見えませんでした?・・・・・
 海老蔵の土右衛門、色悪めいた演技、いままでにみたことのない同役、眼から鱗でした。いままで、年輩の役者の単なる悪役めいた演じ方が主流でしたから。
 ところで、私は桜席に初めて座りました。本当に面白いですね。こんな角度から歌舞伎を見たのは本当に初めて。名カメラマンとうたわれた吉田さんの写真のアングルにこのような角度の写真がいくつもあったような気がします。私は上手側に座ったのですが、下手側は、花道は殆ど見えないのですか。私は、仮花道はそこそこ見えたのですが。

投稿: レオン・パパ | 2012年3月17日 (土) 08時25分

レオン・パパ様
おはようございます。コメントありがとうございます。
レオン・パパ様も初桜席体験をなさったんですね!!
役者さんの表情がちゃんと見えない部分もありますが、逆に普段見えないところが見えて面白いですよね。

仁左衛門さんの又平は吃りのわりにセリフが明晰でおやっ?と思ったのですが、後で考えるとセリフがはっきりわかったほうが芝居の感動が増すのかもしれません。ただ、今回の席は下手側の後列、それも奥のほうだったのでけっこう視界が制限されてしまいました。1月に上手後列で見た際には比較的見やすいと思ったので今回も後列で妥協したのですが…。次回は上手側(こちらも後列)ですので期待しています。
勘三郎さんのおとくは本当にあたたかさが全身に滲んでいましたね。バランスのいいコンビだと思いました。
手水鉢は後ろに黒いものが突き出ているのは見えたのですけれど、黒衣さんとは気づきませんでしたcoldsweats01 歌舞伎の仕掛けってよくできていますよね。
海老蔵さんの土右衛門、素敵でした。あの大きな暗い目に引き込まれそう…。

中村座はもう少し安ければ竹席でリピートしたいところですが、結局最後まで桜席で通すつもりでいます。

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月17日 (土) 12時02分

今晩は。昨日、国立劇場行ってきました、Fujisanさんはまだご覧になってなかったですか。土曜の昼に、義太夫狂言の通しはさすがに眠たくなります。前半は半分ぐらい舟を漕いでいました。それもあり、逆に陣屋は意識がしっかりしていました。気になったのは、土曜というのに2階席の半分くらいが空席だったことです。この座組みだと東京でも客(団体客)が入らないのでしょうか。
 で、肝心の芝居ですが、団十郎の熊谷、圧倒的な量感があり悪くありません。加えて女形役2人(魁春が歌右衛門写しであり、東蔵が器用そのもの)が良い味わいで舞台に厚みが出ています。また、三津五郎も結構、巳之助も行儀が良いです。若手はとにかく行儀が良いのが第一。
 ところで、幕外の引っ込み、団十郎、満場を引きつけますが、その前の名セリフ「夢だ夢だ(九代目団十郎から播磨屋へ引きつがれたセリフ」と松嶋屋系の「夢であったなあ」のどちらがお好きですか。実を言うと私はどちらもありと考え、
どちらも好きです。
 

投稿: レオン・パパ | 2012年3月18日 (日) 20時54分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
国立は15日に行ったのですが、仕事がなかなか終わらなかったためまだ感想が書けていません。中村座の昼の部の感想もまだなんですよcoldsweats02
 これまでは仕事より感想優先だったのですが、さすがにそうもいかなくなって…というより、今月は意外と昂揚する歌舞伎がなかったから、かもしれません。

国立の眠気、私もまったく同様でした。
感想もまったく同感です!!
「夢だ、夢だ」と「夢であったなあ」は私もどちらが好きとは選べません。どちらも熊谷の悔悟、悲痛を表していると思いますし、演じる役者さんの思いが表れていれば、どちらも心に残るセリフだと思います。

私は3階の一番後ろ(一番安い席ですね)で見たので、2階の入りはわかりませんでしたが、1階もけっこう空席があるようでした。一体に今月は歌舞伎の入りが悪いのではないでしょうか。

投稿: SwingingFujisan | 2012年3月18日 (日) 21時18分

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