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2012年4月22日 (日)

国立劇場研修発表会:「梶原平三誉石切」

418日 伝統歌舞伎保存会研修発表会「梶原平三誉石切」(国立劇場大劇場)
年々、夜だけ出るのが億劫になってきたのと、どうしても千穐楽までにもう一度「絵本合法衢」を見ておきたかったのとで、ちょうどいいから昼間の本公演も見た。のが、身体的にはちょっときつかった。本公演の途中でモーレツに頭痛がしてきて、研修発表会が終わるまであとを引いたし。
研修発表会は自由席で完全入替制なので、本公演のあと外にでると、もう長蛇の列。5時半開場に対し4時過ぎにはもう待っている人がいるようだったもの。とりあえず最後尾につく。515分より少し前に列が動き始めたから、予定より早く入れるのかと思ったら、あまり列が長いから劇場内に一部を入れただけのことだった(館内に入りきらない列はそのまま外で)。開場時間になっても列がくずれないよう、テバリケードープで区切られたコースを整然と入口へ。私の狙いは最初から花外最後列。もう前のほうは空いていないだろうし、ここで竹蝶さんの花道の出入りを見たかったから。
前置きが長くなった。
出演者の緊張が伝わってくる。全体としては、後の座談会で仁左様が言っていたように、肚で見せる芝居のむずかしさを考えると、それぞれのレベルでよくやった、というところだろう。
梶原というと私は(多分)吉右衛門さんと幸四郎さんしか知らない。たか志さんはちょっと硬い感じがしたが、指導の仁左様の雰囲気が出ていたのだろうと思う。石切りは正面を向いて、2つに分かれた間からぱっと前に飛び出す。華やかなだけにタイミングといい颯爽とした感じといい難しそうだなと思った。
大庭の左十次郎さんは泰然自若として声がいい。動きがない役だけに難しかっただろう。
俣野の左字郎さんが非常にうまかった。左字郎さんは一昨年あたりからスリムになって女形などもやっているが、俣野のような敵役も声に張りがあるし動きも大きく愛敬があって、非常に印象に残った。
六郎太夫の仁三郎さんは何年前だったろう、歌舞伎フォーラムで「息子」の息子役をやって、以来注目していたが今回は老け役。自然な感じでよかった。
梢の竹蝶さんは可愛らしさ、父親への愛情、必死さは見えたがだいぶ緊張していっぱいいっぱいだったようで、ガンバレ!と心の中で声をかけた
剣菱呑助、あの二枚目・松次郎さんのメイクに軽いショックを受けて(全然面影ないんだもの)、気が付いたら焼酎がどうこうと言っていて、間もなく引っこんでしまった。残念。

梶原方大名の松太朗さんがりき彌さんに代わっていたが、急遽の代役だろうにちゃんとセリフも入っていた。大庭方大名の信蝶さん、中村座の試演会の時にも思ったがセリフがずいぶんよくなっていた。
伏見の富くじの小春ちゃん(狆)で俄然注目の千壽郎さん、梶原方大名姿もやわらか凛々しくて素敵だった。
1回勝負の試演会や研修発表会。緊張に打ち克っていい演技をするのは至難の業だろうが、一生懸命な姿を見ると感動してもっと活躍の場を与えてあげたいと思うし、こういう機会を得ることでたとえセリフのない役でもそれは物語の空気を作る大切な役の一つであり、そういう経験によって脇としての深み厚みを増していくのだろうと思った。
たくさんかかった大向こう、ふだんは旦那や若旦那にかかる「○○やっ」の声が自分にかかるんだもの、演者の気持ちもさぞ昂揚したことだろうが、声がかかることへの責任みたいなものも感じたのではないだろうか。

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