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2012年5月19日 (土)

中村座夜の部②

517日 平成中村座五月大歌舞伎夜の部(平成中村座)
12051901sujigaki 去年11月からの筋書き全部の引換券でもらった特製BOX。実は筋書きに引換券がついているなんて気づかなかったから、前回の観劇時に中村座でお知らせを目にしてよかった。
「髪結新三」
やはり季節感は大事だと思った。この季節に見るからこそ、気分も乗りやすくなる。菊十郎さんの「かつおっかつおっ」は、やはりこの芝居になくてはならぬもの。だからこそ、中村座での珍しい登場になったのだと思った。ただ、天秤棒を担ぐのにやや苦労していたみたいだったのが気になった。菊十郎さん、開演前に舞台で「かつおっかつおっ」と声を出して調子を整えていた。わりとギリギリまで舞台にいたので、いくら小さい小屋だからといって、まさか袖から出てくるんじゃないよなと心配していたら、ちゃんと花道から威勢よく登場したので、私もバカなこと考えるよねと自省。
初鰹は折よく、先日の「江戸のススメ」でもやっておりやしたな(この番組、CM多過ぎだろっ)。番組で鰹は傷みが早いと言っていたが、私がこの芝居を初めて見た時からず~っと気になっていたのは、新三が鰹を買ってから大家が半身を持って帰るまでの時間に鰹が傷みやしないかということ。氷が入れてあったとしても、大丈夫なのかな、なんて心配になってしまう。
それから番組では、江戸時代は辛子で食べていたとも言っていた。辛子に熱した炭をのせてアクを取るなんて手間は初めて知った。私自身は鰹はさほど好きではないものの、あの辛子でなら食べてみたいな。ということはどうでもよくて、「髪結新三」では現代と同じく生姜をつけている。その生姜が今回、葉生姜になっていたのが目を引いた。たしかこれまでは根生姜だったような気がするけれど…。
鰹の話が長くなっちゃった。

梅玉さんの忠七は、これまで見た中で一番忠七らしいかも、と思った。新三にだまされたとわかった時の深刻さ加減がちょうどいい感じだったのだ。もちろん、身投げしようとするほど深刻は深刻なんだけれど、どこかに忠七本来の頼りなさみや深慮のなさみたいなもの(商家に勤めながら商才もないんだよねえ)が感じられてとてもよかった。新悟クンの可憐なお熊とのバランスに違和感も覚えなかった。
亀蔵さんの善八も気の良さ、控えめで実な直世話焼きぶりがよく表されていて、私は亀蔵さんのこういう面も好きである。
橋之助さんの大家は先にも書いたが、少しうるさくて疲れた。緩急の緩がないのかもしれない。ずっとテンションが高いような気がした。また、老獪さというよりはストレートに押し切る印象を受けたからかもしれない。
彌十郎さんの弥太五郎源七は顔役としての大きさを見せながらプライドをへし折られた鬱屈した感じがとてもよかった。
勘三郎さんの新三はカッコよくて素敵だった。愛敬を抑え、粋の中に酷薄を潜めた小悪党ぶりがとてもいい。目がよい。ぐいぐい惹きつけられる魅力がある。悪いヤツには違いないが、忠七なんかよりずっと男っぷりがいいではないか。初鰹にぽんと金を出すところもかっこいい。勝奴に対する可愛がり方もさっぱりしているのがいい。大家との金の問答もくどさがなくていい(勘三郎さんって、こういう時にくどさが出過ぎることがあると私は思っている)。この新三はとても好きだ。
勘九郎さんの勝奴も、新三亡きあとは新三以上の立派な小悪党になりそうな予感。
2
時間以上の長い芝居だったけれど、その長さを感じることなく面白さをたっぷり味わって大満足であった。
<上演時間>「毛抜」56分(16301726)、幕間20分、「三番叟」30分(17461816)、幕間15分、「髪結新三」129分(18312040

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