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2012年6月17日 (日)

国立劇場「歌舞伎鑑賞教室」

67日 第81回歌舞伎鑑賞教室
12061701maturi
7日に見ての感想だから(山王祭もとっくに終わったcoldsweats02 菅原伝授の世界のレポをちょこっとだけアップしてから10日も経ってしまったwobbly )、だいぶ記憶が薄れてしまった。だからごく簡単に。

「歌舞伎のみかた」
趣向の華でその成長を見てきた大谷廣太郎クンが解説なのがちょっと感慨深い。
ところが、座席が3階最後列だというのに、オペラグラスを忘れてしまって大失敗。気づいた時には引き返すわけにもいかず…。

いつものように、舞台の数々のセリが回りながら上がり始めると、高校生たちのテンションがぐっと上がる。私のテンションも一緒にup 大ゼリに1人乗って悠々と回る解説役は気持ちよいだろうなあと思う。
義太夫、長唄の説明、演奏。太鼓を使った水の表現。雨→川→海と太鼓の音が水滴の一生を表す。これを聞くたび、自然現象を太鼓で表現する歌舞伎の音に対する感覚の見事さに感嘆する。
今回の「歌舞伎のみかた」は一方向的、オーソドックスな解説で、学生を巻き込んだのは太鼓の音が何を表すかという質問が廣太郎クンから出された程度。それでも、部品を一つずつ見せながらそれが組み立てられると「俊寛」が出来上がるという感じがして、私は案外楽しく面白く見ることができた。
チドリの合方で有王丸と船頭の立ち回りが始まる。有王丸は橋吾さん。中村座試演会の粂寺弾正のごとく大らかな大きさがあった。研修生扮する船頭たちもいい動きをしていた。廣太郎クンが研修生の1人に「どうして歌舞伎役者になったのか」ときいたら「高校生の時に見て面白かったから」というような答えだったが、その高校生の時に見たのはこの歌舞伎鑑賞教室だったのかどうか、もうひとツッコミが欲しかった。
最後にこれから上演される「俊寛」、鬼界ケ島の場に至るまでの物語がイラストを使って説明される。このイラストは例の可愛いキャラクターなので高校生たちにもウケていたようだ。説明を聞きながら、そういえば何年か前に「平家女護島」を六波羅清盛館の場から見たことを思い出した。あれはなかなか面白かったし、「俊寛」がより理解できたような気がしたから、ぜひもう一度清盛館の場から通して上演してほしい(この時、もう一つ「昔語黄鳥墳」が上演されたが、ほとんど覚えていない。こちらももう一度見たい)。
「俊寛」
あらためて上から舞台を見ると、海の広さ、孤島の侘しさを感じる。
橋之助さんの俊寛にはこれまでの誰とも違った印象を持った。年齢が俊寛の実年齢に近いせいだろうか、生への執念が感じられる。体軀が堂々としているのとあの声の高さは俊寛としてどうかなとも思ったのだが、まず体に関しては違和感なかった。若さの中に上手に離島での不自由な暮らしぶりによる弱りが出ていたと思う。

一方の声は粂寺弾正や家主長兵衛(ともに5月中村座)と同様、どうしてもあの高さがちょっとうるさい気がして疲れた。勝小吉みたいな役は実にカッコいいのに、どうしてだろうか。1人 きりになり、船を追いかけて「お~いお~い」と叫ぶところも、はじめはよかったけれど途中から又疲れてしまった。しかし岩によじ登り、じっと船を見送る姿 には、表情が見えないながら(オペラグラス忘れたせいね)感動を覚えた。総体的にはいい俊寛だと思ったし、共感を覚えるところもあった。
芝喜松さんの平判官康頼、芝のぶちゃんの丹波少将成経はかなり意外な配役だった。芝喜松さんは時々後ろ姿がおばあさんに見えてしまったが、実直であたたかい人柄が伝わってきてじ~んとする。芝のぶちゃんもやや女性っぽいながら、公家らしい気品と千鳥への愛がはっきり感じられてとてもよかった。
児太郎クンの千鳥は声に哀れさがあったが時々しゃがれるのが少し気になった。先月の雛勇に比べてだいぶ成長が見えるようであったが、まだまだ突っ立っているような印象を受ける部分があり、今後に期待したい。
瀬尾の団蔵さんは船を下りてきた途端、舞台に緊張感が走るような気がするくらい憎らしかった。言っていることが正論だけに、いつもは瀬尾にちょっと同情することもあるのだけれど、今回はなかったな。
丹左衛門には権十郎さんらしい情が籠っていて、高感度ますますアップであった。
高校生たちは様々な席で見ているわけだけど、ことこの芝居に関しては、23階から見てもらいたいかも。鬼界ケ島の浜辺に波が押し寄せる様の見事さは1階席では十分わからないかもしれないから。
<上演時間>「歌舞伎のみかた」30分(14301500)、幕間20分、「俊寛」80分(15201640

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