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2012年7月17日 (火)

48点で目は充実、心は大満足:マウリッツハイス美術館展

713日 マウリッツハイス美術館展(東京都美術館)
12071702tobi フェルメール3点を見るなら夏休み前、それも朝イチで、と決意して苦手な朝を何とか克服し上野へ。都美と西美、はしごをするのだがどちらを先に見るか。
①都美は新装オープン、しかも「世界で一番有名な少女」が来ているのだから絶対混むに決まっている。それに都美のほうが西美より展覧会の日が浅い分、混むだろう→大正解good 見終わって出て来たら、入場30分待ちになっていたshock
②上野駅から遠いのは都美。西美で疲れた足を都美に向けるより、帰り道にある西美を訪れたほうがいいだろう。
というわけで、まず都美へ。噴水はまだ工事中であったが、あのセンターのスペースを挟んで西美側にpark side caféが、都美側にスタバができていた。両方ともテラス席があって、一息つくのによさそう。
さて、都美へ着いたのはオープンの10分後、940分。並ばずに入れたのはいいけれど、意外と人が多くてビックリ。今回の客層はマチマチ(子供はほとんどいなかった)。
展示は、美術館の歴史風景画歴史画(物語画)肖像画と「トローニー」静物画風俗画6章で構成されている。今回は予習なしなんでよほど音声ガイドを借りようかと思ったが、ひたすら絵を覚えて復習することにした。
マウリッツハイス、畏るべしである。とにかく所蔵作品の質が高い。目玉はフェルメールであっても、レンブラントが充実しているし(フェルメールに隠れてしまっているが、当然こちらも目玉であって然るべき)、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ファン・ホントホルスト、デ・ホーホなど私が名を知っている画家だけでなく知らなかった画家の作品も、み~んないいんである。
美術館の歴史
ヨーハン・ゲオルク・ツィーゼニスの鮮やかな「オラニエ公ヴィレム5世の肖像」「ソフィア・ヴィルヘルミナ公妃の肖像」、ヴェイナンツの美しい「マウリッツハイスの景観」、アントーン・フランソワ・ヘイリヘルスの「マウリッツハイスの『レンブラントの間』、1884年」を見れば、いつかはマウリッツハイスを訪れたいという気持ちが高まる。
風景画
オランダの風景画でいつも目につくのは雲である。全部が全部じゃないだろうし、オランダでない絵画だって雲がたくさん描かれているのかもしれないけれど、オランダの風景画を見るとなんとなく「雲が多い」と思うのである。その中でヤン・ボトの「イタリア風の風景」は岩山、山道を歩くロバと人、木々が印象的である。
歴史画(物語画)
わかって見れば一番面白いジャンルの絵画。予習なしなので解説をしっかり読む。
ヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレンの合作「四季の精から贈り物を受けるケレスと、それを取り巻く果実の花輪」(あ~、長ったらしい題名だ。オランダは人名もややこしいのに)。これ、「すごい」としか言いようがない。ディテールがすごいのだ。
ルーベンスの「聖母被昇天(下絵)」は習作と言われてみれば確かにそうであるが、それにしても素晴らしい。
「レンブラント「スザンナ」「シメオンの賛歌」が魅力的。そのレンブラントの「シメオンの賛歌」の隣にアーレント・デ・ヘルデルの「シメオンの賛歌」もあって、こちらも絵の中の感情が伝わるようである。「真珠の耳飾り」へ行く前に、ここにもフェルメールがある。
「ディアナとニンフたち」。フェルメールと気づかない人が多いのか、意外とここはすいていて、ゆっくり見ることができた。フェルメールの室内画とはずいぶん違うようでもあり、共通点もあるようであり。ふんわりした感じ。
この歴史画は以上の6点のみの展示であるが、それでこんなに充実しているとは!!

肖像画と「トローニー」
12071703tobi トローニーとは特定できないモデルを描いたものだそうだ。その代表作が「真珠の耳飾りの少女」。感想は敢えて言わない。ただ「好きだ!!」とだけ。
さすがにこの絵の前には長蛇の行列。並んで最前列で移動しながら見る列と、2列目以降だが、好きなだけゆっくり見られる列。どちらでも好きなほうで見ることができる。私はまず、「ゆっくり」へ。ゆっくりなだけに人だかりで、まずはちょっと横のすいたところから。次に正面へ移動して人の頭の間から。やがて少しずつ前の人が出てくるのに従って前方に進む。そして満足したところで、やっぱり間近で見たいと、最前列移動鑑賞の列へ。並ぶこと20分弱。見ること数秒。それでも並んでよかった。というのは、この絵は44.5×39cmと小さいのだ。ルーヴルで「モナリザ」を見た時、そのあまりの小ささにびっくりしたが、この絵は「モナリザ」よりも小さい(モナリザは77×53cm)。その小ささがこの少女にぴったりな気がした。
ここにはいい絵がたくさんあるけれど、長くなるから省略。
なお写真は、武井咲が着るために再現されたものだそう。でも、全体像はなんとなくピンとこない。やはり頭部だけで見たほうが

静物画
静物画はよくわからないの。説明を読んで、ここに置かれた物が何を意味するのかといった謎解きみたいなのは面白い。
風俗画
比較的わかりやすいと思われる風俗画だが、やはりそこにも込められた意味があって、ふしだらを戒めるといった絵が多いようである。ヘラルト・テル・ボルフ「手紙を書く女」、ピーテル・デ・ホーホ「デルフトの中庭」はフェルメールに通じるものがあって、目についた。

展示数48作品。たったのと思うだろうが、たったの48点で目は充実、心は大満足感を得られるから、マウリッツハイス畏るべしなんである。目玉は「真珠の耳飾り」ばかりではありませんぞ。

120717tobi

 

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