« ダブルキャスト2組目で千本桜を楽しむ | トップページ | 夕顔転じて、あんまりな名前 »

2012年7月26日 (木)

「出会い」:東北へルーヴルからのメッセージ

720日 ルーヴル美術館からのメッセージ「出会い」(宮城県美術館)
12072601museedemiyagi 宮城県美術館は静かなたたずまいで胸いっぱいに空気を吸って気持ち良い、そんな感じであった。午前9時半の開館直後だというのに、訪れる人がけっこう多い。ここではメインの展示がアンドリュー・ワイエスなのだけれど、私が見る限り訪れた人たちの多くはルーヴル展へ足を運んでいた。
展示は第1章「聖なる対話」、第2章「聖なる愛、世俗の愛」、第3章「三美神」に分かれている。作品は普段ルーヴルに展示してあっても見逃してしまいそうな比較的地味な印象ではあったものの、見ているうちにとても愛おしさが湧いてきて、タイトルに相応しいいいセレクションだと思った。解説も丁寧でわかりやすく23点をたっぷり時間をかけて見ることができた。
「聖なる対話」では、古代エジプト(BC12791213頃)、古代ギリシア(BC 470~460頃)の石碑から17世紀イタリア絵画に至るまで、聖職者の祭服を留める装飾品、受胎告知のデッサンなど、神と人間との関係が表された作品が7点展示されている。
「聖なる愛、世俗の愛」は、母性愛、夫婦・恋人、友情のテーマに分かれ、「母性愛」ではBC2000年旧ギルス(現在のイラク)で出土したテラコッタのレリーフ、古代エジプト(BC660530頃)の石像などが、その時代から変わらぬ母の愛を見せている。「夫婦・恋人」では恋人たちを描いたキプロスの盃がユニークで面白い。イスラム文化とキリスト教文化の融合がみられるのはやはりかの地の特徴であろう。17世紀オランダ絵画(やっぱり17世紀はオランダなのねえ)からはヘラルト・テル・ボルフの「粋なお誘い、若い女性に言い寄る兵士」。当時のオランダ風俗画らしく、金で買える愛への戒めが込められている。
「友情」で面白かったのは、16世紀のイタリア陶器。握手をする手だけが描かれた深皿と水盤である。こういう題材の食器があるとは知らなかった。マケドニアの埋葬用の石碑(BC400頃)にも握手の場面が彫られており、胸に迫るものを感じる。ジョゼフ=マリ・ヴィアンの「三人の男の肖像」はなかなか印象的な絵である。
「三美神」はその名のとおり美しい。とくに私が感銘を受けたのは首から上と足首のやや上からが欠けている大理石の「三美神」像(AD130頃)。真ん中の美神は後ろ向きで、前を向いた2人の胸に手をまわしている。33様のスタイル、ポーズがとても自然に美、喜び、豊穣(3人が象徴するもの)を表しているように見えた。
ルーヴルからの作品に加えて、宮城県立美術館のコレクションの中から、北川民次「家族写真」、伊藤快彦「宮参り」が展示されていた。どちらもインパクトのある作品で、「家族写真」には堅い意志のようなものが感じられ、「宮参り」には子供の誕生を喜び成長を願う家族の一瞬が切り取られて描かれているように思った。

この後、美術館のコレクションをさっと見て歩いた。青騎士展を見逃してずっと残念に思っていたが、ここでカンペンドンクの「郊外の農民」を見て、もしやと隣に目をやったらカンディンスキーが4点も展示されていたのであった。日本画、洋画、いい絵をたっぷり、静かに見られて、東京で人人人の有名展覧会ばかり見ているとなかなかわからない美術館の良さというものを味わった。リサーチ不足で庭を見なかったのが心残り。野外彫刻がたくさん展示されてるんですって。でも「蛇に注意」とかいう看板がたくさん出ているらしくshockそれは私にはムリかも~wobbly

ルーヴル展は
22日で終わり、28日からは福島県立美術館へと場を移す(~917日)。いわゆる目玉という作品はないけれど、一見の価値があると思うのでお近くの方はぜひ。

|

« ダブルキャスト2組目で千本桜を楽しむ | トップページ | 夕顔転じて、あんまりな名前 »

展覧会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/46463452

この記事へのトラックバック一覧です: 「出会い」:東北へルーヴルからのメッセージ:

« ダブルキャスト2組目で千本桜を楽しむ | トップページ | 夕顔転じて、あんまりな名前 »