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2012年8月 8日 (水)

狂言と歌舞伎のコラボ:「挑む~外伝」

87日 「挑む~外伝」(セルリアンタワー能楽堂)
セルリアンタワーの場所はわかったのに、能楽堂へなかなか辿り着けずちょっとアセった(表から行けばなんてことなかったんだ、と後でわかった)。おまけに本格的な能楽堂は初めてなので、ちょっと緊張してしまった。
最初に松也クンの挨拶があった。「今年で4回目、続けてこられてありがたい」(毎回見ている、と言いたいところだが、去年は震災が心に落とした影響もあったり、スケジュール的なものもあったりで、行かなかったのが今となって悔やまれる)。「今年は強力な助っ人3人(七之助、三宅右矩・近成。幼い時から仲良しの3人だそうだ)に参加してもらったことで<4>とせずに<外伝>とした」というような内容。そしてざっと演目の説明があった。以下、簡単に感想を。
舞踊「翁千歳三番叟」
まさにこの舞踊の登場人物全員が題名に現れているのが面白いと思った。能楽堂に相応しく、尾上菊之丞さんが振りつけられたそうで、素踊りの三番叟であった。
まずは隆松クンが面箱を持ってしずしずと橋掛かりを進む。さぞや緊張するだろうなあと思うこちらもますます緊張してしまった。後ろから翁の徳松さん、三番叟の國矢・左字郎さんが続く。三番叟の2人は橋掛かりに控え、徳松さんが舞台で踊る。じっと動かずに胸の高さで面箱を持ち続けている隆松クンは大変だろうなあと思いやる。徳松さんの踊りは、時々、視線の動かし方や仕草のやわらかさなどに女形が一瞬あらわれるような気がした。
翁と千歳の踊りは私には善し悪しはわからないけれど、素踊りだけに衣裳捌きに注意を払うことはないにしても、衣裳がない分、逆にはっきり動きが出るので難しいだろうなあと思った。
三番叟の踊りは力強くリズミックで楽しかった。
「トークショー」
な~んと!! 元NHKの葛西聖司アナが登場したのでビックリした。だって、これまでは(最初の2回)、司会なんていなかったんだもの。今回、司会がついたと思ったら葛西アナだし。
トークショーのメンバーは、歌舞伎から松也・七之助、狂言から三宅右矩・近成兄弟(以下、敬称時々略)。この4人は高校が一緒で、しかも三宅兄と七之助が高3の時、松也が2年、近成1年と、同時に4人が通っていた時期があったそう。
三番叟は、狂言では大事な演目である程度のキャリアがないとできない。三宅右矩さんは狂言師として一番上演回数が多いかも、なんだそうだ。
歌舞伎には狂言からきた演目も数多くあるが、2つの違いについてしばし実演も交えた説明があり、大変興味深かった(狂言のことはほとんど知らないので)。たとえば「素襖落」での舞い終わり、歌舞伎では両手を大きく叩いて「やんややんや」の喝采だが狂言では手は叩かず「よいやよいや」だとか、「〽あの山からこの山へ~」の歌は600年前のオリジナル(狂言)から400年前の歌舞伎で違うアレンジになったとか、歌舞伎では姫御寮が出るが狂言には女性は出ないなど(狂言に女性が登場することもあるが、その場合、やや声は高めにするものの、女の声としては作らない)。
「みんなで話していて、狂言のいいところを取って混ぜちゃったのが歌舞伎なんじゃないかと、4人の話の中で結論らしきものが出た」んだとか。
ちなみに、歌舞伎では「素襖落」だが、狂言では「素袍落」と書くそうだ。そう言われれば、「素袍落」という文字は見たことがあるな。
4
にの今後の「挑む」は、松也クンが「ボクの四谷怪談」(ほぼ全編、歌)、七之助さんが「兄の襲名公演」、三宅兄弟が「兄弟会」(今度で最後だそう)。
抽選会
國矢さんのMC、アシスタント左字郎・音一郎でお楽しみ抽選会が始まった。チケット半券が集められた箱から國矢さんが1枚ずつ引いていくのだが、今回はなんと脇正面席が大当たり。引く席番引く席番、「脇正面」、それでも「正面」席は2人当たったが、「中正面」はまったく当たらず。國矢さんも申し訳ながって、1度左字郎さんに引いてもらったが、それでも「脇正面」。私も脇正面せきだったんだけど、素通り。近くの人が2人も当たったのに。残念だったけど、楽しかった。
狂言「樋の酒」
三宅右矩さんの次郎冠者に近成さんの主、ここに松也クンが太郎冠者として加わる。松也クンの裃の肩衣の背中の図案が手に笹を持ってパンダ座りしているパンダ、ってのが面白かった。右矩さんのは夏らしく金魚。
狂言はテレビで見たことはあるが、ナマは初めてかも(いや、1度見たことあるかな…)。歌舞伎と比べると、狂言のほうがより声の要素が大きいかなと思った。狂言師さんは絶対に声がよくなくちゃいけないんじゃないか、声の悪い人はどうする? なんて考えていた。
また狂言はセリフをかぶって喋ることもあり、そんなところにも声の良さが求められるのではないだろうか。
話は、主の留守に太郎冠者・次郎冠者が酒を盗み飲みするという、よくあるもので、ここでは米蔵の管理を任された太郎冠者に、酒蔵の管理を任された次郎冠者が樋を使って酒を飲ませてやるのがミソ。結局太郎冠者は米蔵を放り出して酒蔵で次郎冠者と酒盛りをするのであるが、とにかく可笑しくて、たくさん笑った。帰ってきてこのザマに怒る主とのやりとりも可笑しく、狂言また見てみたい、と思った。
「素襖落」
三番叟では録音だった地方が「素襖落」ではナマ。なかなか豪華な舞台になった。太郎冠者・松也(さっきは狂言の太郎冠者、今度は歌舞伎の太郎冠者)、姫御寮・七之助、次郎冠者・國矢、三郎吾・音一郎、鈍太郎・松五郎、大名某・左字郎。
5
月に團十郎さんで見た記憶も新しい「素襖落」。狂言と歌舞伎を並べたことで、とくにセリフの言い方の違いがわかって面白かった。
松也クンの大柄なところが大らかな明るさとなって、いい太郎冠者だと思った。七之助さんはさすがの貫録だし、とにかくきれい。
チームワークよく、丁寧で品のいいユーモラスな舞台となり、大いに笑いを誘われた。
<上演時間>挨拶5分(11301135)、「三番叟」25分(11351200)、「トークショー」20分(12001220)、「抽選会」10分(12201230)、「樋の酒」20分(12301250)、休憩30分、「素襖落」50分(13201410) 実際はトークショーがのびたのだろうか、10分ほど遅れた。

 

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