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2012年10月21日 (日)

10月御園座昼の部②

1017日 六代目中村勘九郎襲名披露・顔見世昼の部(御園座)
12102101misonoza 「蝶の道行」
闇の中に2頭の大きな蝶(差し金)が浮かび上がり、戯れる。思わず客席から「おお~っ」という声があがった。御園座ではあちこちに「蝶の道行が始まると5分くらいは客席に入れず、お待ちいただくことになります」という貼り紙がしてあり、アナウンスも何回も入っていたためか、私が見える範囲では遅刻者はいなかったようだ。
不思議なことに去年明治座で見た染五郎・七之助版より、3年前の6月歌舞伎座さよなら公演で見た梅玉・福助版のほうが強く記憶に残っている。
このたびの遠征は前日まで仕事がモーレツに忙しかったので、演目が何だったかさえも頭にちゃんと入っていなくて出かけたせいか、「蝶の道行」は勘九郎・七之助コンビだとばかり思っていた。

そうしたら助国は菊ちゃんだった。なんと美しい!! 美し過ぎる。七之助さんはなんと可憐!! お人形みたい。海老反りは2人ともきれいだけど、菊ちゃんのほうがよりやわらかな感じ。
梅玉・福助コンビに比べて初々しく清らかで微笑ましい印象を与えたのは年齢のせいもあるだろう。しかし地獄の責め苦となると清らかな分、さらっとしていて、梅玉・福助コンビのほうがエロティシズムというか、責め苦感がずっと出ていたような気がした。
きれいで幻想的で愛らしい2人の舞踊を楽しんだ。
「伊勢音頭恋寝刃」
これを見るのはもう5回目になるのかぁ、とちょっとオドロキ。私の中で貢は仁左様なんだけど、今回仁左様は喜助にまわって貢役の勘九郎さんをサポートする。
これを見るといつも、悪いのはお岸だと思ってしまう。お岸(梅枝)が余計な気をまわして万次郎(扇雀)と貢の出会いを結局は邪魔することになるんだもの。
お鹿はなんと左團次さん。てっきり彌十郎さんだとばかり思っていたからびっくりした。化粧で可笑し味を出すことはしない左團次さんの女形は全然違和感ない。貢を大好きな気持ちが必死な感じで、その思いを万野に弄ばれたというか利用されたというか、気の毒になる。
万野は菊五郎さん。初めて見る(演じるのは2回目だそうだ)。これまでの万野と違って貢への意地悪が思ったほどクドくなくて、意地悪しているというより、こんなヤツ眼中にないのにめんどくさい、といった大きさが感じられて面白いなと思った。万野が刀のごちゃごちゃで喜助を追いかける時、「大おとわっ」と声がかかった。
しかし貢は初めこそ大人の対応をしていたのに、段々おかしいぞと思ってくる。煙管を煙草盆に打ちつける音で貢の苛立ちや驚きが伝わってくるのがうまい。かちかちかちかち、煙管の音。真剣に怒り始める貢。お鹿に偽手紙を書いたのが万野らしいと知り、「万野のヤツ~」という表情でこちらに見せた斜め左顔が勘三郎さんそっくり。全体的な雰囲気としては時々仁左様を感じる。きっと仁左様に教わったのだろう。誤って万野を斬ってしまい、刀の妖気にとらわれる貢。ここまではうまい、と思ったが、その後の狂気のように人を斬るあたりにもう少し正気を欠いた冷酷さのようなものがほしかったかも。上方風なやわらかさはそんなにないけれど、とても好感のもてる貢で、これから勘九郎さんの持ち役の1つになるんじゃないかと思った。
お紺の菊ちゃん、きれい!! 自分の意志を強くもっている女性という感じ、ある意味現代的な印象を受けた。「蝶の道行」では七之助さんを相手に立役、「伊勢音頭」では勘九郎さんの相手として女形、中村屋兄弟と菊之助さんのコンビはフレッシュでビジュアル的にもとてもきれいだし、上手だし、これからも色々な演目が見てみたいと思わせる組み合わせである。
<上演時間>「嫗山姥」65分(11001205)、幕間30分、「蝶の道行」30分(12351305)、幕間25分、「伊勢音頭」90分(13301500

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コメント

こんにちは。
ご無沙汰しております。

1日違いの御園座行でした。私は栄でゆったりランチ、というもう一つの目的があったので、夜の部(二等席)&マル得利用の伊勢音頭(一等花横)での観劇でした。来月の演舞場は菊五郎さんと仁左様は共演がないので、今月見ておかなくてはという気持ちもありました。

どうしても仁左様貢と脳内比較をしてしまいますが、気持ちの流れもわかりやすく、共感できる勘九郎さんでした。最後がにっこり、とわかっているので安心して見ていられるし(o^^o)

左團次さん、思っていた以上に可愛かったなぁ)^o^(、のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2012年10月21日 (日) 09時11分

からつぎ様
こんにちは。コメントありがとうございます。
からつぎ様とは1日違いでしたかぁ。ゆったりランチは美味しく召し上がりましたか。
昼の部、花横とは羨ましい!! マル得でもそんなにいい席が残っていたんですね。貢を追う喜助さん素敵だったでしょう。
私も貢は仁左様と比較してしまいがちでした(とくに後半)が、勘九郎さんの真面目さは貢に合っていると思いました。
左團次さんの女形、「身替座禅」の玉の井は見たことがありますが、お鹿もなかなか可愛かったですね。普段の役とは全然違うのに、すんなり受け止めることができました。役者さんって、化けますねえsmile

菊・仁左、いいですねっ。ここにプラス時で、夜の部は私にはサイコウでした。

投稿: SwingingFujisan | 2012年10月21日 (日) 16時46分

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