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2012年10月12日 (金)

勧進帳のあとは「市川團十郎」展へ

108日 「市川團十郎 荒事の世界」(日比谷図書館)
12101201danjuro 歌舞伎美人のおススメに従いっていうわけでもないけど、演舞場で「勧進帳」を見たあと、日比谷へ足を延ばしこの展示を見てきた。
初代から当代に至る歴代團十郎の人物、業績が姿絵、写真などとともに紹介されている。金平浄瑠璃(坂田金時の子・剛力無双の坂田金平の活躍を描いた人形劇。ちなみに坂田金時は、今月御園座で時さまが演じている嫗山姥・八重桐さんの子供なんだよねえ)などからヒントを得て初代が荒事を生み出し、二代目が完成させ、七代目が「歌舞伎十八番」を制定するなど、宗家の歴史としても順にわかりやすい説明になっている。
興味深かったのは十代目。商家に生まれ、慶應義塾大学を卒業後、銀行員となったが九代目の長女と結婚して、役者になった。そういう経歴では役者としてどうだったんだろうかと思うが、五代目市川三升を襲名し宗家としての務めを立派に果たし死後に十代目を追贈されたという。その生き方に感動した。銀行員から歌舞伎役者と、もともと役者から歌舞伎役者というのでは多少違うかもしれないが、十代目が中車さんに重なって、中車さんもこの方のように必死で歌舞伎に取り組めば大きなものを残せるのではないかと思った。
「暫」の衣裳展示はわが心の歌舞伎座展だったかでも見たが、大きな袖はやはり迫力ある。「勧進帳」からは弁慶と富樫の衣裳が並べられており、たった今見たばかりの舞台が甦る思いがした。ほかに助六・揚巻・意休、鳴神(ぶっ返り)・雲の絶間姫、外郎売(曽我五郎)、押戻(大館左馬五郎)、粂寺弾正といった衣裳に、小道具(磁石、毛抜き、小柄、金剛杖、桂桶など)も展示され、夜になったらそこに命が吹き込まれ、芝居を始めるんじゃないかなんて想像してしまった(俳優祭で見た「質庫魂入替」がまだ残ってる)。
会場中央、3本の六角柱には、歌舞伎十八番の浮世絵が一面ずつ掛けられていた。私は半分くらいしか見ていなさそうだ。「蛇柳」は昨年1月公演で見られる予定だったのがあの事件で公演中止になったんだっけ。
台本、歌舞伎座筋書、浮世絵等々、貴重な資料が間近で見られる。映像コーナーでは、「荒事の魅力」が上映されている(それが、今内容がどうしても思い出せないの。見ている時がとても楽しくて、もう終わっちゃうの?とその場を去り難かったのに)。最後は当代の写真ギャラリー。
荒事が歌舞伎をどんなに魅力的なものにしたことか。これを守り続ける市川宗家の重圧はいかがばかりかと察するが、歌舞伎のために観客のために豪快な荒事を未来永劫継承していってほしいと強く願った。

足も痛いしかなり疲れたので書店を兼ねたカフェで一休み。その書店にあったかぶき手帖2012年版を見たら、三代目猿之助は二代目猿翁に、二代目亀治郎は四代目猿之助にかわっていて、思わず「来年版?」と奥付ページをめくってしまった。第2版なのであった。ちょっと買いたくなったが、すでに初版を持っているから…。これまでにも版を重ねると内容が変わったりしていたんだろうか。全然そんなこと考えなかった。   

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