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2013年1月20日 (日)

久々の海老蔵オーラ満喫、浅草歌舞伎②:お年玉ご挨拶、対面

118日 新春浅草歌舞伎第1部(浅草公会堂)
13012001hagoita_2 13012002hagoita_2 やっぱり浅草はいい。TXを降りた瞬間に浅草のにおいというか空気を感じて胸がきゅんとなる。
外へ出たら、まだこんなにメジャーになる前の早乙女太一クンをナマで見た大勝館(芝居じゃなくて、外でお客さんの見送りをしていたのを見た。これ、プチ自慢だから、何度でも書いちゃう)はドンキホーテ会館になるとのことで、いつか再びここで太一クンを見る機会があることを期待していたのにちょっとがっかり。
向かいの木馬館にはいつもの通り、オジチャン・オバチャンがなが~い行列を作っていた。ああ、浅草だぁ!!
公会堂では二本松チャリティーの羽子板オークションをやっていた。迷うでしょ。
今回は昼夜通しで、昼夜とも3階最後列で見た。浅草公会堂は音響がいいのか、そういう席でもセリフがはっきり聞こえた。むしろ演舞場なんかでは黒御簾にセリフがかき消されることもあるのに。若手で声が大きくセリフもはっきりしていたのかもしれないけれど、きっと音響もいいに違いない。これまであんまり気にしていなかったのが、今回は非常に耳への音の入りがよいことに感心した。
「お年玉ご挨拶」
壱太郎クン。立役の格好(口上用の裃で雀の中に壱の入った紋付き)で登場した壱太郎クンは翫雀さんに似ていた(ふだん、あんまり似ていると思わないのにね)。まず通常どおりの口上を述べたと思ったら、ぐっとリラックスしてごく普通のお喋り口調で話し始めた。
自分の名前は1万円札の壱と書いて「かずたろうと読む。いちたろうではない」と笑わせる。浅草は昨年に続き2度目で、今回は5演目中4つに出ている。毎日歌舞伎漬けでへとへとだが、そんなこと言ってられない。新鮮な舞台を毎日送るようにしている。
今回は慣れない立役が多い。昨日、中日で未だにそわそわばたばたしているが、それは1つには、中日を過ぎたころから翌月の芝居の稽古に入る、当月の芝居が落ち着いた頃に次の月の衣裳合わせやセリフの練習などが入るためだとか。
ここで「いきなり来月の話もなんですが」と懐からチラシを出し(遠くてわからなかったけど、更新されたチラシだったのかな)、2月松竹座の宣伝を始めるカズクン。明日(ってことはもう、昨日)からフラメンコの練習を愛之助さんと始めるそうだ。「2月に大阪まで行ってられないと言う方はご安心ください。3月演舞場、東京で又会えます」と言う壱太郎クンの言葉を聞いて、消極的に迷っていた大阪行が俄然積極的迷いに変わった。2月はギリギリにならないと決定できないので今はまだ何とも言えないけど、やっぱり見たい!!
壱太郎クンは今22歳。同世代に歌舞伎を広めたいが、チケット高いですよねえ。映画なら6本見られる(僕は学生だから7本、って)。でも、役者、音楽、ツケ、衣裳、床山、舞台を動かす人みんなが当日ナマの舞台を作る。そのためのみんなの思いがチケット代に籠っているんです。それと花形はちょっと安くなっています。
確かにその通りなんだけど、1等席はやっぱりそうおいそれと出せる値段ではないからなあ。
壱太郎クン、さかんに時間を気にし始める。「僕に与えられた時間は10分。先輩役者から10分ちょうどで終われと言われている。ラジオのパーソナリティ(邦楽ジョッキー)をやっているから時間を計って喋るのは慣れているのだが、皆様の前で10分ちょうどは難しい」とストップウォッチに目をやりながら、「浅草歌舞伎の繁栄には地域とつながることが大事。歌舞伎の後、たくさん買ってたくさん食べて…」というところでちょうど時間となったのか、再び口上言葉で締めて終わり。
さすがにDJやっているだけあって、とても楽しく聞くことができた。

「寿曽我対面」
工藤の海老蔵さん、五郎の松也クン、鬼王の亀鶴さんを除けば、舞鶴=新悟、十郎=壱太郎、大磯の虎=米吉、化粧坂少将=梅丸、近江小藤太=種之助、八幡三郎=隼人の顔ぶれは嬉しいことに「趣向の華」メンバーで、何とも若くフレッシュな「対面」である。
松也クンの五郎は顔の優しさとは裏腹に体が大きいから暴れん坊な感じは窺えるし、一生懸命やっているのはよくわかるし、応援はしていたのだが、やはり女形の役者なのかもしれない。初めての荒事のせいか(多分、初めてじゃないかと思う、違ったらごめんなさい)余裕がなく、声はよく張り上げていたものの、それが却って余裕のなさを強調するようでこちらも疲れてしまった。
壱太郎クンの十郎はおっとりとしてしなやか。若さの中に兄としての貫録を示した。
米吉クンと梅丸クンは可愛らしくてまるで花のよう。2人とも似たような感じを受けたが、米吉クンのほうにやはり年長の空気があった。2人の演技がしっかりしていることは色々な舞台で見てきたが、ここでも堂々たる演技だった。
種太郎クンははじめセリフがなんとなくそぐわないように思ったが、途中からぐんとよくなった。隼人クンはもう一息というところか、
新悟クンがうまい。声もいいし、きっぱりして舞鶴らしさが出ていた。新悟クンは何とも言えぬたおやかな風情を醸し出していると同時に明るさがあって、私はけっこう新悟クンが好きだと、改めて気づいた(若手の女形は梅枝、新悟、壱太郎、米吉、梅丸と、人材豊富だ。他にもいたかな)。
海老蔵さんの工藤はちょっと陰気で時々皮肉な表情を見せるのではあるが、その底には2人に討たれてやろうという覚悟のほどが窺えるようで、この工藤は嫌いじゃないと思った。ただ、意外に大きさは感じなかった。
むしろ大きさが見えたのは亀鶴さんだったんじゃないだろうか。わずかな出番でありながら、最後の点が決まったというか睛が入ったというか、舞台を締めた。
脇の役者さんでは新十郎さん(梶原平次景高)のよく透る大きな声が目立った。橘三郎さん(梶原景時)の年季、ベテラン中堅を程よく配した並び大名もよかった。



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コメント

今晩は。
これから、浅草歌舞伎の残りの感想をアップされるのでしょうが、申し訳ありませんが、私の感想もはさませてください。昨日、家内と一緒に、ここ数年恒例の浅草歌舞伎行ってきました。やや、温かめの気温で助かりました。いつもどおり、お土産は浅草のお菓子(最近は都内のデパートでも買えますが)です。
肝心のお芝居ですが、本当に、海老蔵、期待以上に良かったですね。ひょろひょろ、ふにゃふにゃの妙なセリフ癖が大分気にならなくなったのは今回だけなのでしょうか。ともかく、弁慶が大車輪、このところ「年寄り弁慶」に正直、うんざりしていた私としては、久々の枠をはみ出しそうな元気いっぱいの弁慶に、りゅういんが下がりました。延年の舞、いっそのこと、おもだか屋流に滝流しをつければよかったのにと思いました。
他、良かったものは、愛之助、亀鶴、市蔵の諸役、今回参加の若手とは年季、実力の差が歴然でした。愛之助、顔はやはり仁左衛門に良く似ていますが、体型はあれほどスマートではなく、やや小ぶりでがっちりしていますね。とにかく華があります。いい六助であり富樫でした。亀鶴それほど良い役々ではありませんが、間違いなく光るものがあります。市蔵、海老蔵の良い師匠番的な役割になってきましたね。若手では、私も新悟の舞鶴に感心しました。この人の役では、じつを言うと感心したのは今回が初めてでした。

投稿: レオン・パパ | 2013年1月20日 (日) 18時45分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
レオン・パパ様も1部2部通してご覧でしたか。私は18日でしたから1日違いでしたのね。
海老蔵さんがよかったのは、ひとつには團十郎さんの病気があるかもしれません。また勘三郎さんというお客の呼べる役者が亡くなったことも海老蔵さんに危機感と自覚をもたらしたのかなと思いました。
第2部の感想はまだ先になりますが、私も海老蔵弁慶にワクワクしました。3階の一番後ろから大きな拍手を送りました。客席の拍手もアツかったと思います。
愛之助さん、亀鶴さん、市蔵さん、おっしゃるようによかったですねえ。このたび秋山悠介クンが市川福太郎になったことで、そういえば愛之助さんも13代目の部屋子からこんな素晴らしい役者さんになったんだなあと感慨深く思いました。
亀鶴さん、もっと長く見たいです。でも、わずかな時間で存在感を見せるのですから大したものですね。
市蔵さんは安心して見ていられます。
新悟クンは決して美形ではないのですが、何か心に訴えるものがあるように思っています。このたびのレオン・パパ様の評価は嬉しいです。

投稿: SwingingFujisan | 2013年1月20日 (日) 20時28分

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