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2013年3月20日 (水)

国立劇場、アフタートーク

319日 「隅田川花御所染」アフタートーク(国立劇場大劇場)
お芝居の感想の前にアフタートークを。
出演者は錦之助、翫雀、宗之助、松也、隼人の5人と司会者。本当は18日の観劇にするつもりだったのだけど、アフタートークの出演者を見て19日に決めたのだ。別に18日の誰が気に食わないとかじゃなくて、大人の出演者が多いほうが話が面白いかなと思っただけ(自分の年齢的にね)。
出番が早かった宗之助さんだけスーツ姿ということで、ご本人も自己紹介で「岩藤をやりましたが、皆さま覚えていらっしゃるでしょうか。私だけ拵えではなくてスーツで、あちら(司会)にまわったほうがよかったのではないか…」と苦笑していた。
ちょっと薄汚い悪役姿の松也クンは「隼人クンとは正反対の華のない恰好で」とこちらも苦笑い。
華のある恰好と言われた隼人クンは、トークの間じゅう、ぴんと背筋を伸ばし、一番姿勢がよかった。
翫雀さんは押し戻しの直後だけに、そのままの衣裳だが鬘だけを取ったハゲ頭(じゃなかった、坊頭と言うべきですね)姿で登場。「鬘は重いので」という翫雀さんに松也クンが「桜ン坊と合体しちゃってる」とチャチャを入れる。桜ン坊というのは、翫雀さん三役のうちの一つ。そして翫雀さんだけ床几ではなく合引に腰を掛け、後ろで黒衣さんが支えている(押し戻しの衣裳の大変さがわかる)。「松也クンと兄弟なんだけどわかった?」って翫雀さんは言うけれど、全然わからなかった。後で人物相関図を見たら、確かに、松也クンは猿島惣太実ハ粟津七郎であり、翫雀さんの押し戻しの役は粟津六郎なのであった。
隼人クンも錦之助さんも4時間半という長さを口にしていたが(久々に長い歌舞伎を見た)、翫雀さんが「確かに長いが、江戸時代は1日かかった芝居。それを国立でこのように編集した」。
司会者の「今月は若い人に頑張ってもらってる」という言葉に、錦之助さんが「僕ら19の時には(隼人クンも児太郎クンも19歳だから)こんな役させてもらえなかった」と羨ましがる。
それからこの日の出演者である宗之助さんについて「小さい時から知っている。昔ゲーセンに連れて行って、あとで怒られた」と語ると、宗之助さんが「信二郎さん(錦之助になる前の名前)と右近さん――これがまた、悪い人なんだ――に連れて行かれて、戻ってきたら指導の先生にいきなり平手打ちをくらって吹っ飛んだ。それを見て信二郎さんがふふふと笑っていた」。
松也クンについて錦之助さん「松也クンは生まれる前から知っている。普段は女形で、こんな役やるとは思わなかった」。続いて翫雀さんが「女形の人はどこかに色っぽさがある。また、女形の身体の苦しさを知っているので、(絡みの時の)後ろからの支え方も違う」。なるほど、と思う。
松也クン「姫だと作りが暑い。こんな恰好だと寒いくらい」。
すかさず翫雀さん「オレは暑いんだ!! 空気の抜けるところがない」。で、客席は同情しながらも思わず笑ってしまう。
親子共演について。
錦之助さんは「時々、ふっと親に戻ることがある。そうするとセリフが飛んでしまう」。一方の隼人クンが「芝居ではあまり親子を意識しない。今のほうが素の父なので緊張している。どう接していいかわからない」と戸惑いを見せると、錦之助さん「家来です!」(役の上で、ね)
錦之助さんによれば、兄弟は大変だそうで、「長男は次男が合わせるものだと思っている」(時さま、ありそうありそう)。でも翫雀さんのところは「うちの次男はそう思っていない」んだそう。親子、兄弟で恋人役や夫婦役をやることもあるが、「親子だと思ったら、足に頬ずりなんかできやしない。本当に恋しい人だと思ってやる」との翫雀さんの言葉が何のことを言っているのかわかるよね。
年齢の話から色々。
松也クン「ついこの前まで歌舞伎界で1番年下くらいだったのに、『お兄さん』と呼ばれるようになった」。翫雀さん「歌舞伎の世界は50でも花形と言われる。女優と違って80でも90でも体が動けば娘役ができる」。錦之助さん「50過ぎてやっと前髪が恥ずかしくなくなってきた」(ちょっと興味ある発言だ)。翫雀さんは「先輩からだけでなく、お客様から言われることも役に立つ。おこがましいが、お客様も見巧者になってほしい。役者とお客が一緒に育っていくのがいい。

役について、隼人クン「吉田松若は梅玉さん、守田勘弥さんがやられた役。立役に決めて修行し始めたばかりの僕がそういう役をやらせていただいたことは宝である。19歳なので2人の女性の人生を狂わせる役は、経験のある方に伺わないと…」。すると錦之助さんが「親が許すからどんどん経験しなさい。ただし、他人に迷惑をかけるようなことはやめて」と笑わせる。
最後に、司会とおとうさんに促されて隼人クン「NHKの『八重の桜』に出ている。6月は歌舞伎鑑賞教室に出る」と今後の予定を、前に私も書いたが、6月の教室は扇雀親子と錦之助親子の共演(競演?)なのだ。
宗之助さん「翫雀さんと錦之助さんがいると、私喋ることがない。26日までやっているので又お越しください」(ほんと、宗之助さんからはほとんどお話が聞けなかった)。
松也クン「拍手をいただけたので、楽しんでいただけたということでよろしいでしょうか。お帰りにはお友達同士で、また電車の中で隣の人に『面白かった』と言っていただければ」。
隼人クン「ご近所を誘って、またお越しください」。
錦之助さん「親子で修業中です。息子に負けぬよう、私も修業します。スターもどんどん出てくるので歌舞伎界をよろしく」。
翫雀さん「4月に歌舞伎座が開場するが、歌舞伎座が元気であることによって他の劇場も元気になる。国立と歌舞伎座が一緒にやるのは東京でしかできないこと。大阪でもやりたいが、それにはお客様の力がいる。歌舞伎は娯楽ですから、ぜひよろしく」。
これで、締めの言葉かと思ったら、翫雀さんが「最後に、お客様の間で話題になっている松也クンの太ももを見せていただきましょう」ですって。
「太もも見せてどうするんです」と苦笑しながら、松也クン、しっかり足を広げて立派な太もも再披露。翫雀さん「これも色気」。司会の「最後にいいものを見せてもらいました」で、幕。
楽しい20分間だった。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。昨日、国立劇場行ってきました。今年は3月になって突然暖かくなり、桜が異常に早くなりましたね。実をいうと先週末、南伊豆に行き、河津桜の最後を見てきたところです。また、国立劇場で別の桜の満開のはしごをさせてもらいました。ついでに、私の自宅近くのソメイヨシノは3分咲きくらいです。
国立の芝居の感想をアップされるのでしょうが、その前にチョット。批評家の言うように、福助の相手役は錦之助、かん雀の二人にふるべきだったのでしょう。特に隼人のせりふ回し、顔の表情、表現のつたなさはまだまだ勉強が必要です。そして児太郎も役が重すぎます、この人も、軽い役で場数を踏ませるべきでしょう。一方、Fujisanさんご贔屓(ところで、Fujisanさん、ご贔屓多いですね)の松也、悪くはないです。生硬さが出る女形よりも、むしろ良かったかとも。お父さん(今の団蔵と松緑の弟子のお神酒徳利と言われたものです。)に良く似て、男性の色気がありました。
で、肝心の福助、Fujisanさんにおまかせします。恐らく、同じ感想でしょう(蛇足ながら私は決してネガティブではありません)。作品全体では、舟のすれ違う場面が詩情があり、庵室の南北らしさは、なかなか面白かったです。

投稿: レオン・パパ | 2013年3月21日 (木) 13時24分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
国立観劇、1日違いでしたね。
若手にチャンスを、という配役とはいえ、ちょっと無理がありましたね。福助さん個人についての感想はレオン・パパ様と同じかもしれませんが(以前の悪いクセは完全に封印されているようですね)、芝居としてはちょっと残念でした。
松助さんの歌舞伎は、亡くなる直前の「児雷也」でしか知らないのですが、松也クンおとうさんに似ているのですか。色気があってどこか憎めないところのある悪党、よかったですね。
贔屓が多い――そうなんですよcoldsweats01
劇場で隣になった見知らぬ方と幕間にちょっとお話をして「どなたのご贔屓?」と聞かれるのが一番困るのです!! 

河津桜、ご覧になったとのこと、羨ましいです!! 私はまだ河津桜は見たことがなくて、一度見てみたいと長年思っています。国立の桜ももう満開で、さくら祭はお芝居のない時期に開かれますが、お芝居と桜を一緒に楽しめてラッキーだったかもしれませんね。
ソメイヨシノはうちのほうもレオン・パパ様のところと同じくらいでしょうか。昨日、墓参に行ったらもうほとんど満開のところもあって、今年の桜の早さを改めて実感しました。しばらくは強い風が吹かないでほしいですね。

投稿: SwingingFujisan | 2013年3月21日 (木) 20時03分

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