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2013年3月28日 (木)

三月花形歌舞伎千穐楽夜の部

326日 三月花形歌舞伎千穐楽夜の部(新橋演舞場)
歌舞伎の常打小屋としての演舞場公演はこの日が最後になるのだなあとの感慨に3年前の5月、海老蔵さんを中心とした花形が歌舞伎座建替え中の公演第一歩をここから踏み出したこと、そのセレモニーを早起きして見に行ったことが甦ってきた。それにしても演舞場常打ちオープニング公演とラスト公演の盛り上がりの差は、人間、新しいもののほうに引っ張られるということだろうか(演舞場がなくなるわけでなし、演舞場での歌舞伎公演も年に何回かはあるんだろうし)。そして3年経つと早起きも克服できなくなる自分の加齢を改めて思う。
「一條大蔵譚」
染五郎さんの作り阿呆は、登場した瞬間、線の細さが気になった。染五郎さんはどちらかというとシャープな感じだから、ああいうまぁろい役には違和感を覚えるのかもしれない。それに声も無理しているなあという気もした。しかし大蔵卿が本心を明らかにしてからは声もよく、大蔵卿の気持ちもしっかり伝わってきて、よかった。作り阿呆がもう一つなので、本性との行き来ももう一つだが、初役なのでこれからに期待したい。染五郎さんは趣向の華で見るコミカルな一面もあるのだから、それをうまく大蔵卿の愛嬌につなげられるといいなあと思う。
大蔵卿が八剣勘解由を討ち取り、その首を切り落として抱えて出てくるとよく笑いが起きたものだが、今回はまったくそういうことはなく(笑いが起きるのは、大蔵卿の出のタイミングによるのかもしれない)、ほっとした。
壱太郎クンのお京が初々しさと落ち着きを見せてなかなかだった。娘役の時の声はちょっとキンキンしすぎるのが耳につくことがあるが、この役では少し低めにしていてセリフが聞きやすかったのもよかった。松緑さんとの夫婦役も似合っていたと思う。
吉弥さんの鳴瀬、なぜ、あんな夫をと不思議だが、主君への忠義とともに夫への愛情も感じられて哀れであった。
「二人椀久」
多分4回目。これまでの3回はほとんどの時間zzzで苦手演目、今回もまったく自信がないし、幕間も40分と長いしよほど見ないで帰ろうかと思ったくらい。
見てよかった!!
全然寝なかった!! 魅入られた。
とくに菊之助さんの松山が出てきてからは、もう素敵で素敵で。菊之助さんの美しいこと、幻想の中の美しさでありながら存在感もしっかりあって、染五郎さんをリードしているような気さえした。
この踊り、テンポがゆるい、だからよけい眠い、と思い込んでいたのだが、こんなにテンポが速かったんだっけ。演奏もよく、わからないなりにとても面白かった。
ただ、松山が出てくるかなり前からセリが開いていて、染五郎さんがそっちに行くたびにハラハラしてしまった。多分、セリの口が見えた人はみんな、そうだったんじゃないかしら。でもハラハラする一方で、染五郎さんの復帰がすごく嬉しくて、そんな喜びもテンションを上げてくれたのかもしれない。
来月はいよいよ歌舞伎座だぁ!! 演舞場さん、ありがとう、お疲れ様でした。
<上演時間>「一条大蔵譚」91分(16301801)、幕間40分、「二人椀久」36分(18411917

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