« 團十郎さん、ありがとう | トップページ | 複雑な気分、赤坂歌舞伎追加公演 »

2013年3月 1日 (金)

開場記念に「歌舞伎 江戸の芝居小屋」を

227日 「歌舞伎 江戸の芝居小屋」(サントリー美術館)
青山斎場から徒歩でサントリー美術館へ。普段は借りない音声ガイドだが、イヤホンガイドの塚田圭一さんの解説だというので今回は借りてみた。作品周辺の歴史や当時の状況などがわかって面白い。
阿国歌舞伎、芝居に興じる人々が描かれた洛中洛外図など、歌舞伎草創期の絵画(屏風絵が豊富)、江戸の芝居小屋、その変遷、台本・絵番付などの資料、歴代歌舞伎座の写真、役者絵等々、盛りだくさんである。中には、山種で見た作品や資料もあり、再会した気分。
貴重な絵画・資料がたくさんある中で、ミーハーな私にウケたのは「市村座場内図」(歌川豊国・勝川春徳合筆)。舞台下手の羅漢台(舞台上に作られた席で、下が羅漢台、上が吉野または通天と呼ぶ。吉野/通天は平成中村座の桜席みたいなものかな)でもろ肌を脱いだ男2人が喧嘩を始め、これを舞台番が制しているところが描かれている。まるで公平問答じゃないか、と大変興味深く見た。
それから「四ツ谷怪談戸板返之図」(豊原国周)も面白かった。中央で伊右衛門が持つ戸板には小平の亡霊が描かれているが、この戸板には紙が貼られていて、それをめくるとお岩の亡霊に早変わりするという仕掛け。
スイス人エメ・アンペールによる「幕末日本図絵」。いかにも外国人のタッチなんだけど、呼び込み、開演前の観客席、暫の舞台、面灯りなど芝居小屋の様子がとても細かく生き生きと描かれて興味深い。
ミーハー心をときめかせてくれたのは押隈。「紅葉狩」の六代目歌右衛門(鬼女)と三代目寿海(平維茂)、「黒塚」の初代猿翁(鬼女)の2点が展示されていた。「紅葉狩」は昭和41年のものだそうだから、かろうじて見ていた可能性もなくはない(毎月見ていたわけじゃないし、この頃にはもう歌舞伎から離れていたかも。記憶は定かではない)。
「三座猿若細見図」(見事に、中村座、市村座、河原崎座が猿若一丁目、二丁目、三丁目に揃っていることに改めて感動)や「守田座移転全図」には役者の住まいも記されているのだが、文字がよく読めなかった。
六代目歌右衛門の着た揚巻の衣裳が2点あった。橋本明治による白地精牡丹図の打掛と東山魁夷による白地精好波に松島図の打掛。直接絹地に描いたものだそうで、まさに一点もの。着用した時の美しさが見事である。
最後に第5期歌舞伎座に使われる絨毯の見本が展示してあった。実際に劇場で見るのが楽しみ。
展示作品はたくさんあってやや疲れたが、展示替え(場面替えだけのものもあり)がやたらにあるようだ。26日から331日までの会期をなんと6回にも分けており、最初の13日間(2/62/18)のみの展示作品は見逃してしまったし、今後再び鑑賞できるかどうかわからないのでもう実際に見ることのできない作品も多々あるだろう。反対に私が見に行った会期しか展示していないものもあるわけだし、ちょっと複雑な気分。
でも、あと1カ月の会期中、一度は足を運んでみてもいいのではないかと思う。

|
|

« 團十郎さん、ありがとう | トップページ | 複雑な気分、赤坂歌舞伎追加公演 »

ミュージアム」カテゴリの記事

展覧会」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 團十郎さん、ありがとう | トップページ | 複雑な気分、赤坂歌舞伎追加公演 »