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2013年4月 8日 (月)

歌舞伎座杮落し4月公演初日第三部

42日 歌舞伎座新開場杮葺落四月大歌舞伎
3
部続けての感想にちょっと疲れてきたので簡単に。
「盛綱陣屋」
大きな大きな名優がぶつかり合う贅沢さ。
和田兵衛は、一番記憶が新しいからなのか、團十郎さんの印象がとても強い。だからイメージは違うのだけど、違うなりに好きな和田兵衛であった。時々、ふっと気がつくこと――吉右衛門さんは目で何かを訴えかけてくる(ような気がする)。和田兵衛がとくにそうだった。私自身が盛綱であるかのように、吉右衛門さんの目が「自分の言わんとしていることを察してみろ」と言っている。
それに対し、仁左様は直接心に訴えかけてくる。動き、表情11つが何かを語っている。
我當さんが古怪な大きさを見せて秀逸だった。足が悪いので階段を下りる際は家来役の男女蔵さんが手を取っていたが、とても注意深く神経を使ってサポートしている様子だった。
微妙は東蔵さん。器用で上手な役者さんだし、今回もよかったと思うけれど、この3人の中に入ってしまうと、三婆としての大きさにちょっと不足を感じた。今さらながら、芝翫さん亡き後の穴は大きい。次に見るときには東蔵さんの大きさに期待したい。
金太郎ちゃんの、だんだん生命の火が細っていく様子に感心(NHK BSのドラマ「妻はくの一」の第5回で染五郎さんと共演するんですってね。第1回から毎週録画にしておいてよかった)。大河クンもしっかり足を踏みしめて武将らしく演じていた。子供の能力ってすごい。

「勧進帳」
好みの問題なんだけど、やっぱり弁慶は團十郎さんが一番好き。幸四郎さんは泣きすぎるとか、説明的にすぎるとか(主君を打擲する場面で軽く一礼するのも、観客に「本当は主君に対して申し訳ないという苦しい苦しい思いなのです」と説明しているような気がしてしまう)、そういうところが気になる。全体に弁慶の重みや緊張感がやや薄いように思った。それから、お酒を飲む時に、杯が小さいからともっと大きいのがほしいと富樫の番卒に手振りで頼む場面があるが、実際に「小さすぎる」とか言っていた。今までも声に出して言ってたのかしら。六方で手拍子が起きたのは、客席が大盛り上がりだったこともあるだろうが(掛け声もあちこちから)、無事に安宅の関を通過できた弁慶の喜びを幸四郎さん自身が盛り上げているからなんじゃないかという気がしないでもない。手拍子が当たり前になる日がくる、なんて思いたくない。
菊五郎さんの富樫は、その行く末を思わせるような覚悟が感じられた。
四天王は常陸坊の左團次さんを除いて、松緑、染五郎、勘九郎の若手3人。3人とも息子をもつ父親で、松緑・染五郎さんは子息が前の演目で共演もしている。3人の中では勘九郎さんが一番印象的であった。いつか勘九郎さんの弁慶を見てみたい!! そういえば、明日は天皇皇后両陛下が「お祭り」をご覧になるとか。
<上演時間>「盛綱陣屋」112分(18102002)、幕間30分、「勧進帳」73分(20322145

 

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歌舞伎ミーハー日記」カテゴリの記事

コメント

Fujisan様
おはようございます。昨日夜、初 歌舞伎座してきました。前の歌舞伎座と客席から見える景色が殆ど同じで感激でした。少し大き目に見えるのですが、気のせいでしょうか。
第三部の出し物、「盛綱、大顔合わせです。爽やかさが身上の松嶋屋の当り役ですが、前回見たときよりも声量が格段に落ちているのが気になりました。昨年の休演は腸閉そくだったとのことですが身体を大事にしてほしいものです。播磨屋貫録ですが、何故か久しぶりに白めで塗らない役を見たような気がしますが二代目の松緑を思い出しました。役によっては二代目と重なります。対する女形諸役がやや小粒ではありますがまずまずでしょうか。かん雀、儲け役ですが、この人も達者です。
「勧進帳」幸四郎、疲れが見えて・・・・。杮落しの弁慶はまず高麗屋ということになるのでしょうが。梅玉、やはり超一級品ですね。花道の引っ込み、傘に手をやり本舞台を見込む型、私は好きです。音羽屋型の一目散に速足で入る型も悪くはありませんが。

投稿: レオン・パパ | 2013年4月13日 (土) 08時42分

すいません。大事なことを書き漏れました。「勧進帳」の弁慶の飛六法、初めのつけ打ちの部分で手拍子が一階の観客から数秒なったのですが、長続きせず、花道を飛んではいるところでは消えました。私自身はほっとしましたが、いずれ手拍子が恒例になるのかもしれませんね。正月の浅草で海老蔵が見せてくれたような元気いっぱいの体育会的な弁慶では、新しい観客がそのような対応をするかもしれません。

投稿: レオン・パパ | 2013年4月13日 (土) 08時53分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
初歌舞伎座、おめでとうございます。
おおむね、前の歌舞伎座の良さが継承され、欠点は改善されていて、よくデザインされていることに感心、安心しました。
少し大きめに見えたのは、全体的に空間が広がったような感じがするからでしょうか(1階の柱がなくなったり、3階左右の座席が1列になったり)。
さすがにこけら落しで贅沢な配役ですが、「盛綱」も贅沢でしたね~(ちなみに、吉右衛門、仁左衛門、時蔵の3人が揃ったのは2005年の「盟三五大切」以来のような気がします)。
仁左衛門さんは初日から咳をしていたのが気になりましたが、そろそろお疲れが出てきたのでしょうか。こけら落しだからと無理をして体をこわすことのないように、と祈ります。
二代目松緑さんと吉右衛門さんは、体型も顔の形も違うので私の印象では重なったことはありませんでしたが、今の役者さんの中で松緑さんと重なる人がいるとすれば、確かにそれは吉右衛門さんかもしれませんね。
幸四郎さんもお疲れですか…。弁慶は大変に体力を使うそうですから、やはりちょっと心配ですね。
手拍子は、その日によって違うのかもしれませんね。歌舞伎も客も時代によって変化していくことを考えると、そういうものも受け入れなくてはならないのかなあと思います(自分の見方だって、昔の人からみれば変化の中の1つかもしれないし)。

投稿: SwingingFujisan | 2013年4月13日 (土) 21時08分

手拍子ですか
初日の引っ込みの時にも「発生」しました
困ったものです
もっとも「かけ声」だけで「(今一般に行われている)拍手」などもなかった(しなかった)時代もあったのでしょうから、応援(贔屓)の方法も時代によって変化するのかもしれませんが・・・
「守旧派」のわたしとしては、「手拍子」はNGですが、最近は宙乗りの時にも発生しますよね
「カーテンコール」とともに歌舞伎のお芝居には馴染まないものだと思いますし、そう信じ続けていたいものです
いっそのこと「手拍子は禁止です」なって場内放送しては?と思いますが・・・
これはさすがに無理な相談ですね

投稿: うかれ坊主 | 2013年4月16日 (火) 15時07分

うかれ坊主様
こんにちは。コメントありがとうございます。
時代が変われば観劇の仕方も変わってくるのでしょうね。澤瀉屋の宙乗りにも手拍子が起こるそうですが、物語の内容によってはぎりぎりセーフかなあと思います。舞台と客席が一体化するというのは大事なことですし、客席の熱気が手拍子となって現れるのでしょう。ただ、私も歌舞伎の手拍子には疑問を感じておりますので、自分はしません。今後も、こういう問題が議論を呼びつつ、歌舞伎は芝居も客も守るものは守り、変わるものは変わっていくのでしょうね。
カーテンコールは、ついつい期待してしまうこともしばしば(手拍子がどうとかあまり言えませんね)。とくに素晴らしいお芝居を見せてもらった後は席を立ち難く、役者さんにその気持ちを伝えたいと思ってしまいます。
今まで見た中で最高のカーテンコールは仁左衛門さん一世一代の「女殺油地獄」千穐楽でした。

投稿: SwingingFujisan | 2013年4月16日 (火) 16時51分

こんにちは。
昨日三部を見ました。三階最前列で義経一行の出が弁慶の顔まで見えるんで感動しました。
幸四郎さんは初日の様子をテレビで見て心配だったのですが昨日はそれほどお疲れの様子はなく六法の前の飛び上がりも見事でした。やっぱり初日前は稽古とか大変だったのかな…。

弁慶の引っ込みで手拍子は起きませんでした。あと、天を仰いで礼、のところでも拍手がおきませんでした!
女形の海老ぞりのところで拍手がおきるのも、キモチはわかるけど役者さんとしてはどう感じるのかな、と思う最近です。

投稿: urasimaru | 2013年4月18日 (木) 12時12分

urasimaru様
こんばんは。コメントありがとうございます。
3階最前列、期待大ですわ~。といっても、そこで見るのはかなり先になるのですが。
こけら落し公演で中心になる役者さんは、お若く見えてもやはり年齢が年齢ですし、色々力も入ってお疲れも出たことでしょうね。体調を崩すことなく千穐楽までつとめられますよう(すぐに来月の公演も始まりますしね)。
手拍子は起こらない日もあるようですね。礼で拍手が起きないというのはびっくりです。でも、演技が素晴らしいと拍手をするのも忘れて見入るということもあり、決まりのように拍手をするのがいいのかどうか、確かにちょっと考えてしまいます(三味線演奏なんかもそうですよね)。ただ、セリフが拍手にかき消されることは避けてほしいなと、いつも思っています。

投稿: SwingingFujisan | 2013年4月18日 (木) 22時43分

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