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2013年4月15日 (月)

アメリカの収集家の目:クラーク・コレクション

412日 奇跡のクラーク・コレクション(三菱一号館美術館)
13041501clark 最近、明るいけれどぼんやりとして、遠くから見ないとなんだかわからないような印象派に少し疑問を抱いてきてはいたのだけれど、以前に見たバーンズ・コレクションのようにアメリカの収集家はいいものを持っているし…と迷っていたところ、チケットをいただいたので行ってきた。
あとで知ったことだが、この日、来館者が10万人を突破し、10万人目の人にポスター、図録が贈呈されたんだそうだ。私もニアピンではあったのだろうがタダ券だから10万人目だったとしてもダメだったかも。それはともかく、10万人突破の瞬間は見たかったな。
さて、展覧会は、よかった!!です。アメリカの収集家の目は鋭い。図録はもう置場がなくて最近あまり買わなくなったので、後から作品を眺めて鑑賞時の感想を思い出すということができないが、その場で感じたことの中からごく簡単に。
印象派でもこんな絵を描くんだというほど、ぼんやり感がない。大半がはっきりとした絵で、見ていて気持ちがいい。展示作品はルノワールが圧倒的に多い。いかにもルノワール的な絵もあるにはあるが(有名すぎる絵に飽きがきかけていた)今回のコレクションには新鮮な魅力を感じた。ルノワールの中で気に入ったのは「眠る少女」。穏やかな幸福感を覚える。「劇場の桟敷席」は右の奥に男性の横顔が描かれていたが黒く塗り込められてしまったとのこと。X線で発見された男性の顔の入った絵の写真と見比べられるようになっていて興味深い。
モネも、モネらしい色使いを感じさせながら「これがモネ?」なのであった。
アカデミズムの画家であるアルフレッド・ステヴァンスの、隣り合って展示されていた2作品。「公爵夫人(青いドレス)」と「思い出と後悔」はともに手紙をモチーフとしており、両方の女性の物語の連続性というのか対照性というのか、見る者の心を絵の中に引っ張り込むような魅力がある。手紙といえばどうしたってフェルメールを思い出すし。また公爵夫人は「青いドレス」とカッコ書きがあるように、このドレスの青いビロード感(光沢、質感)がたまらなく素晴らしい。そして女性のバックはジャポニズムの世界。ステヴァンスってこれまで知らなかったけれど(見たことがあったとしても印象・記憶に残っていない。そのくせこれまでの自分の美術展の感想に入っていたりしてね)、かなりいいと思った。
ロートレックの「カルメン」と「待つ」。ともに私の(私でも、と言い直すべきかな)知っているロートレックとはちょっと違うような。「待つ」は女性の背中に漂う哀愁に心惹かれた。
展示73作品の最後はボナール「犬と女」。大学に入って最初に見た展覧会がボナール展であった。以来ボナールはずっと好きな画家で、ここに展示されていたのを見て、やっぱりボナールは好きだと改めて認識した。
三菱一号館は小ぢんまりしていて、展示作品数も疲れずに見るのにちょうどいい。そういえば、前回来た時には木の床に自分の靴音が響いて気が引けたものだが、今回は展示室のいくつかにカーペットが敷かれていて、安心して鑑賞することができた。

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