爽やかでカッコいい勘九郎実盛:明治座花形歌舞伎昼の部①
5月10日 五月花形歌舞伎昼の部(明治座)
明治座の席とりくんに初めて登録して先行販売で取ったのは3階正面後列上手側。明治座は親切に前日に「明日が観劇日ですよ」とお知らせメールをくれたし(これで日を間違える心配なし)、翌日にはサンキューメールがきた。Web松竹で完売でも席とりくんではまだ空席が少し残っていたりもする。次回、歌舞伎公演があれば、又席とりくんで取ろうと思った。
「実盛物語」
大向こうは1人だったし、拍手がそう頻繁に起こるわけでもなかったが、といって客席に熱気がないのではなく、お芝居に見入っているという印象で、とくに微笑ましい場面では思わず自然にという感じの拍手が湧いた。
勘九郎さんが実盛にぴったり。爽やかで大らかで温かくてかっこよくて。若いから大きさにやや不足は感じるものの、小万の腕を斬り落とした顛末を語るところもうまかったし(前に通しで見た「竹生島遊覧」が目に浮かんだ)、時代物役者として今後大いに期待できる。石切梶原とか見てみたい。
こういう演目では子役の出来が芝居の出来も左右しかねないが、子役ちゃんが可愛くて、上手。右足をチョンとだして見得を切るときなんかあんまり可愛くて拍手がいっぱい。筋書きを買わなかったのでお名前がわからない。
亀蔵さんの瀬尾は憎らしかった。その分、戻ったときには、手放した娘を思う父親の愛情の深さが胸を衝いて、哀れさにうるうるした。孫に手柄を立てさせるために自ら手を添えて刀を腹に突き立て、さらには首に刀を当てる(平馬返りがでんぐり返しになったのはやむを得まい)。まさに豪傑の立派な最期であったことよと瀬尾の死を悼んだ。しかし、新生児と出産直後の葵の前の眼前で繰り広げられる血の悲劇。武士の世界だなあと思った。
その武士の妻たる魂、位の高さを高麗蔵さんの葵の前に感じた。
錦吾さんの九郎助は血の繋がらない娘、孫への愛情が切々としていた。吉弥さんのおばあさん役はちょっと気の毒だけれど、この座組ではしょうがないのかな。こういう老け役でもこなす芸の幅の広さがあるから。
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