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2013年5月22日 (水)

意外と好きかも、ベーコン展~見応え十分オリンピックデザイン展

515日 フランシス・ベーコン展(国立近代美術館)
13052201kinbi へ~、面白そうと会期が始まる前に関心を持ったのは、「知は力なり」のあの1617世紀のイギリスの哲学者フランシス・ベーコンに関する展覧会だと思ったから。
そうしたら、哲学者とは全然関係のない、20世紀のアイルランドの画家のほうだった。ポスターを見る限り、あまり食指が動かない。チケットをいただかなかったらきっと行かなかったに違いない。
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日までの会期まであと10日とちょっとになってやっと仕事が1日だけあくことになり、朝から出かけた。
13052202kinbi 大まかな感想は、「ものすご~く好きかと言えばそこまではいかない。でも決して嫌いではない。とてもよくて惹きつけられる作品もいくつかあった」というところ。
ベーコンの作品は実はよくわからない。しかしほとんどの作品に丁寧な解説がつけられており、それを読むと、わかった気になって、作品の良さが伝わってくるのである。観客も多くなく、11つの作品をじっくり眺めることができるのもベーコンの理解にはよい(詳細は→ココでどうぞ)。
とくにベーコンの初期である1「移りゆく身体(1940s-1950s)」はわかりやすく、面白かった。「叫ぶ教皇の為の習作」は、ベラスケスの「インノケンティウス10世の肖像」に基づきながら、「戦艦ポチョムキン」からオデッサの階段で転落する乳母車に叫ぶ乳母からインスピレーションを受けているそうだが、はっきりそれがわかる(「日曜美術館」でその場面を見た)。気味の悪さもあるのだが、ちょっと心を揺さぶられるものを感じた。「ファン・ゴッホの肖像のための習作」はかなりいい。好きだ。
2章「捧げられた身体(1960s)」では、ポスターにもなった歪んだ顔の3枚の絵がやはり関心を惹く。ベーコンは同性愛者であり、恋人だったジョージ・ダイアという男性の顔を多重的に描いたような感じの絵が、構図を変えて3枚ある。ポスターやチラシでは一見、気持ちが悪いと思わないでもなかったが、本物を見ると、顔そのものを感じる迫力があって、気持ち悪さはどこかへ飛んで行った。ピンクの背景がとてもきれい。「横たわる人物像3」はまるで踊っているようなポーズである。
ここでは土方巽の舞踊の動画が流れており、そばに展示されていた舞踏譜は、そういうものを初めて見るせいもあってか、非常に興味深い。
3章「物語らない身体(1970s-1992)」3幅対の作品を中心に展示されている。広いスペースで3幅対の作品を堪能できる。3枚の絵が繋がっているようで繋がっていなかったり、やっぱり繋がっているようであったり…。好きなのは闘牛士をモチーフにした「三幅対」。
ベーコンの作品を見ると、人間の身体は「肉」であると思わされる。しかも、その肉は生きている。生きていて、その奥に精神、心があることを思わされる。

エピローグはウィリアム・フォーサイスがベーコンの作品をもとに振り付けた舞踊を、ペーター・ヴェルツが制作した映像インスタレーションが紹介されていたが、ここはそんなに関心なく、ちょっとだけ見てスルー。日本公開は初めてらしいが、関心ないものはないんだもの。
第何章だったか、ベーコン自身が作品について語る映像が流れていた。ベラスケスを見たことがあるかという問いに、「本物を冒涜しているようだから見ない」と答えていたのが興味深かった。ベーコンはいつも写真や画集をもとにして、時には写真をくちゃっと折ったりしながら描いていたのだ。

全作品数33点(エピローグの映像を入れると34)。少ないようだが、かなりの満腹感を覚えた。
なお、ベーコンは大半の作品を「『ガラス+金縁の額』という仕様での額装を指示していました。ガラスの独特の存在感が、見る人と絵の間に『隔たり』を生むことを好んでいたのです。そうした作家の意図を尊重し、多くの所蔵者が額装を当時の仕様のままにしています。その結果、反射が強くみづらいケースもあるかと存じますが、ご了承ください」という注意書きがあちこちに貼られていた。いったいに展覧会でガラスに入った作品は見づらくて苛立ちを覚えることがある。しかしベーコンはそれを狙っていたのだ、と思えば苛立つこともない。意外とすんなりベーコンの意図を受け入れている自分にちょっと驚いた。

この後、同じチケットで鑑賞できるMOMATコレクション」(さすがの作品揃い)、「東京オリンピック1964デザインプロジェクト」を見たが、オリンピックがとてもよかった。とくにシンボルマーク決定、4種*のポスターデザイン決定までの経緯は見応えある(→ココに詳細が出ていた。ぜひご覧を)。あのポスターデザインを手元に置いておきたいがためにカタログを買う気になったが、やっぱり最後は自重した。
写真は4階「眺めのよい部屋」から。ここは窓際に椅子がずら~っと並べられ、休憩に最適。なのにだ~れもいないのがもったいないような、1人占めの贅沢を味わえてうれしいような。
帰りは爆睡し、図録がわりにもらってきた作品リスト(展示作品数が少ないためか、年譜がついているのが嬉しい)を電車の中に置いてきてしまい、後日鑑賞した息子にあらためてもらってきてもらった。

あと、何日もないけれど、ベーコン展、お勧めです。

*以下の4種
・真っ赤な太陽の下に五輪マーク、その下に
TOKYO 1964の文字があしらわれたシンプルで美しい1
・陸上短距離スタートの瞬間の1枚(緊迫感、ダッシュ感)
・バタフライで泳ぐ選手を正面からとらえた1枚(水しぶきが見事)
・聖火ランナーが力強く夕暮れの町を走る1

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