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2013年6月20日 (木)

大いに盛り上がった6月歌舞伎鑑賞教室

618日 歌舞伎鑑賞教室(国立劇場大劇場)
例のごとく、3階最後列を取ったのだが、今回は私の前の列まで学生でいっぱい。一般の客は私と同様3階最後列に集中していたほかは3階席のところどころに散見しただけ。
これまで、3階席まで学生が入ったという記憶はないから(こういうこと、あったっけ?)びっくりした。
開演前の黄色い声、野太い声、さまざまな声が少し煩わしく感じられるようになったのはこちらがトシを取ったせいだと思う。
開演までの間に何となくプログラムを開いたら、表紙裏に河竹登志夫さんの観衆のことばがあり、胸を衝かれた。高校生たち、ちゃんと読んでくれたかな。
「歌舞伎のみかた」
開演時間の1430分、いきなり闇に包まれた。その時の嬌声といったら!! 大音響で流れる音楽がほとんどかき消されて聞こえない(「ガリレオ」のテーマ曲らしいが、録画しっぱなしで見ていないうえに、聞き取れないので多分ってことで)。
一瞬のうちに明るくなって、舞台に隼人クンが。するとまたまたスゴい歓声。最近、イケメン歌舞伎役者としてあちこちのワイドショーが取り上げたりゲストで出演したりして知名度が上がっているせいか、とにかく一つひとつの行動に対する反応が大きい。ちょっと右から左へ動いただけで「きゃぁっ~」、ちょっと客席に笑顔を向けただけで「きゃ~~っ」。なんかアイドルのショーにでも来たみたい。
花道に虎之介クンが現れ手を振ると、興奮度が又上がり、客席からも女の子たちが手を振る。虎ちゃん15歳、隼人クン19歳と年齢を言うと、今度は「え~~っ」。
虎ちゃんをアシスタントに隼人クンが巧みな進行を見せる(学生たちに話しかけるような調子で、喋りがとても自然なのだ)。同年代の客の心をつかむのがうまいと、すっかり感心してしまった。
大ゼリは上がり切ると2階席と同じ高さになる。
歌舞伎発祥は江戸幕府が出来た年のことで、モモクロみたいな集団のダンスパフォーマンスが歌舞伎踊りの発端である。→ここで「出雲の阿国の『かぶき踊り』」という垂れ幕がじゃ~んとおりる。
当時の歌舞伎見物はディズニーランドに行くみたいな感覚だった。→「誰にでも気軽に楽しめるエンターテインメント」の垂れ幕。
そして最後は「時代とともに進化し続ける演劇!!」の垂れ幕で、歌舞伎というものの説明が締めくくられる。
次に「紅葉狩」の説明。
義太夫(竹本)、長唄、常盤津の掛け合いを実演して見せてくれた。
それぞれが三味線によるガリレオのオープニングテーマのメロディーに合わせ「さっぱりわからない、実に面白い」(ガリレオ、湯川先生のセリフ)と語り、唄う。3種の聞き較べである。最初笑っていた学生たちも、その違いに興味をもったようだった。聞き較べの後は三者同時演奏で「くすりみず」(これは、実際に「紅葉狩」の中で演奏される)。
隼人クンが「三味でJポップを演奏することはめったにないので貴重な演奏をお聞かせしました」と締める。
突然、虎ちゃんが隼人クンに斬りかかる。最初は軽くあしらっていた隼人クンだが、虎ちゃんの勢いにこれではいかんと襷をかける。客席「うぉ~っ」の歓声。2人の激しい立ち回り(これ、スピーディーでけっこう見応えあった)。
やがて虎ちゃんがどこかへ姿を消してしまい、裃後見から水をもらって一息ついた隼人クンが裃後見の説明をする(襷をかけるのを手伝ってくれた人、っていうことから)。裃後見は蝶一郎さん。
そしてツケ打ちの説明をしながらツケに合わせて隼人クンが見得を決めたところで「よろずやっ」の大きな掛け声。なんと、その声はいつのまにか2階席に姿を現した虎チャンであった。いやいやもう、客席は大騒ぎ。舞台で喋る隼人クンの声が届かないほどのコーフン状態。何とかすこ~し落ち着かせ、舞台と2階で女形の形を実演してみせる。みんなも一緒にということで、肩甲骨をくっつけるようにして云々を2人がお手本を見せると、高校生たち、ちゃ~んと真似してやっていた。あちこちで「むずかしい」「できない」の声が聞こえる。
この後、虎ちゃんはみんなに手を振って舞台に戻る。この時もきゃあきゃあ大変な嬌声であった。
紅葉狩のストーリー説明の時。「戸隠山には鬼女がいて、それを平維茂が退治したという伝説がある。維茂が紅葉狩をしていると、美しい女性たちに出会った」との隼人クンの言葉に、虎チャンいきなり隼人クンのほうに向き直り「じゃ、それが鬼女」と息せき切って言う。隼人クン「しっ、それから先は」ととどめる。そして「キミ、近すぎるよ」。これには場内大爆笑であった(キスしそうなほど顔が近かったのよ)。
解説が終わり2人が花道を帰ろうとするところへ、所作板が1枚運ばれてきた。そこで所作板の説明があり、これで本当に終わり。2人がスッポンに姿を消す時も大変な歓声・嬌声の大騒ぎで、こんなに客の反応が良くて盛り上がった「歌舞伎のみかた」は初めてだ。大成功だね、隼人クン、虎ちゃん。大人の私もとっても楽しかった。

「紅葉狩」
長々と歌舞伎のみかたを書いた割にはこちらは書くことが少ない。というのも、眠くて眠くて。
山左衛門さんの腰元岩崎には客も笑っていたが、化粧が普通であるために、三枚目であることがはっきりわかったかどうか。この際はほっぺまっ赤っかなどの化粧にしたほうがよかったのではないだろうか。
隼人クンは想像したよりきれいだった。以前、女形をやったときに比べて少しずつ成長しているのだなと思った。でも膝の曲げ方にやや無理があるのは課題かも。隼人クン自身は立役の方向で決めているようだが、今はまだ女形も勉強として必要であるようだ。
虎チャンの山神はちょっと幼い印象もあったが、こんな危ないときに何を寝ているんだ、どうして起きてくれないんだ、という苛立ちが感じられた。
錦之助さんはこういう貴公子が自然に身についている貴重な役者さんだと思う。おっとりと品がよく、やわらかく美しく、「十二夜」の大篠左大臣を髣髴させる。そして武士としての勇ましさもあり、本当にステキだった。
扇雀さんは、私が目覚めて見ているわずかな間に扇の扱いに伴って考えられないような大きなミスが3つもあり(こんなの初めて見た)、また鬼女になってからの動きにも精彩がなく、かなり体調が悪いのではないかと心配になった。
<上演時間>歌舞伎のみかた30分(14301500)、幕間20分、「紅葉狩」70分(15201630

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