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2013年6月 5日 (水)

六月歌舞伎初日第三部

63日 歌舞伎座杮落公演六月大歌舞伎初日第三部(歌舞伎座)
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週続けて土日に仕事がほとんどできなかったので、けっこうしわ寄せがきて、感想もなかなか書けない状態です。
初日はやっぱり雰囲気が華やか。この日は音羽屋ご家族勢揃いで、菊五郎夫人・菊之助夫人はもちろんのこと、寺島しのぶさんローランさんご夫婦も。そういえば、舞妓さんたちの姿も開場前に見かけました(音羽屋さんたちは写真NG。舞妓さんたちはOK)。
「御存 鈴ヶ森」
吉右衛門×勘三郎のあの舞台を見てしまうと、ハードル高くなるよねえという感じ。
幸四郎さんは大きさはあるけれど、あのセリフ回し(な~んとなく説明的な印象なのだ)、裏返る声(どうしても不安定に感じる)がどうも私には聞きづらい。最後の悠々たる引っこみなんて、大きくてカッコいいんだけどな。
梅玉さんはやわらかみがあって品もよくおっとりとした中にも武士であることを感じさせるが、もう少し若さが見えてもよかったかな(決して若くなくはないのだけど、もうちょっと…)。あと、雲助との立ち回りが微妙にうまく合っていないような気がした。
北海の熊六の家橘さんがワルそうでよかった。
飛脚の錦吾さん、肩にかついだ刀に差した小箱(手紙が入っている)が、雲助に囲まれた途端、落ちるハプニングがあったが、慌てず騒がず拾い上げたが、本来身ぐるみはがされる時に小箱が一つぽつんと落ちているものを、先に落ちちゃったものでなんか落ち着かない気持ちがした。
初日だからか、全体にちょっと張りつめたものが感じられないような気がしたが、日を重ねるに従って役者どうしの間も合うだろうし、よくなっていくと思う。
そういえば、「鞘当」が「鈴ヶ森」より先に第一部で上演されているんだね。
「助六」
出かける前に上演時間を見たら、終演が915分。きついな~と思っていたけど、「助六」はとにかく配役が豪華だし、楽しくて2時間ぜ~んぜん長いと思わなかった。
口上は幸四郎さん。助六の由来のあと、團十郎さんが亡くなったことに触れ、歴代團十郎から伝わる家の芸、團十郎にかわり海老蔵が務める、一生懸命務めるだろう、よろしくと述べる言葉を聞いたら、泣きそうになった。
並び傾城は壱太郎、新悟、右近、米吉、児太郎と若い面々。芯の壱太郎クンがさすがに中では貫録があり、いずれ揚巻をやりそうな予感がした。新悟クンはやっぱり声がいい、好きだ。右近クンは古風さがあり、新悟クンの声質とは違う落ち着いた声がいい。
壱太郎クン付きの新造に梅之さんがいた。右近クンには春希クンが付いていた。
文使い番新の歌江さん、遣手に時蝶さん――嬉しかった。
超ベテランが元気に舞台に立てば、吉太朗、福太郎の子役2人も禿で愛らしい姿を見せて、胸が熱くなる。

助六が登場するまで約50分。海老ちゃん、どんなにか緊張していただろうと思ったけど…。
私の席からは花道七三からしか見えないので、助六の出はほとんど下駄の音だけ。やっと視界に現れた助六はきれいだし、かっこいいし、ステキだ。まあね、團十郎さんと比べたらまだまだだと思うけれど(時々、ちょっと投げやりに見えてしまう。演技でない不良性が垣間見えて、それが江戸っ子の粋を邪魔しがち…。ちょっとシャープすぎたりもする?)、華はまさにぴったり。海老ちゃんの魅力は不動である。ますます精進して、海老蔵なりの助六としてこれからも大物役者さんたちが色々な役で付き合ってくれるような役者になりますように、と海老好きとしては願わずにいられない。
でも白酒売りの菊五郎さんが出てくると、やっぱり團十郎さんで見たかったな、と言ってもしょうがないことを思う。
福助さんの揚巻がよかった。きれいで、きっぱりとして格の高さを感じさせる。ただ、2度の「うふふふふ」はあまり品がなく、客席も苦笑気味。
髭の意休といえば左團次さん。あの悪声(失礼)も含めてもう意休イコール左團次さんで、他の意休は考えられない(と言いながら歌六さんで1回見ている)。
吉右衛門さんは3カ月の杮落し公演ほとんど出ずっぱり。身体、大丈夫だろうかと心配になるのは私だけではないだろう。ところで私はこれまで吉右衛門さんのくぁんぺらみたいな役はあまり好きじゃなかったけれど、今回は好きかもと思った。そのくせ、ここだけほんの少しの間眠くなってしまった。
三津五郎さんの通人が達者で笑わせる(さよなら公演の時は、助六はもちろん團十郎さんで、通人は勘三郎さんだったっけ)。股をくぐれと命じられると「じぇじぇっ」と大仰に驚く。白酒売りにも同じことを命じられると今度は「どっしようかなぁ」と頬に指を当て「オッケー」。くぐった後、珍しいことをしたから呟こう、とケータイを出し、「ついでに海老蔵のブログを見よう」と笑わせる。「1日に4回も5回も更新していて、意外にマメなヤツなんですよ。今日も助六の前に更新している」と読み上げる。「團十郎さんも宇宙から見ていることでしょう」「十四代目が生まれた、十四代目が助六をやるまで歌舞伎座をいっぱいに」には泣かされた。
千穐楽にも見るので、又。
<上演時間>「鈴ヶ森」40分(18001840)、幕間30分、「助六」125分(19102115

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コメント

福助さん(最後の打掛、二枚かわるがわる使うそうです。楽日別のが見られるといいなあ。)の声が変だったのが心配だったのと、吉太朗、福太郎くんの体格差にびっくりしたのと、(笑)菊之助が出てきたときの拍手がすごくて、先月から続く勢いを感じたのが印象に残っています。
揚巻に肩を貸す若い者が橋吾さんでした~

投稿: urasimaru | 2013年6月 6日 (木) 11時26分

urasimaru様
こんにちは。
打掛情報、ありがとうございます。千穐楽は初日と別のものを使いそうな気もするし、同じもののような気もするし…coldsweats01
福助さんの声は気がつきませんでした…
吉太朗クンと福太郎クンの体格差、私もちょっと驚きました。個別に見ていても吉太朗クンは大柄、福太郎クンは小柄だなあとは思っていたのですが…。
菊ちゃんと吉右衛門さんのあの絡みはミーハー的にも興味津々でしたが、その途中でちょっとダウン(残念)。
そうそう、揚巻に肩を貸していたの、橋吾さんでしたね!! すっきりいいお顔がよく見えたのも嬉しかったです。

投稿: SwingingFujisan | 2013年6月 6日 (木) 12時41分

さよなら公演の2倍の人気だという助六。
堪能しました。
河東節も今回は50名も若い人が入ったそうです。
プラチナチケットになるのも頷けます。
海老蔵の助六は100%11代目の形でしたね。
12代目の田舎臭さがなくて、すっぱり切ったフルーツのような匂うような芸容に今後の成田屋、大いに期待してます。

投稿: 時子 | 2013年6月 7日 (金) 16時38分

時子様
こんばんは。
コメントありがとうございます。
今月第三部は最初からすごい売れ行きで、團十郎さんに捧げる海老蔵・助六の人気はさすがですね。
河東節、いいなあと思って聞いていました。50人も若い方が!!

11代目の助六は見たことがないのですが、海老蔵さんが11代目に憧れていることを思うと、その形になるのは当然のことなのかもしれませんね。11代目の助六、見てみたいですわ~。
美しさと華は群を抜いており、まさに助六役者の海老蔵さんですが、私は早くも8月のABKAI、そして9月の歌舞伎座が楽しみでなりません。

投稿: SwingingFujisan | 2013年6月 8日 (土) 00時20分

今晩は。歌舞伎座三部の感想、興味深く読みました。私は楽近くの観劇予定ですが、助六楽しみです。
私は先週、一二部見てきました。「喜撰」と「俊寛」が素晴らしかったです。三津五郎の喜撰、何度も見ましたが今回が最高です。気合の入れ方が違います。これも結構な、時蔵の淡白ながらしっとりとした踊りの振り一つ一つに三津五郎が的確に反応、かつ、ちょぼくれ、悪身ともに軽さがあり眼福でした。
一方、俊寛の吉右衛門、前回は妙にあっさりしてがっかりしたのですが、今回は別人のように濃密な性格表現、時代物の最高峰です。絶海の孤島での、さまざまな不運にあい、精神的に尋常でない、人間の凄みがこれほど感じられた俊寛は稀です。対する、周りの諸役がすべてはまり役、別れの舳先の姿形の良さ、情が溢れる仁左衛門、手強く、はらもある左団次、正統二枚目の梅玉、決して騒々しくなく芸の若さが感じられる芝雀等、本当によいものを見ました。

投稿: レオン・パパ | 2013年6月10日 (月) 19時53分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
「喜撰」と「俊寛」、そんなにいいですか。明後日見に行きます!!
三津五郎さんも吉右衛門さんも今が円熟期でしょうか。あるいは、歌舞伎座で再び演じられるという気概が演技にも表れているのでしょうか。正直言うと、歌舞伎を見始めてからかなりの間、吉右衛門さんはあまり好きではありませんでした(何しろ、ミーハーですから)。ところが、いつの頃からか、じわじわじわじわと吉右衛門さんの良さが心に沁み込んできて、今では吉右衛門だから見に行こうというほどに成長しました。
助六はごちゃごちゃ書きましたが、あれだけの役者の中に入っても海老蔵さんの存在感が薄れないのはさすがだと思いました。そばで見たかったです。

投稿: SwingingFujisan | 2013年6月10日 (月) 23時19分

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