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2013年8月21日 (水)

第1回ABKAI

818日 第1ABKAI千穐楽(シアターコクーン)
カーテンコールが45回あったし、スタンディングオベーションをしている人もいたから、とてもよい公演だったのかもしれないけれど、先に謝っておきます。私にはどうもそのよさがわかりませんでした。千穐楽のチケットしか取っていなかったし、それも一番安い三等席(私が海老蔵を見るのにここまでケチるとは…)だったけれど、正直正解だったと思いました。座席はコスパに優れていて、舞台がとてもよく見えたことには満足、でもお尻がモーレツに痛かった~。
各演目の詳しい内容はurasimaru様の「たまてぼっくす」で→ココ
「蛇柳」
どうしてもやっておかなくてはいけない仕事で前夜遅かったため、途中で眠くなってしまった。四世團十郎初演時の数少ない資料や高野山の伝説をもとに新たな舞踊劇として構成されたそうだし、勘十郎さんの振付というので期待していたのだが…。
松羽目ならぬ柳羽目とでも言おうか、能がかりで始まり、丹波の助太郎(海老蔵)と高野山の高僧(愛之助)の問答の途中からダウン。気がついたら助太郎が妖怪(蛇柳の精魂)になっていて、蛇柳の分身たちと暴れていた。
やがて、1階後方から押戻しの声が聞こえてきて、それがどう考えても海老ちゃんの声なのであれれ? 精魂は長いかつぎをかぶっていて顔がよく見えず、後で考えてみればなんとなく違和感がなくもなかったのだけど、いつ入れ替わったのかぜ~んぜんわからなくて本当にびっくりした。押し戻しの金剛丸照忠の口上は千穐楽バージョンだった。
舞台の中央に置かれた庵とか、雰囲気とか何となく黒塚を思わせるが、最後は道成寺風だっただろうか。

「疾風如白狗怒濤之花咲翁物語(はやてのごときしろいぬどとうのはなさきおきなものがたり」
緑色の虫姿の福太郎クンが定式幕をあけると舞台に浅葱幕がかかっている。「むかしむかしのあるところ、むかしむかしのあるところ」で、福太郎クンが上の山台にいる浄瑠璃に手を振ると語りが入り、浅葱幕が振り落される。村人たちが花見で踊っていると、雷雨がきてたちまち洪水が起こる。波布が舞台から客席を渡るのが見事だった(サッカー以外でこんなの見たことない)。
「花咲かじいさん」をもとにしたお話であり、昔話は渡辺えり子×勘三郎の「今昔桃太郎」や「舌切雀」が面白かったので期待したのだが、私はあまり楽しめなかった。環境問題というメッセージが込められているのはいいのだが、なんとなく薄っぺらい感じ。白狗の海老ちゃんも海老蔵本来の魅力は薄い。犬の衣裳にも工夫が欲しかった。もう一役のワルじいさんのほうが海老ちゃんらしさがあるような気がしたが、それもイマイチ。蛇柳でも感じたことだが、やっぱり海老ちゃん、声が安定していないというか、変に作り過ぎる気がして、私には媚びが感じられる。海老ちゃんの声はとても魅力的だと思うに残念だ。
好感がもてたのは、いいじいさんとばあさんの愛之助・吉弥さんのとても歌舞伎らしい熱演だったが、それだけになんかちょっと気の毒に思えたりもしてしまった。市蔵さんは、市蔵さんらしい役だったかもしれないけれど、やっぱりちょっと気の毒な感じがした。
福太郎クンが何回か出てきて可愛かった。
海老ちゃんの意欲は買うし、面白い部分が全然ないのではなく点在はしていたし、歌舞伎のハードルを低くしたのかもとは思うけれど、まあまだ手探りの実験段階なのかもしれない。色々不満を書いたけれど、第2回のえびかいがあったら、やっぱり見に行くだろう。
<上演時間>「蛇柳」35分(13301405)、幕間25分、「花咲かじいさん」75分(14301535

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