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2013年8月

2013年8月30日 (金)

見ごたえあって面白い「大妖怪展」はあと2日

828日 大妖怪展――鬼と妖怪そしてゲゲゲ(三井記念美術館)
見たいと思いつつなかなか機会がなかったが、やっと駆け込みで行くことができた。行ってよかった!!
まずは展示室12「浮世絵の妖怪」から。
国芳、芳年がいっぱい。国芳展でも見た「相馬の古内裏」は前期の展示で後期は「源頼光公館土蜘作妖怪図」になっていたが、これも国芳展で見ており、記憶を新たにした。「竹沢藤次 独楽の化け物」(国芳)は初めてかも。累の場面が描かれているそうだが、わからなかった。
妖怪・鬼系は歌舞伎の演目にあるものが多いから嬉しい。
「葛のきつね童子にわかるるの図」(芳年)は障子に映る葛の葉の顔が狐なのが悲しい。「五拾三次の内 猫の怪」(芳藤)は国芳の弟子らしく、複数の猫で1匹の猫の顔を表したもの。「老婆鬼腕を持去る図」(芳年)では、去年見た松緑さんの「茨木」を、展示室4の「道成寺絵巻」では玉三郎さんの「日高川」を思い出した。
展示室3妖怪フィギュア。「外道を調伏する安倍晴明」の模型である。展示室4に展示されている「泣不動縁起」の図を模型にしていて、フィギュアとはいえ絵で見るだけではないリアル感がある。妖怪たちの表情がなんともかわいい。
展示室4「鬼と妖怪」で、「鬼神(荒ぶる神の擬人化)」、「天狗と山姥(冥界の魔物)」、「怨霊と幽霊(人間の鬼神化、妖怪化)」、「動物の妖怪(動物の擬人化、妖怪化)」、「器物の妖怪(器物の擬人化、妖怪化)」「百鬼夜行」とさまざまな妖怪たちがいる。さらには室町時代、桃山時代の能面も展示されており、興味深い。
展示室5「近世・近代の妖怪」で、「化物尽絵巻」は妖怪図鑑みたいなもの。また「妖怪双六」(芳員)とか明治時代の「しん板 かはりうつしゑ」などという遊び心も楽しい。
展示室6「近世・近代の妖怪研究」のパネル展示。時間がなかったので流した。
展示室7はいよいよ水木しげるワールド、「現代の妖怪画」。ゲゲゲの原画が25点、たっぷり楽しめる。どの絵もていねいに細かく描かれており、とてもきれい。「がしゃどくろ」は一目で国芳の「相馬の古内裏」をもとにしたものをわかる。「花子さん」、「口裂け女」といった都市伝説の妖怪もいる。そういえば、トイレは子供の頃、こわい場所だったなあ。私が好きなのは「妖怪たちのお祭り」と「鳥取境港でくつろぐ鬼太郎ファミリー」。前者は「♪夜は墓場で運動会♪」と思わず口ずさみたくなるような楽しさ(お祭りであって、運動会じゃないんだけどね)。後者は鬼太郎、目玉おやじ、猫娘、ねずみ男、児啼爺、砂かけ婆、一反木綿、塗壁が、まさにくつろいでいる。娘と行った境港の思い出が甦るのである。「鬼太郎の行水」も可愛らしくていい。
1
時間程度で見られるものと踏んで行ったら、とんでもない。点数は100点に満たないと思うが、1時間半でも足りないくらい。どの作品も状態がよく見応えがあった。91日までと、あと2日しかないが、関心とお時間のある方はぜひ。

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2013年8月29日 (木)

待望の南座顔見世発表

澤瀉屋の襲名地方公演は全部行くつもりで張り切っていたのだけど、まったくどこへも出かけられなかった。南座はしめくくりだし、顔見世でもあるから絶対行きたい。
待ち遠しかった演目が発表になった。詳細は→ココ
私としては8年ぶりに「児雷也」が見られるのが楽しみだが、役名と時間から考えて序幕の一部あるいは序幕全部かしら。梅玉さんの児雷也というのはちょっと想像がつかないだけに楽しみ。
ほかに、初めて見る「日招ぎの清盛」、中車さんの「ぢいさんばんさん」、富森助右衛門、猿之助さんの「狐忠信」、「黒塚」、そして時蔵・梅枝親子の「道行旅路の嫁入」も楽しみである。
今回は藤十郎・翫雀親子の「道行雪故郷」、仁左衛門・孝太郎親子の「二人椀久」と3組の親子による舞踊が組み込まれているのが興味深い。
ただ、南座の顔見世はスケジュールとしてかなりきついから(朝は10:30開演で、昼も夜も5時間なんだもの)体力温存しておかなくては。

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2013年8月28日 (水)

蛇柳、入れ替わりのナゾ解ける

ABKAIの「蛇柳」で、途中蛇柳の精魂が海老蔵さんから吹き替えにいれかわったのだが、どのタイミングでどう替わったのかぜ~んぜんわからなかった。そのナゾが今日の「NEWS ZERO」で解けた。
精魂が襖の下に顔を隠した時がそのタイミングで、吹き替えは獅一さんだった。押し戻しとして海老蔵さんが現れるまで入れ替わったのがわからなかったのは、獅一さんが海老蔵お面をかぶっていたからだということも判明。
獅一さんは動きを海老蔵さんに厳しく指導されて、お面の下は汗びっしょり。でも、こういう時こそチャンスだ(本人も、できなくて情けないけれど、細かく教えていただけるのはありがたい、って言っていた)。もう終わったことだけど「獅一、がんばれ!!」と思わず声をかけたくなった。

海老蔵さんは古典を継ぐ役者(團十郎)と新しい歌舞伎を切り拓く役者(勘三郎)の両方が亡くなったことに危機感を覚えたようだ。「誰かがやってくれると指をくわえている場合じゃない」と。海老蔵さんのそういう思いは大切だし、応援したいが、この前のABKAIはやっぱり私にはちょっと…という感じ。2回目以降に期待したい

ZEROは見る予定じゃなかったけれど、仕事に飽きて久しぶりに海老ちゃんのブログを覗いたら、今日ZEROに出るかもって書いてあったから。急いでテレビをつけたら、ちょうど海老ちゃんの特集が始まるところだった。ラッキー。

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2013年8月27日 (火)

物づくりの心を感じる「幸之助と伝統工芸」展

820日 幸之助と伝統工芸(パナソニック汐留ミュージアム)
チケットをいただいたので、趣向の華の帰りにちょうどすぐ近くだしということで鑑賞してきた。
まずミュージアムの入り口前で、約13分の映像を見る。面倒だなあと思ったものの「必ず展示映像を見てから会場にお入りください」と立札があったから。でもこれは見ておいて正解。わずかの時間ながら松下幸之助のモノ作りへの思いが伝わってきて、ただ展示品を眺めるだけよりずっと展示品に興味をもてた。
「第1章 素直な心――幸之助と茶道」、「第2章 ものづくりの心――幸之助と伝統工芸」に分かれ、第1章では茶碗、茶杓、壺、花器などが、第2章では壺、鉢、皿、花器、布地、着物、人形などが展示されていた。
前期・中期・後期で展示替えがあり、私が見たのはもうあと5日で終わりという時なので後期も後期(会期は413日~825日)。1718世紀の古いものもあったが、松下幸之助と同時代の作家の作品が多かった。
幸之助は京都に真々庵(しんしんあん)という別邸をもち、その茶室で茶を嗜んだそうだ。第1章に展示されている作品はどれも派手さはなく、素朴だったり大らかだったり、心をのびやかにしてくれる美しさがあった。
2章に展示されていた清水卯一作「藍青瓷鉢」(1978年頃)は氷裂文の入った大皿で、幸之助が本社貴賓室にて1978年に伝統工芸作家たち(森口華弘、黒田辰秋、角谷一圭、羽田登喜男)と会談した際に花入れとして用いられたもので、とても素敵な使い方だと思った。幸之助は自分の物づくりに対する思いをこうした伝統工芸作家たちの姿に重ねていたようだ。
今回、特別展示として「萬暦赤絵方尊式花瓶」と「萬暦赤絵枡水指」が公開されていた。前者は中期からの公開で、しかも初公開。とても鮮やかで美しく保存されており、幸之助が大事にしていたことが偲ばれた。
もしかしたらスルーしてしまったかもしれないこの展覧会、行かなかったら、松下幸之助が茶道に親しんでいたことも、こうした伝統工芸を支援していたことも全然知らないままでいたに違いない。
今のパナの状態を幸之助は泉下でどう思っているだろうか。

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2013年8月26日 (月)

9月配役変更発表

心配な三津五郎さんの降板ですが、9月演舞場の代役が発表になりました。
綱豊卿は橋之助さん、富森助右衛門は翫雀さん。
「不知火検校」の石坂喜内は左團次さん。
「馬盗人」のならず者は翫雀さん、百姓は橋之助さん。
そして、特別舞踊の演目が「峠の万歳」から「幻椀久」に変更になりました。
舞踊はまだ迷っているのだけれど、「峠の万歳」は見たかったなあと残念に思います。
でも、願いは三津五郎さんの体調回復が一番。
詳しくは→ココで。
なお、三津五郎さんは膵臓に腫瘍が見つかったそうで、7月にはすでに検査で発見されていたとのこと。膵臓の腫瘍は早期発見が大変難しいので、早く治療できるのはよかったけれど、治療後の食事管理には細かい注意が必要だし、十分体力を回復してから復帰していただきたいと思います。決して焦らず無理せずに。

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心配、三津五郎さん

三津五郎さんが体調不良で9月の演舞場を降板となったそうだ。
役者さんの健康状態が本当に心配な昨今で、勘三郎さんのこともあるし、若いからと安心はできない。
9月はゆっくり休んで、必ずしっかり回復してください。次の機会の新三、楽しみにしています。

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2013年8月25日 (日)

案ずるより産むが易し

1週間くらい前から痛みはないのだけど喉にちょっと違和感があって、腫瘍かもしれないなんていう不安が頭をもたげていた。診察を受けたかった木曜日は休診だったので、翌日、「挑む」の後に医者に行った。「喉に違和感があるんです」と言った途端、「胃カメラですね」って。
「え? 喉なんですけど」
「声帯より奥はあ~って口開いても見えないんですよ」
というわけで、人生ン十年にして初の胃カメラ体験をすることになった。
「初めてなんです…」と心細くなって思わず口にしたら「何でも初めてがありますから」って、それは私もよくよくわかっているよぉ。
早いほうがいいと思ったので、翌日、つまり24日の朝イチで予約を入れた。
前夜8時前には食事を終え、水かお茶は翌朝7時まではOKと言われたけれど、なんとなく検査まで一切飲まなかった。
当日、まずは胃の泡を消す薬を飲む。ごく少量だけど、あんまりおいしくない。次に鼻にスプレーをしゅっしゅっとされた。左右の鼻のうち通りのいい方を選ぶんだそうだ。
ほとんど差がなく、どっちでもよかったが左を選んだ。
すると左の鼻に麻酔みたいなのを入れる。喉に流れた薬は飲み込む。鼻から流れてきたものを飲みこむって気持ち悪い。
次にゼリーみたいのを口に入れ、5分間喉に留めておく。これが結構気持ち的につらい。本でも読んで待ちたいところだったが、1秒ずつ数えて待つ(私は何もすることがない時、よく1秒ずつ数える)。看護師さんが5分経ったから飲み込んでいいと告げにくる。本当は3分くらいだったんじゃないかな。なんとなく喉がマヒしてきた感じ。
鼻の薬も喉の薬もまずいというほどではないが、あまり好きな味ではない。
それから左手に注射を打たれた。鎮静剤らしい。そして鼻に20cmくらいの長さの管を試験的に通された。「これが通らなければ口からにしますね」。通ってください。奥に入る時ちょっとうっとなった。でも痛みはないし、ちゃんと通ったのでこのままいきましょうということになった。
そこからの記憶はまったくない。どうやら、この直後に完全に意識がなくなったらしい。気がついたら11時前。2時間弱ぐっすりだったことになる。な~んにも知らない間に胃カメラは私の食道を通り、胃を撮影したようだ。
終了後はちょっと喉に痛みを感じた。それにまだ、ややぼうっとしている。
写真を見ながら医師の話を聞くと、胃にポリープいくつかある。喉頭蓋にもポリープがある。いますぐ取る必要はないが、取りたければ病院を紹介すると言う。放置しておいて大丈夫ならそれに越したことはないので、今回は一安心ということで、手術は受けないことにした。今後は定期的に健診を受けるように気をつけよう。
しかし、怖くて怖くて絶対受けないぞと決めていた胃カメラだったのに、バリウム飲むよりずっと楽だったわ。定期健診のバリウムのほうが恐怖に思えてきた。
一安心したところで、歌舞伎座千穐楽の第二部「髪結新三」を幕見で見たいところではあったが、ひどく体力を消耗していて帰宅後横になったまま起きられず、断念。もっと早く行けばよかったのだけど、あまりの暑さを言い訳にぐずぐずしてしまった。というわけで、今月の私の観劇は「挑む」で終わったのでありました。

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2013年8月24日 (土)

第5回「挑む」

823日 「挑む 傾く者の繋ぐ技量」昼の部(日本橋劇場)
今年で5回目となる松也クンの自主公演。なかなか予定が決められず、チケットを取るのが遅くなってしまい、2階席をなんとか取った。日本橋劇場の2階席は見やすいのではあったが、2列目下手側の席からは花道は見えず、ちょっと残念。でも、観劇に来ていた壱太郎クン、蝶紫さんを見ることができたので嬉しかった。
まずは、音一朗(いつの間にか、「郎」が「朗」に変わっていた。きづかなかった)、國矢、左字郎の3人がスーツ姿で登場。おやっと思ったら、第1回も國矢さんと左字郎さんがスーツ姿で挨拶に立ったそうだ。そうだ、って実際見ているのに忘れていた。そういえば…だったかなと、自分のブログをひっくり返したらそうだった。
1回で大向こうの話をしたという話題になり、音一朗さんが「今日の出演者では、左字郎さんと國矢さん以外はみんな音羽屋。國矢さんは紀伊国屋、左字郎さんは高島屋で…」と何か言いたそう。第1回の時に「デパートと本屋」という話になったのはよく覚えているが、今回もそんな話になった。にやにやしている音一朗さんは「屋号はこの3種類なので皆さんも大向こうに挑戦してください」。
左字郎さんが、この後の演目、舞踊「助六」の説明をする。歌舞伎十八番の「助六」を題材にした踊りで、若武者としての荒々しさ、スーパースターとしての色気がたっぷりである。素踊りなので、普段の歌舞伎では見ることのできない素の松也さんが見られますって。
それから、5年という節目の年なのでグッズを作ったと千社札が紹介された。そして左字郎さんが使い方の一例としてポケットから白いケータイを取り出し、べったりと貼る。
音一朗さん「それ、ボクのケータイです。カメラのところにも…」。(レンズのところに貼っちゃったらしい)
左字郎さん「あ、ごめん。さっき大向こうのところでいじられたので、今はやりの10倍返しを」のオチ。
最後は3人が順番に「盛大なご声援を」とお願いして挨拶は終わり。
「素踊り 助六」
粋な蛇の目傘をさした松也クンが勢いよく下手より登場する。傘は違うけど、同じ曽我五郎だし「雨の五郎」を思い出す。
こういう踊りは長唄の歌詞を聞きながら動きを見るものなのだろうけど、歌詞はところどころしか聞き取れず、ただ松也クンの動きを見ていた。菊之丞さんの振付らしい端正な踊りである。身体が大きいのでかっこいい。振りも大きく、とくに開いた傘を大きく回すと迫力がある。しかし、力強さはあるのだけど、助六にしてはちょっと甘すぎるような気がした(その甘さが松也クンの魅力ではあるのだけど)。もっともシャープすぎるほどシャープな海老蔵助六の印象が強すぎて、私がその差に捉われているだけなのかもしれない。

休憩のあと、松也クンが1人で登場し、観劇の礼と、特別出演の亀三郎さんへのお礼の言葉を一言述べた。「音羽屋一門で幼少から厳しく教わり世話になっている」とい楽屋に届きますかしら」って。そして「大川端庚申塚ノバ」と「身替座禅」の説明。「身替座禅」については「山蔭右京が奥さんにウソをついて愛人に会いに行くが、奥さんにはバレていて、それを知らずに帰ってきて大変なことになる。ぐさっとくる男性もいらっしゃるのでは?」と笑わせる。
それから恒例、抽選会。今年は國矢さん以下の3人が次の演目の準備があるため、松也クン1人で。当たるはずがないので、商品と当選番号の発表を余裕をもって見守った。

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2013年8月22日 (木)

趣向の華 若木公演

820日 趣向の華 若木公演昼の部(内幸町ホール)
発売当日、電話をかけるのに不自由な状態にあり、ついに断念したこの公演。ところが、なんと、チケットを譲ってくださる方がいらっしゃって、昼の部を見ることができました!! 第2回公演を見て、夏の最大の楽しみになっていたこの公演、今年もたっぷり楽しむことができたのは本当に本当にありがたいことです。
で、前日早く寝ようとしたのに、興奮しているせいか、ぜ~んぜん眠れない。仕事を取り出したり(たいてい、仕事し出すと眠くなる)、梅酒をロックで2杯飲んだり(あんまり飲みすぎると体調に差し障る。梅酒が一番いいかなというわけで)、録画したドラマを見たり(通常、15分見ると眠くなる)、色々手を打ったのにまったく眠くならない。焦れば焦るほど眠れない。こんなこと、めったにないのに。それでもどうにか入眠し、結局3時間ほど眠って朝になった。
ちょっと早めに会場に着いたら、友右衛門さん一家が楽屋入りするのに出会った。
開演時間となり、待ってました、菊之丞、染五郎、勘十郎のお3人が舞台に登場した。染五郎さんは「すべてを受け入れて楽しんでください」。勘十郎さんの「命のある限り弾いて打って」に菊之丞さんがちょっとチャチャを入れ、勘十郎さん「崩壊しない程度に」ですって。
「二人椀久」
例年、若手役者さんの演奏があるのだが、今年は三味線・勘十郎、鼓・菊之丞、立鼓・染五郎、大鼓・壱太郎のほかはプロの演奏と唄であった。
椀久は踊りだとついつい眠気がさすことが多いから、演奏だけだと絶対キケンと心配していたのに、狂乱の椀久の花道の出、松山のセリ上がり、2人の早いテンポでの舞等々、目に浮かぶようで、寝なかった。
「若華競浪花菱織(わかきくらべなにわのひしおり)」
お楽しみ袴歌舞伎である。今年の作・演出は春虹――すなわち壱太郎クンが初の脚本・演出に挑戦。その壱太郎クンの声でヅカテイストの開演アナウンスが入り、楽しい気分になる。
お話は、「再岩藤」を下敷きにしていて(岩藤に関係する部分はない)、岸和田藩をめぐるお家騒動、盗まれたお家の重宝探しに、お初徳兵衛の駆け落ち話を盛り込み、さらには今年出演予定のなかった梅枝、歌昇、新悟、萬太郎の4人が特別出演でチャリ場を演じるというオマケ付き。楽しくないわけがない。

岸和田藩では先代藩主が若くして亡くなり、今は若年の千代丸が藩主となっている。家老・平井市郎右衛門(友右衛門)が後見役であるが、若い千代丸には厳しく口うるさく感じられている。そんな千代丸を牛耳っているのは、剣術師範の犬神兵部(亀三郎)。千代丸役の梅丸クンが兵部に骨抜きにされた若君を品よくだらしなくとても上手に演じていた。
兵部の命令を受けた鮫島岩次(廣太郎)は花火師又助(種之助)をだまして、平井市郎右衛門を殺させる。ここは又助の名前も含めて、だまし方が完全に「再岩藤」のパロディ。ただ、平井を討つ道具が刀ではなく短銃というのが花火師らしい。実は、又助は素行が悪くて勘当された平井の実の息子であった…それがのちの悲劇へとつながる。

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2013年8月21日 (水)

第1回ABKAI

818日 第1ABKAI千穐楽(シアターコクーン)
カーテンコールが45回あったし、スタンディングオベーションをしている人もいたから、とてもよい公演だったのかもしれないけれど、先に謝っておきます。私にはどうもそのよさがわかりませんでした。千穐楽のチケットしか取っていなかったし、それも一番安い三等席(私が海老蔵を見るのにここまでケチるとは…)だったけれど、正直正解だったと思いました。座席はコスパに優れていて、舞台がとてもよく見えたことには満足、でもお尻がモーレツに痛かった~。
各演目の詳しい内容はurasimaru様の「たまてぼっくす」で→ココ
「蛇柳」
どうしてもやっておかなくてはいけない仕事で前夜遅かったため、途中で眠くなってしまった。四世團十郎初演時の数少ない資料や高野山の伝説をもとに新たな舞踊劇として構成されたそうだし、勘十郎さんの振付というので期待していたのだが…。
松羽目ならぬ柳羽目とでも言おうか、能がかりで始まり、丹波の助太郎(海老蔵)と高野山の高僧(愛之助)の問答の途中からダウン。気がついたら助太郎が妖怪(蛇柳の精魂)になっていて、蛇柳の分身たちと暴れていた。
やがて、1階後方から押戻しの声が聞こえてきて、それがどう考えても海老ちゃんの声なのであれれ? 精魂は長いかつぎをかぶっていて顔がよく見えず、後で考えてみればなんとなく違和感がなくもなかったのだけど、いつ入れ替わったのかぜ~んぜんわからなくて本当にびっくりした。押し戻しの金剛丸照忠の口上は千穐楽バージョンだった。
舞台の中央に置かれた庵とか、雰囲気とか何となく黒塚を思わせるが、最後は道成寺風だっただろうか。

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2013年8月20日 (火)

残念な終わり

とてもとても見たかった竹三郎の会、今年で終わりだそうだ。ついに一度も見ることなく、残念。
趣向の華、来年がファイナルだそうだ
crying どうしたらいいの、再来年の夏からは…。

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2013年8月18日 (日)

稚魚の会・歌舞伎会第19回合同公演

816日 第19回稚魚の会・歌舞伎会合同公演初日(国立劇場小劇場)
苦手な早起きをして、さあ出かけようという時になってチケットを持ち忘れたのに気づいた。慌ててケースから取りだしたチケットを見てびっくり!! てっきり11時開演のつもりでいたら、なんと13時開演。無駄に早起きしたわ~。でも劇場に着いてから気づいたのでなくてよかった。
ミーハー的には、芝雀、東蔵、松江、高麗蔵、桂三、魁春(多分)、團蔵、時蔵の各役者さんがお弟子さんの演技を見に来ていたのがツボだった。他にもいらしたかもしれないが、気づいたのはこの8人。他に夫人方が何人か。

今年はA班、B班の別がなく1チームで全公演を行う。しかも歌舞伎会からの出演者は松寿さん1人とちょっと寂しい。
それはともかく、今年の演目は私にとって注目であった。というのも、私が初めてこの合同公演を見た平成18年、第12回公演の演目のうちの2つが「修禅寺物語」と「引窓」で、今年もこの2つが選ばれていたから。細かいことはだいぶ忘れてしまっているけれど、この時の「修禅寺」の梅之さん(頼家)の美しさ、「引窓」の猿琉さん(与兵衛)のカッコよさに心を摑まれてしまったのだった。
今年の舞台は全体に舞踊のレベルが高かったと思う。お芝居の方は初日ということもあり、役者さんたちの緊張度が高く、これからという感じだったろうか。
「雛鶴三番叟」
翁(梅之)、千歳(仲弥)、三番叟(京珠)の3人とも女形で踊る。梅之さんの美しさ、品格は別格である。その品格の中に女形としてのやわらかさも感じられる。面白いことに、歌舞伎役者の舞というよりは舞踊家の舞のような印象を受けた。一番新しい20期生の仲弥さんは、じっとしているのが大変そうだったが、動きに華があった。京珠さんは三番叟としての軽快さに加え、後半は可愛らしさが目を引いた。
「修禅寺物語」
何と言っても三久太郎さん(妹娘かえで)のうまさが光った。声もよし、感情表現もよし。はじめはそうでもなかったが、ドラマが進行するにつれ、極限状態に置かれた娘の緊迫感、姉への思いがこちらの心に届くのである。一度見たら忘れないお顔なのでずっと印象には残っていたが、演技もずっと印象に残るような見事なものであった。
もう一人の20期生、仲助さん、修禅寺の僧という老け役を飄々とした感じでこなしていた。
夜叉王の錦二郎さんはいかにも若いが、目を閉じてセリフだけ聞いていると夜叉王の年齢らしく思えてきた。みどりさんのかつらはあまりピンとこなかったが(全然関係ないけど、「ぴんとこな」と言って「ぴんとこない?」と聞き返した人が私のまわりに2人いた)、はじめのほうで、夜叉王が「かつらの性格は公家の出である母親に似ている」というようなことを言っていたのに対し、最後、かつらは父親と同じなんだと納得できるものがあった。
かえでの夫春彦の獅二郎さんはかなり緊張していたようでちょっとハラハラしたが、若さ、初々しさ、優しさ、職人としての誇りがほどよく出ていたと思う。
頼家のところは少しぼ~っとなっていたのでごめんなさい。

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2013年8月16日 (金)

玉さまと澤山咲五郎

昨日の朝、テレビをつけたら「はなまる」をやっていて、ゲストが榎木孝明さんだった。私は榎木さんが好きなので(テレビデビューのNHK「ロマンス」以来、好き)そのまま見ていたが、「ぴんとこな」に出ていることはすっかり失念していた(「ぴんとこな」は録画して時々ちょこっとずつ見ているものの、第1回が長すぎてちょっと挫けている。見ていればけっこう面白いんだけどね)。
榎木さんは女形の役者役だそうで、玉三郎さんの佇まいを目標にしていると語っていた。そういえば、玉さまと榎木さん、何となくお顔が似ている、と思ってちょっと嬉しくなった。
「ぴんとこな」は何とか第1回をクリアして先へ進まなければ。

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2013年8月15日 (木)

金太郎×團子の胡蝶

あんまり暑くて、5日も前に更新されたらしい情報に全然気づかないでいた(更新情報はちゃんと確認すべし、だね)。
国立劇場10月公演の「春興鏡獅子」、胡蝶をなんと金太郎、團子の2人で踊るのだそうだ。
團子クンは昨年の襲名公演以来、全然見ていないから本当に久しぶり(地方公演には出ていたのかしら)で、実に楽しみ。

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サプライズゲストは

昨日のABKAI、サプライズゲストが出ることは聞いていたが、それが誰なのか、あちこちで色々な情報が飛び交っていた。
結局、予想の中でも第一候補だったナイナイ岡村だったそうだ。
この様子は9月21日「めちゃイケ」の岡村オファーのコーナーで放送されるとのこと。
ミーハー歌舞伎ファンとしてはナマで見られなかったのは残念だが、楽しみ。めちゃイケは普段見ていないのでわすれないようにしなくちゃ。

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2013年8月14日 (水)

ラブログ

愛之助さんが昨日8月13日からブログを始めた(→ココ)。海老ちゃんほどじゃないけど、すでに3回の更新。
「半沢直樹」はCM切ってる時にその前後をちょびっと見ただけだけど、なかなかの怪演のようで
wink

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2013年8月13日 (火)

即日完売?

9月歌舞伎座(花形)のチケット、昨日12日が一般発売日だったでしょ。
なんとなくWeb松竹を覗いてみたら、昼も夜も空席なしになっていた。
もともと貸切日が多いのだけど、一般発売当日に完売ってびっくり(失礼ながら、ホントかなぁ)。
日が経てば戻りとか出てくるかもしれないけれど、油断しないで先行販売で取っておいてよかった。

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2013年8月12日 (月)

エヴァンゲリオン展

88日 エヴァンゲリオン展(銀座松屋8階)
エヴァファンの方には申し訳ない、ほとんどエヴァを知らない私が見てきたなんておこがましくて、またちゃんとしたレポにもなっていなくて、エントリーをやめようかとも思ったのだけれど、自分の記憶のために「見てきた」ということを残しておきたかったので…。

「第1章 終わらないエヴァンゲリオン」ではコミック版の複製原画が見られる。
「第2章 エヴァができるまで」はアニメーション制作過程が紹介されている。
「第3章 人物・エヴァ機設定」ではアヤナミレイの等身大フィギュアが。
「第4章 原画展示」は300点のナマ原画が壁じゅうに貼られていた。

ルーヴル展を見た後のハシゴだったので、足がかなり限界に近づいていて、あまりじっくり見てこれなかったが、それでもこの展覧会が素晴らしいものであることはわかった。とくに私の印象に残ったのは、「破」の第8使徒殲滅作戦ができるまで。脚本、イメージボード、画コンテ、タイムシート等々により、わずかな時間のシーンにかける過程の膨大な手順、細かさ、厳しさが十分伝わってきた。なかでもタイムシートはそれに目を引かれたあとにちょうどその場面の映像が流れていて、シートの具現化が完全にわかったわけではないけれど、非常に興味深いもので感動した。
また300点の原画は人物の表情が生き生きとしていて、そのまま動き出すようで、圧倒された。

 

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2013年8月10日 (土)

見応えある地中海4000年の美術品たち:ルーヴル美術館展②

88日 ルーヴル美術館展「地中海四千年のものがたり」(東京都美術館)
①同様、館長のレクチャーを中心にしています。私の感想はSFとしてちょこっとだけまとめました。
2章「統合された地中海―ギリシア、カルタゴ、ローマ」

・アレキサンダー大王の支配により、ギリシア語を使う文化圏ができた。「プトレマイオス6世の指輪」はギリシア人でありながらエジプトを支配していたプトレマイオス6世の印章である。二重の王冠をかぶっている。ギリシア的な描き方の2つが展示されている(作品番号097098)。
・「ひげのある男の頭の形をしたペンダント」はフェニキアのガラス技術(SF : !!)によって作られた。アレキサンダーによる統一は東方、フェニキア人による統一は西方。フェニキア人によりアルファベットが発明され、地中海に普及した。
フェニキアとローマの間のポエニ戦争によりフェニキアが敗北。フェニキア文化があまり知られていないのは、ローマによる征服と破壊のためである。フェニキア文化はほとんど墓の埋葬品からしかわからない。この作品に描かれているのが誰かは不明。(SF : 小さな作品だが、とてもユニークで一見の価値あり!!
・「水槽の床モザイク(?)」(135)は、人が歩いた床のモザイクだから今回は当時と同様の形で展示したいと依頼した。(SF : もちろん、モザイクの上を歩けるわけではないが、上から見下ろす形で展示されている。半円形のモザイクはイルカと遊ぶキューピッドたちが描かれている。魚や魚貝、波のぎざぎざ線による海の表現が楽しい。色もきれい。床モザイクは他にも3点展示がある)
SF : タナグラ人形が4点:111114。ルーヴルDNPミュージアムラボ第2回がタナグラであったから、思わず駆け寄って見てしまった。第1章で書き忘れたが、エジプトの立像の場合、一般に男性は左足を前に出しており、女性の足は閉じているということを勉強したのもミュージアムラボだった。第1章で左足を前に出した男性立像を見て、それを思い出した。
SF : ルキッラの巨大な頭部(134)は必見。とにかくデカい!! こういうものを作らせたローマ皇帝(ルキッラは皇帝ルキウス・ウェルスの妻)の権力を実感するし、昔映画で見たローマ時代の巨大彫刻などをまさに目の前にした感があった。よく運んだなあとも感心した。
・ローマによる地中海の統一(ローマ帝国)は政治的な統一でもあり芸術的な統一でもあった。しかし地中海統一は7世紀しか続かない。
3章「中世の地中海―十字軍からレコンキスタへ(1090-1492年)」
・キリスト教的東方=ビザンチン、イスラムの地、キリスト教的西方=ラテン系国家の3つの領域が対立する中世。
・イスラムが北アフリカに勢力を伸ばしたのは10世紀半ば。緊張は1090年から始まる。十字軍である。
・ヨーロッパ人にとって1492年は中世の終わりである。1492年はスペインのイスラム国家グラナダ王国の崩壊とコロンブスのアメリカ発見の年。ヨーロッパ人にとって世界の歴史が変わった。
・「恋する男女が描かれた杯」(140)。ギリシア正教、イスラム教、キリスト教3つの文化圏の対立は交流ともなる。技法は中国、中央アジア起源で地中海に伝わった。描かれているテーマは西欧的(フランス人騎士とプリンセス)。つまり西洋のテーマと東洋の技術の融合である。(SF : この作品、去年の夏に盛岡・仙台・福島を巡回したルーヴル展にも出展されていたような…)
・「シビーユの十字架」(147)はセイウチの牙で作られている。エルサレムを一時的に支配していたフランスのアンジュー伯フルクの娘のもの。
・「キプロス王国の紋章の入った盆」(149)は、中世イスラムの特徴を持ちながらキプロスを支配したフランスのリュジニャン家の紋章。(SF : フランスが一時的にせよエルサレムやキプロスを支配していたとは、すっかり世界史を忘れている私。)
・「聖ジョスの骸布」(155)はフランスの聖人・ジョスの骸布の一部。常設されたことはなく、今回初めて海外に貸し出された。文字が書かれていることで、中央アジアでの様子が西洋にも知られるようになった。
・「聖使徒ペトロトパウロ」(166)は西方・東方キリスト教会の接近を示している。

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2013年8月 9日 (金)

見応えある地中海4000年の美術品たち:ルーヴル美術館展①

88日 ルーヴル美術館展「地中海四千年のものがたり」(東京都美術館)
老若男女、幅広い年齢層の鑑賞客でけっこう混んでいたし、一つ一つの展示品をみんなびっくりするくらい丁寧にじっくりと見ていたが、だからといって1カ所に人がたまり過ぎるようなこともなく、比較的いい感じで回ることができた。273点の作品は展示法もよく考えられて、見やすかった。
ちょっと長くなるけれど、720日にルーヴルの新館長ジャン=リュック・マルチネズ氏の講演を聞いてきたので、それを中心に作品を紹介したい(メモがあやふやな箇所もあるので一部のみ)。

今回の展覧会は1つの旅と考えており、ルーヴル8部門からすべてから出展されている。ちなみにルーヴルの8部門とは、
①古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門(1793年~)
②絵画部門(1793年~)
③古代エジプト部門(1827年~)
④古代オリエント部門(1881年~)
⑤美術工芸品部門(1893年~)
⑥彫刻部門(1892年~)
⑦素描・版画部門(1893年~)
⑧イスラム美術部門(2003年~)
である。
以下、館長の話をかいつまんで。
ルーヴルのコレクションが19世紀に充実したのはフランス考古学の発展に伴うこと、フランスがイラン・イラク地域で発掘作業をしたことにより、メソポタミア文明の最高傑作がルーヴルに入ったこと、美術工芸品部門が1893年にできたのは、この時期まで王政復古が可能だと思われていたがそれが無理だとわかって、王室の美術工芸品がルーヴルに入ったことなど、各部門の歴史も興味深い。
素描・版画部門は最も知られていない部門だろう、紙を媒体にしているので傷みやすく常設できないのがその理由、しかし12万点の素描を所蔵しているとのこと。イスラムは最も新しい部門で、古代オリエント部門から独立して20129月に新しい展示室ができた。
ルーヴルがユニークなのは、古代と新しいものが共存しているから。単なる文明・歴史の博物館でもなく、絵画の美術館というのでもない。コレクションの多様性を示すのに地中海展は最適である。
ということで、まずは序章「地中海世界―自然と文化の枠組み」へ。
・地中海は穏やかなように思われがちだが、荒れた海で航海は難しい。「黒像式杯:帆を広げる2艘の戦艦」(001:ここで記す作品についてはあとで自分で探しやすいように作品番号を入れておく)にはイルカが描かれている。(黒像式、そして第1章で出てくる赤像式は現在ルーヴルDNPで展示中のギリシア名作で事前勉強していくと面白いと思う)
・地中海の気候は冬は温暖、夏は暑く乾燥している→麦、葡萄、オリーブの文化が生まれた(アメリカはトウモロコシの文化、アジアはコメの文化であるように)。
・地中海では島が重要である。航海は島から島へと行われた。夜は移動できないので昼間だけの航海である。
・黄金の「キプロスの杯」(018?)に彫り込まれたモチーフにはエジプトの影響がみられる(交流のあらわれ)。

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2013年8月 8日 (木)

小さな幸せ

ささやかな夕食に
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こんなのとか
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こんなのとか、
ささやかなアルコールでささやかに酔っぱらった時、小さな幸せを感じる。
今がその時(部屋、きたない…)。

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2013年8月 6日 (火)

納涼歌舞伎第三部

85日 八月納涼歌舞伎第三部(歌舞伎座)
「狐狸狐狸ばなし」「棒しばり」という演目は20089月初めて赤坂に歌舞伎がお目見えした時と同じである。…。
「狐狸狐狸ばなし」
今でも手拭を頭に巻いて登場した勘三郎さんの顔が思い浮かぶ。扇雀さんが同じ格好で登場した時には一瞬女性に見え、勘三郎さんの面影と錯綜してちょっと混乱した。しかし伊之助は上方の女形役者であったわけだから、女性に見えても不思議はないのだろう。そういえば扇雀さんは赤坂では伊之助女房のおきわを演じたのであった。おきわも面白かったが、扇雀さんのやわらかな雰囲気は伊之助にぴったりだし、いやらしいしつこさは勘三郎さん以上(勘三郎さんは可愛い男に見えた)で面白かった。
おきわは今回は七之助さん。花のようにきれいで純情な娘のような顔をしながら、考えていることはどす黒い。その落差が私はかなり気に入って、扇雀・伊之助がしつこいこともあり、ずっとおきわを応援してしまった。最後まで自分の恋を貫くために(と言ったら聞こえはいいが、そんなきれいな感じじゃなくてもっとドロドロ。でも、ある意味、おきわの純情なのかもね、と七之助さんを見ていて初めてそう思った)、周囲を欺いてまでの生き方はなかなかあっぱれではないか。ただ、おきわにはもうちょっと生活のだらしなさが見えてもいいのかもしれない。
赤坂で段治郎さん(現・月之助)が演じた破戒坊主・重善は今回は橋之助さん。段治郎さんはきれいでさわやかだったという印象があるが、橋之助さんはいかにも、な感じで、おきわも牛娘もなぜそこまで入れ込むのか。どっちつかずの煮え切らなさ(と言うより、女を秤にかけている?)が女を惹きつけるのかもしれない。体も大きく態度もデカいくせに案外小心者の怖がりというギャップが面白い。
勘九郎さんの又市は顔も動き・仕草・セリフも役は違えどお父さんにそっくり。この物語のキーマンとしての存在感はもう一歩かもしれない。
亀蔵さんの牛娘はとにかく奇怪で、さんざん笑わせてもらった一方で、ちょっと悲しいものを覚えた。あんなに重善を好きなのに、好きだからこその妙なクセなんだろうに、そのせいで嫌がられるんだもの(伊之助のしつこさに通じるか)。
秀逸だったのが寺男・甚平の山左衛門さん。主役を邪魔せずに独特の存在感を示す。空気といい味といい、最近の山左衛門さんは充実している。
福造の巳之助クンも若いながら芝居の空気をこわすことなく頑張っていた。
しょっぱな、芝のぶちゃんが長屋の荒っぽいおかみさんを演じていたのが珍しかった。
全体にテンポもよく、ひとの欲と色が絡み合い巻き起こす狐と狸の化かし合いはとても面白かった。

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2013年8月 5日 (月)

久々にスポーツで興奮:世界水泳最終日

ドライヤーをかけながら、ついているだけのTVにニュース速報が入った。
「瀬戸大也が男子400m個人メドレーで日本人初の金メダル」
即、あちこち番組を探したが、中継している局はない。
諦めてベッドに入ったらテレ朝が中継していた。
ついつい、5時近くまで見てしまったのは、瀬戸のレース、そして男子400メートルメドレーリレーをもう一度見たかったから。
萩野選手は最後失速してしまい残念だったが、でも全部で17レース泳いだとか(銀メダル2つ)。自分が決めたことで自分の責任という萩野選手はカッコよかった。そして公介(こっちもコースケ)がいたから今の自分があるとライバルを讃える瀬戸選手もカッコよかった。
トップに立ったということは追われる立場になったこと。金を目指す萩野選手ともどもこれから苦しい練習の日々が続くだろうが、リオへの期待がふくらむ。
リレーではタッチの100分の1秒差が明暗を分けるっていうこと、初めて知った。
北島選手が言うように「これがリレー」なんだろう。繰り上げでも銅が取れる順位にいたことが大事だ。
久々にスポーツで興奮した。
これからは世界陸上だね。

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2013年8月 3日 (土)

百聞は一見に如かず:恐竜ショー

82日 「ウォーキング・ウィズ・ダイナソー」(埼玉スーパーアリーナ)
恐竜を見るのは「ジュラシック・パーク」以来。ネタバレ、ばればれですが、百聞は一見に如かずです。
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時開演のところ、10分前から日本公演の特別映像が流れると聞いていたので少し早めに行くことにしたら、1時間も前に着いちゃって、しかも特別映像はちっとも始まらなくて、1時間ただぼんやりとアリーナに設けられたステージを見て、どんなイベントなんだろうと頭をめぐらすだけ(予備知識ほとんどなかったもので)。
開演
20分くらい前になると、ステージの周りの数か所から女性スタッフがワイヤーで吊り上げられ、天井下にある籠みたいなところに入った。照明か何かを操作するらしい。

 事前の注意で携帯は恐竜さんたちをびっくりさせるから電源を切るようにとアナウンスが入った。携帯で写真を撮る人はどうするんだ(フラッシュ撮影と動画撮影以外はOK)と思ったら、機内モードにするようにということ。機内モードってそういうことだったのか、と初めて知った。
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時、やっと映像が流れ始めた。恐竜の名は、イギリスの古生物学者リチャード・オーウェン博士が1842年「ダイナソー」(ディノサウルスよね)と名付けたところから始まった。ダイナ=恐ろしい、ソー=トカゲという意味である。今回のショーはアニマトロニクスという技術を使って、実物大の恐竜を動かすのである。恐竜は現在約1000種が確認されているとのこと。アニマトロニクス、恐るべしだ。
映像が終わると、古生物学者のハクスリー博士が登場する。演じるのはイギリス人キャストで、会場には日本語吹き替えが流れる。そのコンビネーションが見事だったし、自分の好きなものを紹介するという喜びと熱意がこの博士の説明には溢れていて、自然と引き込まれる。また子供にも分かりやすいやさしい言葉で説明しているのがいい。映像、音響、照明が効果的に使われて、観客は博士とともにまさに恐竜ワールドへと旅立ち、恐竜の誕生から絶滅までの歴史を体感することになる。
時はBC22000年(想像もつかない)、パンゲア超大陸時代、三畳紀である。世界は日照り続きの砂漠。そこに恐竜の卵が誕生する。卵は、外界の乾燥から中の赤ちゃんを守ってくれるのだ。卵を破って外界に顔を出す赤ちゃん。そこへ現れるのが最初の肉食恐竜リリエンステルヌスである。小型恐竜である。身軽にあちこち走り回り(スピード、速い)、赤ちゃんを見つけてしまった。そして赤ちゃんはこいつに食われてしまった。恐竜といえど赤ちゃんは可愛く、既にこの時代から弱肉強食だった世界の厳しさを感じた。
そこへ現れたのは草食恐竜プラテオサウルス。赤ちゃんの親だろうか。群れで暮らしていたというから仲間だろうか。リリエンテルヌスと戦って赤ちゃんを守った。
時を超え、ジュラ紀へ。パンゲアは分裂していくつかの大陸と海ができた。雨が増え、地球は緑の世界へと変化する。私の席はアリーナ席だったので、草が邪魔で恐竜の足元がよく見えなかった。もっと上方の席なら全体が見渡せただろうが、間近で見る迫力と博士と同じ地上で見ている感はアリーナ席ならではのものだろう。草もそういう臨場感の一つと思えば、まあいいか。
13080302dinosaurs おなじみステゴサウルス登場。ステゴサウルスのとげとげに見えるものは、身体を大きく見せるためだそうだ。ここでの見どころはアロサウルスとの戦い。ステゴもアロも大きい。リアルな皮膚感(触ってみたい)、リアルな動きは迫力たっぷりだ。やがて雷が地上を襲う。山火事が起こる。大きくて強い恐竜たちも火だけは恐れる。這う這うの体で逃げ出すステゴとアロ。今回の山火事は雨が消してくれた。
ジュラ後期になると、草食恐竜ブラキオサウルスが登場する。あれ、意外と小さい、と思ったら子供であった。子供が襲われる(え~と、何13080303dinosaurs に襲われたんだっけ?)。危ない、と思ったら親が助けにきた。親はデカい!!! 頭の高さは10mを超え、体重は30トンもあるそうだ。そんなデカい親と一回り小さい子、そして肉食恐竜が繰り広げる戦いはほんと面白かった。親は無事に敵を撃退し、しばし親子ののどかな微笑ましい光景が繰り広げられる。
と、ここで休憩。

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2013年8月 2日 (金)

適材適所で思い切り楽しめた「頭痛肩こり樋口一葉」

731日 「頭痛肩こり樋口一葉」(紀伊国屋サザンシアター)
当日券も完売、満席のこの日、NHKのカメラが入っていました。
面白かった!!
一葉の暮らした本郷菊坂は、小学校から高校まで同級だった友達が今でも住んでいるところだし(先年娘と散策して一葉の井戸も見学してきた)、西片町は幼稚園時代ピアノを習いに行っていた場所だし、こんにゃくえんまは子供時代の遊び場だったし、吉原の一葉記念館にも行ったことがあるし、もうそういう地理的な条件だけで、入り込んでしまえるのである。
初見だったのでこれまでのキャストとの比較はできないけれど、このキャストで最初に見てよかったと思えるくらいみんな、ぴったりはまっていた。
樋口夏子:小泉今日子
樋口多喜(夏子の母):三田和代
中野八重:熊谷真実
稲葉鑛:愛華みれ
樋口邦子(夏子の妹):深谷美歩
花蛍:若村麻由美
出演者はこの6人。
明治23年(1890)、夏子19歳の盂蘭盆会から始まり、明治31年(1898)、多喜の新盆まで。場面は1度だけ10月のことがあるが、あとはすべてその年のお盆の日の夕方の出来事。井上ひさしがうまいと思うのは、ごくありふれた出来事をドラマにしてしまうところだ(実際、私たちの日常だって、当事者にとってみればドラマチックなことはよくある)。
出だしは邦子の深谷さんを除く5人があどけない少女となって盆唄を歌って歩く。
時代は江戸から明治へと変わり、そのために「世が世なら」というお姫様(稲葉鑛)も金の無心さえしなくてはならない生活を送っている。このお姫様のダンナが夢ばかり追っては事業に失敗して借金をふくらませる地に足のつかない男なのだが、そういう男の姿が女性たちの生き生きした口調で語られると、悲惨な生活も面白おかしく感じられて、暗く落ち込まないのがいい。愛華みれさんがかつてのお姫様らしいおっとりとした、しかし現実に立ち向かう強さをもった奥様にぴったり。歌もさすがで、声量が他の人とは違う(当たり前か)。
中野八重にしても、兄が投獄され罰金を払うに払えない極貧状態であったのが、なんと兄の裁判を担当した裁判長のもとへ玉の輿という幸運。いやいや、兄を獄死させた裁判長の妻になるとは何たる皮肉。しかし女は逞しい。ところが、数年後、八重は裁判長に飽きられ、卑劣なテで追い出される。そして女郎になった八重。その八重の馴染み客が鑛の二度目の夫とは、再びなんたる皮肉。仲のよかった女同士は妻のあり方について罵り合い、取っ組み合い。啖呵を切るお姫様は迫力があってかっこいい。女は本当に逞しい。熊谷真実さんの愛らしさとふてぶてしさが八重そのものである。女しかでてこない芝居なのに、女たちの口から語られる男の姿がはっきりと見えるのがさすがの井上ひさしだし、女優たちの男を語る口調によってさらに男たちの存在がくっきりと浮かび上がる。

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